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楽しみながら基礎からみっちり

広島県北広島町の新庄小学校で「走り方教室」
児童35人が参加し日清食品・陸上競技部の2選手が指導

 広島県の北広島町立新庄小学校(広島県山県郡北広島町新庄、津田泰成校長)で9月5日、ベルマーク・ソフト援助「走り方教室」がありました。講師は、日清食品グループ陸上競技部の板山学さんと小野裕幸さんの選手2人。新庄小学校の5・6年生35人が、足の上柔軟運動にストレッチも十分にして体をほぐしましたげ方から、反射神経の鍛え方まで、楽しみながら基礎からみっちりと教えてもらいました。 講師の板山さんは岩手県出身で、中央大学で箱根駅伝に優勝、長距離を中心にこれまで長野マラソン4位入賞(2004年)、市民ランナー3万人が出場する東京マラソンでも8位入賞(2007年)などマラソンで活躍しています。小野さんは群馬県出身で、順天堂大学の時に箱根駅伝で優勝したほか、全国の実業団代表30チームが出場するニューイヤー駅伝でも優勝を果たしています。
 会場となった新庄小学校は、島根県に隣接する広島県北端の町で、周囲を山に囲まれた農村地帯にあります。運動場は3年前に植えた全面芝張りになっています。
 走り方教室は選手インタビューから始まりました。6年の和田直緒人(なおと)君が「レースでこけるとどれぐらいロスをするのですか」と、5年の河野遥菜(はるな)さんが「走るときの呼吸の仕方はどうするのですか」など、児童たちは次々に手をあげて質問。2人の選手走り方」は、講師が説明した後で、必ず見本を示しましたは「こけると長距離の場合はカバーすることもできますが、短距離だとほとんど無理です」「息の仕方は選手によって違います。練習をしながら自然に身についていきます」とていねいに答えていました。
 保護者で普段から走ることが好きだという有間宏史さんと、見川貴史さんの2人も時間を作って参加。選手に「走ることの魅力は何ですか。これまでで一番うれしかったことは何ですか」などと問いかけました。板山さんは「中央大学の時に出場した箱根駅伝で往路優勝した時です。そんないい結果が出せた時、一瞬の喜びのために努力する。そこが楽しくて、走る魅力になっていますね」。小野さんは「ゴールした時、競い合っている相手と『今日は負けた。次は負けねえ』とやり取りした瞬間です。やはり優勝した時はうれしかったです」と話していました。

選手や担任の先生、保護者も加わって対抗リレーで締めくくり。激しいデッドヒートをみせました
 運動場での練習は、まず運動場に白線で書いたトラック(1周123メートル)を3周。それからストレッチ運動です。
 「筋肉のどこが伸びているのか意識しながら、少し痛いぐらいに伸ばして」
 板山さんや小野さんの助言を聞きながら、児童たちは体の側面を伸ばしたり、体を前後に屈伸したり、ひねったり、手首足首を回したり、腿の後ろを伸ばしたり順にほぐしていきました。
教室終了後に講師と一緒に記念写真=いずれも広島県北広島町新庄の新庄小学校で
 走り方の基礎として①しっかり腿(もも)を上げながら走る②スライドを伸ばすために腰をひねりながら走る③両手を前に出し、つま先が指先に届くぐらいまっすぐに上げながらゆっくりと、コーンを置いた30メートル区間を行ったり来たり順に走りました。
 腿上げが上手いとほめられた5年の大内英寿(えいじゅ)君、足を上げるリズムが良いと言われた5年の有間良花さん、走るフォームが良いと紹介された5年の濱田遼香さんたちは、みんなの前で「模範演技」を披露して「なんだか速く走れそう」とうれしそうにしていました。続いてスタート練習として反射神経を鍛える運動をしました。練習は①後ろ向きに座って笛の合図で走り始める②後ろ向きに横になって笛の合図で走り始める③正面を向いてうつぶせに横になって、いつ鳴るか分からない笛の合図で走る……を順に練習。短距離走用のクラウチングスタートを教えてもらい、走るフォームを意識しながらスタートダッシュを繰り返しました。締めくくりに4チームに分かれた児童チームと2選手チーム対抗のリレー競走第1レース。2レース目には6年の担任の高槻雄志先生、5年担任の有森英一先生、保護者2人を加えた「大人6人チーム」との対抗リレーがあり、競り合う場面もある激走を見せていました。
 最後に板山さんと小野さんが「みんなは飲み込みが早く優秀です。この中からトップアスリートが出てくる気がしました。最初の基礎的な練習は退屈だったかもしれませんが、ちょっとやっただけでもちょっとだけ速くなります。これからもスポーツを身近なものとして楽しんで走ってください」と講評しました。
 6年の和田直緒人君が「みんなに速く走るこつを教えていただきありがとうございました。最後のリレー楽しかったです」とお礼を言いました。最後に児童たちは、2選手と一緒に記念写真を撮り、中には帽子や水筒にサインをしてもらった児童もいました。6年の佐々木美穂さんは「足の上げ方や走る方法の練習はしたことがなかったので、しんどかったけど楽しかった。多分50メートル走で1秒ぐらいは早くなりそうな気がしました」とうれしそうにしていました。

≪写真上から≫
・柔軟運動にストレッチも十分にして体をほぐしました
・走り方」は、講師が説明した後で、必ず見本を示しました
・選手や担任の先生、保護者も加わって対抗リレーで締めくくり。激しいデッドヒートをみせました
・教室終了後に講師の小野選手(前列左)と板山選手(同左から4番目)と一緒に記念写真=いずれも広島県北広島町新庄の新庄小学校で

(2012/09/19)

「津波のことよう分かりました」

避難訓練の後で住民も勉強    徳島・鳴門市立北灘中で「理科実験教室」

 徳島県鳴門市立北灘中学校(鳴門市北灘町大浦、三澤利夫校長)で9月3日、教育応援隊「理科実験教室~波の仕組みと津波」が開かれました。講師は、元高校教諭で波の研究で知られる堀込智之さん(宮城県在住)。東日本大震災で自宅のあった宮城県石巻市で「実験教室」の前にあった、地域と合同の避難訓練。「大津波警報が発令され、避難勧告も」との想定で、生徒も地域の人たちも一緒に中学校のグラウンドから高台にある神社へ「2次避難」。三澤利夫校長(右手の階段に立っている)が「命を守るにはどうしたらいいか、常に考えてください」と促していましたの被災体験も織り込みながら、波の性質と津波の起こる仕組みを話していただきました。この日は地域と合同の避難訓練もあり、中学生はもちろん訓練に参加した地元の人たちも堀込先生が次々に披露される波の実験とその解説に、驚いたりうなずいたりしていました。
 北灘中学のある鳴門市は徳島県で一番北にある市です。東には渦潮で有名な鳴門海峡があり大鳴門橋を介して兵庫県の淡路島とつながっています。北側は瀬戸内海に面し、西隣は香川県です。中学は、鳴門市の西北端にある瀬戸内側の漁業を主にしてきた地域にあります。理科実験教室は、三澤校長が提案した北灘中学「防災学習」のひとこまです。「防災学習」は、東日本大震災の巨大津波に遭いながら懸命に避難することができた岩手県釜石市の中学生たちの記録を映像で学んだ「釜石の奇跡」学習(7月)と、夏休み中の8月にあった簡易テント作りや湯沸かし、非常食試食など「体験・避難生活」に続くものです。締めくくりには、徳島県の防災センターを訪れて、地震だけでなく大雨や強風などの台風体験や消火訓練も予定しているということでした。

「理科実験教室」は、水槽に波を起こしてその伝わり方を見るところから始まりました
 実験教室に先だって行われた合同避難訓練は、「東海・東南海・南海の3連続のマグニチュード9.0の地震が発生。鳴門市で震度7を観測。大津波警報が発令され、避難勧告も出された」という想定でした。生徒たちが「第一次避難」として運動場に避難したところに、地域の人たちも集まってきました。
 続いて津波から逃れる「第2次避難」として、生徒も地域の人も一緒に、学校から約100メートル南の高台にある神社に避難しました。実際の海岸線のように水深を変える底板(黄色)を取り付けて波を起こす。模型ながら勢いのある水が陸上部へ侵入して行きました三澤校長たちは「いつ地震や津波が来るか分かりません。いつもその場所その場所で、地震や津波が来たら、どう避難するか考えてください。北灘地区は地震の激しい揺れで海沿いの道が埋まってしまい、孤立するかもしれません。各家で非常用の水や食料を置いておくことも大切です。校舎や門が壊れるかもしれません。自分の命をどう守るか考えていてください」と呼びかけていました。
 地区自主防災会の尾瀬栄喜雄(おせ・えきお)副会長は「昨年の避難訓練は地域だけで行いました。この地区は高齢者が多く、一人暮らしの人も少なくないので、いざという時には若い中学生たちの力を借りることも必要だな、と感じました。今後とも学校と連携を進めいきたい」と話していました。
 実験教室の本番は、訓練の後、中学の2階にある理科室で開かれました。北灘中学の生徒7人、先生たちや教育委員会の人、大学の先生、地域の人たち合わせて25人が集まりました。実験装置は教壇の上に置いた、透明なアクリル板で作られた大きな水槽でした。教壇に向かって左手から波を起こし、岸に見立てた右手に波を吸収する装置を取り付けたり外したりして、実際に波を起こして水面と水中の水の動き方の違いや波の伝わっていく様子から説明が始まり、実際の海岸のように傾斜を付けた底板を取り付けて浅瀬での水と波の動き方へと順に進んでいきました。
生徒に手伝ってもらって「波のしくみと津波」の実験のおさらいも=いずれも、徳島県鳴門市北灘町大浦(実験教室は北灘中)で
 続いて、水深千メートルの海を伝わる実際の津波の波長の記録を再現した、横長の紙を見せながら「津波は、沖にいるといつ津波が来たのかすら気付かないぐらいの長い長い波長なのですが、海岸の浅瀬に来ると一気に水が押し寄せるように海面が盛り上がり、内陸深くまで到達します。リアス式のV字型の湾だとさらに波が高く押し寄せてしまいます」など、堀込先生が津波の起こる仕組みを説明しました。模型ながら水槽の中のV字谷を駆け上がる水の勢いを見て「うわっ」と声を出してしまう生徒や地域の人もいたほどでした。
 堀込先生は、水槽模型を使った実験のほか、連続写真や動画も映しながら、東日本大震災での自らの被災体験や記録映像も使って説明。「東日本大震災では海岸線より、海から離れた奥の方が亡くなった人や行方不明になった人が多かったのです。それは、海岸線の人たちは津波を恐れてすぐに避難したこと。一方で奥の人たちは大丈夫と言われて逃げ遅れてしまったことがあったようです。津波から逃げるには①想定にとらわれない②最善をつくす③率先して避難する――ことが大切です」と締めくくられました。
 説明を聞いていた70代の女性は「津波のことよう分かりました。良かったです。地震が来たら逃げないかんなと思いました」と感想を話していました。3年生の長谷祐貴君は「波や津波の仕組みを説明してもらって、今まで知らなかった津波が深刻なものということが分かり、考えさせられました」。生徒会長の志内瑞歩さんは「津波は体験したことがなかったので、今日の実験教室で津波の怖さを実感しました。これからの防災に役立てたいと思います。ありがとうございました」とお礼も含めて話していました。
 後日、生徒たち7人全員から「実験教室」の感想文が届きました。「ご自分の地震体験も含めて、いろいろな器具を使って分かりやすく教えて下さいました」と堀込先生へのお礼に添えて、2年生の篠原奈那さんや3年生の日下恵理さんたちは「大人の人たちが働いている昼に地震が起きた時、中心になるのは私たちです」「この学習を通して学んだことを生かして、私も人を支えられるような人になりたいです」「波の性質についてもっともっと詳しく知り、調査を重ねることで、強い波に耐えられる堤防などを作り出すことが出来るのではないかと思いました」と元気な感想を寄せてくれました。

≪写真上から≫
・「実験教室」の前にあった、地域と合同の避難訓練。「大津波警報が発令され、避難勧告も」との想定で、生徒も地域の人たちも一緒に中学校のグラウンドから高台にある神社へ「2次避難」。三澤利夫校長(右手の階段に立っている)が「命を守るにはどうしたらいいか、常に考えてください」と促していました
・「理科実験教室」は、水槽に波を起こしてその伝わり方を見るところから始まりました
・実際の海岸線のように水深を変える底板(黄色)を取り付けて波を起こす。模型ながら勢いのある水が陸上部へ侵入して行きました
・生徒に手伝ってもらって「波のしくみと津波」の実験のおさらいも=いずれも、徳島県鳴門市北灘町大浦(実験教室は北灘中)で

(2012/09/18)

1週間後の運動会が楽しみ

神奈川県大和市立下福田小学校で走り方教室

 神奈川県大和市の下福田小学校では9月6日、1年生から6年生まで120人がベルマーク教育助成財団の「教育応援隊」走り方教室友達と組んでもも上げの練習=神奈川県大和市福田の下福田小学校でに参加しました。
 運動会の1週間前でした。校長の丸山弘司先生が「いいタイミングです。みんなちょっと早く走れるようになるかな。楽しみにしています」と児童を励ましました。
 講師は「ミズノスポーツサービス」の西岡勝義さん。早く走るには、体をまっすぐにして、ももを上げ、力強く地面をけることが大切だと話しました。その感覚をおぼえるために、手を伸ばしてバランスをとって歩くことからスタート。スピードをあげたり、後ろ向きになったり、児童たちは楽しそうに練習に取り組みました。
 5年生の熊谷陸くんは冬にスキーでころんでしまい、足の骨が折れるけがをしてしまいました。その後は、思い切り走るのがこわかったそうですが、勇気をだして走り方教室に挑戦。最後まで参加して「楽しかったです」と話していました。

《写真》友達と組んでもも上げの練習=神奈川県大和市福田の下福田小学校で

(2012/09/18)

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