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最近の援助から

「お絵かき教室」20人が絵の楽しさを味わう

42校目は沖縄県久米島(くめじま)町立比屋定(ひやじょう)小学校

 ベルマーク教育助成財団のへき地校援助の一つ「お絵かき教室」が1月23日、沖縄県久米島町立比屋定小学校(宇江城洋一校長、22人)で開かれました。沖縄本島の那覇市から西に約100キロ離れた久米島の北部にあります。講師はベルマーク新聞の4コマ漫画「ベルちゃん」や、ベルマーク手帳の表紙画の筆者で、静岡県伊東市で自宅兼ギャラリー「わらべ絵館」を開いている喜田川昌之さん(74)です。アシスタントの学芸員、戸谷ユカさんも同行しました。子どもたちは目をキラキラ輝かせて夢中で絵を描いていました。
 全国のへき地校を回って、喜田川さんが子どもたちに絵を描くことの楽しさを教える「お絵かき教室」は2002年度から始まったもので、この比屋定小が42校目。比屋定小では午前、午後の2回に分けて開きました。対象(欠席者2人)は午前が2~4年生の9人、午後が5、6年生の11人です。

  
  

 2~4年生の授業は午前9時30分から始まりました。喜田川さんは初めに子どもたちを教壇に集め、「ベビーブック」と書かれた古い一冊の本を取り出しました。これは喜田川さんが子どものころの成長を記録したものです。後ろから宇江城校長や新垣忍教頭ら先生たちものぞきこんでいました。

「さぐり絵」の基本。「ひみつ袋」の中身に触る
 子どもたちが興味を示したところで、最初の授業は「さぐり絵」です。子どもたちの前に、両端が開いた細長い黒、茶色の袋(ひみつ袋)が配られます。実は袋の中身はたわし、やかん、砂時計、けん玉など。9人は恐る恐る手を入れて触りました。「何が入っているのかなあ」と喜田川さんが聞くと、「あーっ、分かった!」。あちこちから弾んだ声が上がります。みんな目を輝かせて画用紙に向かって鉛筆で輪郭を書き始めました。これは視覚に頼らず、手で触って指先に集中して、その物の特徴をつかんで形を作る方法なのです。喜田川さんが「ちょっと2~4年生の記念撮影。自信作は「感じ絵」が中心大きめに描こうか」とアドバイス。描きながら触って、形が出来ると、クレヨンで色を付けていきます。出来た子どもたちは中から品物を引き出して、改めて触って形や色を確認していました。
 次は、漢字の一文字からイメージを膨らませ、風景や動植物などを描き加えて、仕上げる「感じ絵」です。喜田川さんが黒板に「土」の周辺に車や猫、草などを添えて、手本を見せました。「それじゃ、『土』を描いてみよう。『答え』はないからね。漢字を大きく太く、画用紙に描いて色をつけよう」。
 子どもたちは黒のフェルトペンで画用紙に「土」を描きました。そして何を添えるか、みんな真剣に考えます。教室が静かになりました。しばらくすると、「土」の周辺に太陽や雲、家、木、鳥、カブトムシ、クワガタムシ……。それぞれのイメージが現れました。
 「土」が完成すると、子どもたちが2回目の画用紙に向かいました。のぞきこむと「空」「山」「川」など、思い思いの漢字で描き始めます。象形文字のような模様も登場。さらに「玉」「美」「倫」と、自分の名前の一文字を描く子もいて、虹やハート、人形などを添えていました。
 最後はアニメーションづくり。2枚の絵の組み合わせを交互に見ると、絵が動き出すという基本的なアニメーションづくりです。ウサギが縄跳びをしているのですが、2枚を交互に見せると、「オー、跳んでいるよ!」と子どもたち。喜田川さんが見本を見せた後、子どもたちが作り始めました。1枚目の形を少しずつ移動させたり、ジャンプさせたり。すると、動くアニメーションが出来ました。
 休憩を含めて約2時間半の授業が終わりました。子どもたちは「色々な絵の描き方を教えてもらってよかったです。特に『パラパラ漫画』が面白かったので、家でもやってみます」「手で触って全体を想像して描くことが楽しかったです。もっと絵が上手になりたいと思いました」などと思いを述べました。

  
  

 5、6年生の11人を対象にした授業は午後から。「さぐり絵」から始まり、「自画像」「アニメーション」づくりへ。「自画像」は高学年対象5、6年生の記念撮影。「さぐり絵」「自画像」を手にのものです。
 喜田川さんは「とりあえず顔を触ってみよう」とアドバイス。髪、眉毛、鼻、耳……。「顔の中身はみんな骸骨の形をしているんだね。この顔を鏡で見ながら描いてみよう。どこから描く? みんな気になるところ、例えば目とか鼻、ほくろとか、気になるところから始めよう。はいスタート」。午後の教室も静かになりました。真剣に鏡を見る子どもたち。そしてインクで描き始めます。目を大きくして、髪を入念に直していく子どもたち。そして絵具で色を付けていきます。完成する子、入念に直す子、と様々ですが、まもなく1時間になります。喜田川さんは「途中ですが、完成は先生たちにお願いします」と引き継いて、最後の授業、アニメーションづくりに移りました。
 後半の授業も2時間半弱で終了。「アニメーションづくりで楽しさを教わり、何かもっともっと楽しいことがあるだろうと思いました」「今日は本当の自分の顔を描くことが出来ました」「喜田川先生に色々と絵に関する知識を教えてもらいました」「絵を描くことが好きになって、とてもうれしい」「アニメーションづくりは難しかったけど、少し頭をひねるとたくさんかけることが分かりました」――。子どもたちから率直な感想が続きました。

5、6年生の記念撮影。「さぐり絵」「自画像」を手に
 最後に喜田川さんが「きょうは皆さんに『絵の楽しさ』を味わってもらったつもりです。それは時間を忘れて没頭して、集中できたからなのです。これから体を鍛えて、絵もかいて、大きく育って下さい」と締めくくりました。

  
  

 久米島の人口は約8400人。島は良い水に恵まれ、サトウキビの栽培など農業や観光産業が盛んで、泡盛の生産でも有名です。比屋定小学校は1895年5月、真謝尋常小学校の比屋定分校として創立されました。標高310メートルの宇江城岳を背景に、海抜100~200メートの小高い場所に位置し、東シナ海の青海原を眺め、自然環境に恵まれています。教育目標は「心豊かなたくましい子」「よく考え進んで学習する子」「ふるさとを愛し世界に目を向ける子」です。島に6つの小学校がありますが、児童数では比屋定小が最も小さい学校です。

≪写真上から≫
・「さぐり絵」の基本。「ひみつ袋」の中身に触る
・2~4年生の記念撮影。自信作は「感じ絵」が中心
・鏡を見て「自画像」に色を付けていく
・5、6年生の記念撮影。「さぐり絵」「自画像」を手に

(2014/01/30)

42人が実験に挑戦、クリオネに歓声

理科実験教室 君津市立三島小学校

 気候が温暖な房総の子どもたちに、冷たい氷の世界に触れてもらおうという理科実験教室が1月28日、千葉県君津市立三島小学校(安田成秀校長、42人)で開かれました。

北海道のオオワシはこんなに大きいよ。白衣姿が桑原尚司さん
 講師は、北海道紋別市の道立オホーツク流氷科学センター学芸員、桑原尚司さん。オホーツク海でとったクリオネや本物の流氷を持ち込みました。
 実験はまず、厳寒の地で見られる「ダイヤモンドダスト」の再現から。空気中の水蒸気が凍りつく現象です。桑原さんは発泡スチロールの箱にドライアイスを詰め、金属の茶筒のような入れ物を冷やします。十分冷えたら、子どもたちに筒の中に息を吹きこんでもらいます。中をスポイトを使って試験管に水を注入。うまくいった!LEDライトで照らすと、息が凍ってキラキラ光っています。歓声がわきました。
 続いて「過冷却」の実験です。難しい言葉ですが、水の凍り方がわかる実験です。試験管に海水を入れてマイナス7~8度に冷やします。そーっと動かさないでおくと、海水は液体のまま。そこに氷のかけらをポトンと入れると、一気に凍りつきました。凍るにはそんなきっかけが必要だったのです。
 「高い高い空の上でも、同じことが起きています」と桑原さん。ただよう水蒸気にほこりなどがぶつかると、凍りついて落ちていきます。地上が暖かいと溶けて雨に、寒いと雪になるのです。なるほど、と参観しているお母さんもうなずいていました。
 クリオネはペットボトルにはいっています。「いるいる、生きてる」とみんなびっくり。貝殻がないけれど巻き貝の仲間と聞き、「大きくなったら、どうなるの」と質問が出ました。「これが大人なんですよ」といわれて、また驚きました。南極には10センチほどになるクリオネがいるそうですが、「大きいと、だれもかわいいと言ってくれません」とのことでした。
 この実験教室は、ベルマーク財団のへき地校支援事業です。君津市の山間部にある三島小は県内で唯一、へき地校に指定されていま流氷科学センターで保管していた本物の流氷ですす。全校児童42人と先生方、希望した保護者9人が参観しました。お母さんの熱心な様子は、日ごろの学校とのきずなを感じさせてくれました。

≪写真上から≫
・北海道のオオワシはこんなに大きいよ。白衣姿が桑原尚司さん
・スポイトを使って試験管に水を注入。うまくいった!
・流氷科学センターで保管していた本物の流氷です

(2014/01/30)

転校生といっしょに図工室を大改装

 児童数5人の小さな学校。ある日、そこに2人の転校生がやってきました。名前は、福島浩二くんと宮川遥弥(のぶや)くん。2人は先生たちに内緒で5人を図工室に呼び、言いました。「みんなでいっしょにこの部屋を大改装して、先生たちを驚かせちゃおうよ!」。いたずらみるみるうちに部屋が銀色になりました好きのみんなは、もちろん大賛成。
 これはへき地学校援助の一つで、12月3日に長野県阿南町立和合小学校(田畑尚子校長)で開催した出前アート教室の冒頭部分です。この日講師を務める美術家の塩川岳さんの企画で、たった1日だけやってきた2人の転校生が、先生たちを驚かせようと、在校生5人にいたずらをもちかけるという筋書きです。転校生役の福島さんは、東京造形大学出身のアーティスト。宮川さんは、多摩美術大学の3年生です。
 塩川さんから作業内容の説明がありました。そして「中で行われている絵を描いてみようことは絶対に言わないように」という注意も。秘密を共有した子どもたちの目がキラキラと輝きました。
 さっそく7人は、力を合わせて作業を開始しました。まずは、部屋中をアルミホイルで覆っていきました。壁や窓、黒板やドア、それに床まで、みるみるうちにギンギラギン。それだけではありません。机やイス、倉庫から持ってきた地球儀や時計も、ありとあらゆるものがアルミホイルで包まれていきました。
 「じゃあ、今度は壁に絵を描こう!」。取り出したのは、光を蓄えて暗い所で光るペンでした。蓄光用マーカーというもので、色は白。スティックのりのような書き心地です。7人は思い思いの絵を描いていきました。でも、明るい室内では何を描いたのかよくわかりません。
 そのとき、突然部屋の電気が消えました。同時に真っ暗な室内に明かりが一つともされました。子どもたちから「うわー」という声が上が電気を消すと、不思議な世界に変わりましたりました。先ほど描いた絵が、暗闇の中に浮かび上がったのです。明かりの正体はブラックライト。図工室が、幻想的な世界に変わりました。
 明るい部屋と暗い部屋、先生たちを二度びっくりさせる作戦を立てました。部屋の電気をつけ、ドアを閉めて、児童5人は職員室へ先生を呼びに行きました。
 いよいよお披露目です。子どもたちが「どうぞお入りください」と図工室のドアを開けました。先生たちは、一歩図工室に入るなり「すごーい、すごーい」と銀色の世界にびっくりしていました。一つめの作戦はみごとに成功したようでした。
 続いて、電気が消えてブラックライトがつけられました。再び先生たちから驚きの声が上がりました。二つめの作戦も成功しました。
 子どもたちは口々に「アルミホイルで、こんなにすごい部屋ができるなんて、びっくりした」「先生たちが驚いてくれてよかった」と話していました。
 この部屋はしばらくこのままにしておいて、保護者が来校したときに見てもらうそうです。
 和合小は、児童5人に教職員を加えても13人です。給食は、ランチルームに全員が集まり、一つのテーブルを囲んで食べています。飯田市内から車で1時間ほどの静かな山あいにあり、学校の脇には清流・和知野川が流れています。夏は格好の子どもたちの遊び場になります。

みんなで記念撮影。左が講師の塩川さん

≪写真上から≫
・みるみるうちに部屋が銀色になりました
・絵を描いてみよう
・電気を消すと、不思議な世界に変わりました
・みんなで記念撮影。左が講師の塩川さん

(2013/12/09)

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