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兵庫県姫路市立広畑小学校でオーサー・ビジット

絵本作家のスズキコージさん みんなで万国旗やお面・冠作り

 兵庫県姫路市の市立広畑小学校(藤井三津子校長、児童数306人)は2012年、創立140周年を迎えました。記念行事のひとつとしてベルマーク版オーサー・ビジットがあり、絵本作家・スズキコージさんが訪問。4年生以上約180人の児童たちと、色とりどりで形も思い思いの万国旗や奇想天外なお面などを作りました。締めくくりに、出来上がったお面や冠をかぶり、旗を持ってパレード。歓声が響きました。
 スズキさんは静岡県出身。1971(昭和46)年に個展「コージズキンの世界」を開いたのを手始めに、創作絵本や画集、映画や演劇のポスター、舞台装置や衣装、壁画など幅広い創作活動をしています。87(昭和62)年に「エンソくんきしゃにのる」(福音館書店)で小学館絵画賞を受賞、最近では09(平成21)年に「ブラッキンダー」(イーストプレス)で第14回日本絵本賞大賞を受けています。
 10月2日、会場となった体育館の壁には、水色地に黄土色の船と人を染め上げた約3メートル四方の大きな旗や、茶色地にピンクの染めと白抜きで、ミュージカルの楽しさをイメージしたような縦2メートル、横1メートルの旗など約30枚のスズキさん手製のろうけつ染めの旗が飾り付けられていました。
 藤井校長先生がスズキさんを紹介。「芸術の楽しさを味わって欲しいと思ってお招きしました。楽しい授業になると思います」とあいさつしました。スズキさんは、水牛の頭部を思わせる手作り面を被って登場、座って待ちうけた児童たちの輪に入って授業が始まりました。色画用紙を数枚重ねて折りたたみ、ハサミで周囲を波状に飾り切りをしたり、真ん中の部分を細長い形や丸い形に切り抜いたりして紙を広げると、児童たちは「うわ! 出来てる」。
 この「旗」の作り方を間近に見た児童たちは、さっそく色画用紙を重ねて作業を始めました。4年生の本庄卓海君は、周囲を飾り切りした色画用紙に別の切り抜いた色画用紙を貼り付け、えんじ色のひもや銀紙も使って旗を仕上げ、体育館の四方に張り渡したロープの一角に飾り付けていました。自分が工夫した140周年のイメージキャラクターが最優秀作に選ばれた5年生の青田怜子さんは、キャラクターを思わせるハートマークをちりばめた旗を作っていました。あちこちでチョキチョキチョキ。あっという間に子どもたちの思い思いの「旗」が完成していきました。人の顔の形やイカのような形、ハート型、幾何学模様に切り抜いたものなど形も彩りも様々なものが次々と出来あがり、体育館はまたたく間に満艦飾になっていました。
 お面や冠作りには、下地に段ボール箱や箱を広げた段ボール紙を活用しました。絵の具を全面に塗り立てたり、水玉模様のように模様を散らしたり……。スズキさんは、絵の具と格闘する子どもたちの中に入って座り込んで「この形いいね。かぶれるかな? かぶって歩けるかな?」と尋ねたかと思うと、「この塗り方いいね」と手にとって感心することも。児童たちも「これはどうですか」と工作途中の面を持ってきて感想を聞いたり、切りかけの冠の飾り部品を見てもらったりしながら作業に熱中していました。5年生の小畑海頼=みらい=君は「工作が好きだから楽しかった」と原始人をイメージしたという黄色いお面を仕上げていました。4年生の才木一葉=さいき・かずは=さんは「色を混ぜ合わせるのが難しかった」と色彩あふれる冠を手にしていました。

 おおむね完成しかけたころに、音楽クラブの児童たちが太鼓とシンバルで編成した即興音楽隊が登場。仕上げたばかりのお面や冠を被ったり、作ったばかりの旗を掲げたり、スズキさんの旗を借りたりした児童たちは、運動場に集合してパレードを始めました。体育館に戻った児童たちは、スズキさんが体育館の中央でまく紙吹雪の下を、取り囲むようにぐるぐると歩き続け、最高潮の内に特別授業は幕となりました。
 児童を代表して6年生の増田七翔=ななと=君が「今日はありがとうございました。これからも素敵な絵本を書き続けてください。僕たちは勉強をがんばります」とお礼の言葉を話しました。スズキさんにサインをしてもらう児童もいました。5年生の福永桃花=ももか=さんも、サインをしてもらった作品を手に「宝物にして家に飾っておきます」と喜んでいました。
 広畑小学校は1872(明治5)年、学制発布と同時期の創立です。学校は市の南西部にあります。校区の北部は住宅エリアですが、南部の臨海地域には新日鉄広畑製鉄所もある工場地帯です。
 ベルマーク活動は、PTAの施設部が担当しています。2カ月に1回集まって仕分けや集計作業をしているということでした。施設部長の志野智子さんは「幼稚園と違って送り迎えがないので、保護者同士が顔を合わせる機会が少なく、ワイワイと作業をするのが楽しいです」。スズキさんを招く原動力となったのが、20年ほど前に絵本を見てから大好きになったという森原由香さん。「読み聞かせをしているとスズキさんの本の時は子どもたちが踊り出すことがたびたびありました。とても楽しい絵本です」と話していました。
 スズキさんは「広畑小の子どもたちは作るピッチが早くて、びっくりしちゃった。子どもたちも楽しんでいたように、パレードが一番ですね」と印象を語っていました。

《写真上から》
・「旗」の作り方を見せるスズキコージさんと見つめる児童たち
・児童が質問にきます
・スズキさんを先頭にパレード
・記念撮影。最前列で横になっているのがスズキさん=いずれも兵庫県姫路市清水町1丁目の広畑小学校

(2013/01/04)

今年もベルから贈り物

へき地や特別支援学校に

 ベルマーク教育助成運動は今年度、全国のへき地の小・中学校70校のほか、特別支援学校(養護学校20校、盲学校19校、ろう学校15校)、さらに病院内学級4校に教育設備などの援助を行いました。
 へき地学校には希望する教材・設備品と朝日ジュニア百科年鑑を、養護学校には希望の教材・設備品を9月上旬までにそれぞれ届けました。盲学校には携帯型拡大読書器、ろう学校には教材提示装置、院内学級にはパソコンと自習用ソフトをそれぞれ贈りました。
 へき地学校には、「走り方教室」「一輪車講習会」「理科の実験教室」の出前教室などのソフト援助も行っています。
 いずれも、ベルマーク運動参加団体がベルマーク預金を使って学校設備品などを購入した際に、10%の割り戻し金を寄付していただいた援助資金に、ミズノスポーツ振興財団からの寄付金などを加えて実施するもので、「お母さんとお友だちからの贈りものです」のシールが張られています。
 支援対象のへき地70校のほか、東日本大震災被災校への支援プロジェクト対象校の中にも多数のへき地校が含まれています。被災校援助プロジェクトは今年度、岩手、宮城、福島、茨城4県の232校に50万円相当の教材や設備品を贈呈しました。
 一方、海外で活動する日本ユネスコ協会、オイスカなど7団体の活動を通じ、教育環境に恵まれない子どもたちのための支援も行っています。これらの支援は、参加団体のベルマーク預金からの「友愛援助」寄付を元に実施しています。

 今年の援助対象校一覧

 2011年の援助対象校
 2010年の援助対象校
2009年以前の援助対象校


新品マイク、アンプで生き生き名演技 学校祭や授業でベルマーク助成品活用 福井県立嶺南西養護学校

北の大地に弾むメロディ 音楽で近隣校と交流 北海道音更町立東士幌小学校

台風被災支援に続き、図書111冊が届く 「読書校へさらに弾みがつきました」 三重県熊野市立飛鳥小学校

運動会でひるがえる新しい万国旗   高知県四万十町立田野々小学校

「英語の教材は重要」 早速、授業でカード活用 福岡市立曲渕小学校

 

新品マイク、アンプで生き生き名演技

学校祭や授業でベルマーク助成品活用    福井県立嶺南西養護学校

 福井県小浜市の県立嶺南西養護学校(小野浩亨校長、57人)に、ベルマーク教育助成団体から「ワイヤレスアンプ」や「マイク」、 福井県小浜市の県立嶺南西養護学校(小野浩亨校長、57人)に、ベルマーク教育助成団体から「ワイヤレスアンプ」や「マイク」、「デジタルタイマー」、「算数教材」の備品(計約30万円)が届きました。贈られた備品で、児童や生徒たちがさっそく、学校祭での舞台披露に備えて猛練習を重ね、11月末に開かれた本番では素晴らしい演技を披露しました。来賓として呼ばれた地元の人たちやお年寄りたちから大きな拍手を受け、熱演に涙する人たちもいました。同校には貴重な備品ばかりで、学校関係者や子どもたちを喜ばせています。<br />「デジタルタイマー」、「算数教材」の備品(計約30万円)が届きました。贈られた備品で、児童や生徒たちがさっそく、学校祭での舞台披露に備えて猛練習を重ね、11月末に開かれた本番では素晴らしい演技を披露しました。来賓として呼ばれた地元の人たちやお年寄りたちから大きな拍手を受け、熱演に涙する人たちもいました。同校には貴重な備品ばかりで、学校関係者や子どもたちを喜ばせています。
 同校は、知的障害や病弱・虚弱、肢体不自由児を対象とした学校で、1998(平成10)年に創立されました。小学部(13人)、中等部(18人)、高等部(26人)があり、一貫教育が実施されています。
 小浜市は、福井県の南西部(嶺南)にあり、天平の時代から奈良と文化交流があったことから、「海のある奈良」と言われています。
 同校は、市の山の手にあり、同市を代表する名刹・羽賀寺のすぐそばに校舎があります。小浜湾を望み、緑に包まれた恵まれた自然が広がっています。
 同校自慢の一大行事が「学校祭(やまもも祭)」です。「やまもも」の木は同校の玄関広場に2本植えられており、同校のシンボルの「ブレーメンの音楽隊」を演じる中学部の生徒たち木となっています。開校以来、毎年、やまももの木の名称を冠にして学校祭が開催されており、今年で15回目でした。
 今年の学校祭のテーマは、「ネバーギブアップ」。
 「何事にもあきらめない粘り強い気持ちをもって、みんなで助け合いながら行事を成功させよう。学校生活の楽しい思い出をたくさん作っていきたい」(小野校長)という思いが込められています
 児童生徒や先生たちは、このテーマを念頭にして、学校祭の1カ月前から、学校祭の目玉である「舞台発表」に向けて練習に取り組んできました。その練習が始まる前に、ベルマーク教育助成財団から、同校が最も欲しかったワイヤレスのアンプ、高感度のマイクなどの舞台関係の備品が届き、予期していなかった児童や生徒たちは大喜びでした。
 ベルマーク運動は、へき地の学校の教育設備改善をきっかけにスタートしたものですが、へき地学校だけではなく、養護学校などにも対象を広げて教育備品を贈っており、今回の贈呈もその一環です。
 子どもたちは、今回の備品贈呈で、練習にも一層、熱が入り、担当教諭たちの熱心な指導を受けながら、出し物の演技に一生懸命「水戸黄門」の劇を演じる高等部の生徒たち取り組み、磨きをかけてきました。
 贈られた設備が最新のものだったこともあり、練習の効果は大きく、子どもたちの演技もメキメキと上達しました。
 学校祭は同校の体育館で開催され、地元の人たちや老人会の人たち、行政・教育関係者ら約200人が招待されました。
 出し物は「西養護版うらしま太郎」(小学部)、「ブレーメンの音楽隊」(中学部)、「水戸黄門~若狭国小浜の旅」(高等部)。それぞれよく知られたものですが、児童、生徒たちの特性に応じてアレンジして脚本化されました。
 さあ、開演です。きれいな音楽と子どもたちの澄み切った歌声、元気いっぱいのセリフがワイヤレスアンプとマイクを通して会場に響き渡りました。
 配役やセリフは、子どもたち一人ひとりの発達や障害の状態をみながら、先生たちが的確に割り振り、その子の特性を最大限にうまく引き出すように努力しました。
 このため、子どもたちは、生き生きとのびのび演技して、素晴らしい笑顔を見せながら、練習の成果を如何なく発揮しました。
贈られたデジタルカメラでニンジンの苗の生育を観察する車イスの児童=福井県小浜市の県立嶺南西養護学校で 舞台でのわが子の思わぬ成長に涙を流す保護者や、車いすで熱演する子どもたちの演技に深い感動を受けて胸を詰まらせる一般客の姿が会場のあちこちで見られました。
 また、音響備品のほかに贈られたデジタルカメラは、理科などの授業に活用。植物の観察記録のほか、児童生徒への視覚支援の指導にも幅広く使用しています。さらに、デジタルタイマーは、体育のランニング記録などに活用しています。
 小野校長は「今回いただいた備品は、高価なもので、公費ではなかなか買えず、子どもたちや先生たちが欲しいものばかりでした。手の届かない有用なものを寄贈していただき、とても感激しています。学校祭は、いただいた備品のおかげで素晴らしい内容となりました。ベルマーク運動から生まれた資金で寄贈していただいたもので、ベルマーク運動に関わっている全国の人たちに感謝申し上げたい」と話しています。

≪写真上から≫
・贈られたマイクを使って、「うらしま太郎」の物語を演じる小学部の児童たち
・「ブレーメンの音楽隊」を演じる中学部の生徒たち
・「水戸黄門」の劇を演じる高等部の生徒たち
・贈られたデジタルカメラでニンジンの苗の生育を観察する車イスの児童=福井県小浜市の県立嶺南西養護学校で

 

 

北の大地に弾むメロディ

音楽で近隣校と交流     北海道音更町立東士幌小学校

 ベルマーク教育助成財団は今年度行ったへき地学校援助で、北海道音更町の町立東士幌小学校(尾﨑和夫校長、20人)にビブ真剣な表情で真新しいビブラフォーンを演奏する山角さん(右)ラフォーンを贈りました。
 9月12日、5・6年生の児童(6人)が集合学習で、ビブラフォーンを含めた楽器や合唱の練習をするというので、同校を訪ねました。集合学習は、同じ音更町の昭和小学校の9人と、豊田小学校の2人(いずれも5・6年生)を迎えての合同練習で、今年度2回目です。
 全員で合唱とリコーダーをそれぞれ15分ほど練習した後、器楽の練習が始まりました。真新しいビブラフォーンを演奏するのは、6年生の山角杏優(やまかどあゆ)さん。山角さんがこの楽器に初めて触れたのは今年の7月だそうです。新旧2台のビブラフォーンと、木琴やリコーダー、鍵盤ハーモニカと、それぞれのパートに分かれて練習開始です。
 及川桂子先生がリコーダー担当の子どもたちに、「穴は指でしっかり押さえてね」。太鼓担当の子に「もう少し強くたたいていいよ」と助言していきます。それぞれのパートだけで練習をしたり、全体で何度も通しで演奏をしたりして、どんどん上手になっていきました。
 山角さんは、「細かくたたいたり、足も使いながらなので難しい」と言っていましたが、とても生き生きと楽しそうに演奏していました。
 一通り練習が終わると、子どもたちと向かい合うように椅子が置かれました。先生方に練習成果の発表です。代表の児童が曲の紹介をし、ピアノの伴奏に合わせ歌い出します。みんな大きな声で元気に歌えました。続いてリコーダーの演奏。教室中に、とてもきれいな音色が鳴りわたりました。最後に器楽で、曲は「ルパン三世のテーマ」です。まだ暑さの残る北の大地に、子どもたちの弾むメロディが響いていました。たった3曲のミニコンサートでしたが、1曲終わるたびに大きな拍手が起こっていました。
及川先生の手拍子で、全員で音を合わせていきました=いずれも音更町立東士幌小学校で
 子どもたちからは、「とても楽しくできました」「前回よりもよくできました」「きれいに合わせることができてよかったです」と次々に感想が出ました。
 校長先生からは「5・6年生になると声変りがあったり、恥ずかしいという気持ちが先に出てしまうのに、みんなとても良く声が出ていましたね。リコーダーや器楽の演奏もすばらしかったです」と称賛の言葉がありました。
 同小は帯広から車で北に30分ほど走ったところにあります。広大な農地が広がる環境で、子どもたちはのびのびと元気に学校生活を送っています。集合学習は、毎年7月と9月の2回行なわれており、この日は5・6年生の音楽のほか、1・2年生がサッカー、3・4年生がポートボールを楽しみました。

≪写真上から≫
・真剣な表情で真新しいビブラフォーンを演奏する山角さん(右)
・及川先生の手拍子で、全員で音を合わせていきました=いずれも音更町立東士幌小学校で

 

台風被災支援に続き、図書111冊が届く

「読書校へさらに弾みがつきました」    三重県熊野市立飛鳥小学校

 三重県熊野市の市立飛鳥小学校(谷口勝校長、40人)に、「へき地校支援」の図書類などが届きました。1年前の台風12号による被災支援ではベルマーク財団から30万円相当の教育設備品を贈られました。2年に及ぶ財団の手厚い支援に子どもたちや父母らは喜んでいます。
財団から贈られた図書を読む児童たち
 8月末に、「新刊絵本セット」や「子ども生活図鑑」といった絵本、図鑑類など多数の高価な本を含め計111冊(約30万円)と、10万円相当のアコーディオンが届きました。台風被害から丸1年。思わぬ新たなプレゼントに、子どもたちは大喜び。財団職員が視察に訪れた9月5日、図書室で感謝式が行われました。全児童が出席し、児童会長の松本倫平君が財団にお礼の言葉を述べました。
図書を囲んで全児童と谷口校長(右端)で記念撮影
 昨年9月3日、紀伊半島を襲った台風12号の猛威で4日にかけて、近くの大又川が氾濫し、校舎や体育館が床上浸水。地元の人たちの懸命な復旧作業で7日には、授業を再開することができました。その際、財団から台風被災校支援として、簡易テント、デジタ贈られたアコーディオンを触って大喜びの女子児童ル体重計、一輪車練習スタンドなど(30万円相当)が昨年度末、贈られました。
 同校は、児童の減少に伴い、2010年に飛鳥、小阪、日進の三つの小学校が日進小学校に校舎統合され、学校名は飛鳥小学校となりました。
 学校の教育目標は「たくましく生きる力を育む」こと。今年度の具体的な行動計画の一つとして、図書環境を整備し、読書活動を推進して情操を育むとともに、言語力を育成する」ことを掲げています。図書室は整備され、明るい色調にリフォームされました。さらに、本を気楽に読めるように、畳コーナーやソファーを配置するなどのレイアウトが施されています。
 同校では、授業が始まる1時限目の前に、「朝読(あさどく)」と呼ばれる読書が自主的に行われています。谷口校長は「ベルマーク財団の手厚い支援に感謝しています。読書は、子どもの知的関心が広がり、その効果は計り知れないものがあります。今回の図書贈呈を機会に豊かな言語力を育成いきたいですね」と話しています。

≪写真上から≫
・財団から贈られた図書を読む児童たち
・図書を囲んで全児童と谷口校長(右端)で記念撮影
・贈られたアコーディオンを触って大喜びの女子児童
・昨年の台風被災校支援で贈られた一輪車練習スタンド=いずれも熊野市立飛鳥小学校で

 

運動会でひるがえる新しい万国旗

高知県四万十町立田野々小

 高知県四万十町の町立田野々小学校(伊賀修校長、103人)が、今年度のベルマーク教育助成財団の「へき地学校援助」で、万国旗を入手しました。9月23日に行われた「秋季大運動会」で、グラウンドの上空に色とりどりの国旗が連なって披露されました。風にたなびく万国旗に「わぁーきれい」と子どもたちから喜びの声があがりました。
 四万十町は高知県の西南部、日本最後の清流ともいわれる四万十川の中上流部に位置します。かつての窪川町と大正町、十和村の3町村が合併してできた新しい町です。田野々小学校がある旧大正町は、PTA会長の池田康人さんによると、アニメキャラクターなどの各種模型製作で知られる海洋堂の「ホビー館四万十」や、特産の栗をふんだんに使って焼酎愛好家の間で「栗の香がする」と好評の「ダバダ火振り」の蔵元もあると言うことです。
 大運動会は、恒例の徒競争や大玉ころがし、綱引き、リレー競走のほか、5年生の保護者が打ち出すペットボトルロケットを子どもが網で受け止める「愛の親子ロケット」や、グラウンドに整列したお年寄りたちが50メートルほど離れて待つ児童の元に歩み寄りプレゼントを受け取る「すてきな贈り物」、6年生の児童やPTA役員たちが思いっきり仮装した姿をみせる「変身!○○マン」など伝統の人気種目も織り交ぜて、地域の人たちとの親睦の場にもなっているそうです。
 当日は、前日からの雨でグラウンドはぬかるんでいましたが、先生はじめ保護者や地域の人たちが早朝から雑巾やスポンジで水気を吸い取る作業を続け、1時間遅れでの開会となりました。1年生児童8人が声をそろえて「今日は待ちに待った運動会です。赤も白も一生懸命頑張ります。お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、地域の皆さん最後まで応援して下さい」と開会の言葉を力いっぱい言って、紅白に分かれて熱戦が始まりました。
 グラウンド上空では、アメリカの星条旗や中国の五星紅旗、日本の日の丸など、世界各国の国旗が風にたなびいていました。万国旗入手のいきさつを教頭の吉村和子先生は「これまで使っていたものが破れたり汚れたりしていて『何とかしたいな』と思っていたところ、へき地校援助の話があり、『この機会に新調しよう』と教員たちの話し合いで決まりました」と話してくれました。万国旗を見上げながら、6年生で紅組応援団長の山脇琴乃さん、白組応援団長の津野廉君は「すごくきれいになって、国旗の数も多くなっていてびっくりしました」と喜んでいました。
 PTA役員で仮装の準備の中心となった事業部副部長の川口淳さんは「7月ごろから話し合った結果、みんなの愛読書でもある漫画『ワンピース』のキャラクターに扮しよう、ということになり、各自が装束や持ち物を作っていきました」と説明。自身がポリバケツを使って作った「チョッパー」役の帽子などを見せながら「正面席で披露したダンスは、3日前に急にやることになって、何度も練習を繰り返しました」と笑いながら話してくれました。息子で6年生の川口拓摩君は「なりたいとは思わないけど、やってみたかったので」とネットで入手したというリーゼントのかつらをつけて暴走族風の仮装を披露。6年生の担任の武内交子先生はワンピースのロビン役を、伊賀校長は赤鬼に扮して、大きな拍手を受けていました。
 田野々小学校の前身は幡多郡第6簡易学校といい、現在の校名には1892(明治25)年になったということです。1986(昭和61)年に、いまの鉄筋校舎が完成、2000(平成12)年には太陽光発電装置が、10(平成22)年にはアメダスの雨量観測点が置かれたそうです。13(平成25)年4月には隣接する大奈路小学校を統合し新たな田野々小学校として歩み始めます。

《写真上から》
・運動会を彩る万国旗
・仮装行列に笑顔が広がりました=いずれも高知県四万十町立田野々小

 

「英語の教材は重要」

早速、授業でカード活用    福岡市立曲渕小学校

 福岡市早良区から佐賀市に続く国道263号沿いの山あいにある福岡市立曲渕(まがりふち)小学校(中島紀世文校長、24人)に、ベルマーク教育助成財団から英語学習用の小学校英語ピクチャーカード、電子黒板機器、電子ホイッスルなど、へき地援助のプレゼントが届きました。2学期が始まった同校では早速、5、6年生の英語授業に英語カードを使いました。中島校長は「英語にとって教材は重要です。この支援で英語の教材が集まり、授業も充実出来ます」と話していました。
笑顔あふれる教室。英語のカードを使いながら表現を学ぶ5、6年生=福岡市早良区の曲渕小学校で
 同校で現在、英語の授業を受けるのは5年生7人と6年生3人の計10人です。潮﨑寿史・教務主任によると、小学校では2011年度から外国語活動(英語)が必修化されましたが、英語の教材は値が高く、先生たちには準備に時間的余裕もなく、英語の教材をそろえるのに苦労しているのが現状です。このため、ベルマーク財団に英語の教材を中心に希望しました。
 5、6年生の英語担当は堤良彦先生。9月14日の授業では、英語で会話する外国語指導助手(ALT)の後藤ビンセントさんとペアを組んで教えました。この日の狙いは、「日本語と英語の『音』のちがいに気づき、色や形の言い方を知ろう」です。授業では児童たちが、「white」や「yellow」など数種類の英語カードをもとに、パソコンを通じて写されるスクリーンを見ながら次々に質問に答えました。
 楽しみながら積極的に発言した児童たちは「この音のちがいや言い方も分かりました」と感想を述べ、堤先生も「みんな、すぐ答えたね」と褒めていました。
 同校は1873(明治6)年に創立され、「地域に根ざした学校」として歴史を刻んできました。福岡市の水源地の一つ、曲渕ダムを擁し、学校の裏には八丁川の清流が流れ、自然の移り変わりが楽しめるなど、恵まれた環境の中で、地域との交流を大切にしている学校です。
 ただ、地域では少子・高齢化が進み、かつて70人を超えた児童数も減少の一途をたどっています。2005(平成17)年度から「山っ子スクール」(小規模校特別転入学制度)が導入され、校区外からの受け入れが始まりました。現在、地元から5人、校区外から19人が通学しています。校区外の児童が約8割を占めており、ここ数年間は地元の新 1年生が入学してこない状況が予想されているそうです。

≪写真≫笑顔あふれる教室。英語のカードを使いながら表現を学ぶ5、6年生=福岡市早良区の曲渕小学校で

(2012/12/25)

待望のサッカー・バスケットボール購入

愛知県津島市立南小学校

 愛知県津島市の市立南小学校(山田昭彦校長、578人)が、ベルマーク預金でサッカーやミニバスケットのボールとベスト(計7万4000円)を購入しました。学校には男女ともバスケットボールクラブがあり、サッカーも盛んです。授業でもボールを使用するため消耗が激しく、傷みが目立つボールが増えていました。

 このため「スポーツが大好きな児童たちのために」と、PTAベルマーク委員会(葛山陽美委員長、14人)が動き、今年度のベルマーク預金で購入することにしました。買ったのは、サッカーボール10個、ミニバスケットボール10個、ベスト10枚です。
 PTAはベルマーク運動に力を入れており、昨年度の累計は17万6012点で県内4位でした。大規模校ではありませんが、地域の人たちのベルマーク運動に対する理解が深く協力的です。
 歴史のある校区には50を超える自治会があり、総会などでベルマーク運動への協力をお願いしています。ベルマーク委員たちは、事業所などを回って働きかけ、喫茶店やコンビニ、パン屋、ガソリンスタンド、病院、郵便局、会社、中学校など23カ所に回収箱を設置してもらい、協力してもらっています。
 校内でも、児童会のベルマーク委員会と、PTAのベルマーク委員会が両輪となって動いています。
 児童会では、運動への理解を深めるため、クラス対抗のベルマーク合戦を夏休みと冬休みの期間を利用して実施しています。
 各クラスで集票点数を競い、3位までを表彰しています。児童たちにとっても大きな励みになっています。
 PTAのベルマーク委員会も奮闘しています。委員会は1年(3クラス)と2年(3クラス)の保護者が担当しています。計6クラスから2人ずつ選ばれています。仕分け活動は毎月1回で、年に9回集まっています。委員の方たちの参加率は高いそうです。
 ベルマークの収集はまず、5、6年生から選ばれた児童会ベルマーク委員たちが、回収袋を作成することから始まります。「なるべく先生に負担をかけず自力でやろう」という方針です。全児童に配布する回収袋も、茶封筒を利用し、回収日を明記した一覧表をのりづけしています。各クラスで袋を配布し、児童ベルマーク委員たちが回収時期にクラスを回り集めます。
 集めたベルマークは専用箱に保管されます。児童ベルマーク委員たちは、時間がある範囲でベルマークの切り抜き作業もしています。
 そのあとは、PTAにバトンタッチされます。
 専用箱からベルマークを回収し、仕分け作業を進めています。集計は委員たちに等分して、自宅で作業をしてもらっています。
 ベルマーク委員会では、これまでに金管クラブとバトンクラブにも、ユニホームを購入しており、クラブ活動への支援にも力を入れています。
 委員長補佐の坂下久美子さんは「活動は和気あいあいとやっています。目標にしてきたものが形となって、手に届いた時の達成感は何にも代えがたい喜びです。ベルマークをやってよかったという思いがこみ上げてきます。子どもたちのためにやることに、やりがいを感じます」と話しています。
 また、ベルマーク運動は未体験だったという葛山委員長は「ベルマークがどの商品についているのか、運動そのものの仕組みもよく知りませんでした。運動に携わり、子どもたちからベルマークがついている商品を教えてもらうことがたびたびです。子どもたちも細かいことに気づくようになりました。友達に対する思いやり、節約する心や社会貢献の大切さも学ぶことができる運動は素晴らしい」と話しています。
 同市は愛知県西部にあり、全国天王信仰の中心地である「津島神社」の門前町です。学校は1872(明治5)年に創立された歴史のある学校です。
 同校の教育方針は「人権教育を柱とし、互いに認め合い、ともに生きようとする児童の育成をめざす」ことです。地域の方とのふれあい、国際理解を深めるための海外の方とのふれあい、障害のある方とのふれあいを通して学ぶ「南っ子の時間」が、総合的人権学習として設けられています。
 山田校長は「自治会の方たちや地域の人たちも一緒になって、ベルマーク運動に取り組んでいるのがわが校の自慢です。ボール購入は多くの人たちの努力と協力が結集されたものです。わざわざ、点数の高いカートリッジを学校に持ち込んでくれる住民の方もいます。みなさまの協力は感謝に堪えません」と話しています。

《写真上から》
・サッカーやミニバスケットのボールとベストを購入したPTAベルマーク委員会のみなさん。葛山委員長(前列左)と坂下補佐(前列右)を囲んで
・仕分け作業をする委員たち=愛知県津島市立南小学校

(2012/12/21)

キユーピー工場見学

原料に、衛生に、環境にこだわった製品づくり 1925(大正14)年、一人の日本人が人々の体格向上を願って、栄養豊富な商品を発売しました。それが国産初のマヨネーズ、キユーピーマヨネーズの誕生でした。創始��

北海道の2校で理科実験教室

「宇宙人の声」や「カチカチに凍った花」興味津々で参加し「楽しかった」 「実験名人ベルマーク教室」が12月12日、北海道の中標津町立俣落小学校(佐藤弘樹校長)で、翌13日には斜里町立峰浜小学校(森﨑淳一校�

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スマートフォンも充電できる優れもの 協賛会社の東芝(ベルマーク番号43)が、ニッケル水素電池充電器を発売しました。 付属のUSBケーブルで、スマートフォンなどのモバイル機器も充電できます。充電器は、�

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待望の高速ガスオーブン購入/約15年間かけて

静岡県松崎町の私立聖和保育園 静岡県松崎町の私立聖和保育園(斉藤光恵園長、78人)が、ベルマーク預金で待望の高速ガスオーブン(46万8160円)を購入しました。不具合がでていた旧来のオーブンにかえて�

岐阜県の北稜中学校で走り方教室

ボルト選手の映像で効率的な走りを学ぶ 岐阜県高山市の北稜(ほくりょう)中学校(柏木憲司校長、89人)で11月23日、「ベルマーク走り方教室」が開かれました。専門講師の指導を受けながら、世界最速ランナ�

いつもより上手に描けたよ

栃木の小学校で今年度初のお絵かき教室    日光市立三依小学校 へき地校援助の一つ「お絵かき教室」が11月22日、栃木県日光市立三依(みより)小学校(関口宏文校長、7人)で行われました。今年度初めて�

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     あなたの愛が鳴り響きます。
            ベルマークから、ありがとう。

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