2022年度報告


 ベルマークを集めて自分の学校の備品を充実させると同時に、ハンディのある学校への支援の輪を広げることができる。これがベルマーク運動です。2022年度もたくさんのマークが寄せられ、多様な商品が「お買いもの」として購入されました。これをもとに、ベルマーク財団では様々な援助事業を実施することができました。財団の2022年度の活動を以下に報告します。

■参加団体は約2万6,000

 ベルマーク運動に参加している学校・団体は、現在約2万6,000。1960年に2,263校でスタートした運動ですが、わずか5年後には1万校を突破し、1970年代には2万校を超えました。

 小学校の参加率は7割と高く、中学校も6割が参加しています。さらに2006年4月からは幼稚園・保育園、小・中学校、高等学校に加えて、大学や公民館などの生涯学習施設も参加登録ができるようになりました。

※財団のマークに関する締め日は毎月20日です。締め日後、協賛会社への請求等を経て、翌月に活動実績が確定します。そのため、年度締めは2月20日と定めています。2022年度は、2022年2月21日から2023年2月20日となります。

■子どもたちと一緒にボランティア

 PTAが子どもたちと一緒に、仕分け・集計に取り組んでいる学校もあります。中学生や高校生になると、生徒たちだけで活動している学校も多くあります。


■ベルマーク点数の仕組み

 集まったベルマーク1点につき1.275円の「市場調査費」が協賛会社から財団に支払われます。このうち1円が参加団体の「ベルマーク預金」になります。残り0.275円のうち、0.25円が財団の運営費0.025円が運営費にかかる消費税です。

 2019年9月までは、協賛会社が支払うのは1点につき1.27円(ベルマーク預金に1円、財団に0.25円、消費税が0.02円)でした。同10月に消費税が上がり、市場調査費も変更されましたが、税金を除いたその内訳は、ベルマーク預金80%、財団20%で変わりません。

 ベルマーク預金と財団運営費は厳密に仕分けています。ベルマーク預金が運営費に使われることはありません。


■協賛会社

 ベルマークを自社の商品に付けている企業が「協賛会社」です。参加団体のベルマーク預金は、集めたマーク1点につき1円が貯まりますが、その1円は協賛会社が支払ってくださいます。2022年度は47の協賛会社が、食品や飲料、日用品、学用品、衣料品、保険証券などの幅広い商品にベルマークを付けてくださいました。いずれも、生活に密着した身近な商品です。

 ベルマーク運動とリサイクルを連動させている会社もあります。プリンターのインク・トナーカートリッジや飲料の紙パック容器は、使い終わった現物を回収センターに送ると、ベルマークの点数証明書が発行されます。その証明書がベルマークとなり、財団に送ると、預金に加算される仕組みです。参加団体が送ったカートリッジや紙パックは資源として生まれ変わり、環境保護にもつながっています。


◎キャンペーン

 自社のベルマーク付き商品を生かして、今年もキャンペーンを企画してくださった協賛会社がありました。

第48回ショウワノートキャンペーン表彰式/福岡・久留米市立南小

専用台紙で点数2倍/スミフルジャパンが今年もキャンペーン

湖池屋が「サスとテナ」すごろくセットを新発売/売上の一部を財団に寄付

茨城ロボッツと地域の子どもたちをダブルで応援/キリンビバレッジがキャンペーン

かわいい回収箱をプレゼント/三井製糖

◎イベント

 協賛会社が参加するイベントや、関連団体が主催するイベントも取材し、ご紹介しました。

エコプロ2022に協賛会社が出展

キユーピーみらいたまご財団がオンラインサミットを開催

◎協賛会社自らもマークを集め、寄贈

 協賛会社が主体となってベルマークを集め、財団へ寄贈してくださることもあります。自社の社員だけでなく、グループ会社の社員やお客様、取引先などにも広く協力を呼びかけた例もありました。

ニチレイが財団にマークを寄贈/5年連続

セイコーエプソンが9万6千点を寄贈

AD全国プロ会がマーク寄贈/あいおいニッセイ同和損保の専業代理店組織

ジブラルタ生命保険が69万点を財団に寄贈

PPIHグループ、289店舗で集めたマーク約156万点を寄贈

◎財団から感謝状

 長年のご貢献に対し、感謝状をお渡ししました。

ベルマーク大使に就任した新納啓介・あいおいニッセイ同和損保社長にきく

■財団への「寄贈マーク」が増加傾向

 参加団体でなくても、マークを集めて財団にお送りいただければ「寄贈マーク」として支援に活用することができます。コロナ禍になってから「在宅で出来るボランティア」として改めてベルマークが着目されたことが要因のひとつではないかと考えています。感染が拡大した2020年度以降、毎年着実に件数が増え続けています。

東北にマーク贈って10年/コープこうべのボランティアサークル

14年連続のマーク寄贈/株式会社ナック

キューアンドエーが今年もマーク収集・仕分け/5年連続

「困っている人を助けたい」/5才が仕分けボランティアにチャレンジ

調布市職員と市民の有志が財団にマーク寄贈

■協力会社は13社

 貯めたベルマーク預金で購入できる商品を取り扱っている企業が「協力会社」です。今年度も13の協力会社が、体育用品、文房具、楽器、時計、書籍などの様々な商品を提供してくれました。協力会社の商品を紹介した「お買いものガイド」は年2回、4月と10月に発行しています。ガイドに載っていないものでも、協力会社が取り扱っている全ての商品を買うことができます。お買いもの額の1割は、ベルマーク財団に戻され、支援に活用されます。

ベルマークですべり台を購入/千葉・木更津市立八幡台小


◎授業を購入する「教育応援隊」

 ベルマーク預金で買うことができるのは、備品・教材だけではありません。子どもたちに特別な体験を提供するソフト事業「教育応援隊」もあります。2022年度は4つのプログラムを実施しました。

オーサー・ビジット

 本の著者(オーサー)が学校を訪問(ビジット)し、特別授業をする朝日新聞社との共催事業です。今年度の講師は昨年度と同様、絵本作家の宮西達也さん、教育評論家の尾木直樹さんが務めました。

栃木・日光市立湯西川小中で宮西達也さんのオーサー・ビジット

京都市立桃山小で尾木直樹さんのオーサー・ビジット

ミズノ・スポーツ教室

 「走り方」または「サッカー」のどちらかを参加団体が選択し、協力会社・ミズノが派遣したコーチから実技指導を受けられる教室です。今年度は計9校で実施しました。

3つのコツを意識しよう/秋田市立中通小で走り方教室

絵本を届ける運動

 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会が続けているこの運動を、ベルマーク財団は2000年から支援しています。同会はアジアの国々に教育支援を行っているNGOです。

 カンボジアやラオス、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプなどに現地語の翻訳シールを貼った絵本を贈る活動です。参加校は絵本にシールを貼って完成させ、返送します。対象は中・高等学校で、今年度はあわせて20校が参加しました。

東京・武蔵野市立第六中の有志が「絵本を届ける運動」に参加

防災科学教室

 国立研究開発法人 防災科学技術研究所(防災科研)とベルマーク財団が共催しています。防災科研の研究者が講師を務め、災害の起こる仕組みや備えなどを学ぶことができます。今年度は4校で開催しました。

「防災とは、災害から生き残ること」/山口・下関市立江浦小で防災科学教室

※上記以外の実施校

ミズノ・スポーツ教室

 横浜市立東山田小(神奈川県)/長久手市立西小(愛知県)/江東区立第四砂町小(東京都)/大阪市立関目東小(大阪府)/蕨市立東小(埼玉県)/鮫川村立鮫川中(福島県)/奈良市立富雄北小(奈良県)/大阪市立南小(大阪府)

絵本を届ける運動

 南丹市立園部中(京都府)/八王子市立由木中(東京都)/刈谷市立刈谷南中(愛知県)/南丹市立桜が丘中(京都府)/神戸市立高倉中(兵庫県)/松蔭中・高(兵庫県神戸市)/神栖市立神栖第四中(茨城県)/丹波篠山市立西紀中(兵庫県)/駒沢学園女子中・高(東京都稲城市)/函館白百合学園中高(北海道函館市)/神戸市立神陵台中(兵庫県)/平塚市立江陽中(神奈川県)/長崎市立長崎商高(長崎県)/府立堺聴覚支援学校(大阪府)/多摩市立東愛宕中(東京都)/豊中市立第八中(大阪府)/女子聖学院中高(東京都北区)/刈谷市立朝日中(愛知県)/西東京市立保谷中(東京都)

防災科学教室

 奈良市立六条小(奈良県)府立盲学校(京都府)/沖縄市立高原小(沖縄県)

■へき地学校など計149校に備品・教材を寄贈

 ベルマーク運動が始まったきっかけは、山間部や離島などにあるへき地学校の先生が教育環境の窮状を訴えたことでした。その後、支援の輪は特別支援学校や病院内に設置されている院内学級、海外にも広がりました。

 2022年度、ベルマーク財団はへき地学校100校、特別支援学校45校、4つの院内学級、海外の日本人学校4校を支援しました。へき地学校には1校あたり20万円相当の備品や教材を、特別支援学校のうち、養護学校には希望の備品・教材、盲学校には拡大読書器、ろう学校には短焦点プロジェクター、院内学級にはタブレット類、日本人学校にも各学校が希望する備品や教材を贈りました。

へき地校・特別支援学校などへの支援、2022年度は149校

◎講習会・教室を通して学びの機会を提供

 へき地学校に通う子どもたちに学びの機会を提供するソフト援助として、「一輪車講習会」と「理科実験教室」を実施しています。

※実施校

一輪車講習会

 高野町立花坂小(和歌山県)かつらぎ町立梁瀬小(和歌山県)岡崎市立宮崎小(愛知県)ニセコ町立近藤小(北海道)岡崎市立下山小(愛知県)

理科実験教室

 高山市立荘川小(岐阜県)曽於市立中谷小(鹿児島県)白山市立白嶺小中(石川県)鳥羽市立答志小(三重県)いわき市立田人小(福島県)豊根村立豊根中(愛知県)

■東日本大震災被災校支援

 マグニチュード9.0、最大震度7を観測した東日本大震災の発生から12年が経ちました。ベルマーク財団は震災発生直後から被災校への支援を続けてきました。対象は岩手・宮城・福島の3県の小・中学校で、各県の校長会と連携して支援先を決めます。2022年度は112校に総額600万円相当の支援を実施し、これまでに支援した学校はのべ2200校、支援総額は5億円を超えました。

 また、震災を教訓として、災害に強い学校づくりを目指す活動をしている宮城教育大学の「311いのちを守る教育研修機構」にも50万円を助成しました。

2022年度、東北3県の112校に総額600万円相当を支援

■友愛援助

 財団は「友愛援助」として、国内の子どもたちに加えて、海外への支援もしています。「友愛援助」は、貯めたベルマーク預金を直接寄付にあてるしくみです。

 対象事業は、活動実績のあるNGOなどの団体を通した海外援助、国内の子ども食堂への援助、そして、財団が実施する東日本大震災被災校援助です。2022年度はのべ74の参加団体から146万円の申し込みがありました。

 2023年度、寄付額に財団資金も加えた335万円(教育応援隊「絵本を届ける運動」を含む)をNGOなどの支援団体に贈ります。

第25回友愛援助、10事業を募集

■広報活動

 ベルマーク運動に関する情報は財団ホームページに掲載しています。参加団体の活動の様子や、協賛会社の商品やキャンペーン紹介、協力会社のお買いもの情報、支援先からの感謝メッセージなどをお知らせしているほか、注文書や各種申込書などもダウンロードすることができます。

 「ベルマーク新聞」はそれらの情報を簡潔にまとめた広報紙で、月に1回、PDF形式で発行しています。

◎大台達成校

 運動に参加登録をしてから集めてきたベルマークの累計点数が50万点、100万点、200万点…(以降100万点刻み)を超えた参加団体を「大台達成校」と呼び、感謝状を贈っています。

大台達成校(大台達成校を訪ねて・大台達成校アンケート)

◎ベルマーク便りコンクール

 ベルマークに関する情報を、学校や地域にお知らせするプリント・冊子などを対象にした、参加団体向けのコンクールです。1986 年から始まり、今年度で37回目を迎えました。近年はブログやSNS の画面を応募してくれる参加団体が増えてきました。

ベルマーク便りコンクール2022、22校が入賞

◎さまざまなPR活動

 参加団体以外にも、ベルマーク運動を広く知ってもらうためにPR活動をしています。9月に東京ビッグサイトで開かれた「GOOD LIFEフェア」(主催・朝日新聞社)にはブースを出展して、運動の意義をアピールしました。児童書の魅力を伝える「本の帯」を小学生が作る「本の帯創作コンクール」(大阪読書推進会など主催)には、賞のひとつに「ベルマーク賞」を設けています。さらに「スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ全国大会」(一般社団法人日本ゴルフツアー機構など主催)も後援し、子どもたちの学びを後押ししています。

「GOODLIFEフェア2022」ベルマーク財団出展のお知らせ

スナッグゴルフ対抗戦全国大会にベルマーク回収ブース

「本の帯コンクール」ベルマーク賞の受賞者が決定


<リンク>

2021年度報告

2020年度報告

2019年度報告

以 上
公益財団法人 ベルマーク教育助成財団

ベルマーク商品

14枚 ムーンライト

ベルマーク検収

今週の作業日:3/18~3/22
1/23までの受付分を作業中