栃木・大田原市立須賀川小でDr.ナダレンジャーとナダレンコの理科実験教室


(2023/11/24)印刷する

 栃木県大田原市にある市立須賀川小学校(田代充校長、児童34人)で、ベルマーク財団のへき地校支援事業のひとつ「理科実験教室」が10月25日に開かれました。

 登場したのは、講師の「Dr.ナダレンジャー」と助手の「ナダレンコ」。2人とも眼鏡に地下足袋、金髪とピンクのカツラという怪しい格好です。

 「こう見えて災害を研究する科学者で博士なんです」と自己紹介しても、疑わしい目を向ける子どもたち。「本当の博士だと思う人?」と聞くと、手をあげたのは数人だけ。「どうでも良いと思っている人?」には一斉に手があがり、みんな大笑いです。

 そんな2人ですが、正体は国立研究開発法人・防災科学技術研究所の元研究員、納口恭明さんと元専門員の罇(もたい)優子さんです。

Dr.ナダレンジャー(右)と助手のナダレンコ

 最初の実験は、強風を体験できる「突風マシン」。大小のうちわとプラスチック製のバケツのような空気砲をDr.ナダレンジャーが取り出します。「これが体育館の大きさになると、人間はアリくらい。100m以上も飛ばされます」と聞いて、子どもたちはびっくり。「災害を起こす自然現象は、巨大化すると怖いけれど、ミニチュアにするとおもちゃになります」とDr.ナダレンジャーは話します。

突風マシンの風にあたりたい児童が「はーい」

 次は、土砂崩れの実験です。取り出したのは、中に発泡スチロールの細かい粒が入った長いビニール袋。巨大な扇風機で中に空気を入れて膨らませ、子どもたちの目の前で傾けると、正面から土砂に見立てた粒が迫ってきました。その迫力に「うわー」と大興奮です。「東京ドームにこの粒を満タンに入れて山の上から流すと、新幹線と同じ時速300kmくらい」とDr.ナダレンジャー。「大災害が起こると、救助が間に合いません。自分の判断で生き延びる工夫をして、自分の命は自分で守ること」と呼びかけました。

特大サイズの「土砂崩れンジャー」は大迫力

 続いて、砂と水が入ったペットボトルを使って液状化現象を再現しました。ペットボトルを指ではじくと砂の中に沈んでいた丸ピンが浮き出てきました。「えー」「なんで」と子どもたち。東日本大震災でマンホールが浮き上がった写真を見せながら、「ポンとたたいた振動が地震の揺れ、ポコンと浮き出てきた丸ピンがマンホール。地震がきっかけで水と混じった土砂がまるで液体のようになる液状化現象が、ペットボトルの中で起きていたんです」と説明しました。

指ではじくと丸ピンが砂から現れてびっくり

 最後は、地震の揺れ方を見る実験です。高さの違う3つのスポンジをビルに見立てた「ゆらゆら3兄弟」を取り出します。「どれが一番揺れるでしょう?」と質問すると、ほとんどの子どもたちは一番高いスポンジに手をあげます。揺らしてみると、ゆっくりしたリズムでは一番高いスポンジが、速いリズムでは低いスポンジが揺れました。この実験では、どの建物にもぴったり合った揺れやすいリズムがあるということが分かりました。

「ゆらゆら」のリズムで振ると長いスポンジが揺れた

 この仕組みを応用して、崩落の体験です。発泡スチロール製のブロックを台車の上に36段積み上げ、両側に4人の児童が頭を抱えてうずくまります。子どもたちのかけ声と手拍子とともに台車を揺らすと、ブロックが盛大に崩れ落ちました。

 「勉強する時はミニチュアのおもちゃで楽しく、ただし実際に起こったら死んじゃうかもしれない怖いものということを忘れないように」とDr.ナダレンジャーは語りかけます。

台車をゆっくり揺らすとブロックが落ちてきた

 授業が終わると子どもたちからの質問のコーナーです。「土砂崩れが起きたときにどういう場所に避難すればいいですか」という問いに、Dr.ナダレンジャーは「その場所から離れてすぐに避難すること。ハザードマップや避難所といった情報をあらかじめ知っておくことが大切」と話しました。

Dr.ナダレンジャーのコミカルなかけ声に笑顔の子どもたち

 授業を振り返って子どもたちは、「自然災害を理科の実験に例えると良く分かった」「建物の一定のリズムに合わせると全部揺れることが分かった」と感想を伝えました。

 後日送られてきた手紙には、「工夫された実験で、災害のメカニズムを理解することができました。このような機会をありがとうございました」と感謝の言葉が書かれていました。

 大田原市にある須賀川小は、東北新幹線の那須塩原駅よりバスで東に約50分の距離にあります。市は唐辛子の生産量が日本一。学校でも育てられ、収穫後に地元の企業に七味唐辛子やラー油作りを学んでいます。松尾芭蕉が「おくのほそ道」の紀行中、長期に滞在したゆかりのある地であり、子どもたちは芭蕉が訪れて俳句を詠んだ雲巌寺で俳句づくりに挑戦しています。

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