クリオネ、かわいい!/群馬・中之条町立六合中で理科実験教室


(2024/02/01)印刷する

 群馬県中之条町の町立六合(くに)中学校(桑原武史校長、生徒9人)で1月16日、ベルマーク財団のへき地校支援ソフト事業のひとつ「理科実験教室」が開かれました。講師は、北海道紋別市にある道立オホーツク流氷科学センターの学芸員、桑原尚司さん。「クリオネ先生」の愛称で知られ、新種のクリオネを発見した研究者です。

 この日は大雪のためスクールバスが運休となり、学校も臨時休校に。このため急きょ、出勤した教員たちに向けて授業を行い、その様子をビデオ撮影することにしました。

ダイヤモンドダスト、見えたかな?

 最初の実験は、「ダイヤモンドダスト」。大気中の水蒸気が凍って結晶化したものが太陽の光を浴びて輝く自然現象を、ドライアイスで冷やされた発泡スチロール箱の中で再現しました。息を吹きかけてLEDライトで照らすと、キラキラと輝くものが。「あっ、見えた」「きれい」。先生たちからも思わず声があがります。

 「過冷却」の実験では、試験管の中で水が凍る瞬間を観察しました。水はゆっくり振動を与えずに冷やすと凍らない性質を持っています。水の入った試験管を、マイナス10度まで温度を下げた容器のなかに入れると、凍る温度以下になっても水は液体のまま。その試験管の水に氷を一粒入れると、刺激で瞬く間に白く凍りました。「おお、すごい」と先生たち。

 桑原さんは授業の最後に「ここの当たり前が世界の当たり前とは限りません。広い視野を持って色々なことに興味を持って欲しい」と、ビデオを通じて生徒たちに呼びかけました。

本物の流氷を前に説明する桑原さん

 翌17日、登校した生徒たちは実験の様子をビデオで見たり、先生が再現した「過冷却」の実験授業を受けたりしました。そして、桑原さんから贈られた本物の流氷とクリオネと対面。クリオネは、桑原さんらが発見した新種を含む4匹。生徒たちは、ペットボトルの中で元気に泳ぐクリオネの姿をのぞき込みながら、「かわいい」「パタパタしてる」と歓声をあげていました。

 「クリオネは7センチくらいだと思っていたら1センチもないのでびっくりした」「水があんなに早く凍ることを知ったので家でもやってみたい」と生徒たち。先生たちは「本物を見て実際に触れて感じる感動が学びに向かう力につながっていくのだと感じました」「六合という地域で生活している子どもたちにとっては視野を広く持つことができ、今後の生活に生きると思います」と感想を話しました。

試験管の中で水が凍る瞬間を見つめる生徒たち
クリオネ、かわいい!
ペットボトルの中で泳ぐクリオネ

 六合中学校のある群馬県中之条町六合地区は、群馬県の西部に位置し、草津温泉と隣接しています。かつてあった6つの村を合わせたことから「六合」と呼ばれるようになったと言われています。豊かな自然に囲まれた六合中は20年前から、高山植物のシラネアオイを保護する活動に取り組んでいます。

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