活動の事例2021
(2021/05/07)印刷する
ベルマーク運動は、参加団体が様々な工夫を凝らして活動しています。近年取材した学校や、データをお寄せいただいた学校の中から、他の学校でも応用できそうな事例を、5つの柱に分けてご紹介します。
自宅作業


滋賀県の長浜市立長浜小学校では2020年度、新たに在宅のベルマークボランティア、通称「在宅ベルボさん」の募集を始めました。PTA役員が会社別に分けたマークを自宅で集計します。「在宅キット」にはテープや説明文が入っており、お子さんを通じて持ち帰ってもらいます。ノルマ等はなく、無理のない範囲でお願いしていますが、想像以上の方が参加してくれたそうです。下の写真は役員がビーズで作ったキャラクターの「べるぼちゃん」。

また、以前から自宅作業を取り入れていた学校もあります。一昨年に累計50万点の大台を達成した熊本大学教育学部附属小学校は、オリジナルの自宅集計キットを使った結果、集まって作業する時間が大幅に減り、負担軽減につながったそうです。
収集時の工夫

佐賀県の佐賀市立高木瀬小学校は、累計点数が700万に迫る佐賀県のトップ校ですが、2020年度に大幅な改革を実施。牛乳パックで会社別になった「ベルマーク貯金箱」を作りました。親子で触れ合いながら仕分けする試みも実施しています。集計には独自のエクセル表も使い、数えたマークをビニール袋にまとめるシンプルな手法を採用して大幅な時間短縮につなげました。
◆「ベルマーク貯金箱」を通した親子のふれあい活動/佐賀・佐賀市立高木瀬小

愛知県の一宮市立奥小学校は、会社別に分かれたベルマーク入れを、職員室の隣りの掲示板に常設しています。各ケースは蓋つきのプラスチック製で、表に会社名・番号などを記し、商品写真も貼ってあります。児童はいつでもベルマークを入れることが出来ます。また児童のボランティア委員会が各クラスの回収箱で集めたマークも、ここに仕分けて入れます。その後の作業はPTAがします。
このやり方は作業の負担を軽くするために、3年前から始められた試みだそうです。マークを仕分けるのが面白い、と子どもたちにも好評とのことでした。またPTAの集計も、以前はマークを台紙に貼っていたのですが、貼らずに数えるだけの方式に変えたそうです。

東京都の杉並区立桃井第三小学校は、コロナ禍のもと、「集まらなくてもできる活動」をめざし、ベルマークポケットを導入しました。事前に使い方を伝える動画をYouTubeで公開。学校も各クラスで動画を上映するなど協力してくれました。
関心を高める工夫


東京都の練馬区立立野小学校は、人気の「鬼滅の刃」をモチーフにしたベルマーク収集を呼びかける物語を配布し、とても好評でした。またマークのまとめ方を伝える動画も作り、YouTubeで公開しました。PTAでは子どもたちのために、コロナ禍でもベルマークだけは続けることにしたそうです。

大阪市立咲洲みなみ小中一貫校は昨春、ベルマークをPRするため、生徒会が独自のキャラクターによる動画を作りました。大阪らしいユーモアあるやりとりで、とても楽しい内容です。同校の生徒会は以前、小中一貫化の記念として10万点をあつめ、新しい学校のシンボルになる電波時計を購入しましたが、その際も歌とダンスのベルマーク動画を作って活動を推進しました。
◆活動の「活性化」を目指して動画制作/大阪・咲洲みなみ小中一貫校

一昨年のベルマーク便りコンクールで優秀賞に輝いた札幌市の聖ミカエル幼稚園は、園児と保護者にベルマークの意義を伝える紙人形劇(ペープサート)を上演しました。ほかに園児にプレゼントするブレスレットを作ったり、子どもたちが出演するベルマークPR動画を制作したりと多彩な活動ぶりです。
子どもたちも活躍

愛知県の豊川市立牛久保小学校は昨年、ベルマークで暑さ対策のミストポールを購入、今年さらにもう1台を購入。夏の日の午後、ミストに集まる子どもたちの写真が同校から送られてきました。
ベルマーク活動には児童の委員会が大きくかかわっています。ベルマーク回収の呼びかけをし、各クラスで集めたベルマークを会社別に仕分けます。それをPTAの厚生委員会が集計します。回収には担任の先生も協力しています。
ベルマークで何を買うかも児童が中心になって決めます。先生が10品目くらいの候補を出し、委員会の児童が全校アンケートを実施。それをもとに、委員会で購入品を最終決定するそうです。

栃木県の下野市立石橋中学校は、生徒会がベルマーク運動を担い、近くの施設に車いすを買って寄付することを目標にしています。一昨年の台風で校舎が浸水し、貯めていたベルマークがダメになる被害に遭いましたが、めげずに活動を再開しました。リンク先の記事は昨年の取材ですが、その後同校は今年になって車いすを買うことが出来たそうです。
◆台風禍にめげず「車椅子寄付しよう」/生徒が頑張る栃木・下野市立石橋中、300万点
地域との連携

新潟県の長岡市立東北中学校は、年1回、校区をあげて実施される資源回収でたくさんのベルマークが集まります。この回収に向けてマークを貯めている人も大勢いるそうです。集計作業には、10年前にお子さんが卒業した元保護者がボランティアとして長年携わり、とても大きな力になっています。昨年、累計500万点を達成しました。
◆生徒・保護者・地域の協力で積み上げ/新潟・長岡市立東北中が500万点

2020年度の都道府県別集票ランキングで大阪府1位になった堺市立登美丘西小学校は、地域のお店などから広範囲な協力を得ています。特にテトラパックは、病院で使う流動食のアルミ付き紙パックがたくさん集まり、点数の押し上げに一役買っています。

財団からお届けするベルマーク一覧表の裏面には、「無理なく 無駄なく 根気よく」と書かれています。ベルマーク運動は、決して無理をせず、それぞれが出来る範囲で続けることが大切です。仕分け・集計方法には決まったやり方はありませんが、子どもたちの笑顔につながることを楽しめるよう、さまざまな工夫を加えてみてはいかがでしょうか。
<リンク>
●過去の事例集 「仕分け・集計の実例」(2019年春掲載)
そのほか、以下の学校からは説明会で予定していた発表原稿が届いたのでご紹介します。