「ベルマーク貯金箱」を通した親子のふれあい活動/佐賀・佐賀市立高木瀬小


(2021/01/07)印刷する

 ベルマーク活動を効率よく行えるよう、身近にある材料で「ベルマーク貯金箱」を制作し、集計方法を見直した学校があります。さらに、ベルマークを通した「親子のふれあい活動」も始め、コロナ禍でも活動を軌道に乗せました。

制作した武藤さんは「ダンボールと牛乳パックのシンデレラフィット」と話す

 佐賀市の住宅街にある市立高木瀬小学校(原口弘之校長、806人)は、創立130年を越す伝統校ですが、ベルマーク運動も盛ん。累計点数は700万点に迫り、県内では断トツのトップです。とはいえ活動に問題がなかった訳ではありません。

 ベルマーク活動を担うのはPTA環境委員会。「4年前に初めて委員になったときには、作業量の多さが気になりました」と、現委員長の武藤千亜紀さんは話します。

 当時は、全委員が月1回学校に集合。ベルマークを「宿題」として自宅に持ち帰り、セロハンテープで貼ります。それを再度回収してから集計……という流れでした。「紛失や、未作業での宿題返却、費やす時間の長さという問題がありました」と武藤さん。

 2年後、再び武藤さんは環境委員になり、「ベルマーク運動説明会」に初めて参加しました。それまで「保護者が仕事をお休みして参加する時間と、集めた点数の差し引きを考えたとき疑問を抱いていた」という武藤さん。説明会で初めてベルマーク運動の役割を知り、ボランティア活動としての意義を認識しました。

 そして2020年度。武藤さんは、作業方法の改善と、かねてより取り組んでみたかった「親子のふれあい活動」の実現のため、環境委員長に立候補しました。

ふれあい活動や保護者の作業時は、横置きにして使う
貯金箱が出来てから「子どもが自分から進んでマークを持っていくようになった」という反応もあったそう


 活動方法の改善のため、武藤さんは3つの目標を設定しました。「ベルマーク貯金箱」と「数えるだけ集計」を導入して作業を簡単にすること、集計にエクセルを使うこと、宿題をなくすことです。

 「ベルマーク貯金箱」は、会社別にマークを仕分ける牛乳パックと、それを収納する大きな箱を組み合わせた道具です。昨年3月に武藤さんが自宅で手作りしました。新学社(ベルマーク番号31)の教材の箱が丁度いいサイズでした。パックが飛び出さないようヘアゴムも通してあります。「6学年用、保護者用、回収用で、牛乳パック450個以上を切ったり貼ったり、ダンボール18箱に穴を開けたり。コロナ禍のステイホームの時間を使って改良を繰り返しました」。出来上がった完成品は、縦に置くとマークを集める貯金箱に、横に置くと仕分け作業時の整理箱になる優れもの。軽くて持ち運びも簡単です。

 「数えるだけ集計」は、マークを切り直したりテープで貼ったりせず、点数種別と枚数を記録したら単にビニール袋にまとめる手法です。大幅な手間の削減になります。

 エクセルの集計表も武藤さんが作りました。各協賛会社のマーク点数が固定されており、枚数を入れると自動的に合計点数が出ます。企業ごとの合計点数を表示するシートもあり、全体の点数も自動計算してくれます。

 環境委員の活動日は月1回。委員は全部で50人いますが、今年度は1回につき3~4学年のみの集まりとしました。工夫を取り入れてみると、全委員が集まらなくても約3時間で発送まで終えることができるようになったそうです。参加者からは「簡素化は活動の継続につながる」「以前より大分楽になった」「初参加だが、すごく簡単で楽しい作業」という声があがりました。

武藤さんが作成したエクセル集計表
切り直さず、袋にまとめる「数えるだけ集計」がされたマーク


 改革はこれだけではありません。武藤さんは小・中学校での読み聞かせや、地域子ども会の委員などを務めた経験があり、「親子がふれあうこと」に関心がありました。そこで、保護者と子どもたちが一緒にベルマーク活動を出来るよう環境整備を始めました。キーワードは「参加活動」「ふれあい活動」「エコ活動」です。

 「参加活動」は、集まったマークを児童が貯金箱に仕分けること。ボランティア委員の6年生8人に加え、全学年から興味のある児童が参加します。

 「ふれあい活動」は、昼休みの15分間に保護者と児童が一緒に貯金箱を使って仕分けをすること。コロナ禍で授業参観の実施も難しい中、9月から毎月1学年ずつ実施しています。参加者には大好評で、「ベルマーク活動を子どもたちに知ってもらえる良い機会」「なかなか見られない子どもたちの様子が分かる」「コロナが落ち着いたらもっとやっていい活動」などの反応があったそうです。

 「エコ活動」は収集用の封筒を手作りすること。例年は全児童数の約800枚の封筒を購入していましたが、経費削減になり、環境保護の意識の啓発にもつながりました。

 ベルマーク預金で高木瀬小が次に買いたいものは、手動の鉛筆削り。ボランティア委員会の子どもたちが「全員が使え、電気代がかからずエコだから」と選んでくれたそうです。武藤さんの思いがきちんと子どもたちに届いています。

武藤千亜紀さんとお子さんの亮太さん(6年)
牛乳パックにラベルを貼ったり、ダンボールを使って仕切りを作ったり、細やかな工夫が施されている
収集用封筒は6年生のボランティア委員が確認のスタンプを押して、返却してくれる


 先生や役員、委員の皆さんの協力に、武藤さんは心から感謝していると話します。そして、ベルマーク運動に参加する他校に伝えたいこととして、こう語りました。

 「ベルマークはきれいに切らなくても、テープで貼らなくても大丈夫。そして、親子で作業したり、子どもたちが主体的に携わったりすることで、点数の価値以上のものが得られる活動になりました」


武藤さんによると「今年度は変更点が多かったため、それを分かりやすく伝えることを意識した」そう

用紙から封筒を作るか、使用済み封筒に用紙を貼ることで、新しい封筒の購入費を削減

ベルマーク商品

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ベルマーク検収

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