ベルマーク便りコンクール特別賞・練馬区立立野小
(2020/12/25)印刷する
東京都練馬区立立野小学校(幅=はば=健司校長、児童483人)は、新型コロナ禍の今年度、PTA代表委員会の10人がベルマーク活動をしています。学級活動・行事部長の木曽真弓さんが中心になって作ったお便りが見事、特別賞に輝きました。
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立野小は練馬区の西南に位置し、少し歩けば杉並区や武蔵野市に入ります。付近は畑も一部に残る閑静な住宅街です。
学校の正面玄関ホールには保護者から寄贈されたというシロクマの剝製(はくせい)があり、来校者の目を引きます。そこにベルマーク回収箱も常設しています。
ベルマーク運動への参加は開校した1962年。いつもは年2回、児童たちがベルマークを持参して担任に提出。1~4年の各クラスから1人ずつ募った保護者のベルマーク係が主に仕分け・集計します。ところが今年度はコロナ禍でPTA活動が大幅に縮小、ベルマーク係はなくなりました。でもベルマーク活動自体はなくせないと、木曽さんたち代表委員会が作業を引き継ぐことになったそうです。応募の手紙には「子どもたちのためにベルマークだけは続けることに決めました」という文章が添えられていました。
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立野小のお便りの特徴は、裏面に描かれた折り線に従って折り、のりしろで接着すると、そのまま回収袋として使えるように工夫されていることです。そのうえ、今年度は木曽さんが新しい試みを加えました。後々の手間を省くため、保護者や子どもたちに、あらかじめマークを仕分けることをお願いするYoutube動画を作ったのです。
「できたらお願いします☆ベルマーク2020☆」と題したこの動画は、ベルマークを会社・点数別にテープで貼りつなぐ方法を木曽さんが実演し、自らスマホを固定して撮影したもの。編集にも初めて挑戦しました。臨時休校などでPTA活動が止まっていた間に「お便りで伝えにくい部分も、動画なら分かりやすい」と考えついたそうです。
7月に発行した今年度初めてのベルマークのお便りに、動画につながるQRコードが載りました。その効果はすぐに表れ、夏休み明けに回収したマークの中には、動画で伝えた方法でまとめたものが見られたそうです。
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お便りと一緒に、木曽さんが作った「鈴刻印(ベルマーク)浪漫」と題した手書きの読み物も同封されていました。アニメ映画が大ヒットした人気漫画「鬼滅の刃」を題材にとり、舞台を大正から令和2年の学校に変更。「鬼」は新型コロナウイルス、鬼殺隊の「剣士」は児童、最も位の高い剣士の「柱」は先生になぞらえています。そして「剣士たちが出来ること」の一つとして学校の環境を豊かにすることをあげ、「鈴刻印を集め、柱に進上して頂きたく候ふ」などと呼びかけています。
木曽さんは前職が保育士。子どもたちの笑顔が見たくて、何かを作りたいとの思いが募るそうで、「子どもたちが活動に進んで参加するよう、わくわくするものを」と、漫画の大ファンの息子たちにも内緒で深夜に筆を進めました。文語調の言葉遣いや旧仮名も混じえて書かれた、とても凝った作品です。
この「鈴刻印浪漫」は、1月のベルマーク回収にあわせて12月にみんなに配布されました。11月に一足早く校内数カ所に掲示された時には「このお手紙、欲しい!」との子どもたちの声が多く寄せられたそうです。
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木曽さんがコンクールに応募したのは、次に出すお便りのヒントを財団のホームページで探していた時、募集の記事を偶然見つけたからでした。それが9月末の締切の4日前。「これをきっかけに活動に興味を持ってくれる人がいるかも」と、学校に相談してすぐに応募したそうです。それだけに、受賞については「驚き、喜び、そして、お便りを作ってよかったという達成感がありました。コロナ禍でも、代表委員の力を合わせて、何かを成し遂げることが出来たのは喜ばしいことでした」と木曽さんは笑顔を見せます。
さらに、新たなアイデアも。集まっての仕分け作業がしやすいように会社番号順に整理袋を貼りつないだものを作り、次回はそれをテーブルクロスのように広げて使う予定です。「コロナの意識は一人ひとり違うので、その温度差を汲んで活動するのは難しいかもしれませんが、短時間で、なるべく集まらないようにする工夫は出来ると思います」
幅校長は「受賞は子どもたちや保護者の意識を高める機会になり、活動も勢いづく。ありがたいです」と話しました。12月にあった代表委員の集まりでは、財団から贈った額入りの表彰状が幅校長から木曽さんに手渡されました。
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【リンク】
マーク仕分け作業の説明動画(立野小PTAチャンネル)