ベルマーク便りコンクール優秀賞・杉並区立桃井第三小


(2021/01/18)印刷する

 東京都杉並区立桃井第三小学校(末永弘校長、児童452人)はコロナ禍の今年度、「集まらなくてもできるベルマーク活動」に取り組んでいます。保護者と子どもたちが協力する仕組みで、子ども向けに作業を説明する動画も作成。この動画が評価のポイントになりました。

90周年の帽子を被った末永弘校長とPTA役員のみなさん。前列右が天野礼奈会長、後列右から2番目が本村由美副会長、同3番目が小坂明子副会長
桃井第三小の校舎
4年生が総合的な学習でデザインした歴代の手ぬぐい

 JR西荻窪駅から約3分、桃井第三小は商店街と住宅地が隣り合う地域にあります。ICT(情報通信技術)教育に力を入れ、授業でタブレットを活用しているほか、4年生が総合的な学習で模擬会社を作り、自分たちでデザインした手ぬぐいの販売を手がけているそうです。

 開校は1928(昭和3)年。ベルマーク運動には1961年から参加し、これまでに集めたマークの累計は310万点を超えます。昨年度はPTAのベルマーク担当2人を中心に、各クラスにあるベルマークの回収袋を集め、10~20人参加する仕分け・集計を4回実施しました。ところが今年度はコロナ禍で、PTAも役員以外の係が決められず、副会長の一人、本村由美さんがベルマークの担当を兼ねることになりました。

 本村さんは、仕事を休んで作業する保護者もいた昨年度までのやり方には疑問を感じていました。「誰もが簡単に参加できて、効率的な方法があるはず。コロナの状況は活動を変える絶好の機会」。他校の工夫も参考にし、他の役員たちとも話し合いながら、集まらなくても活動できる方法を検討しました。

 それが「ベルマークポケット」の採用。会社番号別のポケットに、子どもたちに持参したマークを仕分けて入れてもらう仕組みです。100円ショップで手に入る壁掛け式のCDケースを使い、本村さんが作りました。

 子どもにベルマークの意味やポケットへの分別ルールを説明するため、動画も作りました。「子どもの誕生日に、写真などを素材にした動画を作ってきたので、その経験が役に立ちました」。1年生でも理解できる内容にしようと心がけ、集中が切れないよう5分以内にまとめました。近所の子どもたちに試作品を見せ、その感想をもとに改良を加えました。

 ポケットの導入に伴い、最終的な仕分け・集計は保護者の自宅作業になりました。本村さんは、ファスナー付きケースに作業手順が書かれた紙や整理袋を入れたキットを用意。9月には、コロナのため活動がほぼなかったPTAの学級部から、4人がベルマークリーダーに、7人が自宅で作業する担当者に決まりました。

説明動画の一部

 活動の変更点はお便りで保護者全体に知らせました。7月に副会長の小坂明子さん、9月にベルマークリーダーの中山里香さんがお便りを作成。動画はYouTubeにアップし、9月のお便りにはそのQRコードも載せました。動画が先生や保護者に好評だったことから、本村さんはコンクールへの応募を決めたそうです。

 学校側も協力し、2学期以降、各クラスで動画を上映してくれました。子どもたちからは「マークを集めたらボールに交換できるの? びっくり~」「ポケットは数字合わせゲームみたいで楽しそう」「早くやってみたい」などの反響があったそうです。本村さんによれば、保護者にも興味を持ってもらおうと「マークがどこに付いているのか見つからない時は、おうちの人に聞いたら教えてくれますよ」と動画の中で伝えたところ、実際に家で尋ねた子どももいたそうです。

常設されているベルマークポケット
自宅作業用のキット


 こうした準備を重ねたうえで、ベルマークポケットは10月中旬、校舎1階の廊下に常設されました。集まったマークは、キットとともに子どもを通して担当者の手に渡り、自宅作業に入ります。2週間ほどでキットを戻した後、リーダーが校内でチェックする流れです。今後、改善点なども吸い上げて、よりスムーズな体制を整えていく予定です。

 取材したのは昨年12月。子どもたちがマークをポケットに仕分ける様子を見せてもらいました。家でカレーやお菓子のマークを集めているという澤村虎太朗くん(3年)は「ポケットは番号が見つけやすく、分かりやすい」と話してくれました。動画のナレーションを担当した本村さんの娘の心乃(みな)さん(2年)は、制作時を振り返って「長い言葉を覚えるのは難しかったけれど、頑張って良かった。自分がこんなにはきはきした声をしていたなんてびっくり」と笑顔をみせました。

ポケットにマークを仕分ける

 「子どもたちのために何かをしてあげたいのに、時間を割けない方も多い。コロナ禍のタイミングもあり、活動を変えることへの理解がありました」と本村さん。ベルマークの収集をやめるのではなく、負担を減らしたうえで、今回新たに導入したウェブベルマークとの両立を目指したそうです。

 「まさか、コンクールの優秀賞をいただけるとは思いませんでした」と本村さん。末永校長は「コロナ禍の困難にも前向きに対応し、気軽に参加できる取り組みを実践しています。コンクールの受賞で、さらに活動への意欲が高まったと思います」とたたえました。

 公開用に編集し直した動画を本村さんに作っていただきました。ぜひご覧ください。

ベルマーク商品

トナーカートリッジ

ベルマーク検収

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