静岡県内に244ある公民館の先陣を切って、袋井市の三川(みつかわ)公民館がベルマーク運動に参加しました。同館は市北部の田園地帯にあり、管内人口は約3100人。市街地だと1万〜1万5千人も珍しくありませんから決して規模が大きいわけではないのですが、その分、地域の中核として大いに期待され、信頼されています。地域教育、健康づくり、防犯・防災など多岐にわたる活動で、2005年度には文部科学大臣表彰を受けました。
市内の公民館の要員はどこも3人に決まっており、ベルマーク運動に参加するといってもスタッフだけで仕分けや計算をするのには限界があります。しかし、プリンターやコピー機のカートリッジを回収するだけでもベルマークの点数になると聞いた池野美弘館長は「手間がかからないうえにリサイクルに一役買える。集めた点数は地元の小学校に寄贈できる」と、手始めにカートリッジの回収から始めることにして参加を申し込みました。各家庭にベルマークに参加したことを知らせるチラシを配り、公民館に立ち寄るついでに使用済みカートリッジを持ってきてほしいと依頼し、事務所の窓口にエプソンとキヤノンの回収箱を置きました。反応は上々で、集まり具合は順調だそうです。
同館が力を入れている柱の一つは、管内の小学4〜6年生約80人を対象にした「みつかわキッズ」活動です。地域の子は地域で育てようという狙いで、6月から2月にかけて計18回、農業体験(サツマイモ掘りなど)、料理体験、遊び体験(カヌーなど)、高齢者との交流会などを続けています。さまざまな体験を重ねることで子どもたちに社会を生き抜く力を備えさせたいと、同館の職員だけでなく、学校の先生やPTA、子ども会育成会、老人クラブ、自治会役員らの協力を受けています。
防災活動も盛んです。自治会の班単位で防災組織を組織したり、雨の中で夜間防災訓練を実施したりしており、池野館長は消防庁から「防災伝道師」の称号を受け、全国で講演活動をしています。防犯活動では、地元の大規模な河川改修・土砂埋め立て事業に出入りする約100台のダンプカーが通学児童を見守るというユニークな「地域安全運動」を組織しました。
こうした活動の基本になっているのは「地域への還元」です。ベルマーク運動も、その主要な一翼を担うに違いありません。
(2007/1/12-2)
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