最近の援助から


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ミュージカル「孫悟空」に笑いや手拍子 ベルマーク劇場、宮崎で2公演

 ベルマークファミリー劇場「ミュージカル 孫悟空」(制作・劇団東少)が2月13日に宮崎県門川町総合文化会館、14日に串間市文化会館で上演され、ミュージカル孫悟空の1場面それぞれへき地学校の子どもたちが招待されました。今回の2公演は、文化庁や宮崎県などの主催で行われました。
 「夢とロマンと冒険の旅立ち」とうたう「孫悟空」は、中国の小説「西遊記」を題材にした物語。三蔵法師がサルの孫悟空、ブタの猪八戒(ちょはっかい)、カッパの沙悟浄(さごじょう)をおともにして天竺(てんじく)の仏さまのところにお経をもらいにいく途中で、いろいろな妖怪(ようかい)たちと出くわし、力を合わせて乗り切っていく話です。ミュージカルのあらすじは、火焔山(かえんざん)という火の山を舞台に、牛魔大王(ぎゅうまだいおう)と妻、その息子という妖怪たちを相手に、悟空たちが火焔山の火を消すための大うちわを手に入れようと戦いを繰り広げます。迫力あるアクションシーンや煙の演出、歌と効果音での臨場感……。観音様も登場して息子を改心させ、最後は牛魔大王たちも家族や人への思いやりの大切さを知るという笑いあり、涙ありの約2時間でした。
孫悟空と握手。見送りに笑顔の子どもたち=いずれも宮崎県門川町総合文化会館で

 門川町総合文化会館では、西門川児童館、西門川小、西門川中の約50人が招待され、町内の幼稚園児を中心に約500人が鑑賞しました。子どもたちは、間近にみる本格的なミュージカルにすっかり一体化、音楽にのって手拍子をしたり、ユーモラスな仕草ややりとりに大笑いをしたりしていました。招待され、開演を待つ子どもたち=宮崎県串間市文化会館で終了後は、出演者がそれぞれの扮装のままロビーで見送り、子どもたちは「面白かった」と口々に言いながら、握手をして帰っていきました。
 串間市では、笠祇小、大平小、市木小、築島分校の70人余りが招待され、楽しみました。

《写真上から》
・ミュージカル孫悟空の1場面
・孫悟空と握手。見送りに笑顔の子どもたち=いずれも宮崎県門川町総合文化会館で
・招待され、開演を待つ子どもたち=宮崎県串間市文化会館で


(2010/02/17)

へき地学校から援助ありがとう 全国からお礼の手紙や写真

 PTAの皆さんたちが集めたベルマークを元にした援助資金は、ベルマーク教育助成財団を通じて、養護学校・盲学校などの特別支援学校や被災校、海外の開発途上国の子どもたちなどに贈られ、役立てられています。長崎県立川棚養護学校から届いた「ありがとう」の写真とイラスト中でも、へき地学校援助は大きな柱で、2009年は、全国100校に希望する教材・設備品が贈られました。また一輪車、理科実験などの出前教室も行われています。ベルマーク財団には、こうした援助に感謝するお礼の手紙や写真が各地から届いていますので紹介します。
 「きれいなかっこいいテレビがやってきました。たくさんのベルマークで学校にやってきました。こんなにたくさんベルマークを集めるのは大変だったでしょう。みんなで大事に使います」。長崎県川棚町にある県立川棚養護学校(緒方隆一校長)の生徒からのお礼です。イラストに「ありがとう」の文字を待った写真を添えたものもありました。同校には知的障害のある小中学生43人が学んでいます。1台しかなかったテレビが古くなっており、新しいテレビが2台きたのでとても喜んでいます、と同校では話していました。
 新潟県長岡市立中野俣小学校(石井正文校長)からはお礼の手紙とCDが同封されていました。豪雪地帯の同小周辺では、わずか数日で雪が降り12月21日現在で170センチの積雪になりました。贈られた竹馬で遊ぶ新潟県長岡市立中野俣小学校の子どもたち5年前の新潟中越地震では校舎が壊れ一時、間借り生活をしていました。予算では購入出来ない教材・教具もあり、援助は大変役立っているそうです。特に12台贈られた竹馬は、全児童24人の半数が一度に使用出来るため、休み時間には多くの子どもが挑戦。石井校長によると「学校の新しい文化になりつつある」ということでした。
 「ぼくはベルマークで新しくなったバットを使って打ったらホームランが今年初めてうてました。一輪車もうまくなりました。たのしくあそんでいます。ありがとうございます」。鳥取県伯耆(ほうき)町立日光小学校(池嶋順子校長)からは全児童17人からのお礼の手紙です。大山(1709メートル)をのぞむ高地にある同小は、クロスカントリースキーが盛んで、3学期はスキー一色。体育の時間は、玄関からスキーをはいてコースに出かけることができます。添谷分校は児童2人、2011年度で閉校になります。「ベルマークというものを初めて知りました。自分のノートを探したらありました。へぇーこんなところにもあるんだと思いました。ありがとうございました。もらったものは大切にしたいです」。
ケンステップを使って色々なステップで走る練習をする栃木県鹿沼市立永野小学校の子どもたち 栃木県鹿沼市立永野小学校(倉澤敏夫校長、54人)は、鹿沼市中心部から20キロ、永野川上流の山村にある学校です。現在複式学級は1つですが、2010年度は2つに増えそうです。児童代表からこんなお便りです。「たくさんの教材をありがとうございました。1、2年生がケンステップを使って色々なステップで走る練習をしています。英語のピクチャーカードは、5、6年生の外国語活動にとても役だっています。大切に使わせて頂き、一生懸命運動に勉強に頑張りたいと思います。私たちもベルマークを集めて行くことに取り組んでいきたいと思います」。PTA活動としてベルマーク集めも始まったそうです。援助がきっかけになってベルマーク集めや活動が始まる。うれしいですね。

《写真上から》
・長崎県立川棚養護学校から届いた「ありがとう」の写真とイラスト
・贈られた竹馬で遊ぶ新潟県長岡市立中野俣小学校の子どもたち
・ケンステップを使って色々なステップで走る練習をする栃木県鹿沼市立永野小学校の子どもたち


(2010/01/06)

教材提示装置で授業に新風 大宮ろう学園

 さいたま市北区の埼玉県立特別支援学校・大宮ろう学園(神田芳男校長)には、「教材提示装置が贈られました。教科書や教材、子どもたちが書いたものをプロジェクターで拡大して黒板などに映す装置です。黒板に映し出した教科書を示しながら授業する牛山先生。左手前が教材提示装置同学園には幼稚部、小学部、中学部、高等部、高等部専攻科があり、聴覚障害の3歳から20歳までの195人が学んでいます。12月15日、この装置を使った初めての授業をのぞいてみました。
 6人の中学3年生が理科の授業で、「還元」「酸化」の実験に取り組みました。牛山騎八先生が提示装置を使って、教科書の1ページを大きく映し出します。さらにアップにして「まず読みます」。生徒たちは、先生の読み指す早さに合わせて、映し出された教科書を目で追います。実験の説明図も大きく映し出し、必要な道具や薬品、手順を確認して実験の開始です。
 酸化銅が、銅と二酸化炭素に分かれる実験です。生徒たちは、2組に分かれて試験管を使って薬品を火で燃やしたり、管でつながった別の試験管の水の色が変わったりする実験に真剣です。一段落したところで、再び装置の出番です。牛山先生が、映し出された教科書のページの文字にチョークで書き込んだりしながら、なぜ酸化銅から銅ができたのか、化学式なども交えながら教えていきます。実験でできたばかりの2組の銅を装置で映し出し比較します。色の違いなどがはっきりわかります。「こっちは完全に反応が終わったもの。こちらはまだ反実験が終わり、先生から結果の説明を真剣に聞く生徒たち。=いずれも埼玉県立特別支援学校大宮ろう学園で応の途中だね。でも両方とも銅はできています」。最後はテスト形式のまとめ。生徒たちに書かせると、1人のまとめを装置に。みんなで見ながら「合ってる?」「OK」。1時間の授業が楽しく終わりました。
 「子どもたちは音が聞こえないから、教科書を見ながら先生の話を聞くということはできません。だから黒板に映る教科書を見ながら、先生が話す言葉を聞き取ろうとするんです」と櫻庭比呂美教頭。このため、教科書を拡大コピーして黒板に張ったり、先生によってはパソコンで教科書をスキャンして取り込み、プロジェクターで黒板に映したりしています。しかし、この方法だと手間がかかるうえ、チョークで書き込んだり、その場ですぐに映したりすることはできません。牛山先生は「この装置は使い勝手がいいし、きれいに見えます」と言います。ただ課題もあるようです。「セッティングに時間がかかるので、1人の先生が使った後、次の授業で使う場合はちょっと大変です」と話していました。

《写真上から》
・黒板に映し出した教科書を示しながら授業する牛山先生。左手前が教材提示装置
・実験が終わり、先生から結果の説明を真剣に聞く生徒たち。=いずれも埼玉県立特別支援学校大宮ろう学園で

(2009/12/18)

個性あふれる作品できたよ 大分県日田市出野小で絵画教室

喜田川さんが4歳のときに描いたという絵を見つめる子どもたち 大分県日田市立出野(いづの)小学校(江藤利行校長)で11月20日、今年度3回目のお絵かき教室が開かれました。ベルマーク新聞の漫画「ベルちゃん」の筆者で、イラストレーター喜田川昌之さんに「心の目で描こう」と教わり、子どもたちは想像力を働かせ、個性あふれる絵を描いて、楽しい時間を過ごしました。
 出野小の児童は2〜3年生と4〜5年生、6年生の3学級計9人で、この日は8人が参加しました。午前9時45分からスタート。校舎2階の英語教室に、子どもたちが自分のクラスから机といすを運んできました。
 「みんな前に集まって」。喜田川さんが取り出したのは、4歳のころに描いたという家族や動物の絵です。「うーん上手だね」「これは何」。子どもたちの緊張がほぐれ、喜田川さんとの距離がぐんと縮まりました。授業の最初は「さぐり絵」です。黒い布袋に両手を入れて、手触りだけで中の品物を想像し、絵を描きます。2年生の佐藤快斗君は「分った。簡単、簡単」と、タワシの絵を仕上げました。しゃもじ、砂時計、ジョウロ、跳び縄、洗濯ばさみ、けん玉、茶こし、やかん。喜田川さんが子どもたちの机を回って、「ギザギザがあるよ」「ちくちくするね」とアドバイスをします。2回目は果物や野菜です。「何かな」「分った」。手触りで品物を想像する「さぐり絵」手で触り、匂いをかいで、レモン、リンゴ、レンコンなどの絵を完成させました。
 次は、漢字の一文字からイメージを膨らませ、風景や動植物などを描き加えて、仕上げる「感じ絵」です。喜田川さんは、黒板に大きく「土」と書くと「どんなイメージを持ちますか」と尋ねます。「土の上を、はだしで歩くと気持ちいいでしょう。動物も同じだよ。犬がいるね。木が生えてる。石ころがあるよ」と、たちまち「感じ絵」が出来上がりました。「絵は自分の心、気持ちを映すもので、これが正解ということはありません。その子にとって描きたいものが答えです」という喜田川さんに促され、子どもたちも挑戦します。8人が選んだのは水、山、海、川、人、空。先生2人と特別参加の読み聞かせボランティアの女性は手、幸、脳です。6年生の佐藤正海君は「人」に取り組み、誕生から死まで人の人生を描きました。川の字の絵からは、学校近くを流れる高瀬川の清流が思い浮かびます。海には魚釣り、貝がら集め、キャンプ、水泳と、夏休みの楽しい思い出がいっぱい詰まっていました。
完成した「感じ絵」がずらり 締めくくりはアニメーションづくり。静止している絵と一部が変化している2枚の絵の組み合わせを、交互に見ると、絵が動き出すという基本的なアニメです。喜田川さんが見本を見せたあと「さあ、これからが本番です。自分で考えてつくりましょう」と話すと、にぎやかだった教室が静まり返りました。それでも、子どもたちは真剣な表情で、シーソー、電球の点滅、ブランコ、キック、まりつき、ジャンプ、けん玉などのアニメを完成させました。
 5年生の佐藤彩音さんと2年生の佐藤快斗君が「アニメができて、うれしかった」などと、お礼の言葉を述べて、2時間のお絵かき教室の楽しい体験が終わりました。
 出野小は、日田市の中心部から車で約30分、山間部の旧前津江村(05年3月に旧日田市などと合併)にあります。保護者だけでなく、地区の人たちと学校の結びつきが強く、地域ぐるみの学校行事が多いそうです。とくに2学期は運動会、ふるさと祭り、音楽祭、オープンスクール、収穫感謝祭とスケジュールがいっぱい。子どもたち、先生と地域の人たちとの交流が毎年、にぎやかに行われます。
 ただ、今年に続いて来年も、いまのところ新入学児の予定がないなど、過疎化による児童の減少が悩みになっています。「保護者の同意」を前提に、周辺の4小学校1分校を一つに統合する計画が進んでいるそうです。
みんな自信満々、作品を手に喜田川さんと記念撮影=いずれも大分県日田市の出野小学校で


《写真上から》
・喜田川さんが4歳のときに描いたという絵を見つめる子どもたち
・「何かな」「分った」。手触りで品物を想像する「さぐり絵」
・完成した「感じ絵」がずらり
・みんな自信満々、作品を手に喜田川さんと記念撮影=いずれも大分県日田市の出野小学校で

(2009/12/03)

不思議体験に笑いと歓声 屋久島の3小中学校で実験教室

「科学実験」に見入る子どもたちは興味津々=鹿児島県屋久島町永田小で 「ベルマーク理科実験教室」が、11月12日と13日の両日、初めて世界遺産の島・屋久島を訪れました。「実験名人」出雲科学館の曽我部國久館長が「サイエンスマジックショー」を出前したのは、鹿児島県屋久島町の永田小学校、小瀬田中学校(12日)、栗生小学校(13日)の3つの小中学校。島の中央部はたくさんの屋久杉がそびえる昼なお暗い山地、道路は海岸部分を回る一本道のため、同じ島内とはいえ、永田、小瀬田、栗生の3地区間の交通はとても至便とはいえず、「1カ所集中開催は無理」。そこで、3校での分散開催となりました。
 曽我部さんが館長をしている出雲科学館で行っている「ものづくり・実験教室 子ども科学学園」の謳い文句は、自分の手で作り上げた「万華鏡」を覗き込む子どもたち=同小で「ノーベル賞をめざせ!」。「ノーベル賞が取れる人材を育てるためには、子どものうちから『科学って面白いな』という興味を持ってもらう必要がある。これまで、手弁当で日本全国800ヶ所以上に実験教室を出前してきたのは、そのため」という曽我部さんの思いは熱いし、真剣です。
 今回も、「実験材料作りに、2日間徹夜しました。さらに各校でそれぞれ1時間から1時間半の事前準備、後片付けにも30分から1時間はかかる。それを2日間で3ヶ所こなす」というハードスケジュール、朝寝坊はもちろん、昼食をとる時間的余裕もありません。「それでも、島の子どもたちに、科学実験を見せてやりたい」という曽我部「名人」のアツき思いが、3カ所開催を実現させたのです。
 「名人」を迎えたのは、永田では小学生27人、中学生14人、幼稚園児8人、中学生に混じって、液体窒素で花びらの冷凍実験に挑戦=小瀬田中で小瀬田では中学生18人、小学生14人、栗生では小学生ばかり24人。「とにかく自然の豊かな島。そんな素晴らしい自然の中で子どもたちを育てたい」という全国の親たちの要望に答えて、永田、栗生では留学制度を設けていますが、永田ではうち12人(小学校9人、中学校3人)、栗生ではうち4人が、北海道や東京、大阪、京都などからの「留学生」。「中には家族で移住してきたケースもありますが、ほとんどが近くに住む里親に預けられ、そこから通学している」といいます。
 全国的に見ても、「最多雨量地区」だけに、両日とも雨催(あめもよ)い。しかし、これまでテレビ以外では見たこともない科学実験が始まると、子どもたちはそんなうっとうしさを忘れたかのように、驚きと笑いの連続。液体窒素に漬けたボールを床にぶつけると一瞬のうちに割れてしまったり、カチカチに凍った花の花びらを手で揉むとばらばらに崩れたり・・・そんな実験を目を丸くしながら見た後は、子どもたち一人ひとりが液体窒素で凍らせたマシュマロを試食したり、ヘリウムガスを吸い込むと「声変わり」する不思議で楽しい体験もしました。
 最後は、例によって「万華鏡づくり」。「名人」のいかにも教育者らしい厳しい指導に、今度は涙を浮かべる子もいましたが、「液体窒素に風船を入れたらどうなる? 空気が無くなったの?」と子どもたちに質問をぶつけながら実験をする曽我部さん=栗生小で(同小提供)自分の手だけで完成させた「万華鏡」をのぞき込んだ子供たちからは一斉に、「うわ〜奇麗!」の歓声。今泣いたカラスがテレながら笑っていました。
 「名人」にとって唯一残念だったのは、「島に良質なドライアイスがなく、それを使った実験が出来なかった」こと。「良質なドライアイスがあれば、こどもたちに、液体が美しい七色に変わるところを見せてやることができたのに。ドライアイスくらいあるだろうと思い込んだのが、失敗でした」と悔やむことしきり。失礼ながら、「弘法にも筆の誤り」「サルも木から・・」のことわざを思い出してしまいました。 
 それでも、3カ所ともこどもたちは十分に「科学実験」を楽しんでいたよう。「科学」に興味を持ってもらえたのでは、と期待したいところですが。

《写真上から》
・「科学実験」に見入る子どもたちは興味津々=鹿児島県屋久島町永田小で
・自分の手で作り上げた「万華鏡」を覗き込む子どもたち=同小で
・中学生に混じって、液体窒素で花びらの冷凍実験に挑戦=小瀬田中で
・「液体窒素に風船を入れたらどうなる? 空気が無くなったの?」と子どもたちに質問をぶつけながら実験をする曽我部さん=栗生小で(同小提供)

(2009/11/27)

科学の不思議に興味津々 栃木・下生井小で理科実験教室

「水素入り風船」が爆発。子供たちは大きな音と炎にびっくり 栃木県小山市の市立下生井小学校(沖久幸校長、52人)で11月10日、実験名人「ベルマーク理科実験教室」が開かれました。島根県の出雲科学館の曽我部國久館長が「サイエンスマジックショー」で、空気の重さや静電気、色の不思議などを、いろいろな道具や薬品を使いながら実演し、なぜそうなるのかを教えました。子供たちは、次々に目の前で展開される実験にびっくりしたり、自分たちで実際にやってみたりと興味津々でした。
 下生井小は、近くに渡良瀬遊水池などがある田園地帯にあります。3世代同居の世帯が約8割で、児童数は減り続けているそうです。この日はお母さんたち15人も参加しました。
 サイエンスショーは、マイナス200度近い液体窒素を使ってボールを一瞬で凍らせて割って見せたり、水素を入れた風船に火を爆発させたりと普段は見られないことばかり。とくに、児童の一人が凍ったバナナで思い切り曽我部館長の頭をたたくとバナナがぽっきり折れ、みんなびっくり。自分たちでもマシュマロを凍らせて食べ、凍った菊の花を手でもむとぱらぱら壊れる体験をしました。ヘリウムガスを吸い込むと、おもしろい声になる実験も披露、「空気がないとこういう現象がおきます。なぜでしょう」などと語りかけながら、謎解きをしていきました。大きな風船をぶつけてよろけさせて空気の重さをバナナが割れた。凍ったバナナで頭をたたかせる曽我部館長見せたり、逆に真空状態で2つの物を密着させると簡単に引き離せないことを見せたりも。そのうえで「なぜ、と思ったらまず自分で考えてみることが大事です」と強調していました。
 最後は、みんなで万華鏡づくりです。「ちゃんと話を聞いてないと作れないよ。勉強でも授業中に先生の話を集中して聞いていれば、成績は上がります」と曽我部館長。それでも勝手に作業を進めたり、よそ見したりすると「こらっ!聞いてなかったね」と怒られる子もいました。ようやく出来上がった万華鏡を一斉にのぞくと、子供たちから「うわーっ、きれい」の歓声が上がった。次は隣の子の万華鏡と取り替えてのぞかせます。「みんなの万華鏡に同じものはありません。人間も同じで性格などはみな違います。だから、人がどうだとかより失敗を恐れないで何にでも挑戦してみてください」と曽我部先生は語りかけていました。
 最後に6年生の小林夏希さんが「柔らかいものが固くなると割れるのはなぜか、空気がないとなぜそんなに大きな力になるのはなぜか。いろいろ興味がわきました。科学者になりたいと思った人もいるかもしれません。今日はありがとうございました」とお礼を述べました。
出来上がった万華鏡をのぞく子供たち=いずれも下生井小学校で

《写真上から》
・「水素入り風船」が爆発。子供たちは大きな音と炎にびっくり
・バナナが割れた。凍ったバナナで頭をたたかせる曽我部館長
・出来上がった万華鏡をのぞく子供たち=いずれも下生井小学校で

(2009/11/19)

海外の日本人学校援助、09年度は13校に教材

 ベルマーク運動から日本人学校への2009年度の援助が行われました。対象は日本人学校3校と補習授業校7校、補習校3校の計13校で、いずれも文部科学省初等中等教育局の推薦によるものです。学校が希望する教材(総額200万円)を贈りました。

  バンドン日本人学校 (インドネシア)
  ヤンゴン日本人学校 (ミャンマー)
  ペラ日本人補習授業校 (マレーシア)
  イスタンブル補習授業校 (トルコ)
  ハンブルグ日本人学校 (ドイツ)
  コートダジュール日本語補習授業校 (フランス)
  グルノーブル日本語補習授業校 ( 〃 )
  レンヌ日本語補習授業校 ( 〃 )
  バッファロー日本語補習校 (アメリカ合衆国)
  ニューポートニュース補習授業校 ( 〃 )
  グレータールイビル日本語補習校 ( 〃 )
  ロンドン補習授業校 (カナダ)
  ニューカレドニア日本語補習校 (ニューカレドニア)

(2009/11/18)
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