読者の皆さんは、新年号「読んでみたい本」(児童文学者鈴木喜代春さん執筆)に載った「ぶんぶくマッサージチェアー」という絵本を覚えていますか。実は作者の宮葉唯(みやば・ゆい)さんは4月に4年生になったばかりの小学生で、本を書いたときはまだ2年生でした。将来の夢は「絵本や小説の書ける動物のお医者さん」です。
「ぶんぶくマッサージチェアー」は、昔話「ぶんぶく茶釜」に出てくるタヌキの孫、いたずら好きな「ポン太」が、スーパーのマッサージチェアーに化けたことから巻き起こる人間との交流をテーマにした物語。第6回おはなしエンジェル子ども創作コンクール」(日本児童文芸家協会、日本児童文芸家協会主催、日本公文教育研究会協賛)の「幼児・小学生低中学年の部」で、応募170編の中から最優秀賞を取りました。現代性のある発想と、ストーリーの暖かさが評価され選考委員7人の満場一致でした。絵本画家の篠崎三朗さんが絵を描き、受賞から約1年後の昨年秋、絵本としてくもん出版から出版されました。
唯さんは、本を読んだり、お話しを書くことがふだんから大好き。母親の元子さんによると「本を1日で読み終えたり、寝る前に読み聞かせをすると空想にひたったりすることがある」。今回も、元子さんとおしゃべりしているうちに、だんだん物語がふくらんでいったようです。マッサージチェアーは近くのおばあちゃんの家にあり、唯さんはこのイスが大好きで、遊びに行くとよく占領するそうです。「初めて応募して最優秀賞になったこともうれしかったけど、本になって、色々な人に読んでもらえるのは、すごいと思うし、とてもうれしい」。唯さんは、この絵本14冊を千葉市に寄贈しています。
千葉市内に住む唯さんは、勉強では、国語と理科が好き。友達とのおしゃべりも大好きだし、スポーツも、「跳び箱6段が飛べるようになった」と得意そう。パソコンも動かせるようになった、そうです。
将来の夢「絵本の書ける動物のお医者さん」のわけは、やはりおばあちゃんの家で飼っていた犬が幼稚園児のとき、弱って死んだことがとても悲しかったので、お医者さんになって大好きな動物を助けたい、から。「動物の気持ちが分かるようになればいいし、動物が主人公の物語を書きたい」と話しています。
(2007/4/5-2)
|