横浜市東部の郵便局が約4.7万点を小学校に寄贈


(2021/04/13)印刷する

 横浜市東部の126の郵便局が合同でベルマーク収集に取り組み、4万6869.3点を地域の小学校へ寄贈しました。初めての試みでしたが、1ヵ月という短い期間での収集活動は大きな成果に結びつきました。

 この取り組みは、横浜市の7行政区(西区、神奈川区、港北区、都筑区、緑区、青葉区、鶴見区)にある郵便局で作る日本郵便横浜市東部地区連絡会が実施しました。統括局長を務める串田明彦・横浜池辺郵便局長と、実務を担当した馬場武志・中川駅前郵便局長にお話を伺いました。

左から馬場武志・中川駅前郵便局長、串田明彦・横浜池辺郵便局長

 126局に勤める社員は約1000人。例年、社員間のコミュニケーションを目的としたレクリエーションを実施し、特に秋の運動会はとても盛り上がるそうです。でもコロナ禍により昨年の運動会は中止せざるを得なくなりました。

 「レクリエーションは社員同士が情報交換をする良い機会。一体感を得ることも日々の業務に役に立つため、それが出来ずモヤモヤとしていました」。馬場局長は当時の思いをこう語りました。

 そんなとき、集まらなくても出来る活動として若手社員が発案したのが、ベルマークの収集でした。他にもアイデアはありましたが、ベルマークは幅広い世代の社員に認知されていたこともあり、この案が採用されました。串田局長は「郵便事業の原点は『地域に根ざした活動』。ベルマークを集めて地域の小学校に還元することも同じ意味を持つため、スムーズに活動を始めることが出来ました」と話しました。

レクリエーション担当者がFAXで収集を呼びかけた
「ベルマーク!!ここにあったよ」プリント


 11月を収集期間、12月を仕分け・集計期間と定め、集中的に取り組む計画を立てました。名付けて「横東秋のベルマーク大収穫祭」。企画の中心を担ったのはレクリエーションのスタッフ16人です。イベントをより盛り上げるため、エリアごとの「部会」対抗で点数・枚数を競うことにしました。ただし、ルールは「強制せず、楽しみながら集めること」。

 とは言え、呼びかけるだけではマークはなかなか集まりません。そこで「ベルマーク!!ここにあったよ」というプリントを作り、社員がベルマークを見つけた商品やその点数を記入してFAXで共有することにしました。プリントの一言欄には、その商品をおいしく食べるレシピや、お店のセール情報なども書き込まれ、運動を進める楽しさが増したそうです。

 馬場局長は「どの商品に付いているか、という会話もコミュニケーションのきっかけとなりました」。また串田局長は「だんだん盛り上がってきて、みんな高得点を狙いにいっちゃってね」と笑いながら話してくれました。

オリジナルの台紙いっぱいに貼られたマーク


 仕分け・集計はオリジナルの台紙を使いました。なんとアドバイスをくれたのは馬場局長の奥さん、春那さんです。小学校でベルマーク活動を担当していて「どうマークを整理したら寄贈先の学校が喜んでくれるか」を考えてくれたそうです。マークは必ずしも貼らなくていいことは知っていましたが、各小学校のPTAが困らないよう、ひと目で見やすい形に整理し、点数・枚数別の明細も計算することにしました。馬場局長によると「社員は日頃の業務で切手を貼るなど細かい作業に慣れており、それが活かされた」そうです。

横浜市立大口台小学校で、社員から田川校長へベルマークが手渡された

 集めたベルマークは当初、各区の校長会会議で、手渡しで寄贈する予定でしたが、1月に緊急事態宣言が発令されたため、全ての区での寄贈式の開催は難しくなりました。それでも2月12日、神奈川区の校長会会議がオンラインで行われたタイミングに合わせ、横浜市立大口台小学校への訪問が実現。東神奈川部会と西神奈川部会が集めたベルマークを、代表校長となった田川斉史校長に手渡すことが出来ました。その後マークは各校に分配され、コロナ禍の影響で寄贈式が開催できなかった学校からも感謝の声が多く寄せられました。特にマークの整理が済んでいたことがPTAにとても喜ばれたそうです。「『コロナが落ち着いたらぜひ校長会議に来てくださいね』と声をかけてくださった校長先生もいて、とても嬉しかったです」と馬場局長は話しました。

 今回の試みで馬場局長は「地域貢献活動は『やらされる』のではなく自発的に楽しく取り組むことが大切」と感じたそうです。春那さんがアドバイスとともに教えてくれた「PTAのベルマーク活動って、一度やってみると意外とはまり、翌年も担当から離れない」「より効率よく作業するための工夫を楽しんでいる人もいる」という話が興味深かったと言います。

お話をうかがった中川駅前郵便局はかわいらしい建物

 大収穫祭でたくさんの点数を集められたのは、連絡会のボランティア活動に対する意識の高さも関係していたようです。東日本大震災の発生直後には、社員が繰り返し現地に赴いてがれきの撤去作業などの活動をした経験があります。また昨年7月にはコロナ禍で苦闘する医療関係者のために防護服を製作する「防護服支援プロジェクト」に参加した社員もいました。

 ベルマーク収集を思いついた若手社員は、防護服を届けた際に感謝されたことが社会貢献活動への興味につながったといいます。「支援を呼びかけるとすぐに社員が集まってくれます。日本郵便は全国に238の地区連絡会がありますが、一番まとまっているのが横浜市東部だと自負しています」と串田局長。今後の目標を「地域の皆様に安心・安全を提供し、『郵便局があってよかった』と感じてもらうことが私たちの仕事。地域に合ったサービスを提供し、拠り所となる存在でありたい」と語ってくれました。

ベルマーくんと、日本郵便公式キャラクターの「ぽすくま」

ベルマーク商品

ほしいぶんだけ かにシューマイ

ベルマーク検収

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