3つのコツを意識しよう/秋田市立中通小で走り方教室


(2022/08/04)印刷する

 秋田市立中通小学校(佐藤牧子校長、児童184人)で7月14日、「走り方教室」が開かれました。走り方教室は、ベルマーク財団が参加団体を対象に実施しているソフト事業、教育応援隊のプログラムのひとつで、協力会社ミズノとの共催です。同校は1学年1クラスと児童数が少ないため、前半と後半で3学年ずつ分けて全校児童が参加しました。

左からミズノスポーツサービスの飯尾日向子さん、保科康信さん、柴田凌さん

 前日までくもりで、すっきりしない天気が続いていた秋田ですが、この日は晴天。校庭で教室を開くことができました。10時20分に集まったのは1、2、3年生の105人。コーチはミズノスポーツサービスの保科康信さん、柴田凌さん、飯尾日向子さんです。保科さんはサッカー、柴田さんは野球と走り高跳び、飯尾さんはソフトボールの経験があり、3人とも体の動かし方を熟知しています。

 「今日調子良い人?悪い人?じゃあ、おなかすいた人?」

 前半のメインコーチだった保科さんの問いかけから、教室は始まりました。この日初めて会う子どもたちとの距離を縮めるのと同時に、体調を確認します。「はーい」と元気よく手を挙げる子どもたちの体調は万全のようです。

 次に、瞬発力のチェック。体の場所を言われたら、素早く反応して両手で触ります。「あたま!おへそ!みみ!め!あたま!もっと早く!」と、保科さんがスピードを速めていくと、ワハハハと笑いが起こりました。ユーモアたっぷりの保科さんに子どもたちは引き込まれていきます。

瞬発力のチェック。コーチに言われたことにすぐ反応できるかな?
スタート時の「位置について」のポーズ
教えてもらったことを意識しながら、1本1本大切に走ります

 今日習う走り方のコツは3つ。スタートの姿勢、腕の振り方、足の使い方です。ひとつ教えてもらうごとに1本走って習得する、という流れを繰り返します。

 まずはスタートの姿勢から。「気を付け」で姿勢を正し、「位置について」でひざに両手を置きます。「よーい」で片方の足を後ろに引きます。この時、手と足が一緒にならないことがコツです。ホイッスルの音をよく聞いてからスタートです。

 その場で練習したあと、25m先にあるコーンまで走ってみます。正しい姿勢を身に付けられるよう、スタート位置ではコーチが隣に付いて足を引くタイミングの見本を示します。

「走る時はひじを曲げます」とコーチの飯尾日向子さん

 二つめは腕の振り方。手は、鼻の高さまで持ってきて、自分のズボンをスッスッと擦るように動かします。三つめは足の使い方。走るときはつま先だけを使い、足音をバタバタさせないようにします。

 ポイントを意識して練習を重ねると、子どもたちは自分の走りが改善されていくのを実感できたようで、だんだんと楽しそうな声が聞こえてくるようになりました。子ども同士でフォームを確認し合う姿も見られました。

 コーチ3人は「最後までつま先で!腕を振って!前を向いて!」などと声をかけ続けます。精一杯走る姿を見た中通小の先生も思わず熱くなり、「しっかり振って振って振って!」と大きな声で叫びながら応援していました。

 まとめとして最後の1本を走ったあと、保科さんが「今日は3つ教えました。これから走るときはそのポイントに気を付けて走ってください」と話すと、「はーい!」ととても元気な声が返ってきました。45分間の教室で、正しい走り方を身に付けただけでなく、学年を超えた一体感も生まれたようでした。


速く走れると楽しいね
正しいフォームを身に付けると、スピードが上がります


 11時20分から45分間、走り方を学んだのは4、5、6年生の77人。今度は柴田さんがメインのコーチを務めます。瞬発力のチェックと準備運動を終えると、コツを教わる前にまずは1本。低学年と違うのは、タイムを計って、自分の走り方を客観的に見つめることです。

 ポイントは、前半の教室と同様に3つ。スタートダッシュ、手の振り方、足の使い方です。高学年は、走ってきた経験がたくさんあるため、より細かいアドバイスを受けました。「合図のピッより早く出すぎているから、しっかり音を聞いてからスタートしよう」「ひじは後ろに伸ばさず、曲げながら走ろう」「隣の友だちを気にせず、自分のスピードを上げていこう」と、指導がありました。

 フォームは着実に改善されていくのが分かりました。最後の1本はゴールまでの距離をのばし、走り切りました。

かかとを使わず、つま先でジャンプする練習
きれいなフォームが出来上がってきた

 少し余った最後の時間には、各学年の代表と柴田さんで、どちらが早く走れるか競争しました。柴田さんはハンデとして、5mほど後ろに離れた位置からスタート。選ばれた児童3人がスタートラインに立つと、みんな前のめりになって応援しました。高学年の選抜メンバーが本気の走りを披露した結果は、子どもたちの圧勝でした。

 終わりの会では、6年生の代表児童がコーチに「僕たちは、秋に陸上競技場で記録会があります。今日学んだことを生かして頑張ります」と話しました。教室を申し込んでくれたPTAにも「記録会で生かせる企画をしてくださり、ありがとうございました」とお礼を伝えました。

学年代表と先生の競争を見守る子どもたち
児童が余裕で大勝利
教室に戻る前に、コーチとハイタッチ。よく頑張りました!

はじめの会であいさつをするPTA会長の川口雅丈さん

 今回の走り方教室は保護者にも公開し、前半と後半合わせて約60人が参観しました。PTA会長の川口雅丈(丈の右上に`)さんによると、貯めたベルマーク預金を児童一人ひとりに還元したいとの思いから、走り方教室に申し込んだそうです。中通小で走り方教室を開くのは、3回目。初年度に実施したとき、「一回の教室で格段にフォームが良くなった」ことが継続の決め手となりました。「走る、というのは運動の基本。速く走れて嬉しい子はいても、悲しむ子はいない。子どもたちの自信につながれば嬉しい」と話す川口さんは中通小のOBで、PTA会長を務めるのは7年目、役員としては通算12年にもなります。一番下のお子さんが卒業する今年度が最後の年だそうです。「子どもたちのためにみんなで協力しようというのがPTA。協力した結果、日常で体験できない学びの機会を作ってあげられた」とも話してくれました。

 中通小では、PTA総務部の7人がベルマーク活動をしています。コロナ禍になってから集まることが難しくなり、段階的に自宅作業への移行を試みたそうです。今年度から本格的に自宅作業を導入し、活動を継続していくとのことです。

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