宮崎県都城市立志和池中学校、10年ぶりベルマーク運動復活


(2016/10/11)印刷する

開けてびっくり道具箱/11万点、県内15年度の集票点数トップに

 宮崎県都城市立志和池中学校(倉永英季校長、170人)は2015年度、10年ぶりにベルマーク運動を復活させました。運動参加校は、全国で2万7千校余りですが、極めて珍しいケースです。しかも、いきなり集票点数11万997点で、県のトップに躍り出ました。休止中の学校にも参考になりそうな、秘密を聞くことが出来ました。

 きっかけは、上井(うわい)早苗先生(45)の「発見」でした。

志和池中に異動してきたのは2011年4月。1、2年目は生徒会の副担当を務め、生徒会室の棚に「取ってのついたプラスチックの道具箱」がいくつもあることに気付きました。13年度から生徒会を任され、生徒会室に出入りする機会が増えたこともあり、道具箱の一つを開けてみました。

「生徒会室のこの棚にプラスチックの道具箱が置いてあったんですよ」と上井先生

 開けてびっくり、道具箱!  中から大量のベルマークがあふれ出てきたのです。

 「え~! もしかしてこれ全部、ベルマーク?」

 他校でベルマーク運動の経験がありますが、こんなに大量のベルマークは見たことがありません。見てしまった以上、ムダにするわけにはいきません。とはいえ、仕分けの大変さもよく知っています。実際に苦労するのは、何と言っても生徒たちです。次の生徒会の集まりの時に、「今年度の生徒会の重点取組事項を、みんなでこのベルマークを整理して被災地支援にするのはどうか」と提案してみました。

 生徒たちは大変な作業になることも覚悟の上で、話し合いの結果、賛成してくれました。

 生徒会役員は12人です。曜日ごとに担当者を決め、昼休みでも放課後でも、10分でもいいから仕分けて、ひたすら片づける作業を繰り返してくれました。なぜか、ほとんどがアサヒ飲料のマークだったので、他社のマークをより分けて、取り出す方法を採りました。

 点数ごとに分類できた頃には1年がたってしまい、生徒会メンバーが変わりましたが、会長と副会長が、経緯も含めて丁寧に引き継いでくれました。最後の計算がしやすいようにホチキスで10枚ずつ綴じ、最後に残ったアサヒ飲料のマークは、全員総がかりでした。

 「自分たちの代で財団にマークを送ろう」。そんな思いが全員にあったので、担当日以外にも手伝ってくれる生徒が出てきました。何とか財団に送るところまでこぎつけた時には、全員が満足感でいっぱいだったそうです。2015年2月半ばのことでした。

生徒会長の浜川駿さん

 「復活させた時の子どもたちは卒業しましたが、後を継いだ子どもたちも頑張っています。今では学校全体で取り組んでいます。小さな学校ですから、大量に集まることはもうないかもしれませんが、これからは途切れないように、志和池中に根づいた運動にしていくつもりです」。生徒への感謝をこめて、上井先生はそう話します。

 生徒会長の浜川駿さん(3年)は「宮崎県で一番だったとは知らなかったです。連覇を目指して頑張ります。そのためにも地域の皆さんにも協力を呼びかけるつもりです。まずは、回収箱を置いてもらえるように、お願いに行きます」と張り切っています。

 倉永校長は「運動会の練習中に突風が吹いてテントの骨が曲がってしまいました。ベルマーク預金でテントを買い換えようかと考えているところです。それにしても、子どもたちは凄い」と生徒の努力をたたえました。

ベルマーク商品

スミフルバナナ

ベルマーク検収

今週の作業日:3/25~3/29
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