
一輪車講習会の九州コースは9月16、17日、長崎県東彼杵(ひがしそのき)町と大村市の2小学校で開かれました。大村湾に面した海辺の学校と、佐賀県境に近く、多良山系を望む山の学校と、周りの環境は対照的でしたが、どちらの児童も練習に取り組む姿勢は真剣そのもの。日本一輪車協会のインストラクター小山美由紀、津田雅奈さんに「お姉さん、どうするの」「次は何」と、質問攻め。みんな次々と指導を受け、新しい技に挑んでいました。
《東彼杵町立音琴(ねごと)小学校=相川英雄校長、35人》
東彼杵町は人口9000人余り、お茶の産地で知られています。佐世保市早岐と諫早市を結ぶJR大村線の沿線にあり、テーマパークのハウステンボスまでは、町役場のある彼杵駅から15キロメートル、16〜26分です。音琴小の2階にあるランチルームからは、大村湾が一望できます。逆に、漁船に乗って海から学校を眺める恒例行事があるそうです。
16日の講習会は、まだ十分に乗れない1〜2年生6人のグループと、乗れる3〜6年生29人は2グループに分かれて指導をうけました。3年生以上は、10月の運動会で集団演技を披露するので、上手になりたい演技や覚えたい技を繰り返し、練習していました。6年生の宮脇隆司君は「きょうの練習の成果を運動会で見てもらいます」と、お礼の言葉を述べました。
小山さんと津田さんは「失敗を恐れず、怖がらないでどんどん挑戦してください」と、アドバイス。相川校長が「きょうの講習会で一輪車がうまくなったと思う人は?」と、問いかけると全員が「はーい」と、手を挙げて応えました。
《大村市立黒木小学校=浦俊之校長、16人》
 大村市は、東彼杵町に隣接し、大村湾の島を埋め立てて建設した長崎空港があり、970メートルの橋上道路で結ばれています。黒木小は市中心部から車で30分余り、すぐそばに治水対策と水源用に造られた萱瀬ダムがある山間地の学校です。
黒木小も毎年、運動会のプログラムに「一輪車ショー」を組み込んでいます。指導の参考にするため、講習会に先立って、小山さん  と津田さんは、一昨年の運動会のビデオを見せてもらいました。児童全員が一人ずつ一輪車に乗って登場、グランドを1周し、個人演技を見せたり、風車やメリーゴーランドの集団演技を披露したり、なかなかの腕前です。また、毎年3月にダムの周囲4キロメートルを一輪車で走る行事があり、みんな練習に励むため、自然と上達するそうです。
講習会は歓迎のあいさつから始まり、16人の児童全員の自己紹介の後、「ようこそ黒木小学校へ」と書いた紙製の“金メダル”の授与と続きました。
練習では、ペダルを使わず、足でタイヤを回すタイヤ乗りや、  一輪車を足で蹴り上げる乗り方など、高度な技を、黙々と繰り返す児童が目立ちました。練習前に「タイヤ乗りが8メートルしかできないので、距離を伸ばしたい」と、話した6年生の井川夕稀子さんは、何度も挑戦しているうちに体育館の真ん中あたりまで、走れるようになっていました。
熱心な練習に感心したのか、小山さんと津田さんがひそひそ話。講習会の10分延長です。集団演技のメリーゴーランドを特別指導しました。
<写真上から>
・手を取って乗れない子の指導。みんな一生懸命です=長崎県東彼杵町の音琴小学校で
・インストラクターの2人(小山さん、津田さん)は歓迎の手づくり“金メダル”を首にかけてもらいました
・手を使わない蹴り上げ乗車の練習を黙々と続ける子どもたち
・講習会は大村市のケーブルテレビ局が取材し、17日夕方に放映しました
=いずれも長崎県大村市の黒木小学校で
(2008/9/24)
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