インドネシアは、2004年12月に起きた大地震・大津波で、大きな被害を受けましたが、発生から2年以上たつ現在も、スマト  ラ島北部、西海岸などの住民の生活はまだまだ厳しい状態です。精神的な傷、トラウマ(心的外傷)を負い、立ち直れない子どもいます。アチェ州の州都バンダアチェとラングサ地区でジョイセフ(家族計画国際協力財団)が、子どもたちを励まし、勇気づけ、心の癒しと治療をする活動を現地NGOと協力して行っています。
ひとつが、親を亡くし、義務教育を途中でやめる子どもが多いため小中学生に奨学金を贈っています。06年度は小学生20人、中学生12人の計32人に年間約1万4800円の奨学金を提供。学用品や制服などに使われています。
また被災した小中学生が中途退学しないよう経済的に苦しい保護者を支えるのが小規模無担保融資です。説明のために、2日間の研修が2カ所で行われ、21人が参加しました。研修では、融資だけでなく母子保健や環境衛生についても話し合いが行われました。研修を受けた、5人ごとの4グループに9万2500円を貸し付けられましたが、カフェを始めたり、ケーキ作りの仕事を始めた女性たちもいるそうです。
2年たった今も、物音におびえたり、家  族が亡くなったことなどによるショックを引きずった子どもたちがいます。小学校の教師を対象に、子どもへ適切なカウンセリングを出来るよう、基礎的な研修をしています。子どもたちは、研修を受けた教師によりゲームを取り入れたりした授業を受けています。津波で心の中に大きな穴が開いたような気持ちになっていた、というアチェ州の小学校長は「研修を受けたことで、子どもたちを感情的に怒らずに、教えることが出来るようになった」と話しているそうです。
ジョイセフは、人口、母子保健、HIV感染予防などの分野の国際協力を推進するNGOで、海外では再生自転車を草の根保健ボランティアに、不要になったランドセルをアフガニスタンの子どもたちに送る運動などを繰り広げています。
<写真上> 遊びを取り入れた小学校でのカウンセリング
<写真下> 小規模無担保融資を受けてケーキ作りの仕事を始めた女性たち=いずれもアチェ州で
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