千葉県の鎌ケ谷市立道野辺(みちのべ)小学校(河原田友之校長)が、ベルマーク運動に参加して以来、32年がかりで、300万点突破校の仲間入りを果たしました。児童数759人での成果には、子どもたちによる「ベルマーク委員会」の活動の積み重ねがあります。
鎌ケ谷市は、千葉県の北西部にあって、かつては農業中心の街でした。ことにナシは「鎌ケ谷ナシ」と呼ばれるほどの特産品で、学校周辺にも、まだナシ畑が残ります。しかし、都心から電車で約30キロという立地から、農地は次々と宅地化され、東京のベッドタウン化が急速に進みました。
 道野辺小学校は、人口急増を受け、1977(昭和52)年4月に開設された、市立小学校9校あるうちの8番目の学校です。ちなみに、取り組んでいる運動の成果でしょう、校内ですれ違った多くの子どもたちから、元気なあいさつを受けました。
ベルマーク委員会の委員は、任期1年。毎年、5年生、6年生から選ばれます。2009(平成21)年度の場合は、両学年各4クラスで、立候補の中から選ばれた2〜3人の、計20人で構成されています。
委員は、毎月1日(4月、8月はお休み)の「ベルマークの日」が近づくと、手作りしたポスターや、校内放送などを通して、全児童に協力を呼びかけます。
各児童には毎年4月、ベルマーク回収袋が配られていて、委員は当日、全学級を訪れ、集めると同時に、袋に「ありがとう」スタンプを押して回ってゆきます。
 月1回、反省会が開かれます。反省で一番多いのは、「校内放送です。朝と昼に放送しなくてはいけないのに、忘れてしまう時がある」ことだそうです。
ベルマーク委員会の貝柄拓(かいつか・たくみ)委員長(6年生)は、「300万点に届き、すごくうれしいです」と話していました。
集められたベルマークは、PTAの事業部(岩間淳子部長)へ引き継がれます。
事業部のメンバーは、全22学級から選ばれた22人のお母さん方。協力会社ごとに仕分けた後、受け持ち分を自宅に持ち帰り、切り取り、10枚ずつ整理します。1カ月後、学校に集まって集計します。学校での収集のほか、2005年から学区内にある大型スーパーマーケットにベルマーク収集箱を置かせてもらい、一般家庭の協力を得ています。
事業部ではこのほか、各教室の窓ガラスを清掃したり、校庭の草むしりをしたりの活動も続けています。
 これまで、ベルマーク預金で校庭遊具グルリンや、グラウンドゴルフ用具などを購入しました。
道野辺小学校では、保護者活動は、お母さん方だけに止まらないそうです。特徴的な組織に「父親サミット」があります。児童のお父さんや、卒業生たち約20人が参加するボランティア団体です。夏休みに校庭・校舎を利用してのキャンプ、学校と周辺の側溝の清掃、12月のお餅つきなどを開催して、子どもたちを支援していると、河原田校長のお話です。
《写真上から》
・感謝状を持つ貝柄拓委員長と、ベルマーク委員会の児童たち
・購入した校庭遊具グルリンに集まったベルマーク委員会。協力を呼びかけたポスターを手にする子どもも
・岩間淳子部長(右から3人目)を中心に、ベルマークを協力会社ごとに仕分けるPTA事業部のお母さん方=いずれも千葉県鎌ケ谷市の道野辺小学校で
・広がるナシ園越しに校舎を望む=鎌ケ谷市東道野辺で
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