|
第23回を迎えた今年のコンクールには全国から105校・園(昨年は100校・園)が応募してくれました。今年はベルマーク便りの発行回数が多い学校が増えており、漫画やイラスト、写真を使った、分かりやすくて楽しさあふれる作品が目立ちました。昨年同様、東京の部長会メンバーと広報部員、大阪、名古屋、北九州駐在の広報委員が審査に当たりました。初入選組が多いのも今年の特色で、ベルマーク便りコンクールに挑戦する意欲が各学校の間で高まっているのを感じました。
今年最も目立ったのは金沢市立諸江町小学校の作品です。ベルマーク運動を推進するため年に7回発行された「諸江町小学校のみなさんへ―学級部よりのお知らせ」は全編機知に富んだ漫画です。漫画なのですが、ベルマーク運動の大事なポイントをきちんと押さえています。漫画の中ではベルマークマンが大活躍し、ティンカーベルマークという名の妖精も登場して、思わずニコリとさせられます。作品の優秀性、ユニーク性などを勘案して審査員特別賞を差し上げることにしました。 入選した10作品のうち、とくに評価が高かったのは青森市立横内小学校と仙台市立将監小学校の作品です。初入選の横内小の「ベルマークだより」春、夏、秋の特別号は楽しさが溢れ、色使いがとても見事です。校長先生も登場し、「校長室にベルマーク入れを置いてアピールしています。けっこう、みんな入れてくれるんです」とPRに一役買っています。将監小は3年連続入選の強豪校で、ベルマーク世話係は「できる人が、できる時に、できる範囲で活動する」を合言葉にしています。PTAのフリーマーケットコーナーに「ベルマークの店」を出店し、ベルマークを持っていけばゲームができ、お菓子が買えるので大人気になりました。楽しくベルマーク運動を進めていることがよく分かる作品です。 岐阜県瑞穂市立穂積小学校も初入選で、厚生委員会がベルマークを担当しています。全校に配布する「厚生だより」と「e―つうしん」というインターネットのたよりも出しており、いずれも分かりやすくできています。2台購入した宮田工業の一輪車「フラミンゴ」のサドルの高さはすごいですね。後姿で写真に写った杉山先生の肩ぐらいもあります。 2年連続佳作だった北海道新ひだか町立山手小学校の「ベルマーク便り」が今年は見事入選しました。30年前に創立された同校は、ベルマーク運動を通じて運動会のテントや図書館の文庫本などを充実させてきました。そしてベルマーク委員会の前委員長と現委員長は開校時の新1年生でした。同校のベルマーク便りを読むと、毎回、ベルマーク寄贈者の名前が掲載されており、地域の支援を受けた活動であることが良く分かります。 初入選の山口県岩国市立東小学校の「ベルマークだより」には「この人の迷言!?」という面白いコーナーがあります。例えば、宮沢賢治は「雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ ベルマークヲ集メ続ケル」、エジソンは「ベルマーク集めとは1%の労力と99%の意識である」、与謝野晶子は「君 忘れることなかれ ベルマーク」といった具合です。面白さいっぱいの「ベルマークだより」です。 函館市立鍛神小学校のベルマーク部のたよりも初入選ですが、完成度が高い作品です。カラーの扱い方、活字の形、大きさ、レイアウトのどれをとってもぴちっと決まっており、プロの編集者が作ったような出来栄えです。横浜市立東山田小学校の「ベルタイムス」は2年連続の入選です。作品は楽しさいっぱいで、オリジナルキャラの「ベルマくん」が活躍しています。学校の「こどもまつり」のベルマークコーナーの盛り上げ方が素晴らしく、お母さん方がかぶっている「ベルマくん帽子」や着ている「ベルマくんTシャツ」がよく似合っています。 神戸市立渦が森小学校も初入選です。同校のベルマーク便りはベルマークの援助事業を詳しく伝えており、丁寧に編集されています。同校は昨年度13万8600点も集め、その一部をスマトラ沖大地震・大津波の被災児童を助ける事業など6つの友愛援助事業すべてに寄付してくれました。 静岡市立横内小学校も初入選です。同校の「ベルだより」は年14回も発行されています。ベルマークを持ってきてくれた人の回数が多いクラスを表彰する対抗戦を導入したのが刺激になって3万数千点だった集票点数が一挙に17万6000点に増えました。友愛援助事業にも寄付をいただきました。広島県大竹市立大竹小学校は3年連続の入選です。「ベルマーククイズ」を掲載しているのが特色で、毎回見るのが楽しみになります。例えば、「協賛会社60社のうち2社だけベルの向きが反対です。どことどこでしょう」といった具合です。協賛会社のイーイーアイのスマイルピース集めにも積極的に取り組んでいます。 佳作は10作品のうち9つが初めて佳作に選ばれました。いずれも優秀な作品で、あと一息で入選でした。中でも惜しかったのは、33年ぶりにベルマーク運動を"復活"させた広島県江田島市立大古小学校の作品です。運動復活の苦労と楽しさを盛り込んで、来年もぜひ挑戦してみてください。 これからも見ていて楽しく、活動ぶりが良く分かるベルマーク便りを作ってください。工夫したポスターやチラシなども一緒に送ってください。来年も素晴らしい作品が届くことを審査員一同楽しみにお待ちしています。 (ベルマーク教育助成財団常務理事・事務局長 森 精一郎) (2008/11/21) |