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第21回ベルマーク便りコンクール入賞作品の総評
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第21回を迎えた今年のコンクールには全国から108校(昨年は130校)のPTAが応募してくれましたが、全体的にカラー写真やイラスト、漫画などを使ってベルマーク運動を分かりやすく解説した作品が目立ちました。今年の特色は、入選10校中5校が初入選で、佳作の方も10校中7校が初めて選ばれた学校でした。各学校とも創意工夫して、ベルマーク便りの制作に打ち込んでいる姿が浮かんできます。
審査に当たったのは、東京の部長会メンバーと広報部員、大阪、北九州、名古屋の広報委員の計11人です。 審査員の中で最も評価の高かったのは大阪府豊中市の中豊島小学校の「ベルマークだより」で、初入選です。カラーをふんだんに使った見事な編集で、5月から6回発行されています。集めたベルマークがどのような作業を経て約50冊の学校図書になったかを「ベルマークの旅」と名付けて分かりやすく解説しています。高井ジロルさんが書いた「ベルマークのひみつ」(日本文芸社)から引用したベルマーク協賛会社クイズを載せているのも、PTAのお母さん方の興味を引いたのではないでしょうか。高井さんの本にはベルマークに関して「へぇー」と思わせる面白い話題がふんだんに盛り込まれているので、これを活用したのも良いアイデアでした。 2番目に評価が高かったのは、昨年トップに輝いた沖縄県那覇市の城西小学校の「ベルマーク新聞」です。カラーは使わず、オーソドックスな作りの新聞ですが、話題をちりばめた、分かりやすい編集が評価され、2年連続の入選となりました。ベルマーク運動が誕生するきっかけとなった全国へき地教育研究連盟の「渡辺ユキ先生をご存知でしょうか?」と紹介しています。渡辺ユキ先生は一生をへき地教育に捧げ、昨年11月になくなりました。同新聞は「今では日本だけでなく世界中の子ども達が喜ぶベルマーク運動になりました。きっと天国から見守ってくださっていることでしょう。ご冥福をお祈りします」と書いています。 第3位の神奈川県平塚市の山下小学校も初入選です。保護者向けの「ベルマークだより」だけでなく、児童向けや教員向けの「ベルマークだより」も作っているきめ細かさが評価されました。児童向けにはイラストを多く使い、ベルマーク担当の先生の紹介もしています。 初入選は他に3校あります。福岡県北九州市の足原小学校はPTA用と児童用の「ベルマークだより」を制作し、児童用は振り仮名付きです。どちらもイラストがとてもかわいい。宮城県仙台市の将監小学校は協賛会社別ベスト10を掲載、児童の活動の様子や購入した備品を写真で紹介しています。広島県大竹市の大竹小学校は年度に14回も「ベルマークだより」を発行、協賛会社別ベスト10や年間のクラス別順位、ベルマーク豆知識などをタイムリーに知らせています。 2003年入選、昨年佳作の千葉県習志野市の第一中学校が3年ぶりに入選しました。毎回テーマを決めてベルマーク運動を紹介、協賛会社別の集票点数の分析も載せています。ベルマーク委員の一言集がおもしろい。 昨年に続き2年連続入選に輝いたのは北海道室蘭市の八丁平小学校です。カラー写真でベルマーク商品を丁寧に紹介しており、職員室前廊下に張ってある実物を一部つかった「ベルマークを見つけよう!」のポスターの写真が迫力満点です。 1987年に入選し、19年ぶりに入選したのは東京都江東区の扇橋小学校です。ベルマークに関する素朴な質問「Q&A」や変り種ベルマークを紹介、「近隣の皆様へ」と題して使用済みカートリッジ回収のお願いも添えています。 6年連続入選となったのは茨城県かすみがうら市の牛渡小学校の「うっしーべるしんぶん」です。ベルマークを首につけた牛がシンボルマークで、審査委員がそろって認める実力派です。今年は5月30日、茨城県の県南地区でのベルマーク運動説明会で牛渡小の活動について発表してくれました。ありがとうございました。 佳作の10校も工夫たっぷりの良い作品でした。ベルマークの集票点数が1,286万点と小学校部門では全国トップの東京学芸大学附属大泉小学校が昨年に続いて今年も佳作に入りました。また、幼稚園でただ1つ佳作に選ばれたのが名古屋芸術大付属クリエ幼稚園です。どの作品も実力十分で、入選まであと一歩です。来年はがんばってください。 (ベルマーク教育助成財団常務理事・事務局長 森 精一郎) (2006/11/21) |