豊見城市は沖縄本島南部にあり、北に那覇市が隣接。長嶺小学校は豊見城市の北側に位置し、慶良間列島や水平線に沈む夕日が見渡せる高台に建ち、周りは緑が多く、自然豊かな環境に恵まれた地区です。
今年は創立100周年を迎え、3月に新校舎が完成しました。児童数611人、併設されている長嶺幼稚園から6学年まで20クラスです。ベルマーク運動参加は1992年です。
PTAには、広報、保健体育、環境整備、校外指導、家庭教育、ベルマーク、Lマークの専門委員会があります。2007年度から新しい試みとして、専門委員会を各学年に置くことになり、ベルマークは1学年の担当になりました。
役員は1学年の各クラスから3人ずつの計9人を選出。ほとんどの委員がPTA活動もベルマーク活動も初めて。戸惑いや不安があり「とりあえず説明会に行こう」と、昨年の6月21日、私たちはこの会場にいました。それからの活動開始だったので、いろんな取り決めや準備にあわただしくも、7月からスタートすることになりました。
最初にマークをどんな形で集めるのかを話し合い、ベル袋と回収箱を作りました。ベル袋は意識を高め、関心を持ってもらおうと、表紙をかわいく仕上げ、スタンプ欄、配布日、回収日を記載し、こぼれないよう袋閉じにクリップを取り付け、名前は子どもたち本人に書かせました。
回収箱は空き箱を利用して、幼稚園と2〜6年生の各学年の廊下に1箱ずつ設置、職員室にも1箱置かせてもらいました。1年生は提出量が多いので、各クラスに置きました。
毎月第2水曜日にベル袋とベルだよりを担任の先生に配布してもらい、第3水曜日に回収、翌日が仕分け作業日です。作業日には1学年の全保護者に参加してもらうことにし、仕事があったり、小さい子どもがいたりする方も多いので、時間を選べるよう朝(9時〜正午)と夜(7時30分〜9時)に設定し、アンケートを取りました。回答を元に作業日案内文を作り、担当のクラスに配ります。各クラスが月ごとに担当するので、年2回の参加は保護者にとっても負担が少なく、役員にとっても人数確保ができます。多くの方が参加することで、活動の内容も分り、意識が高まります。
ベルマークだよりは毎月発行し、ベル袋の提出率、マークの回収率をクラス対抗にしたベスト3の報告、回収日や作業日のお知らせなどを載せています。ベルだよりも作業日案内文も、各クラスの役員が月ごとに分担して作成したので、クラスの違いが紙面に出て、よかったと思います。
毎年行われる「長嶺っ子祭り」は、各学年が出店する校内のお祭りです。昨年は、ベルマークの広報活動としてブースを設け、初めて参加しました。ベルマーク運動、作業の流れのパネル展示やベルキャラクターの募集などを行いました。子どもたちがチラシを配布したり、ハンドベルを鳴らして呼びかけたり、暑い中で頑張ってくれました。1学年の保護者全員がベルマーク委員だということを知ってもらえ、全保護者にも広くPRできました。
仕分け作業を紹介します。
=キーボード演奏とナレーションが流れ、ベルマーク委員7人が寸劇を演じました。
午前の作業@ベル袋を回収し、児童名簿に記入Aマークの提出率、回収率を集計、記入B会社別の牛乳パックにマークを入れるCカートリッジの箱詰め。ベル袋にスタンプを押し、終了。
午後の作業@牛乳パックに入ったマークを切りそろえるA張り付け台紙にマークを点数別に張り、合計を記入B会社別の整理袋に台紙を入れる。=
牛乳パックと張り付け台紙は、以前から使っていたものです。パックにはベルマーク番号が付いていて、仕分け作業がスムーズにでき、会社別に処理していけるので効率がよく、たためるので場所もとらず、便利です。台紙は点数別に張るので計算が早くでき、再チェックもやりやすいです。
1年間活動して、ベルマーク預金で買い物をすると、その1割が支援金になることなど、いろんなことを知ることができました。参加した保護者のベルマークに対する意識も高まったのではないでしょうか。
07度の年間集票点数が県内3位になったことは予想もしておらず、みんな驚き、とても喜んでいます。子どもたち、保護者のみなさんの協力の成果だと思います。専門委員会を学年に置くという新体制は私たちにとってもよかったと思います。同じ学年の保護者がこれほど顔をあわせ、協力できる専門委員会は、ほかにはないと思います。同じ学年、同じクラスなので共通の話題があり、コミュニケーションがとりやすく、連絡がスムーズにとれ、児童と保護者を知ることができ、分担したことで役員も保護者も負担が軽く、そして楽しく活動できました。
(スライドショーと寸劇で発表)
=5月30日、沖縄県青年会館で
3分間の寸劇でベルマーク作業を紹介
♪タンタタッタタン、タンタタッタタン……。那覇会場に突然、テレビの料理番組のテーマ曲と「3分間ベルマーク作業劇場」のナレーションが流れました。体験発表校の豊見城市立長嶺小学校PTAの意表をつく演出です。
スライドショーを使って学校の紹介やPTAとベルマーク委員会の組織、活動内容の説明が続いたところで、 「それでは仕分け作業をご紹介します」。ナレーションとキーボードの演奏が始まり、演壇前に7人のお母さんたちが登場しました。「スライドでも動画でもなく、実際に作業を見てもらうのが一番」という実演発表です。
ランドセルを背負って児童に扮した3人が、ベルマークでいっぱいのベル袋を掲げます。“可愛いしぐさ”に、会場から思わず拍手と笑い。児童名簿に記入し、マークを委員に手渡すと、委員役が会社別の牛乳パックに仕分け。ベル 袋にお礼のスタンプを押して、「朝の作業」は終了です。
「午後の作業」は、ベルマークの切りそろえから。アルミホイルと厚紙で作った大きなハサミのコミカルな動きに、また笑い。マークを張り付ける台紙も整理袋も手づくりの特大です。「3分間」を超える熱演が終わると、会場から大きな拍手が巻き起こりました。
2007年度ベルマーク委員長の新垣千恵子さんによると、全員で集まったのは説明会の4日前の1回だけだったそうです。この日は作業で実際に使っている牛乳パックや実演用の手づくりハサミ、キーボードなど大道具、小道具をワゴン車2台に積み込み、開会の40分前に総勢13人で会場入り。体験発表が始まるまでロビーで打ち合わせを続けていました。発表後、お母さんたちは「どこにでも出かけますよ。自信がつきました」と、笑って話してくれました。
スライドショーと寸劇を組み合わせたユニークでアイデアあふれる発表のおかげで、説明会は大いに盛り上がりました。長嶺小PTA事務局には、説明会に参加したPTAから質問の電話が続いているそうです。
<写真1〜4> 回収から仕分け、集計までベルマーク作業を再現。小学生になったり、大きなはさみを使ったり、熱演に会場から大きな拍手が起きました |
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