体験報告



北海道




6月15日(金)帯広


帯広市立東小学校
石水 繭美(まゆみ)さん(2006、07年度PTA副会長)
 東小学校は、昨年、開校50周年式典を行い、あらたな歴史を刻む学校です。現在児童数220名、8学級の小規模校になってしまったのですが、校区には十勝川や札内(さつない)川の清流があり、野鳥のさえずりが響き、市街地にありながらも四季折々の自然が感じられる素晴らしい学校です。
  このような環境でのびのびと育っている子ども達の為にと、PTAの先人の方々の並々ならぬ努力が脈々と受け継がれており、2代、3代と東小学校を卒業されている御家庭もあります。このことからも、「地域と結ばれた学校」として現在に至っております。
  今では、学校の取り組みとしてごく普通になりましたが、「オアシス運動」の先駆け校にもなりました。また、ボランティア活動の支援事業にもいち早く参加し、その中でベルマーク活動も始まったようです。頂いた資料には参加日が1968年6月となっていますが、活動の年月の長さにただただビックリしました。
  ベルマーク参加当時、PTA活動はいくつもの部で構成されていましたが、児童数の減少により現在では5つの部で活動を行っています。その中の一つであります学級連絡部によって、ベルマーク活動を支えています。学級連絡部では、クラス単位、学年単位、校内での様々な行事を企画、運営しています。その中でも大きな行事である「東小まつり」を9月に開催し、それが終わると「ベルマーク活動」を始めます。その合間にクラス行事や学年行事を行っています。
  ベルマークの活動は、年2回収集のお願いのお便りを発行し、学年毎の集計を済ませてから全体集計を行い、財団に郵送するという手順です。クラスからは役員の他に、3〜5名程度の方に、お手伝いをしてもらい、6〜8人で集計します。そして、財団から郵送されて頂く物は、学校側から部長に届き、決まった保管場所に閉まっておきます。
  年2回発行するお便りの内容は、1回目は収集のお願いと前年の集計結果と残高点数を載せています。5、6月頃に発行しますので、前年の集計結果も確実に届いており、何か購入していたとしても、正確な点数が判ります。新年度になり、役員が変わっていても保管場所が決まっていますので、財団からの郵送物は資料として活用できます。そして、この時点では収集したベルマークは御家庭で保管してもらうよう一文を載せて、ベルマーク協賛一覧表と一緒に配布してもらいます。インクカートリッジについては、参観日や行事の時に随時入れてもらえるよう、児童玄関側に専用の回収箱を用意しています。インクカートリッジは集めてみて判ったことですが、普段は用意した回収箱が大きすぎるかと思う程でしたが、3学期が始まるとすぐに一杯になり、あふれてしまいました。さすが年賀状効果が大きかったようです。こちらは、全体集計の時に、会社毎に仕分けをするようにしています。
  家庭での保管をお願いしているのは、これも長年の活動のたまものといいますか、「同じ点数で10枚まとめる」が浸透していますので、10枚にならなくても同じ番号、点数でまとめていてくれたりもしますし、また近所の方が届けてくれるという場合もあったりします。そもそも何十万点も集める目標を掲げている訳ではありませんから、近くのスーパーや公共機関などにお願いをしていません。また、家庭で集められる範囲ですと品物も決まってくることが多いので、集計の時に集めても特に問題もないのです。かえって通年で集めていたりすると、箱を引っくり返してしまったりと、不意のトラブルに見舞われてしまったりするので、家庭での保管をお願いしています。又、集計の時に出し忘れてしまっても、来年出す事にしても良いでしょうし、中には「頑張って集めた訳じゃないけど、目について」とか「大掃除をしたら昔のが出てきたの」と言って届けて下さる元PTAの方もいらっしゃいます。これも毎年毎年、決まった時期に収集、集計していた成果かなと思います。
  そして2回目のお便りを10月頃に発行し、一斉回収、集計となります。学年毎の集計といっても、人数の少ない学年同士協力し合ったり、都合の良い日時の重複する学年と協力し合ったり、和気あいあいと作業をしていますので、実際は2時間もかからず終了しています。家庭で保管してもらっている間に、まとめておいてもらったりすると、時間はもっと短くなります。全体集計では、番号、点数、枚数に間違いが無いかの確認と、それぞれの学年集計で出た半端を合わせます。大量に集まりやすい番号は、テーブル毎に分けて担当しますが、少ない番号のマークは牛乳パックを再利用した箱に分けて一斉に集計します。この時は代表の方達の参加なので、10人前後で作業をしますが、約2時間程です。最後に計算、記入、郵送となります。
  特別ベルマーク月間など設けていませんし、何十万点も集める訳でもありません。ここ数年は、2万点まであと少し、ぐらいで終わっていますし、買い物もせずに(というより選べなくて)積立てになっています。ベルマークで購入した物の中には、古くは一輪車、最近の物では親子レクリエーション、東小まつりなどに親子で楽しめる品物を選んでいますが、子ども達の為に何か、と考えると、話が広がりすぎて収集がつかなくなり会議が長引いてしまった事もありました。
  本来でしたら、もっと活発な運動を展開している学校や、いろいろな工夫をして点数を集めている学校の体験談が望ましいのでしょうが、今回、財団の方からお声を掛けて頂きましたので、地道にコツコツ、チビチビ38年間もベルマーク運動を続けている学校もあることを知ってもらえたらと思い、引き受けさせて頂きました。皆様のお役に立てるような話ではなかったかもしれませんが、無理なく無駄なく根気よく、と地で実行できるPTA活動の基盤を築いて下さったこれまでのPTAの方々や、今回のお話をさせて頂けるようになりました事に感謝の気持ちを述べさせていただきます。
=6月15日、帯広ワシントンホテルで


6月14日(木)札幌


札幌市立幌西(こうさい)小学校
田 幹子さん(2006年度PTA厚生部長)
足立 教(つよし)さん(幌西小学校教諭PTA担当)
(右から)
 幌西小学校は今年で創立82周年を迎えました。現在児童907名、27学級で、札幌でも有数の大規模校です。周りは藻岩山を望む緑豊かな環境に恵まれ、少子化がクローズアップされている昨今においても、マンション等の集合住宅が数多く建ち並び、児童数は年々増加しています。小学校では、開校以来、個性の伸長と、たくましく生きる力の育成を目標に掲げ、学校と保護者、そして地域社会が心をひとつにして、子どもたちの教育を進めています。とくに近隣地域との関わりにいち早く取り組み、教育委員会、まちづくりセンターや町内会、児童会館、民生委員、警察の方々などと連携をとりながら、小学校に通っている児童の保護者はもとより、多くの地域住民の方々の理解と協力のもと、子どもを見守り安心して生活ができる基礎を作り上げています。
  PTA活動は、「子どもたちの笑顔のために・子どもたちの明日のために〜みんなが参加し、協力し合うPTA〜」をスローガンとして、保護者の方が1児童1役のボランティア精神を大切にし、先生と共に力を合わせ、子どもたちにとって、よりよい環境を作り上げられるように行っています。先日は、PTAガーデニング係の方が花の苗を植える活動を行い、校舎の周りが色鮮やかな花で彩られています。
  PTAの専門部は校外生活部・厚生部・文化部・広報部の4部で構成されていますが、ベルマーク運動はその中の厚生部が中心となって行っています。本校はベルマーク運動が始まった翌年の1961年より参加し、今年で46年目を迎えました。現在までの収集累計は370万点を超えています。
  昨年度は各学級用として、サッカーボール、ドッジボール、縄跳び用の長縄を購入することができました。休み時間になると、子どもたちは毎日のようにグラウンドでボール遊びや長縄跳びをしています。子どもたちがベルマークで購入したものを使って元気に遊ぶ姿を見ると、この活動に携わって本当によかったと、うれしい気持ちになります。
  私達の学校で行っているベルマーク活動は、次のようにしています。
  まず、全家庭に今年度集めるベルマークを掲載した「ベルマーク一覧」と、ベルマークの集め方を掲載した「ベルマーク便り」を配付します。それをもとにして集められたベルマークを各学級1名の厚生部員の皆さんが回収・整理していきます。
  今年度は27名の部員で、先月より活動がスタートしました。実際の活動としては、毎月22日前後に行っている資源回収活動と日にちを合わせて部会を開き、ベルマークの収集・整理を行っています。回収箱は、各教室と校舎東西2カ所の玄関、さらに地域の方々のご協力を得て、「幌西まちづくりセンター」「旭山公園通地区センター」「コンビニエンスストア」の3カ所にもベルマーク箱を設置させていただき、収集しています。
  手順としては、まず各部員が自分のクラスのベルマーク箱からベルマークを回収し、担当する会社ごとに分けます。そして学年ごとに数社ずつ受け持っている会社ごとに分類します。その後、ベルマークをきれいに切りそろえ、同じ点数ごとの10枚を1つづりとして、セロテープに貼ります。そして、この1つづりのものを10の束にして整理袋に保管します。この様にしておくと集計の際に非常に便利です。なお、ロッテやキユーピーなどのベルマークは、大変小さい上に、ビニール製のため切りづらく、しかも枚数がとても多いので、これを担当した部員さんは、初めのうち苦労されますが、回を重ねるたびにどんどん慣れて手際よく進めてくれるようになります。
  活動は一緒の部屋で行っていますが、和気あいあいと楽しく会話を弾ませながらも、手は休むことなく作業は進んでいきます。毎回、共に活動しながら、違うクラスや学年の保護者の方同士が交流し合うよい機会にもなっています。
  また、細かいものが多い作業なので、卵のパックを用意し、それぞれのくぼみに切ったベルマークを入れていき、全部はいると10枚になるという工夫するなど、活動しながら色々なアイディアを出し合うことで、自然とそれが広まっていきました。
  一方、最近はパソコンの普及とともに、エプソンやキヤノンのインクカートリッジ、及びトナーの数も増えてきました。校舎東西の玄関や職員室に専用の回収箱を設置し、いっぱいになるごとに随時発送を行っています。
  集計は、年に2回、9月と3月です。各学年担当の会社分を集計表に記入し、集計係(主に部長・副部長)が最終的なチェックをした上、ベルマーク財団に送付しています。皆さんの協力でたまった預金残高をもとに、毎年12月をめどに先生方と相談し、子どもたちが学校生活の中で必要なものを購入し、積極的に活用されています。購入した品は写真にとって、年間10回発行しているベルマーク便りで保護者の皆様にお知らせしています。
  また、活動は基本的には学校内で行いますが、近頃はお仕事をされている方も増えていますので、家庭に持ち帰って活動するなど、それぞれ積極的にベルマーク運動に参加してくれています。
  1年間のベルマーク運動の感想を尋ねると、時間がかかり根気のいる作業ですが、「楽しかった」「やってよかった」「他の方にもこの部を進めたい」「次もこの活動に参加したい」など、これまで以上にベルマークに関心をもっていただけたことに、活動を進めてきた部長としては、ほっと胸をなで下ろす感想が多く寄せられました。
  以上が幌西小学校でのベルマーク活動です。本当に小さな1枚1枚も、保護者の皆様ならびに卒業生や地域の方々の善意が集まると、子どもたちのための色々な品々となって形になります。中にはご家庭で1年間ためていただいたベルマークを、学校で役立ててほしいと、毎年封書に入れて送って下さる地域の方もいらっしゃいます。
  保護者の方や地域の方々の温かな心に支えられながら、子どもたちの生き生きとした笑顔が生まれる活動として、そして子どもたちの健やかな成長に少しでも役立つように、ベルマーク運動をこれからも地道に続けていきたいと思います。
(スライドショーを使って説明)
=6月14日、札幌サンプラザコンサートホールで

「出来る範囲でのんびり」こつをさらり
 6月14日、札幌で行われた市立幌西小学校の体験発表ではスライドショーが注目を集めました。ベルマークの収集箱から始まり、仕分けに使う容器や、小さいマークの切り方、10個単位でまとめる方法など、作業の様子がていねいに約20枚の写真を使い説明されています。もちろん、学校の様子や、お買い物の本を手に取る子どもたちの表情なども豊富に紹介。1年近くかけて準備したとのことで会場からは「まるでベルマーク活動の入門編のよう」と感心した声が出ていました。
  また質疑応答に移り「各学級1人、全部で27人で活動するのは大変ではないですか」という質問には、発表した田幹子さん(2006年度PTA厚生部長)が「余り無理しないで、出来る範囲で、のんびり、ゆったりやればいいですよ。出来なければ持ち越しても構わないし」と、活動のこつをさらり。「私たちも、年度内で集計できなかった分は、今年度の人におみやげとして残しました」。これには会場からうなずく姿が見られました。


6月13日(水)函館


函館市立中央小学校
宮崎  悦子さん(2007年度PTA副会長、06年度ベルマーク担当)
平藤 ゆりえさん(同副会長、07年度ベルマーク担当)
(右から)
 中央小学校は、旧亀田市の急速な発展にともなう鍛神(たんしん)小学校と昭和小学校の過密解消のために、1973年(昭和48年)に開校しました。児童数は、多いときは1200名もいましたが、現在は全校で13学級423名です。
  校区には市内でも最も交通量が多い産業道路が通っており、イトーヨーカ堂や長崎屋などのある美原商店街、気象台や渡島支庁を抱えています。そうした地域の実態もあり、子どもの安全・安心を守ろうと、昨年度から「中央小学校PTA子ども安全まもり隊」を発足させ、現在約100名のお母さん方が「まもり隊」に所属しており、不審者情報などが入った際に登下校の見守りを行っています。
  中央小学校では、今年度より、PTA組織・活動の見直しを行い、「全員参加型」「活動の活性化」「学年・学級活動の充実」を目指し、「みんなで創り、生き生きとした中央小学校のPTA活動」を方針として、新たなスタートを切ることができました。
  ベルマーク活動については「ベルマークあつめ隊」が担当し、約80名で1年がんばっていくこととなりました。ベルマーク運動について初めてという方もいるので、どのように進めていこうか悩む日々ですが、楽しく目標をもって活動していけたらと思っています。
  中央小学校では、毎年「中央ふれあいまつり」(今年は9月2日)がPTAの協力のもと行われており、子どもたちや地域の方に楽しんでもらっています。昨年は、今までの蓄えと合わせ「ストラックアウト」(ボール)を購入し「中央ふれあいまつり」で活躍することとなり、子どもたちに喜んでもらえたのが何よりでした。
  「ベルマークあつめ隊」の活動は、1学期に1度の発送を目指し、仕分け、集計作業と効率よく進められたらと思っています。仕事をもって引き受けてくれている方もいるので、家に持ち帰っての仕分けなど、それぞれの人にあった協力をしてもらうよう進めていきたいと思っています。
  また、昨年度はベルマークの発送も2回合計2万40点となかなか点数が集まらない状態でした。各学級には収集箱がおいてあり、広報活動(昨年は6月、2月、ベルマーク運動や点数の報告)なども行っていましたが、点数アップは厳しいものがありました。でも、今年はPTA活動の見直しもあり、委員の方々の協力体制も積極的なものになると思っています。
  これからも学校と協力しながら、どのような活動がベストかわかりませんが、試行錯誤しながらベルマーク運動を楽しく続けていきたいと思います。
=6月13日、函館市民会館で


6月15日(金)旭川


旭川市立近文(ちかふみ)小学校
松平(まつひら)里美さん(父母と先生の会副会長)
柴       静香さん(同)
(右から)
 私たちの近文小学校は、1961年(昭和36年)にベルマーク活動を始め、今年で47年目を迎えました。ベルマーク活動に熱心に取り組んだ時期、また停滞した時期などいろいろな状況がありましたが、47年目を迎えることに私たち自身驚いています。
  先日、財団の方に調べていただいたところ、これまでに「182万1671点」の累計があり、現在の残高は「31万9242円」ということです。決して多い預金額ではありませんが、細々ながらも地道に活動を継続してこられたことには誇りを持っています。
  近文小学校では、PTAは「本部」「教養部」「厚生部」「広報部」の4つの部で構成し、ベルマークは本部活動の一部として活動しています。各学級から1名ずつ、ベルマーク委員を選出してもらい、全17名で、10月と2月の年2回集計作業をおこなっています。
  活動についてですが、各学級にベルマーク回収箱を設置してもらい、子どもたちを通じて投函してもらいます。箱は委員の方の手作りで、子どもたちの興味をひくようにデザインを工夫したり、カラフルな箱を用意するなど工夫してもらっています。
  また、ベルマークだよりを年数回発行したり、ベルマーク一覧表を配布して1点でも多く集まるよう取り組んでいます。
  集計作業前には、委員の方がベルマークを家庭に持ち帰り、企業の番号・点数ごとに仕分けをします。これには、古い封筒を使います。1つの封筒を3分割して小さな封筒を作り、その中にベルマークをいれます。封筒の表には、企業の番号、点数、枚数等の情報を記入しておきます。この作業を事前にしておくことで、全体での集計作業にかかる時間を大幅に短縮することができます。
  集計作業当日には、図書室の机の上に、ティッシュBOXの空き箱を開いたものを企業数分(2007年度だと60個)用意し、その中に、先ほど説明した小さな封筒を入れていきます。
  後は、一人あたり3〜4つのティッシュペーパーの空き箱を担当し、集計します。委員の方は「ベルマーク整理袋」に点数・枚数・合計を記入して作業終了です。ベルマークの集まり具合にもよりますが、毎回18時より開始し、19時半頃には終了しています。特に2回目の作業では、委員の方も仕事に慣れるため、効率的に作業が進んでいます。
  現在は、年に1万数千点ほどの収集に過ぎないのですが、地域のお年寄りの方が家庭で集めたものを持参していただいたり、学校に出入りしている業者の方に回収インクカートリッジの寄付をしていただくなど、PTAの枠を越えた協力も大きな支えとなっております。
  今後も「無理なく、無駄なく、根気よく」を合い言葉に、1点1点を大切に、末永く活動を続けていけるよう努力していきたいと思います。
=6月15日、旭川北洋ビル8階小ホールで