体験報告



九州



6月19日(金) 熊本


熊本県山鹿市立山鹿小学校
田中 裕子 さん(2008年度PTAベルマーク委員長)
菅村 祥子 さん(同委員)
藤森 由美子さん(同)
(右から)
 県北に位置する山鹿小学校は児童数635人で、山鹿市内で一番児童数の多い学校です。8月には全国的に有名な山鹿灯籠(とうろう)まつりが開かれます。千人灯籠踊りは山鹿小の運動場で行われるので、見にいらっしゃった方もおられるのではないでしょうか。運動会では6年生全員が、本物と同じ型紙で作った灯籠を頭に乗せ「山鹿灯籠よへほ節」を踊ります。
 山鹿小PTAのベルマーク委員会は、前年度の3月に委員長、副委員長各1人を選び、4月の授業参観日に各学級2人の活動委員が決まります。学校からも担当の先生が3人決まります。2008年度は委員長、副委員長と19学級38人の委員の計40人で活動しました。
 ベルマークに取り組んだのは1962(昭和37)年度で、児童会中心の活動だったと聞いています。80年度にPTAの委員会が設置され、活動はますます盛んになりました。03年度にはベルマーク財団から「優秀校表彰」をいただき、昨年度末の累計点数は553万点で熊本県内2位でした。
 購入備品は、一輪車、バスケット台、校外学習や6年生の八千代座公演で使うビデオ、カメラのほかボール、縄跳び、鉛筆削りなどです。昨年12月には10万円の予算で購入準備を進めました。「ベルマークでほしいものは?」と、子どもたちにリクエストを出してもらい、先生からの要望を交えながら購入備品を決めました。購入品が年度内に届き、子どもたちはとても喜んでくれました。
 ベルマーク委員会は、まず6月上旬に全員が参加して総会を開きます。地域のお店や施設10カ所のベルマーク箱回収担当者と、学年ごとに年間4回の作業日を決めます。初対面で緊張していたみなさんも会が終わるころには話が弾み、和やかな雰囲気で「作業日に会いましょう!」と笑顔で帰られます。
 山鹿小では、毎月1日と15日をベルマークの日と定めていて、学級通信の行事予定で必ずお知らせしています。この日は子どもたちがベルマークを持ち寄り、クラスの回収箱に入れ、回収箱は児童会のベルマーク委員会の子どもたちが1カ所に集めてくれます。10月と2月にはベルマークコンクールがあり、たくさん集めてくれたクラスに表彰状を贈っています。
 ベルマークは家庭以外からも届きます。大阪から観光で山鹿に来られた、写真が趣味の大阪のSさんは「ベルマークおじさんより」というお手紙つきで、年1回、インクカートリッジとベルマークを送ってくださいます。山鹿市内の女性からは毎年12月に封書でベルマークが届いていましたが、今は近くのスーパーの回収箱に入れてもらっています。ベルマーク委員会の子どもたちがお礼状を書き、交流が続いています。
 作業日は学年ごとに年4回、開始時間もそれぞれです。学年単位の6人が集まるので無理なく協力することができます。毎学期、ベルマーク担当の先生が「作業日のお知らせ」を連絡袋で知らせてくれます。
 作業場所は給食棟2階の会議室なので教室とは離れていますが、声が聞こえてきて「子どもたちのために」と励まされます。マークの切り取り、仕分け、仕分け棚への保管まで2時間程度の作業です。作業の進み具合は「ベルマーク伝言ノート」に記録し、次の作業日の担当者に引き継ぎます。集計はとくに気をつかいました。計算間違いのないように10枚まとめてホチキスで留め、2人組で作業しました。
 昨年度はインクカートリッジが多く集まりました。1個5点と点数が高いことを知らない人が多かったので、ベルマーク新聞でお知らせすると、回収がグンと増えました。最後の作業日の2月26日、「年間集計が9万9418点」でした。惜しくも10万点に届かなかったのですが、1年間、がんばってよかったという達成感がありました。
 市役所や保育園、スーパーなど10カ所に協力をお願いしています。毎年恒例になっているので、どこも快く引き受けてくれます。あるお店の店長さんは「えー!1年間で10万点も集まったんですか。『ちりも積もれば山となる』ですね。来年もどうぞ置いてください。こんな形で地域の店が子どもたちに役立っているんですね」と話されました。地域と子どもたちのつながりが、小さな実を結ぶとってもすてきな出来事です。
 ベルマーク委員会の1年間は「地域のみなさんと子どもたちの笑顔に支えられた」と、実感した貴重な1年でした。地域の山鹿小に対する熱い思いがこの運動を40年以上も続けさせてきたのだと思います。児童、保護者、教師、地域の共同作業とも言えるこのベルマーク運動を、今後も絶やすことなく、続けたいと思っています。
 みなさんもベルマーク運動を通して素晴らしい交流をしてみませんか。きっと心温まる体験ができると思います。

(スライドショーを使って発表)
=6月19日、くまもと県民交流館パレアホールで

6月18日(木) 鹿児島


鹿児島県鹿児島市立大龍小学校
大石 幸代さん(2008年度PTA事業部副部長)
植田ルリ子さん(2008、2009年度同部長)
小森園三夏さん(2009年度同副部長)
(右から)
 大龍小学校はJR鹿児島駅近くの上町地区にあり、学僧・文之和尚が住職だった大龍寺から歴史を受け継ぐ創立126周年を迎える小学校です。古くは大河ドラマ「篤姫」で有名な鶴丸城の城下町として栄え、学校の隣には篤姫の生家があり、校区内には西郷隆盛が眠る南洲神社や砲術館跡など文化的歴史的遺跡が多くあります。
 児童数は401人、15クラス、PTA戸数312世帯です。PTAは「一人一役」のもとに6専門部に分かれて活動し、ベルマークは総勢64人の事業部が担当し、リサイクル活動、アルミ缶回収も行っています。
 ベルマーク運動の取り組みは1962年からで、昨年度は9万3617点を集め、県内9位になり、朝礼台、一輪車、竹馬などを購入しました。PTA新聞でも紹介し、より一層のベルマーク収集への協力もお願いしました。校舎正面に掲げている時計もベルマークで購入したものです。このように児童や保護者に活動成果を伝えることも、ベルマーク収集の啓発活動にとても効果的なのではないかと思います。
 クラスごとの集計は月1回です。毎月10日を「ベルマークの日」と定め、1日から10日まで、児童は担任の先生に家庭で集めたベルマークをベルマーク袋に入れて提出します。袋の表に「月」の欄があり、提出すれば担任の先生が「ありがとう」のハンコを押して返してくれます。
 集まったマークはクラスの事業部員がその月のメーカー別の仕分けと集計をします。マークはメーカー別のベルマーク袋に仕分けし、全体集計までストックします。集計はメーカー別集計表に点数の低い順に「点数」「枚数」「合計点数」を記入します。
 当番月の集計が終わると、次の月の当番にメーカー別集計表とメーカー別のベルマーク袋を渡します。次の月の当番は、10日に担任の先生からベルマークをもらい、仕分けして「メーカー別集計表」に当月分を追記していきます。毎月この繰り返しで、クラスごとの集計を行います。
 全体集計は年3回、学期末の土曜日午前9時から学校に集まって行います。作業は1時間ほどで終わります。各クラス事業部員2人ずつで、ベルマーク、メーカー別集計表、各クラスの月別集計表(これで校内のベルマーク収集クラス順位を決定)を持ち寄って、作業に参加します。
 クラスで集めたメーカー別のベルマーク袋からそれぞれのメーカー容器(ヨーグルトの空き容器などを利用)にベルマークを移します。このときメーカー別集計表も提出します。メーカー別集計表は各クラスに6メーカーぐらいを割り当て精査します。お菓子や食品は点数が細かく分かれていたり、枚数が多かったりするので、作業量が公平になるよう毎学期担当メーカーを変えています。点数はクラス集計でしっかり数えているので、間違いがないかチェックするだけです。合計点数を出したあと、財団に送ります。当日、インクカートリッジ、トナーも数を数え、事業部役員が送る手配をします。
 全体集計後は、各クラスの収集結果・順位を保護者に知らせるため、ベルマークだよりを作成し配布します。上位3クラスには賞状を贈り、3学期には学期間と年間ベスト3を発表し、賞状を贈ります。クラスごとの順位を発表し、表彰することで競争意識が生まれ、団結してより多く集めようという刺激になるようです。
 大龍小が多くのベルマークを集めることができる要因は
1. 「10日はベルマークの日」と決め、担任の先生が時間割に載せてくれるなど意識付けを行っている
2. ベルマーク袋を年度初めに全家庭に配り、かわいいハンコを押すなどして、児童も楽しんで気楽に集めている
3. PTA新聞などで、購入品や活動を紹介し、保護者に意義を理解してもらう
4. クラスごとの収集結果を知らせ、競争意識を高めている  などが考えられます。

 全体集計の後は、部員に意見を出してもらい、改善に努めています。今後の課題として、カートリッジ類の回収方法などが挙げられています。カートリッジは重かったり、かさばったりして、子どもたちが学校に持ってきにくい、という意見です。改善策を検討し、長年続いてきたベルマーク活動を無理なく継続して、目標の年間10万点を早く達成できるよう、PTAと学校が工夫・協力して頑張っていきたいと思っています。

(スライドショーを使って発表)
=6月18日、鹿児島市中央公民館ホールで

6月17日(水) 宮 崎


宮崎県宮崎市立宮崎南小学校
永田 良子 さん(2008、2009年度PTAベルマーク委員長)
横山 奈美子さん(2008年度委員長)
松崎 真奈美さん(同)
北條 恵理子さん(2009年度委員長)
鳥原 美恵 さん(同)
西田 美樹 さん(同ベルーク委員)
(右から)
 宮崎南小学校は今年創立32周年を迎えます。児童数650人、PTA戸数508世帯、学級数22クラス、職員は46人です。
 PTAは地区ごとに選出される地区、安全、給食会計の他にベルマーク、文教、フェスタ、環境美化、保体、広報、選考の委員会があり、一世帯が一役を必ず務めることになっています。
 ベルマーク運動は、ベルマーク委員会を中心に取り組み、31年間の累計点数は361万9115点、昨年度(08年2月21日〜09年2月20日)は14万8605点を集め、県内1位(全国では1万5090校中96位)でした。委員は各クラスからほぼ3人ずつ選出し、昨年度は55人でした。
 昨年度は「地域にもっと訴えかけよう」「南小でベルマークを集めていることを周知しよう」を合言葉に、校区内外の幼稚園やスーパー、病院、事業所に回収箱設置やカートリッジ・トナー回収の協力お願いにうかがいました。6〜9月の4カ月で40〜50カ所に声をかけ、34カ所を確保できました。
 校区内全自治会長さんにも初めて協力を依頼し、校区内の全住民の方々へ6、9、3月に回覧で協力をお願いしました。
 昨年度は学校の玄関内に「ベルマーク委員会用掲示板」を設置し、カートリッジ回収箱もリニューアルしました。11月には目標の10万点も達成し、組立式テント一張を購入しました。今年から学校行事で大活躍しそうです。
 ベルマーク委員会は作業効率を良くするため、ベルマーク便り係、カートリッジ・トナー集計係、フェスタ係、全体集計事前準備係に分かれ活動しています。
 ベルマーク便りは1年に7回発行し、目標数やマークの切り方、協賛企業の商品、脱退企業、回収箱設置店の紹介などを載せています。第1号と最終号は、委員長が発行し、残り5回を担当4クラスの委員と副委員長クラスが発行します。
 カートリッジ・トナー係は毎月1回、回収したカートリッジとトナーを集計、発送します。キャノンとエプソンに送ると、個数と点数を証明する葉書が届きます。2週間ほどで届くので、マーク集計の2週間前には送ることをお薦めします。
 宮崎南小では毎年、「南小フェスタ」が開かれ、体育館でバザーやゲームが行われます。3年前からベルマーク委員会も参加し、子供たちの大好きな「くじ引き」をします。8クラスで編成したフェスタ係が午前、午後に各4クラスで担当します。景品は委員全員で準備し、ベルマーク10枚と引き換えでくじが引けます。カートリッジやトナーもOKで、昨年は1日で1万3377点集まりました。
 子供たちと直接触れ合い、ベルマークを意識してもらえるので、今後も続けていきたい取り組みです。
 全体集計事前準備係は3クラスで編成、1年に3回ある全体集計日の前に準備作業を担当します。
 毎月1日〜10日に児童がベルマークをクラスの回収箱に入れます。委員の子供が仕分け用の小袋と手順を書いた文書の入った袋にベルマークを入れ、家庭に持ち帰ります。委員は自分のクラスのベルマークを仕分けします。委員は各クラス3人なので各自1回は担当することになります。
 事前準備係は、この袋が戻ってくると、PTA会議室の専用仕分け棚に、企業別、点数別に袋を入れます。仕分け用袋の準備などの細かい作業はありますが、活動は1年間に3回と全体集計当日だけなので、昼間活動できるお母さんには人気のある係です。
 高点数のベルマークをご存知ですか。ベルマーク番号56番の「グリーンスタンプ」です。
 最初にグリーンスタンプ社と学校の間で登録の手続きが必要ですが、一度登録してしまえば後はとても簡単で、カートリッジと同じ要領です。ギフト券やスタンプ券をグリーンスタンプ社に送ると、ギフト券、スタンプ券が1枚ベルマーク200点に換算され戻ってきます。ギフト券は通常だと1枚で4点ですが、学校単位で登録すると1枚200点に換算されます。それをほかのベルマークを送るのと同様、整理袋に枚数、点数を書いて財団へ送ります。宮崎南小は昨年、ギフト券を121枚集め、グリーンスタンプだけで2万7408点獲得できました。皆さんも呼びかけて収集されるといいと思います。
 このほか山田養蜂場やジブラルタ生命、ヤマハのリコーダー、ファインプラスなども高点数ですので、今年も呼びかけを強化していきたいと考えています。
 ベルマーク活動を通して周囲の皆さんの温かい心にふれることができ非常にやりがいのある1年でした。今年も大好きな宮崎南小の子供たちのためベルマーク委員56人で協力し、手を尽くし心を尽くして頑張りたいと思っています。

(スライドショーを使って発表)
=6月17日、ウェルシティ宮崎で

6月16日(火) 宮崎・延岡


宮崎県延岡市立南小学校
山本 満江さん(2008、2009年度PTAベルマーク委員長)
 南小学校は今年創立77年を迎える歴史と伝統ある学校です。校区内には沖田川が流れ田畑も広がり、西には愛宕山を望み、身近に四季を感じられる自然豊かな環境の中にあります。学級数は27、児童数は776人で県北では南方小学校に次ぐマンモス校です。
 学校では「夢いっぱい、花いっぱい、笑顔輝く南っ子の育成」を教育目標に掲げ、「あいさつ運動」「一人一鉢花いっぱい運動」「早寝早起き朝ごはん」の推進のほか、「昔遊び」などで地域の高齢者の方との交流や近くの幼稚園、保育園へのふれあい訪問などに取り組んでいます。
 PTAには文化広報部、環境整備部、保健体育部、生活指導部、バザー事業部、学年部の6専門部と図書委員会、ベルマーク委員会があります。一人一役で協力委員を含め、保護者全員が何かの役についています。
 ベルマーク委員は委員長1人、副委員長2人、各クラス2人の計49人で活動しています。
 ベルマーク運動への参加は1965年からで44年目になります。2008年度は10万5816点を集め県内5位でした。累計点数は394万2988点で、もうすぐ400万点に達します。今後もさらに上の目標を目指していきたいと思います。
 活動では、まず先生方と各家庭に向けてベルマーク便りを発行し、ベルマーク回収袋、一覧表と一緒に配布します。内容はベルマーク運動の説明、マークの切り方、身近なボランティア活動であること、最近購入した物品の紹介、出し忘れをなくすために毎月の集金日に学級費、給食費、ベルマーク回収袋の3点セットで提出することなどの呼びかけをしました。学期末の集計後には結果報告をし、脱退企業、新加盟企業のお知らせなども随時行いました。ベルマーク回収袋には、提出された月に担任の先生にスタンプを押していただきました。
 ベルマーク委員会は、全員が出席するのは初回の説明会と学期末の集計作業、3学期に行われるバザー協力の5回です。仕事をされている方もおられますが、午前中の作業で必ず出席していただきます。1回目の説明会では、ベルマーク回収袋の作成、クラスごとに仕分け袋の作成と学期ごとの仕分け担当者を決めます。仕分け担当者が集金日以降に各クラスで集まったベルマークを家庭に持ち帰り、仕分け袋に分けていきます。以前は家庭でも集計まで行っていましたが、間違いも多く、二度手間になるので、いまは仕分け作業だけにしています。
 学期末の集計作業日までにクラスに集まったすべてを仕分けし、集計日当日に持参して、ベルマーク番号別の箱に入れます。枚数の多い企業(ニッスイ、キユーピー、牛乳石鹸、ニッスイの冷凍食品など)の集計は学年ごと(6〜10人)で行います。集計には卵のパックやティッシュの空き箱などを利用しています。少ないものは1〜2人で集計し、繰り返します。集計が終わった人からインクカートリッジ、トナーカートリッジの分別をします。
 カートリッジ回収は、お便りごとに呼びかけをしています。昨年までは購買部の前に段ボール箱を置いていましたが、見た目も悪く子どもたちにも危ないことから、ベルマーク預金でダストボックスを購入し事務所前に設置しました。いまでは外部の方から持ち込まれることもあるようです。
 「捨てられているベルマーク」を1枚でも多く回収できるように、これからも保護者への呼びかけはもちろん、ご親戚、ご近所、職場などへの声かけをお願いしていきたいと思います。
 このように活動を進め、学校や子どもたちに役立つものを購入してきました。図書室のパソコン、長机、パイプいすのほか、毎年各クラスにソフトドッジボール、昨年度末には保健室に加湿器、カートリッジ回収用にダストボックスを購入しました。
 今後、ベルマーク活動を通して、地域の方々ともっと交流を深めていけたらと思っています。  ベルマーク委員になって「捨てればゴミ、集めれば財産」だということを、とても実感しています。ベルマーク運動に参加できてよかったと思います。

(スライドショーを使って発表。パソコン操作は竹原哲郎教頭=写真=が担当)
=6月16日、ガーデンベルズ延岡で

5月28日(木) 福岡【2】


福岡県福岡市立長丘小学校
高田 智香子さん(2008年度PTA会計、厚生委員会担当)
御厨(みくりや)希津子さん(同書記、同)
(右から)
 長丘小学校は1973(昭和48)年に創立され、福岡市のほぼ中心に位置しています。鴻の巣山のふもとで、住環境に恵まれた場所にあります。児童数855人、25クラスあります。
 「子ども一人ひとりの個性を生かしつつ、豊かな人間性や社会性と、故郷を愛し、誇りをもって国際社会に生きる自覚と確かな学力にもとづいて、自ら考える力を持った子どもを育成する」という学校教育目標に沿ったPTA活動を、学校、保護者、地域が一つになって行っています。
 PTA組織は、各クラス4人のクラス委員が選出され、学年委員会、文化委員会、厚生委員会、広報委員会と、校区内12地域から選出された地域委員会の5委員会から成り立っています。各委員会は各クラス1人の計25人で活動しています。
 ベルマーク活動は、給食試食会や人工呼吸講習会の活動とともに、厚生委員会が担当しています。ベルマーク活動では、1996(平成8)年度に屋外掲示板を購入することができましたが、その後、はっきりした目的がないまま活動していました。
 しかし、一昨年、学習発表会などの時に、先生方がビールケースを使って、ひな壇を手作りしていたことを知り、それならばベルマークでひな壇を購入しましょうということになり、それを目標に活動することになりました。
 活動の流れは、毎月、ベルマーク回収袋を児童に配り、各クラスで集めたものを、委員さんが定例会までに自宅で仕分けします。家で作業する時に、子どもにも手伝わせることで、ベルマーク回収の意識が子どもたちにも高まり、遠足時のおやつについているベルマークも見逃さなくなりました。
 月1回の定例会で持ち寄ったベルマークをまとめ、点数を数える作業を行います。その際、1年生から6年生の25クラスを大まかに4グループに分け、不公平がないように会社番号を振り分け、担当を決めて行っています。毎月同じ会社を担当することで、作業が早く進むようになりました。また、学年を超えたグループで作業することで、他の学年のお母さんとの交流や情報交換の場にもなっています。
 以前は委員長、副委員長がしていた最終的な集計と発送は、毎月学年ごとに振り分け、個人の負担を軽減しました。
 そのほか工夫した点は、年度初めのお知らせプリントを、昨年度は黄色の用紙を使い、保護者の方の目に留まるようにしました。そのプリントには目標を大きく明記し、購入に必要な点数と不足分の点数を示し、意欲を高めました。
 職員室や公民館にも、ベルマーク、インクカートリッジの回収箱を設置し、PTA通信や公民館だよりでも、地域の方々に協力を呼びかけました。2学期のPTA通信には、年賀状作成の際に出るインクカートリッジ回収のお願いをあらためて載せました。
 このように例年より情報を多く取り上げることで、たくさんの方に意識していただくことができたと思います。また、他の委員会やクラスの懇談会でも協力をお願いしたことで、一般家庭では集まりにくい、点数の高いトナーカートリッジの回収ができました。
 おかげさまで、昨年度1年間で、福岡市内の小学校で2位の10万7830点のベルマークを集め、目標であるひな壇1台を購入することができました。先生方、保護者の皆様、地域の方々のご協力のおかげと思っています。
 現在は、1学年1台では足らないので、2台目のひな壇購入に向け、昨年同様、地域の方にも協力を呼びかけ、今後も努力していこうと思っています。
 実際に作業をするまでは、ベルマークを子どもに持たせたあとは、なにも考えていませんでしたが、ベルマーク運動を通じて、自分たちだけでなく、たくさんの子どもたちのためになっている素晴らしい運動であることを知りました。その意義を知り、この活動がさらに広がることを願っております。

=5月28日、大博多ホールで


5月27日(水) 沖縄・那覇


沖縄県那覇市立泊小学校
我如古(がねこ)由利子さん(2008年度PTAベルマーク部長)
呉屋(ごや)  明子 さん(同)
樋口      泰子 さん(2009年度PTA会長)
(右から)
 泊小学校は、歴史ある泊地域と新しく開発が進む那覇新都心の間に位置しています。晴れた日には、近くの黄金森公園から慶良間諸島も見渡せます。
 1881(明治14)年6月1日に創立、今年128年目を迎え、2年後の130周年に向けて準備が始まろうとしています。児童数は約950人で、校内では毎日、子供たちの声と笑いであふれています。転勤の方々が多く、他府県から来られた方の話を聞くのも楽しみのひとつです。
 PTA活動は昔から一人一役。「子供たちのためになにかやりましょう!」と、みなさんがどこかの部に所属しています。学級代表部、総務部、文化教養部、広報部、ベルマーク部、保健体育部、環境部、健全育成部、地域部、スクール委員に分かれています。
 各部の活動は活発で、子供たち、保護者、先生方が生き生き楽しく過ごせるよう、いろんなことを企画運営しています。子育ての話、親の悩み、そしておいしい話などなど、ゆんたく(おしゃべり)しながら、楽しく笑顔の多いPTA活動を心がけています。
 ベルマーク運動に参加したのは沖縄本土復帰の年、1972年11月21日と聞いています。今年で37年目に入ります。
 ベルマーク部員は各クラスから2〜3人、計約60人です。6、10、2月の年3回、全児童に回収のお願いのお便りとベルマーク袋を配り、クラスに設置された回収箱に集めます。
 仕分け作業は1、3、5年と2、4、6年の2日間に分けて、各学年の部員が行います。
 作業手順は次の通りです。
【学年集計】
1. 午前9時15分に集合。作業テーブルを3学年別に準備する。
2. 各クラスから回収箱を集める(休み時間を利用)。
3. ベルマークを学年ごとにまとめ、切りそろえる。
4. 切りそろえたマークを会社番号別に容器に入れる。
5. 番号別に枚数と点数を集計し、集計用紙に記入する。
6. 番号別にチャック袋に入れる。
7. 各学年の合計点数を記録する。

【全体集計】
1. 各学年で集計したベルマークを番号別にまとめる(トレーを利用)。
2. 番号別に指定の袋に枚数と点数を記入してベルマークを入れる。
3. ベルマーク送り状に必要事項を記入し、総合計後、郵送する。

 作業がすべて終わると、回収のお礼のお手紙に、学年別の集計点数を記入し、児童に配ります。
 インクカートリッジは年1回、3月に回収しています。
 今年度から小学校近くのファミリーマートさんのレジの近くに回収箱を設置し、ご協力していただいています。
 前年度まではベルマーク番号や点数が切り取られていたり、おおまかに切り取られていたりして、作業に時間がかかっていましたが、年度途中から、回収のお願いの際、お便りに切り取り方の説明イラストを入れたので、作業がスムーズになり、時間が短縮され、2時間程で終えるようになりました。また、各学年の作業の際に、それぞれの学年の合計点数を出してもらい、全体集計がスムーズに進められました。
 今まで購入したのは掛け時計、ボール、メガホン、絵画、電化製品などで、06年度にはバルーン(パラシュート)を購入し、07年度の運動会で6年生が使用しました。
 累計点数は県内2位、今年4月に200万点を達成しました。これを励みにして今後もなるべく部員の負担が少なく、ベルマーク活動を楽しく長く続けていけるよう、改善し努力していきたいと思います。
 どの学校も自分たちにあったやり方を見つけ出し、みんなが楽しく続けられることが一番大切だと思います。

=5月27日、沖縄青年会館大ホールで

5月26日(火) 沖 縄


沖縄県沖縄市立高原小学校
吉田 幸子 さん(2008〜2009年度PTA母親部長)
外間 悠子 さん(2008年度PTA会長)
高良 美穂子さん(2009年度母親部副部長)
安藤 正子 さん(2008年度PTA副会長)
(右から)
 高原小学校は沖縄市の東側に位置し、近くに県総合運動公園や銀行、郵便局、スーパー、病院など生活に便利な施設が多く、住みやすい環境の中にあります。
 今年2月に創立50周年を迎え、これまでに7511人の卒業生を送り出しました。2003(平成5)年に泡瀬小学校、昨年4月に比屋根小学校と、2度の分離を行いましたが、住宅やマンションの建設で住民の増加が続き、現在822人の児童が在籍しています。沖縄市小中学校陸上競技大会で男女総合優勝7連覇、各部活の県内優勝や本土派遣など、子どもたちの活動は素晴らしいものがあります。
 PTAは6学年の学年委員と、総務部、保健体育部、文化教養部、環境整備部、広報部、生活指導部、母親部の7専門部に分かれています。ベルマークは母親部が担当し、そのほか明治乳業のLマーク収集作業と、お母さんたちがそれぞれの得意料理を教える料理講習会を企画しています。運動会の弁当づくり、季節の行事の料理など、みんなでメニューづくりから準備を行い、毎回好評です。
 高原小がベルマーク活動に参加して今年は4半世紀の25年になりました。昨年度は年間12万2千余点を集め、県内で1位、24年間の累計点数152万余点を挙げることができました。
 昨年度これだけのベルマークを集められたのは、時が止まったまま運動場にある時計を、創立50周年記念品の一つにベルマーク運動で絶対に購入し「高原っ子と共に再び楽しい時を刻みたい!」と目標を立て、子どもたち、保護者、先生が一つになったからだと思います。
 しかし、23万5千点余りの高額な時計を購入するのは、預金額から考えると至難の業。どうすればみんなに協力してもらえるかを考え、次の方法をとりました。
  1.子どもたちに親しみやすく楽しい新聞づくり
  2.ベルマーク活動の展示と作業体験
  3.地域の方への協力依頼
  4.高原幼稚園のお楽しみ会にベルマークの店を出店
  5.保護者へのキャンペーン協力依頼         の5点でした。
 最初の楽しい新聞づくりは、ベルマーク収集は強制や競争ではなく、興味と理解、そして活動の素晴らしさ、楽しさを子どもたちに知ってもらうため、お知らせする新聞に工夫をしました。高原小ベルマークのキャラクター「高原ベルルちゃん」をつくり、≪がんばれ!ベルルちゃん≫と題した4コマ漫画で、ベルマーク活動を子どもたちにも分かりやすく描いたり、ベルマークに関するクイズを毎回出題し、答えを応募してもらったりしました。その中からベルマーク博士が誕生し、表彰式も行っていただき、校長先生から直接もらった賞状を少し照れながら受け取る姿は、微笑ましいものがありました。
 二つ目のベルマーク活動の展示と体験作業は、授業参観日にあわせ、大きな教室を使い、協賛企業の商品60点を展示し、マーク回収からお買い物までの流れを分かりやすく並べました。作業体験では、小さなヨーグルトの空き容器1杯分を仕分けしていただき、初めての方も、手慣れた方も楽しくゆんたく(おしゃべり)しながら、てきぱきと進めていただき、仕分けが済んでいなかったマークがすっかり片づきました。
 実際に手にとって作業することでマークの切り方や協賛企業が脱退すると、そのマークが無効になると知ってもらえたこと、転入生の保護者から他校の活動を聞けたことなど、この作業を通じて、多くの方と関わりあえました。
 地域の方々への協力依頼では、高原自治会と大里自治会の協力で、お願いチラシを市の広報紙に折り込んでいただき、二つの自治会、スーパー、ファミリーマートに収集箱を設置してもらっています。収集箱には、脱退した会社のマークも数多く見られますが、それだけ長年に渡り、捨てずに集めていただいていたのだと、地域の方々の心温まる気持が、とても活動の励みになりました。
 四つ目の活動は、小学校に隣接する高原幼稚園のお楽しみ会に参加し、お金ではなく、ベルマークでお買い物ができるベルマークのお店を出しました。折り紙、牛乳パック、トイレットペーパーやラップの芯などで小物や玩具を約100点つくり、ベルマークを200枚集めることができました。
 最後のキャンペーン協力依頼でとても効果があったのは「これ!を集めて」と、要点を絞ってお知らせしたことで、使用済みインクカートリッジは、保護者の家庭、職場、地域の企業からたくさん集めることができました。スーパーコープのお買い物のポイントサービスにグリーンスタンプのポイント券があり、このポイント券1枚でベルマーク200点という高点数です。グリーンスタンプキャンペーンでは、わずか3週間の呼びかけで102枚集めることができました。
 以上の様々なご協力で、今年3月、念願の太陽電池式大時計を購入し、飾ることができました。
 残念なことは、作業が平日の午前中のため、活動はお母さんが中心になっています。「集めるだけが子どもたちの役目」から「一緒に作業し、意見交換しながら楽しいベルマーク活動」を今年度の課題とし、実現に向けて展開していきたいと思います。
 それでは、高原小のベルマーク仕分け方法を看板娘が説明します。

 ベルマークキャラクター、ベルルちゃんに扮した高良さんが登場。カセットテープの音楽が流れるなか、スライドショーの説明にあわせて、回収袋や仕分け用容器などを手に、作業の流れを再現しました。

 昨年度のベルマーク作業は、主に15人のお母さんにお手伝いいただきましたが、仕事や家庭の都合で日程が合わない場合は、希望する方にはマークを持ち帰って作業してもらうなどして、みんなが無理のないよう作業を進めてきました。
 作業は「急がず!あせらず!自分のペースで」を前提に、作業を通じてさまざまな学年のお母さんたちの交流の場として、毎回楽しい時を過ごしてきました。これからも色々な方々の知恵をいただきながら進歩していく努力をしたいと思います。

(スライドショーを使って発表)
=5月26日、沖縄市民会館中ホールで

看板娘ベルルちゃん登場
 高原小学校の体験発表は実演を交えたユニークな形式で、「分かりやすく面白かった」と、参加したお母さんたちに好評でした。
 スライドショーによる発表が約10分過ぎたころ、「それでは、高原小学校でのベルマーク仕分け方法を看板娘を迎え、説明したいと思います」。舞台左手に「はーい! はじめまして! 私、高原ベルル。高原小学校でベルマークのキャンペーンガールをやっています」の声とともに、ベルルちゃんが登場=写真。09年度母親部副部長の高良美穂子さんが扮しているのですが、歌舞伎の黒衣(くろご)のように、頭からすっぽり黒い衣装をかぶっていて顔は見えません。大きな目と赤い唇のベルルちゃんの顔を描いた厚紙を肩からぶら下げ、まるで一昔前のサンドイッチマンのよう。
 沖縄県出身のBEGINの曲「イチャリバオハナ」が流れるなか、ベルマーク袋や仕分け用容器などを掲げ、1年間の作業の流れを再現しました。途中からは次男の紗叶(さきょう)ちゃん(3つ)も舞台に上がり、拍手を浴びていました。
 ベルルちゃんは、子ども向けベルマーク新聞の4コマ漫画の主人公で、ベルマーク活動を楽しく、分かりやすく説明し、関心を持ってもらおうと、母親部が考えたキャラクターです。今年3月、ベルマーク預金で購入した創立50周年記念品、太陽電池式大時計の贈呈式で、動く姿では初めてお目見えしたそうです。

5月22日(金) 大 分


大分県大分市立寒田(そうだ)小学校
藤永 滋子 さん(2008年度PTA環境整備部長)
荒金 かおりさん(同副部長)
(右から)
 寒田小学校は、1978(昭和53)年4月に開校し、ピーク時の1986年には児童数1205人に達していましたが、現在は589人、19学級です。
 学校創立の2カ月後、1978年6月にベルマーク運動に参加、今年で31年目になります。昨年10月に県内20校目の累計点数400万点を達成しました。節目の年に環境整備部員として活動でき、部員一同、とても幸運なことでした。メンバーは、各クラスから1人で昨年度は20人、今年度は1クラス減り、19人で活動中です。
 ベルマークの回収から発送まで、活躍するのが、3年前の部員さんが手作りした通称「青袋」です。袋の中には、児童用のベルマーク回収袋、会社ごとの仕分け袋、セロテープ、ホチキス、ベルマークの整理の仕方や流れを書いたプリントが2枚入っています。これらが各クラス分あり、大変重宝しています。
 年7回ある回収月の20日前後に担任の先生から児童に、回収袋を配っていただきます。児童が持ってきた回収袋は、青袋に入れ、ベルマーク整理の一人一役さんに渡してもらいます。寒田小は「一人一役」制度があり、役員でない人は年間ひとつのPTA活動に参加します。ベルマーク整理もそのひとつで、自分のクラスのマークを自宅で会社別、点数別の10枚つづりに整理してくださいます。
 一役さんには学期末PTAの日に、整理したベルマークを学校に持ってきてもらい、集計・発送は環境整備部が引き継ぎます。発送は年3回、学期ごとです。
 各クラスの青袋が集まったら、学校の図工室で全校分の集計作業を行います。作業には、ベルマーク商品であるUFOの容器を再利用しています。点数が細かく分かれている会社は、点数別に容器に入れたり、10枚つづりの分とバラの分を分けて入れたりと、この容器のおかげで作業を能率よく行うことができました。
 1学期の集計、発送が終わり、一連の流れがつかめた頃、ひとつの思いが膨らみました。「子どもたちにベルマーク運動をもっと知ってほしい。伝えなければ…」という思いでした。
 ベルマーク運動が、自分たちの学校の設備を充実させるだけでなく、購入金額の10パーセントが支援金となり、日本だけでなく海外援助も行われる意義のある運動であることを知りました。しかし、集めやすいベルマーク商品の多くは食料品で、親が集めたものを学校に持っていくだけになっている子どもも見うけられました。
 そんな子どもたちが、ベルマークに興味を持ってくれるには何かできないか、何ができるか考え、ベルマーク付き商品の展示をすることにしました。
 9月の部会で、11月15日の「ふれあいPTA」で、ベルマーク付き商品の展示をしたいと、部員さんに伝え、商品の収集をお願いしました。ふれあいPTAまでに2回、集まれる人で準備しました。正確には「してもらいました」です。言い出しながら、私は2日とも仕事を休めず、部員さんにお任せ状態でした。ふれあいPTA前々日、副部長さんが、仕上がった展示のひとつを写メールで送ってくれました。アイデアいっぱいで、インパクトのある出来栄えに驚きました。
 ふれあいPTAの前日、児童昇降口に模造紙6枚分の掲示をしました。反応が気になり、我が子や部員さんの子どもに聞くと「人がいっぱいで、靴がなかなか履き替えられんかった」「掃除しながら、6年生が見ちょったよ」などと、うれしい声が聞けました。
 当日は模造紙に加え、長机にペットボトルや高額点数のグリーンスタンプなどを置き、総数30社68種類を展示しました。「ベルだより特大号」も作り、新しく協賛会社になったファミリーマートや日活の紹介、400万点達成のニュース、預金残高などを載せました。インクカートリッジの回収箱や預金で購入した拡大プリンターの展示もし、子どもたちや保護者にアピールできた、と自負しています。
 次に思ったのは、展示したベルマーク付き商品を指差す「男の子と女の子」のイラストを、これきりにするのはもったいない、という思いでした。部員さんが考えたオリジナルキャラクターが定着すれば、子どもたちがもっと関心を持ってくれると考え、ベルだよりで、名前を募集しました。短い応募期間でしたが、たくさん応募がありました。1年生のかわいい字や、何回も消し跡のあるもの、家族みんなで考えてくれたと分かるものもあり、1枚1枚が貴重で、幸せな気持ちになりました。
 名前は圧倒的な人気で女の子が「ベルちゃん」、男の子が「マーくん」、ふたり合わせて「ベルマーク!」。覚えやすく、かわいい名前に決まりました。
 キャラクター誕生を記念して、念願の子ども向けのベルだよりを発行することもできました。配られた時は、子どもたちでベルだよりを見あったり、「よろしくウィッシュ」に笑いあったりしたようです。
 保護者向けの「ベルだより」の発行にも力を入れ、年7回発行しました。内容は、点数報告や新規協賛会社のお知らせ、ベルマークの切り方などです。グリーンスタンプやインクカートリッジについては、周知がまだまだと感じ、毎回のように載せました。
 寒田小では毎年、入学式で新1年生に、ベルマーク運動協力のお願い文書と、家庭でベルマークを保管できる牛乳パックを再利用した「ベル箱」を配ります。イラストは「ベルちゃん」「マーくん」に変えました。塗り絵ができ、1年生の時の字が残せるよう、名前の覧も設け、世界にひとつしかない「ベル箱」を使ってもらい、興味を持ってもらえたらと思っています。
 地域への取り組みでは、校区のスーパーや郵便局など5カ所に、回収ボックスを置かせていただいていました。昨年度は、幼稚園や保育園、校区公民館にも新たに置かせていただき、現在8カ所に設置しています。
 回収は2人の部員さんが担当しました。1年間担当することで、回収ボックス設置店とよい関係が作れました。ベルマークの回収だけでなく、新商品の話やインクカートリッジがベルマークになる話をしたり、子どもと一緒に行くことで、従業員の方の意識向上に繋がったり。子ども自身が「自分にできること」を探し、ポスターや回収ボックス作成をしてくれました。
 400万点達成のお知らせは、PTA広報誌「ささむた」に寄稿して、回収ボックス設置店に掲示しました。広報誌は、回覧板で校区全戸に回ります。地域の方や卒業生へ、お知らせとお礼を言うことができました。
 活動を通じ、温かい出会いを経験しました。「捨てられない」と、ベルマークを学校に届けてくださったり、通学路で小学生に渡してくださったりした地域の方々の温かさ、ベルマーク付き商品の展示を見て「子どもがベルマーク付きの紙コップを選んだのよ」といううれしい声、「今年のベルだよりは捨てないで取っちょんよ」といった声、放送委員の子がお昼の放送でベルマークのクイズをしてくれたこと。感謝の気持ちでいっぱいです。
 仕事と家庭と子育てとPTA活動、楽ではなかったですが、充実した忘れられない1年になりました。

(スライドショーを使って発表)
=5月22日、大分市コンパルホール・文化ホールで

5月21日(木) 福岡・北九州


福岡県北九州市立清水小学校
小田原 克子さん(2008年度PTA学年委員長)
國房  裕美さん(2009年度同委員長)
安部  典子さん(2008年度同副委員長)
(右から)
 清水小学校は市役所や小倉城に近い市中心部・小倉北区の住宅街にあります。校舎の老朽化により、3年前から学校の建て替えを始め、今年3月に工事が終わりました。新しい校舎で子供たちは伸び伸び学校生活を送っています。
 20学級、児童数583人・461世帯です。1872(明治5)年、学制創設と共に開校した最も古い学校で、再来年には140周年を迎える伝統校です。
 1961年6月にベルマーク運動に参加し、累計点数300万点に達しました。福岡県で47位、北九州市では13位です。2008年度の集票点数は7万156点で、県内40位、市内では10位でした。
 08年に新校舎が完成した際に、各学年1台ずつ業務用クリーナーを購入しました。今後も学校側と相談して、子供たちのためになるものを購入していきたいと思います。
 清水小PTAには、成人人権委員会、学年委員会、広報委員会、体育委員会、安全対策委員会があります。ベルマークは、学年委員会が中心になって取り組んでおり、構成メンバーは各クラス1人の計19人です。
 活動を順を追って説明します。まず5月中旬に学年委員会が、児童の名前を押した封筒を作り、各クラスの布袋に入れ、配ります。封筒は25日前後に先生から児童に配ってもらい、各家庭で集めたベルマークを入れ、先生に提出してもらいます。集まった封筒はクラスの布袋に入れ、職員室横の回収ボックスに入れてもらいます。インクカートリッジもインクが漏れないようビニール袋に入れ、学校に持ってきてもらいます。
 回収は6、7、9、10、12、1、2月の年7回、回収日を決めて集めています。定期的に封筒を配り回収することで、ベルマーク収集に対する意識の向上と継続につながっていると思います。
 学校だけでなく、地域の方にも協力していただけるように清水市民センターにベルマーク回収箱を置かせていただいています。ある程度集まったら市民センターの方が学校に持ってきてくれます。
 クラスで集まったベルマークは、学年委員が仕分けします。作業日は原則第2水曜日の午前10時から正午くらいまで、なかよしルームで行います。和気あいあいと委員同士が情報交換をしながら、楽しく作業しています。学年委員の基本は、無理せず活動しようということで、働いているお母さんには、家に持って帰って作業してもらっています。
 集まったベルマークは、委員が番号を書いた整理箱に入れていきます。整理箱は牛乳パックに、番号と企業名を書いて使っています。
 整理したものは7月と1月の活動日に、委員に振り分けて枚数と点数を自宅で集計してきてもらいます。整理の方法は、プリントをコピーして委員に配りますが、皆さん数えやすいように、10枚ずつ紙に張ったり、セロテープに並べて張ったり、大きなものはホチキスで留めたり、工夫して整理してきてくれます。
 集計したものは、9月と2月の活動日にもう一度間違いがないか確認して財団に送ります。
 これまで説明した収集・集計の手順をまとめると、
   1.ベルマーク封筒の作成
   2.封筒の配布・回収
   3.仕分け作業
   4.点数の集計
   5.所定の封筒に点数記入後、提出
   6.財団へ送付、             という順になります。
 今回、この発表の機会を得て、ベルマークがたくさん集まるのは、保護者の皆さんのベルマーク運動への関心の高さと、学校や地域の方々の協力や実際に関わっている人たちの地道な活動のおかげだと思います。
 これからも学校や地域の方たちとスクラムを組んで、がんばっていけたらと思います。

(スライドショーを使って発表)
=5月21日、北九州市立男女共同参画センター(ムーブ)ホールで

5月15日(金) 長 崎


長崎県諫早市立御館山(みたちやま)小学校
林田 真紀子さん(2008年度PTA副会長)
佐倉 智恵美さん(同ベルマーク部副部長)
(右から)
 御館山小学校は、諫早市中心部に位置し、JR諫早駅から北西へ登った小高い住宅地の中にあります。隣には鎮西学院幼稚園、鎮西学院高校、長崎ウエスレヤン大学と、恵まれた環境にあります。以前は県立諫早商業高校の近くでしたが、平成4(2002)年秋に現在の校舎に移りました。初めて来校された方は必ず「広くてきれいな学校ですね」とほめていただきます。校舎内もオープンスペースで広々としており、子供たちは伸び伸びと学校生活を過ごしています。
 児童数は17クラスの486人、PTA世帯数は361です。
 保護者のPTA活動への関心はとても高く、昨年度から事業部を3部増やし、多くの方が参加しています。事業部のほかにも「MOC」(御館山親父クラブ)というお父さんの活動の場もあり、ソフトボールや親子クッキングなどに多くの方が参加し、親睦を深めています。
 また、図書ボランティア「つくしの会」があり、手先の器用なお母さんたちが定期的に図書室の飾り付けや本の修理、始業前の各クラスでの読み聞かせなどの活動を行っています。
 前年度から大きく変わったベルマーク部の取り組みをご紹介します。
 御館山小学校はベルマーク運動がスタートした1960年度から活動しています。当初は教養部が担当していましたが、各事業部の役割分担の見直しと、ベルマーク運動に力を入れようという理由からその後、環境部、企画執行部へと移行しました。この48年間でベルマーク作業は、全保護者が参加できるPTA活動の一環として定着し、2008年度にはさらに集中して活動できるようにと、ベルマーク部を立ち上げました。
 以前の収集方法は、年間4〜5回の仕分け・集計作業を、当時四つあった事業部に振り分けて行っていました。保護者は各事業部に所属しているので、1家庭が年に1回、作業に参加することになります。06年度に企画執行部が担当したときは、子供たちにもベルマークへの関心を高めよう、と以前ベルマーク説明会でお聞きした方法を採り入れました。牛乳パックに協賛会社の番号をつけ、各学年の空きスペースに収集場所を設け、家庭から持ち寄ったベルマークを、子供たちが番号別のパックに入れる作業をしました。このことで子供たちにもベルマーク運動が浸透したようです。
 さて、08年度にベルマーク部を立ち上げてからの活動ですが、大きく3点が変わりました。ひとつは常時回収です。以前は回収期間を設けていましたが、回収箱を各学級に置いて、いつでもマークを持ってこられるようにしました。マークを入れる袋は以前からの専用封筒でも、使用済みの封筒やビニール袋でもよいことにしました。インクカートリッジは、各学年が廊下に回収箱を置いています。この常時回収にしたことで提出忘れや家庭で溜まることの煩わしさが解消できたようです。
 二つ目はランキング形式です。学年ごとに点数を出しランキングを発表、子供たちにベルマークに対する意識を高めてもらう試みです。当初、子供たちに点数を競わせるのはどうか、という反対意見もあり、役員会で何度も話し合いを重ねました。しかし、ランキング形式は、とくに低学年で盛り上がり、子供たちが今まで気付かず捨てていたお菓子のパッケージやノートを、気を付けて見るようになり、ベルマークへの関心が高まったのではないかと思います。
 三つ目は持ち帰りによる集計作業を採り入れたことです。まず、ベルマーク番号を書いた小袋と集計用紙を入れた集計セットを用意しました。集計用紙はランキング形式にしたため、各学年の点数を出す必要があるので、一目で分かるよう色分けしました。白が各クラスの部員持ち帰り用、黄色が学年合計用、青が学校全体の総合計用です。
 作業の流れは以下の通りです。
 クラスの回収箱に集まったマークは、クラス役員が適当に分け、集計セットに入れて部員に渡します。部員は家庭で番号別、点数別に仕分けし、白の用紙に記入します。作業が終わったら子供を通し学校に提出します。次に役員が学校に集まり、黄色の用紙に学年ごとの点数を集計したあと、青の用紙に6学年分と地域、先生の分を合わせて総合計します。
 同時進行で、小袋に仕分けされたマークを、協賛会社ごとにまとめ、発送準備をします。これで作業終了です。
 持ち帰り作業は、小さなお子さんがいる方や仕事を持っている方からは大変好評で、活動に参加できることの充実感を持っていただけたようです。これまでベルマークに関わっていなかった保護者も興味を持たれたようで、09年度の希望する事業部のアンケートでは、ベルマーク部を希望する方が10人以上のクラスもありました。
 しかし、ここまでくるには失敗もありました。1回目の作業は、以前同様に部員が学校に集まり、仕分け・集計をしました。しかし、ランキング形式にしたことと、08年度は1、2年生にベルマーク部がなかったこと、更に参加者が少なかったため、予想以上に時間がかかり、大変な作業になりました。そこで、2学期からは負担が軽く、スムーズにでき、みんなが関われる方法をということで、持ち帰り作業を採り入れたのです。
 また、ランキング形式は良い点もありますが、集計作業にひとつ手間がかかります。今後も継続するかどうか、検討が必要だと思っています。
 試行錯誤しながらの活動ですが、ベルマーク部を立ち上げた08年度は7万6733点を集め、49年間の累計点数は300万点を達成しました。預金での購入品は運動会用のテントや一輪車、掃除機などがあります。08年度は、保健体育部から要望の強かったバレーボールの審判台を購入しました。
 これからも多くの方の理解と協力をいただけるよう無理なく、無駄なく、根気よく活動に取り組んでいきたいと思っています。

(スライドショーを使って発表)
=5月15日、ウエルシティ長崎・西海ホールで

協賛企業からベルマーク寄贈
 長崎市の説明会で、協賛企業のキリンビバレッジ九州地区本部長崎担当の若菜幸治・営業2部課長(42)=写真左=がベルマークを寄贈しました。
 若菜さんによると、昨年の説明会に参加したあと、「自社製品についているベルマークを無駄にするのはもったいない」と、長崎担当者や同じビル内のキリンビール長崎統括支社の約20人に協力を呼びかけました。  生茶に付いているベルマークを拡大し、協力お願い文を張り付けた収集箱は手づくり。横約40センチ、高さ約25センチの収集箱には、この1年間に集まったベルマーク523点分がぎっしり入っていました。若菜さんは「全社で展開するよう提案書を出したい」と話しています。

5月14日(木) 長崎・佐世保


長崎県佐世保市立大野小学校
関  清美さん(2008年度PTA副会長)
富永 裕恵さん(同庶務)
(右から)
 大野小学校は明治7(1874)年7月開校の今年創立135年目を迎える歴史と伝統のある学校で、26学級、児童数824人というマンモス校です。
 昭和6(1931)年に制定された校歌は、作詞・野口雨情、作曲・藤井清水によるもので歌詩の中にある「熱・愛・誠」は、校訓として引き継がれ、運動場にはこの文字を刻んだ石碑が建っています。
 地域の方々は非常に協力的で、約80人がスクールボランティアに登録しています。ボランティアは、あいさつ、交通整理、図書、学習、放課後教室があり、校内の「ふれあいルーム」では、保護者・地域の方と子供たちが交流できます。朝の読み語り、手作りのペープサートの劇などで、子供たちに本と触れ合う喜びも教えていただいています。
 また、年2回の「学校開放デー」では、地域の皆さんにいろんなジャンルで講師になっていただき、体験学習を行っています。
 PTAは執行部をはじめ文化部、広報部、父母の会、保健体育部、生活環境部、地域部があり、父母の会がベルマーク運動に取り組んでいます。
 メンバーは、クラスから1人の役員、6〜7人の部員で構成、活動日には毎回一般の保護者も含め20人前後の方が参加しています。
 5月から7月は部会を朝の9時半から行い、10時から正午までの2時間をメドにマーク整理をします。9月はマーク収集のみで、1月から3月は貯まったマークの集計をします。
 父母の会便りとして「べルマーク便り」を全家庭に配布しているので、部員以外の方も活動に参加でき、毎回和気あいあいと、おしゃべりやお茶を楽しみながら交流を深めています。
 校区内の病院、郵便局、公民館、スーパーなど8カ所にベルマーク箱を設置し地域ぐるみで協力していただいています。
 活動を、順を追って説明します。
(1)ベルマーク便りを配布=日程のお知らせと参加の呼びかけ
(2)各クラスからベルマークを収集=各家庭にはベル袋を配布、各クラスにはベルマーク缶を設置
(3)仕分け作業=協賛会社の番号別にプラスチックの箱に分ける(1時間程度)
(4)点数ごとに10枚単位でテープやホチキスでまとめる
(5)整理袋に入れ、枚数と点数の合計を出す
(6)その日のうちに3役で集まった点数の報告のお知らせプリントを配布
(7)集まった封筒の合計を送り状に記入し発送
 作業で苦労した点は、セロハン系のものは丸まりやすく、まとめにくい。砂糖、冷凍食品、ミートボールなどはベタベタ感が残っていて1枚ごとに拭かなければならない。生ものに付いているマークは臭いがとれない、などでした。
 活動してよかった点は、ベルマークへの意識が変わったことです。今まではゴミ箱に捨てていた方も、子供と一緒に集めることで、何か物を買うたびに子供がベルマークを探すようになり、自分も集めることが楽しくなった、とのうれしい報告もありました。
 熱心なお母さんはきれいに切りそろえ、10点にまとめて提出したり、お菓子の空き箱や紙袋を利用して、種類別に仕分けしてくれたり、いろいろな工夫もありました。
 インクカートリッジの回収では、前もって知人の会社に頼んでおき、大量のカートリッジを集めて下さったお母さんもおられます。
 今後の目標は、子供たちの間にベルマーク委員をつくり、委員会活動の一環として連携を図りたいと思っています。
 こうした活動の成果として、年間6万点近くのベルマークを集め、累計で346万2049点と佐世保市内の小学校トップの実績をあげることができたのだと自負しています。最近のお買い物では、平成18年度に図鑑などの図書を購入し、子供たちに大変喜ばれました。
 大野小のベルマーク活動は1966年の参加以来、45年間途切れることなく続いてきました。今後、より多くの方に、ご理解とご協力をいただき、50周年、またその先を目指して、これからもがんばって参ります。

(スライドショーを使って発表)
=5月14日、アルカスSASEBO・中ホールで

5月13日(水) 佐 賀


佐賀県佐賀市立開成小学校
福田 歩 さん(2008〜2009年度PTA環境委員長)
小池千恵子さん(同副委員長)
(右から)
 開成小学校は、平成2年(1990年)4月に開校し、今年、創立20年目を迎えています。「創造・共生・自立をめざす豊かな人間性あふれる心身共に健全な子どもの育成」を教育目標に掲げ、キャッチフレーズに「自分の力に挑戦し、努力する子どもを育てよう」を設定しています。「元気な声であいさつ」「人の話をしっかり聞く」「何事にもチャレンジ」を、子どもたちにがんばらせ、活力ある学校づくりに取り組んでいます。児童数671人、PTA会員505世帯です。
 開成小学校は、10年ほど前からPTAの全員所属制に取り組んでいます。PTAは父親、広報、環境、教養、学級、町区の6委員会と本部で構成されています。ベルマーク活動は環境委員会が中心に行っています。
 ベルマーク活動は1990年9月の参加以来、19年間途切れることなく続いており、多くの方に運動の意義が理解され、浸透しています。昨年度は佐賀県3位の点数を集めました。環境委員会の1年間のベルマーク活動は「6月から2月にかけて8回のベルマーク収集・仕分け作業」「仕事などで日中に参加が難しい方の年1回の夜間集計活動」「地域のお店などへのご協力の呼びかけ」「ベルマーク広場の活性化」「ベルマーク便りの発行」「子供たちが参加できる活動の提案と実施」です。各月活動日の前には、担当者にお手紙を配布し、活動日には20人弱の環境委員会所属のお母さんたちがミーティングルームに集まって、ベルマークの収集・仕分けを行っています。地域の方々にも収集の協力をお願いしています。今年からお願いした八戸溝郵便局には、児童が書いてくれたイラストで作った箱を設置し、局長さんや局員の方、近所のお年寄りたちにベルマーク収集にご協力していただいています。
 力を入れた活動の一つに「ベルマーク広場の活性化」があります。収集用の箱が雑然と置いてあったコーナーを、子供たちにベルマーク活動をもっと身近に感じ、関心を高めてもらうよう、子供たちの目に留まる広場作りを行いました。設置してからの何カ月かはベルマークの扱いに関する内容を中心とした広場作りをしました。また、今まではただの段ボールに入れていたカートリッジも専用の回収箱を作ったことで、子供たちが収集日以外の日に自主的にカートリッジを入れてくれるようになりました。年末からは、広場が定着してきたこともあり、季節に合わせて壁面を変えるようにしました。12月はクリスマスの壁面を設置し、1月にはお正月、3月はひなまつりの壁面を作りました。その他にも卒業、入学と壁面を変えました。
 力を入れた活動の2点目は「子供たちが参加できるベルマーク運動の提案と実施」で、「ベルマークイラストの募集」「ベルマークキャラクター名の募集」「ベルマーク体験授業」を行いました。6月9日にイラストを募集したところ、全校児童の半分近い子供から応募がありました。イラストは、ベルマーク便りで分けて紹介したり、収集用の箱に張って使ったりしました。予想以上の反響で、イラスト募集をした月の収集率は、年間の中でも高く、子供たちの関心を高めることができたと思います。
 7月7日には、ベルマークキャラクターの名前を募集、一番多かった「ベルマー君」に決定しました。ベルマー君は、収集用の袋や、お便りなど、活動の中でたくさん登場しました。
 9月17日には、3年生の1クラスにベルマークの仕分け作業を体験してもらいました。この日は「キユーピー」「日清食品」「湖池屋」「生茶(キリンビバレッジ)」「ショウワノート」に絞り、最初の10分でベルマークの意味などを勉強した後、班ごとに紙コップを使って仕分けしてもらいました。児童の反応は上々で、アンケートでは「またしたい」という声がたくさんありました。また、日ごろお母さんたちがしている大変さが分かったという声も多くあり、体験授業は成功だったと思います。授業の様子は、ベルマーク便りの号外で配布しました。「私のクラスはいつあるの?」「僕たちもしたい」という声も多く、今年も出来たらいいなと思っています。
 開成小学校には、今年から委員会に所属が決まった読み聞かせグループ「ノンタン」があります。今年初めに注文したブラックシアターを使ってお話し会が行われました。真っ暗のなか行われたブラックシアターは、とても幻想的で子供たちも目を輝かせて聞き入っていました。
 子供たちが待ち望んでいた一輪車の新調と、竹馬の購入を果たすことができました。休み時間の校庭には子供たちが竹馬や一輪車で遊ぶ楽しそうな声と笑顔があふれていました。 環境委員会の活動で、最も充実したのは、ベルマーク便りコンクールでの佳作受賞です。自分たちの頑張りを評価していただいたうれしい瞬間でした。傷んで使いづらかった引き出しを賞金で新調できました。 ベルマーク便りは、活動月に2回を目安に発行してきました。活動内容を紹介したり、脱退メーカーや新しく参加したメーカーを載せたり、ベルマークの情報を子供たちや保護者に楽しく読んでもらえるお便りを心がけてきました。ベルマーク財団のHPに載っているマンガも子供たちには好評でした。保護者には他県や他校の活動が好評でした。ベルマークを集めた後のお便りには、お礼の言葉と、収集率ベスト3のクラスを発表し、毎回賞状を贈りました。そのクラスの児童の封筒の裏にシールを張りました。コンクールで佳作を受賞したときには、記念のお祝い号を発行しました。
 今後も現状に満足することなく、子供たちに少しでも多くの協力ができるような活動を続けていきたいと思います。

(スライドショーを使って発表)
=5月13日、グランデはがくれハーモニーホールで

5月12日(火) 福岡【1】

福岡県篠栗町立勢門(せと)小学校
野添  優子さん(2008年度PTAベルマーク委員長)
竹野  巌さん (同会長)
星野  和美さん(教頭)
(右から)
 私は昨年、ベルマーク委員長に任命されるまで、ベルマークにはほとんど興味がなかったんです。我が家は息子と2人の母子家庭です。仕事を休むと生活に影響が出るような毎日で、追い打ちをかけるように息子が4年生のとき、命にかかわる病気を発病、大手術を受け、助けていただきました。気持に余裕がない中でベルマークが目に留まることもなく、PTAの役員になるなんて私の中ではありえないことだと、避け続けてきたのです。
 しかし我が校は、6年間のうち必ず一度はPTA役員をする決まりがあり、息子が6年生になった昨年、私は腹をくくりました。なんといっても息子のためですからね。この小さな選択が私の1年間を大きく変えるとも知らず、一番無難そうなベルマーク委員を選びました。後で聞いてがく然としたんですが、6年の委員8人の中から委員長を決めるというのです。校長室に集合したら、早かったですよ。ものの5分で決まりました。どうしてかって?委員長決定役のPTA副会長と目が合っちゃったからに決まっているじゃないですか。私は隣に座っていたお母さんの腕をぐっとつかみ「副委員長決まりましたよ」と、腕を挙げました。それが偶然にも同じ母子家庭のお母さんでした。副会長と私のめちゃくちゃな決め方によるベルマーク委員の幕が上がりました。
 私も副委員長もベルマーク活動の内容は全く知りません。過去のベルマークだよりやベルマーク手帳、インターネット、学校の集計場所の和室にある集計道具を漁り、肥やしになりそうなものは全力で頭に叩き込み、なんとか一通り活動の流れを理解しました。
 そして緊張の全学年の委員が集合した第1回集計日。私と副委員長はガチガチでした。恥を忍んで委員の中に経験者がいることを祈り頼ることにしました。「私たちは未経験です」と、最初の挨拶で宣言すると、なんと2年前の委員長が名乗り出て下さったのです。集計のノウハウを丁寧に教えて頂き、無事初回の集計を終えることができました。
 こんな委員長率いる勢門小がなぜ08年度集票点数で県内小学校2位になったのか私自身でも分かりません。ただ一つだけですが、信念を持って貫き通したことはあります。それは「子どもたち全員が我が子」と思うことです。母親は子どもの自尊心を育て、成長を見守る存在ですよね。あくまで「主役は子どもたち」で、私たちベルマーク委員は決して子どもたちの世話を焼きすぎてはならない、お手伝い兼引き立て役でなくてはならない、という思いは最後までありました。
 過去のベルマークだよりを読むと、保護者向けの発信内容で、子どもたちが読めない漢字が多かったり、集計点数の数字だけが目立ったり、子どもたちはベルマーク活動の意味を知らないまま、なんとなく親にマークを持たされ、先生に渡すだけみたいなイメージをもちました。せっかく委員長を任されたので、私は信念通り、子どもたち自ら、目を輝かせてベルマークを持ってきてくれるような活動を目指しました。委員長だって「例年通り」ではなく、それぞれのやり方があっていいと思うんです。
 そんなわけでベルマークだよりを大改造しました。集めるとどうなるのか、子どもたちに分かりやすい説明を書き、1学期の5〜7月の間、毎月マークを提出してくれた子を全員フルネームで載せ、ベタほめしました。マークが多かった協賛会社ベスト3を載せたり、自分だけのベルマークBOXを作ってみようと、楽しく集めてもらうことを提案したり、点数が貯まったらどんなお買い物をしようかと、アンケートを子どもたちに投げかけたり。いつもは無意識にポイとゴミ箱に入れるような子でも「ん? 待てよ。ベルマーク付いてない」と、ゴミ箱に入れる手を止めてくれることから始まってくれればいいな、という思いを込めた内容に仕上げました。
 子どもたちは全員が自分の回収封筒を持っていて、提出してくれると封筒の裏にキャラクタースタンプを押してあげます。子どもたちはスタンプラリーが大好きで、昨年はスタンプのバリエーションを増やしたり、スタンプ台のインクを虹色にしたり、毎回違うキャラクターのスタンプを押してあげるよう心掛け「次はどんなスタンプかな」と、楽しみにしてくれる子もたくさんいました。
 さて、3学期のベルマークだより。今度は9〜12月に毎月マークを提出してくれた子の名前を載せようと人数を数えたら、1学期の123人から132人に増えていました。一人ひとり頭がぐしゃぐしゃになるまで撫でたかったですね。
 子どもたちへのアンケートの返事で圧倒的に多かったのは、暑い時期だったこともあり「給水機が欲しい」でした。衛生面と設置場所の問題があり、昨年中に設置することはできなかったのですが、子どもたちの生の声が大人の耳に入り、真剣に話し合い、今すぐでなくとも子どもたちの希望に取り組む大人がいる、この学校はとても温かく、微笑ましくその中に私がいることを、とてもありがたく思いました。
 そんな私の取り組みが、私の気持が子どもたちに伝わったと思わせてください。3学期の1〜3月に毎月ベルマークを提出してくれた子が930人中300人を超えていました。過去このような提出率を出したことがなく、この300人超えの数字は、私自身「どうなの?」という感じですが、ベルマークを意識してくれている子が増えているということに変わりはありません。
 ベルマーク委員の方々の活躍がほとんど紹介できませんでしたが、「例年通り」ではない私の無茶振りに、皆さん「ええー!」と言いつつ、常に笑顔でついてきて下さり、心より感謝いたします。

(スライドショーを使って発表)
=5月12日、大博多ホールで

「工作教室」にお礼
 「セメダインさん、ありがとうございました」。勢門小学校の体験発表中、ベルマーク委員長の野添優子さんが「社員の方はいらっしゃいますか」と、会場を見渡しました。同社福岡営業所の壷田徳昭さんが手を挙げると、野添さんのほか、星野和美教頭やPTA役員が壷田さんに向かって、深々と頭を下げました。
 協賛会社のセメダインは2007年の説明会でPTAから希望を募り、全国の小学校で「工作教室」を開いてきました。08年は29小学校で実施し、九州では3校、うち10月3日に勢門小で行われました。当日は6年生1クラスが参加し、写真立てを作ったそうです。
 発表の中で野添さんは「ベルマークの提出数が少ないクラスに、もっとベルマークに関心を持ってもらおうと、工作教室に応募しました」と、回収率アップにつながる工夫の一端を紹介しました。