柏第八小学校のここ1、2年の取り組みを重点に発表します。例年1月から11月までに集まったベルマーク点数をもとに、2学期になった時点で備品購入の相談を学校としますが、07年度は違いました。
2年前、暑い夏が過ぎた9月頃、いつものように学校に相談したところ「各教室に扇風機を設置してあげたい」とのこと。実際は、08年度から市の助成で扇風機設置が始まったのですが、これはその前の年のお話です。
猛暑の中での学習より少しでもいい環境を子ども達に、という先生方の気持ちを受け、私達本部役員も今まで以上にベルマーク活動に力を入れようと働きかけを致しました。しかし1台17000円以上する大型扇風機を全学年分設置となると25台分、40万点以上の集票が必要となります。できる事なら一斉につけてあげたい。今思えばちょっと無謀だったようにも思えますが、目標を持って進めていく事が、この活動の原動力となる事をその後知るところとなります。
それまで、1年間の収集量は平均約10万点ですので、その分を翌年に持ち越したとしても通常の回収状況では夏までに15万点までしか見込めず、一斉設置とすると 3年後になってしまいます。それでも、やれるだけの事をやる事に。まずはベルマーク委員会の方々に動いて頂くところから始まりました。
本校のベルマーク委員活動は、1学期に1回、2学期に2回、3学期に1回。全児童に回収袋を配布し、回収したものをベルマーク委員や学級委員が1枚ずつ裁断し形を整え、番号別に分けて集計の作業をしていました。本校では、その作業のみと思ってベルマーク委員会を希望した方が多く、想定外の活動を喜ぶわけはありませんでした。
でもそこは、さすが「お母さん」たち。頑張って下さいました。学校内だけでは限界がありますので、それまでは近隣センターのみに設置していた回収箱を近隣の店舗にも置いて頂けるようお願いに行って下さいました。スーパー4カ所、ホームセンター1カ所、スポーツジム1カ所と設置箇所を増やし、1カ月に1、2度、箱の中身の回収に足を運んで頂きました。本部役員も近隣の老人ホームにお願いにいきました。ベルマーク活動を行っていない近くの中学校にも回収箱を置いて頂きました。
学校からは、扇風機設置に向けてのベルマーク回収の「協力依頼」「回収箱の設置が増えた事」またその「設置場所」についてのお手紙を父兄に配布、地域には回覧して頂きました。朝日新聞さんが「ベルマーク活動」を応援して下さっているのを知り、届けてもらうようお願いにも行きました。キヤノン、エプソンのインクカートリッジは1つが5点ですので、年賀状作成の時期に改めて呼びかけの手紙も配布しました。
学校内では各委員会の委員長、副委員長との会議の際に、皆が一致団結して回収に力が入るよう毎回呼びかけをしました。学級委員長から他のクラス委員へ、クラス委員から各クラスの父兄へと、扇風機設置への意欲が高まるよう呼びかけてもらいました。例えば、店頭で商品を選ぶ際、同じ種類の商品ならベルマークがついているものの方を選ぶとか、どんな小さなマークも見落とさないようにと呼びかけをしながら、自分の意識も高めていったのです。子どもの目線にも着目し、各教室に委員会の方が作成した回収箱を設置してもらいました。子どもがマークに気がついた時に、すぐに箱に入れられるように。大人では見逃しがちな所にあるベルマークも子どもの輝く目で発見される事もしばしばありました。
そんなこんなで翌年の08年度の春には、通常を上回る量のベルマークは回収されました。1年半分トータルで19万点ほどでした。ですが、先ほども申しましたが、ちょうどその08年度に市が2、3年がかりで普通教室に扇風機設置を設置する事になったため、ベルマーク預金では市の設置対象ではない「図工室」「理科室」「家庭科室」などの特別教室8教室に設置しました。
こうして我が校の「扇風機旋風」は幕を閉じたわけですが、今もその体制は受け継がれております。設置されているスーパー等で、今でもその回収箱を見るたび、中をのぞきたくなりますしベルマーク委員会の方々の当時の努力が頭をよぎり、こみあげてくるものがあります。声かけをした事により多くの方々が動いて下さいました。子ども達に涼しい風をという一心で。地域の方々からの温かいご支援に感動の連続でした。
正直なところ私自身、これをきっかけとして、この1点1点がどれほど大切で貴重かという事を今更ながらに認識する事ができました。そして、このベルマーク委員会こそが子ども達にじかに手を差し伸べ、還元する事のできる素晴らしくやりがいのある委員会だと思いました。多くの方々からの思いやりのいっぱい詰まった1点1点に触れ合いながら、そしてベルマーク委員会の方々が、その地道な作業をして下さる事によって初めて購入する事ができるという事、子ども達の喜ぶ顔がすぐそこにあるという事を忘れずに、皆さんもこの1年、楽しみながら大いにこの活動を満喫して頂きたいと思います。
扇風機設置が一件落着した08年度の改善点、1年間の活動を終えての感想についてですが、校内での呼びかけ(ポスター等含めて)や地域の方々のご協力も頂く事で、ベルマークの数も増えました。うれしい半面、整理する量も増える事になりました。ベルマークの集計を行う日は、ベルマーク委員6名と各学年学級委員4名ずつ計24名の方に手伝ってもらっていますが、1回目の集計の時は9時30分から始めた作業が全て終わるのに12時を過ぎてしまい、いかに効率よく、時間短縮できるかを皆で相談しました。
初回では、ベルマークを1枚ずつきれいに切りそろえていましたが、ベルマーク財団の方に切り方の具体例を出し細かく確認させて頂き、この位なら切りそろえなくても大丈夫という共通の基準を持ち、切る手間を大幅に省きました。仕分け作業についても、今まで使っていた仕分けトレー、小さめの豆腐パックに加えて、卵パックも使ってみました。また湖池屋のマークは点数配分が細かく、種類もたくさんあり集計しづらかったので湖池屋の分だけ集計表を作ってみました。
昨年のベルマーク委員の活動を振り返り、コツコツ地道な作業が多かったですが ベルマーク活動を通し、子ども達へは新しい教育設備品、またその購入代金の10%が国内外のハンディをかかえて学んでいる子ども達へ寄付された事を知り、いい運動にかかわれたと思っています。
(スライドショー、プロモーションビデオを使って発表)
6月3日=柏市文化会館で
プロモーションビデオで圧倒
6月3日に千葉県柏市民文化会館で開かれた説明会で、柏第八小学校が体験発表でオリジナルの「プロモーションビデオ」を流し、約200人の参加者から大きな拍手を浴びました。
作ったのは「八小の広告塔」と自称する梅津健志教頭先生です。学校の児童数やスタッフの数などが黒いバックに白い文字で流れて、ビデオは始まります。「子どもたちの課題解決力を育てる。それをミッションに毎日動いている」。そして、ゆずの「栄光の架け橋」の曲に乗って、学校の授業風景や運動会、音楽会などの催しのスナップ写真が次々に浮かび、その一つ一つに「教師は授業で勝負する」「市内陸上大会で2位に」、音楽会の場面では「感動を奏でる」といったコメントが静かに流れていきます。最後はPTA活動で「子どもたちとともに挑戦する」をテーマに、その1つがベルマーク活動とし、回収箱や仕分け用の道具を写真で見せ、「全教室に扇風機を」という目標を目指してがんばった様子を紹介、「目標が努力を結実させた」で終わります。約3分程度の作品ですが、選曲のよさと、コメントも写真に合わせてユーモアがあったり、力強く訴えたりと、ついつい引き込まれてしまいます。
梅津教頭は、毎月のPTA役員会でも前月の学校の様子をプロモーションビデオにして紹介しているそうです。「口でこまごま説明するよりわかりやすいんですよ」。パソコンを使って、2時間ほどで作ったそうです。説明会が終わった後もお母さんたちに囲まれ、「素晴らしいですね」と声をかけられていました。
写真は、プロモーションビデオを披露する梅津教頭ら |