稲田小学校のベルマーク特別委員会は、昼の部6人と夜の部3人の計9人が中心となって活動の働きかけを行っています。昨年、「帯広市内で2位なので、ベルマーク運動説明会の体験発表校を」と財団から依頼されましたが、年間点数がもう少し集まるのではないかと思い、辞退しました。この1年間いろいろ見直しをし、今年道内で2位という結果が出ましたので、皆さんの参考になればと思い、発表させていただくことにしました。
私たちの学校は「いなだの杜」に隣接しており、理科の授業ではその杜で自然を学べます。杜の北側にはウリカリ川が流れ、毎年5月5日に鮭の稚魚を放流します。こうした自然豊な環境の中で子どもたちは学んでいます。創立80周年を迎えた歴史ある学校で「ひとりひとりの子どもの可能性を生かす」という教育目標を掲げ、「明るく元気な子、励まし合い助け合う子、よく考えてやり抜く子」という育成に力を入れています。
そんな中ベルマーク運動は6年前の2003年から、十勝で一番児童数の多い小学校になったことをきっかけに、ベルマーク特別委員会として活動を始めました。
PTAには学級部、社会部、広報部、保体部、教養部、総務部が活発な活動をしていますが、ベルマーク運動はPTA各部と独立したベルマーク特別委員会が中心になって取り組んでいます。構成メンバーは各学級より2人ずつ委員を出して約50人となります。このメンバーから活動希望調査をもとに、昼と夜に分かれて年8回程度活動しています。
昼の部では、整理や集計が無理なく長続きできるよう、昼の多いときは次回に回すことにしています。夜の部では、3チームに分かれてカートリッジを中心に整理しています。
私たちは初回の委員会で、ベルマーク運動の意義理解に努めていただくために、ベルマーク運動に初めて携わる人と希望者を中心に、ベルマーク運動のビデオを視聴していただくことからスタートしています。
昨年から初めての試みとして家庭でベルマークを収集していただくための、封筒を全児童に配布しています。昨年度は朝日新聞社が50周年事業でベルマーク支援運動を行っていると聞き、150人分の封筒をいただくこともできました。「この封筒が家庭にあると切り取ったベルマークが一カ所に集められるので大変重宝しています」「ベルマーク収集を意識するようになった」など意見があったため、今年もアレンジして5月初旬にベルマーク一覧表やベルマークだよりと一緒に、配布しました。
次に家庭で収集したベルマークですが、当初ベルマークコーナーが1階に1カ所だけにあり、番号ごとに分けて入れてもらっていました。子どもたちが仕分けしながら入れるため「子どもが持っていきたがらない」「仕分けしながら入れていると休み時間がなくなる」「2、3階からくる児童には遠い」などの意見が出されました。そこで1階にもう1カ所仕分けしないでいい箱を増設してみましたが、あまり徹底しませんでした。またベルマーク作業の日を固定していなかったので、「いつベルマークを学校に持って行けば良いかわからないので、いっぱい貯まっている」という声がありました。そこで、作業日の1週間前から「ベルマーク週間」と名付けて作業日ごとにベルマークだよりを配布して回収の呼びかけを行い、さらに昨年は西と東の階段付近の壁など6カ所にベルマークの絵を描いた大きめの封筒を設置したところ、見事に回収率がアップしました。
集まったベルマークは、作業日に分担して会議室へ運びます。役員は外部の設置場所から、委員はそれぞれの家庭から自分の持ち寄ったベルマークを仕分けし、それが終わった人から作業に入ります。一昨年まではすべて仕分けが終了する頃から作業を始めていたのですが、各社別番号を1つ担当する人と、大封筒に集まったベルマークを仕分けしながら作業を同時にするチームとに、分かれることにしました。
同時作業チームは比較的数の多いキユーピー、キリン、日清、湖池屋、バナージュなどをホッチキスで10枚留めながら仕分けします。今年はさらに能率を上げるために点数が均一でないメーカーは2、3人組で作業をしてもらい、ホッチキス留めをする人が最後に点数と枚数を確認するというように、してみようと思っています。
従来通り10枚縦に並べてセロテープで固定するやり方も、チラシなど裏の白い紙を小さく切ったものにセロテープで固定する方法と、セロテープのみで固定するものとに分けました。ロッテのガムは小さいので大きく切っていただくか、そのまま出してもらえるように呼びかけを徹底しているところです。
昨年から各作業日ごとに点数を出さず、年2回の集計時だけにしていましたが、ベルマーク委員会のパソコン導入により、役員が再確認し、点数を入力することで集計時間の短縮を試みているところです。発送は年2回です。財団より1月から3月は混むので4月から12月に発送して欲しいという要望があり、今年は7月と12月に発送する予定です。
近年の工夫としてあげられるのは、第一にベルマーク回収箱を校区内のお店や中学校にお願いして増設したことです。定期的な回収で、中学校生徒会と児童会の協力関係もはかることができています。第二に校区内の会社や職場の協力を得て使用済みのトナー、カートリッジを回収していること。これは年間で約5万1000点にもなっています。第三に、学校、PTA各部との連携です。「ベルマークだより」のほかに、「学校便り」「PTA広報誌」でも紹介してもらえるよう情報を提供しています。
ベルマーク新聞に役員がいち早く目を通し、最新の情報や昨年度は廃番により無効になった点数がかなり多かったので、その苦い経験を繰り返さないために、ベルマーク便りでのお知らせを徹底するようにし、頻繁に回収することなどに気をつけています。それが貴重な1点を無効にしない唯一の方法だと思います。
またPTA学級部には、親子レクリエーションのときにベルマーク付きのおやつを買っていただく、社会部や総務部、保体部の行事でベルマーク付きの飲み物を買ってもらい、その場で回収していただく、などによりPTA全体に運動の意義が少しずつ伝わり、浸透して行っていることを感じます。中には知人や親戚にもベルマーク便りや一覧表を渡し、協力を求めてくださっている方もいます。
最後にベルマークで何を購入するか、目標を設定することです。
裏話をしますと、昨年、年度当初に設定した目標の商品は、体育館改築に伴い、教育委員会に買ってもらえることになり、一時目標を失いました。しかしベルマーク新聞の記事で、あと一歩で北海道ベスト20に入ることを知って、それを目標に奮起。夏休み前には新たな目標「和太鼓とその台」も設定され、二つの目標を目指して、役員はもとより、ベルマーク便り等を通じてPTA全体の意識高揚をはかってきました。
このような工夫の結果、前年度約5万8000点だったポイントは、当初の目標6万点を大きく上回り、10月の集計時点で8万5000点、2月の集計でさらに7万2000点を加算し、合計15万7000点と3倍近くになりました。
今年度は作業方法を見直して、作業の能率をあげ、年間10万点以上を目標に励んでいこうと思います。
いつまでも楽しいPTA活動の場であり続けるために、多くの方々から理解と協力を得ていきたいと思います。そして10月の学習発表会の時には、ベルマークで購入した和太鼓を使っての演奏が聴けることを夢見ています。子どもたちにもベルマーク運動は小学校の備品が豊になること、そしてそれ以上に、物を買うことによって1割の寄付が生まれ、貴重なものと変えられていくことを、ベルマーク運動のビデオの視聴などで伝えていきたいと思います。
(スライドショーを使って発表)
=帯広ワシントンホテル「くろゆり」で
「みんながベルマーク運動に参加している街」づくりを
「道内ベスト20の中に帯広から3校も入っていることをご存じですか?」。帯広会場の体験発表の最後に稲田小学校の清水紀江さんが問いかけました。2位に稲田小、4位に柏小、16位に啓西小が入りました。
問いかけの狙いは、帯広を「みんなでベルマークを無駄に捨てない街」「みんながベルマーク運動に参加している街」にしたいということでした。昨年の洞爺湖サミットで、帯広市は環境モデル都市に選ばれており、「この機会に1点の重さを一緒に感じましょう」との思いからだそうです。質疑ではインクカートリッジの回収で集まってくる「純正以外」のカートリッジの処分についての新たな取り組みなども披露していました。この1年間の活動の見直しや工夫で、前年の3倍近いベルマークを集めた報告の後だけに、関心も高く、さっそく情報交換や連携話も進んでいました。
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