ベルマーク運動説明会 5月8日(水)佐賀


(2019/05/21)印刷する



佐賀市立春日小学校

左から 井手聡美さん、日高和子さん、
    川尻五月さん、楠本由紀子さん、
    大坪知子さん


 春日小学校で2018年度に母親委員会の委員長をしていました井手聡美です。

 副委員長をしていました川尻五月です。

 本日はどうぞよろしくお願いします。

 春日小学校は、長崎自動車道の佐賀大和インターから車で南下して3分ほどの静かな住宅街の中にあります。2018年度の児童数は471名、355世帯です。1875年の明治8年に設立され、もうすぐ145周年です。ベルマーク運動に参加登録した年は53年前の1966年の7月です。「2013年6月に200万点達成したと」いう記録が残っていました。これまでの預金では、運動会で使う大玉やカラーゼッケン、コーナーコーン、体育用のハードル、打楽器、サッカーボール、各クラスに鉛筆削りなどを購入しました。

 それでは、これからお話しする内容を説明します。まず【春日小学校の「現状」】について、そして【ベルマーク作業における問題点】、次に【考えられる「解決案」】、【2018年度の試みと結果】、最後に【活動を振り返っての「考察」】という順番です。

世帯数の減少が影響

 まず、現状についてお話しします。

 校区外に引っ越しをする方が増え、2014年度からの5年間で世帯数が58世帯も減りました。ずっと3クラスずつあった学級が、2018年度には全学年が2クラスになってしまいました。世帯数の減少に伴い2017年度からは、PTA会費の値上げや活動費の削減が行われました。

 春日小学校のPTA活動は全員役員制で、委員会は30名から60名ほどで構成されています。世帯数減少のために学校で行う祭り運営の人手が足りなくなったことで、2018年度からは、これまで30名ほどでベルマーク活動を行なっていた「生活委員会」を廃止し、「春日っ子ワクワク祭り実行委員会」への人員補充がなされました。

 ベルマーク活動は、母親委員会にこれまでの活動に追加される形で引き継がれました。しかし、人員の増加は5名程度に止まり、母親委員会の仕事量が多くなってしまいました。

 さらに、追い討ちをかけるように、春日小学校の校区は、母子家庭や父子家庭の片親世帯が増え、また夫婦ともに正社員でフルタイム勤務の家庭がとても多くなってきました。もちろん核家族化が進み、PTA活動にはお子さんを連れて参加する方が目立ちます。仕事を休むわけにはいかない、子供をないがしろにしてまで活動はできない、とにかく日々の生活が忙しい。年度はじめにアンケートを取ってみるとそんな声が多くありました。

作業の問題点を確認して解決案作り

 次に問題点についてです。

 ベルマーク活動をそんな状況の母親委員会で引き受けたわけですが、前年度の委員長さんからベルマーク活動の作業内容を聞いて、次のような問題点を確認しました。

「これまで通りの人数をベルマーク活動に割り当てられない」

「昼間や夜間に動員をかけても学校に人が集まらない、集まれない」

「ベルマークを数えやすいようにと10枚ずつ小さな紙にテープで貼る作業を時間をかけて行っていた」

「紙に貼ることでかさばり、箱で送るので送料が高くなっていた」

「作業担当者を決めても欠席者が多く数名ずつしか集まらず、年に何回も時間をかけて仕分け作業をしても1万5千点から3万数千点分が限度で、仕分けきれないマークが年々溜まっていた」

「具体的な購入目的がないまま漠然とベルマーク活動を行い、金額が溜まった時に考えて購入する流れが続いていた」

「過去の会計資料を見ると、集めた点数よりも高い活動費をお茶菓子代で全額消費しているという本末転倒な年もあった」

「学校に持ってきたベルマークの提出ルートがきちんと伝えられていないので、カートリッジ回収箱にベルマーク提出用封筒が入っていたり、封筒が紛失したりが多くあった」

「そもそも学校でベルマークを集めていることが広く知られていないので点数が集まらない」……などです。

 それから、春日小学校の「ベルマーク活動の年度別点数の変化」を調べてみましたが、年度ごとに大きな差があるのがわかりました。これは、私が引き継いだ時にわかりましたが、春日小学校のベルマーク活動のやり方が口伝えだけで引き継がれ、読んで誰でも実行できる紙のマニュアルが残されてないのが問題ではないかと思いました。

 そこで、これらの問題を解決できそうな案をいくつか考えました。

・作業負担を減らすために「児童や先生の手を借りる」

・誰でも作業ができるように「自宅作業を取り入れる」

・保護者にアプローチする為に「まず児童に興味を持ってもらう」

・目標を作る為に「購入希望品を具体的に先生に決めてもらう」

・活動をみんなに知らせる「たびたびチラシを配布する」

・点数UPのために「地域の協力を仰いだり、テトラパックマークの紙容器回収を始めたりする」

・しっかり次年度に引き継ぐために「活動内容を具体的に記録する」……などです。

効果的だった先生方の協力

 それらの案から2018年度に具体的に試みたことは、まず、点数集めの目標を作るために先生方にヒアリングを行いました。その結果……先生自身がベルマークや紙容器を持ってきてくれるようになったり、ベルマークがついた学用品を学校で使ってくれたり、低学年の児童のサポートをしてくれたり、何よりも購入目標を具体的に示すことができたのでみんなのやる気を引き出すことができました。先生方の協力はとても効果的だなと実感しました。

 次に行ったのが全校朝会での説明です。写真や図を貼ったパネルや 実物のテトラパックの紙容器回収箱、仕分けをするケースなどをみんなの前で示しながら委員長と副委員長で行いました。次年度からの説明はボランティア活動担当の児童にお願いをしました。児童と先生にベルマーク活動を印象付けて協力を得るためにも面倒でも毎年続けて欲しいと思います。

 ちなみに、テトラパック君の顔を描いたテトラパックの紙容器回収箱は、公式の回収箱を真似して2018年度に手作りしました。職員室の入り口横の廊下に常設しています。授業参観日などに役員が中身をとりだして、PTAの部屋に溜めておき、10kg以上溜まった時に綺麗に箱詰めして発送しています。目をかいた顔が目立つので、気にしてくれる児童や先生が増えた気がします。しかしながら、回収のアピールを特に行なっていないので年間にそれぞれ2箱分ぐらいしか集まりません。「プリンターのカートリッジ」も同じような流れで発送しています。役員の誰かが空いた時間に箱詰めをして発送するぐらいで手は足りるので、特に集まっての作業は取り入れていません。


仕分けに児童の力、「ねこカード」が励み

 一番の成果が出た試みは「全校児童に仕分けを手伝ってもらったこと」です。

 毎日好きな時間にお手伝いしてもらえるように廊下にスペースをいただき常設しました。前年度に1年間かかって仕分けた量と同じ作業が,なんと1週間で終わりました。児童の力はすごいなと感じます。

 そして、お手伝いのお礼に「ねこカード」を配布しました。ターゲットは低学年です。これは仕分けのお手伝いだけでなく「カートリッジ」や「紙容器」「ベルマーク」を持ってきてくれた人にも1日一枚プレゼントしています。「静かに個人で頑張れる、お金のかからないちょっとした物を」という視点で考えました。カード内にはイラストで ベルマークがついている商品を紹介しています。カードで紹介した番号のベルマークが急に集まるようになったので見てくれている人は見てるんだなと実感できました。

集計はすべて自宅作業に

 仕分けの次は集計作業です。頻繁に昼間や夜間の学校に集まることができない委員が多いので、すべて自宅作業で行う方法に変更しました。電卓などの道具と1人4~6社分ずつのベルマークを二重の紙袋に入れて、担任の先生と児童を通じてやり取りをしました。

 担当者は必ず仕事をこなして返却してくれるので、作業分担が確実に行えました。集計方法のマニュアルも同封し「数えるだけ」を徹底したので短時間で作業が終わり、また、荷物の圧縮にも成功しました。

 ちなみに、仕分けケースは 使い古しのA4クリアファイルを使い、手作りしました。このアイディアは、他校の事例で 布で大きなポケットを作って壁に掲示して仕分けていたり、ジップロックを壁に貼り付けて仕分けされていたのを参考にしました。自宅作業の時は、接続部分のリングを外してベルマークが入ったままケースごと分けて道具の中に入れました。1年間快適に使っていたんですが、雨の日の学校の湿気で、なんとリングが錆つき開かなくなってしまったので、現在、改善案を考え中です。

チラシ工夫、ベルマーク週間も

 その他に試みたことは、各家庭に配布するチラシの工夫です。協力をお願いしたい具体的な内容を児童の目にも止まるようにイラストを使って分かりやすく作りました。そして、購入したものを写真付きで載せ、活動を手伝ってよかったなと実感してもらえるようにしました。

 年に3回、ベルマーク週間を設定して給食時間に校内放送をかけてもらいました。放送内容は「ベルマークがついている商品の紹介」や「仕分け作業の方法」、「購入目標の品物について」などです。ボランティア活動担当の先生と児童に協力してもらいました。また、この週間の時だけ色付きの「ねこカード」を配布してみたところ「レアカードがもらえるからベルマークを持ってきた」「カードを全種類集めるために毎日手伝った」などの声を聞き、小さいながらも効果はあったと実感しました。

参考になった他校の事例

 最後に「活動を振り返っての「考察」」です。

 春日小学校では、人手も時間もとにかく足りなかったので児童や先生に協力をお願いし「仕分け作業」を手伝ってもらいました。この「仕分け作業」の改善で過去の8割ぐらいの作業負担がなくなりました。ただし、仕分けケースを作ったり、ねこカードを作ったり、児童や先生に説明したりと、準備にとにかく手間はかかりました。自宅作業用の道具の準備も同じです。

 アイディアは、他校の事例を参考にしました。ベルマークの担当者になったらまず、ベルマーク財団のWebサイトで他校の事例をざっと読むと、自分たちの学校のボトルネックを解消できる良い改善案が浮かぶと思います。

 それから、春日小学校では、誰がリーダーになっても作業指示が的確にできるマニュアルが必要だと感じましたので、分かりやすくまとめて、ファイルを引き継いで行きたいです。

 そして、今はとても手が足りなくて取り入れることはできませんが、校区内のスーパーに回収箱設置の協力をお願いに行ったり、自治会の回覧板にチラシを挟んでもらったり、学校のお祭りやフリー参観などのイベントで回収場所を設置したり、地域の協力が得られるともっと大きく点数は伸びるなと他校の事例を読んでいて思いました。

 春日小学校では、2年に一度ぐらいのペースで高額の体育用品などを購入し、先生方からもとても喜ばれています。次の目標は「体育用のハードル14個」の購入です。人手が足りないのでベルマーク活動から脱退しようという話も出ましたが、子ども達の為にも、細々でいいので、今後もベルマーク活動を続けていって欲しいと思います。

 以上で発表を終わります、ありがとうございました。

*画像をクリックすると、PDFでご覧になれます。

 

(パワーポイントを使って説明)

=佐賀県教育会館 2階大会議室

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