ベルマーク運動説明会 6月5日(火)大宮②


(2018/06/19)印刷する



さいたま市立芝川小学校

教頭 小松伸弘 先生

 


 

 芝川小学校教頭の小松です。この度は発表の機会を与えてくださり有難うございます。

 

 本校はさいたま市大宮区の学校ですが、位置的には大宮区と見沼区の境目にあり、児童の7割は見沼区から、芝川という川を越えて通います。周辺には記念公園や畑が広がり、さいたま新都心や大宮駅も近く、自然と都市を両方味わえる学校で。ホタルを飼育する学校として知られており、6月1日(金)には夜のホタル観賞会が行われて子どもだけでなく地域の方も含め1,300人を超える方が来校しました。子どもは素直で人懐っこく、6年生でも遠くから手を振ってくれます。地域の温かい支援と、保護者の皆様の協力のおかげと感じております。

 

会場いっぱいの聴衆が、芝川小の活動発表を聴きました
芝川小 小松伸弘教頭が発表

 さて、この度このベルマーク発表のお話をいただいたのですが、ベルマーク部から「?」という反応が返ってきました。というのも、回収実績があるのは認めるとしても、とりたてて特別な活動はしていないというのです。そこで、私がベルマーク部の活動を取材し、部員の方々が当たり前と思っている工夫を見つけてみようと思った次第です。

 

 最初にベルマークの購入実績を調べました。昨年度は体育主任の強い希望により、ソーラー式ストップウォッチ8個、計7万7千円を購入しています。その前年、一昨年はなんとサーキュレーターを全教室に導入しました。24台で総額50万9千円を購入しました。学校予算では簡単に出せない数字で、本当にありがたい贈り物でした。ベルマーク部長に話を聞いたところ、平成28年度の実績は202,102点で、県内6位と、上位に位置しているとのこと。なぜ、こんなに集めることができたのでしょうか。

 

 PTA組織を見てみましょう。本校は、PTA会長と執行部が中心となり、その下に専門部と呼ばれる委員があって、それぞれ担当する活動をしています。専門部の他に担任との連携調整を図る学級委員、地域との連携調整を図る地区委員などの委員もあります。ベルマーク部は専門部にあたります。事業報告によると、ベルマーク部会は年2回開催、それ以外にベルマークの集計と発送、テトラパックの回収・梱包・発送、購入品に関する事務が中心の仕事です。そのほかに説明会への出席や不定期の新聞発行なども行っています。これだけでは他校とさほど大きな違いがあるとは思えません。

 

 ベルマーク部員は1・5・6年生各クラスから保護者1名が出てきます。本校は1年4クラス、5・6年がそれぞれ3クラスずつありますので、計10名と、意外に少ない印象です。10名の内訳ですが、部長・副部長各1名、回収係3名、箱出し係1名、お手紙作成係4名となっています。回収係は地域のスーパーからベルマーク及びインクジェットを回収します。本校学区域では3箇所のスーパーがベルマーク回収に協力してくれています。箱出し係は集計日の1週間前に各クラスの回収ボックスを集め、箱からベルマークを出す作業を担当します。お手紙作成係は後ほどお話するお手伝いの方々へのお手紙や、新聞・ポスターの作成も行っているとのことです。

 

 

 具体的な仕事を見ていきましょう。

 

 ベルマーク部の回収活動は大きく分けて2種類に分かれます。一つは、文字通り「ベルマーク」回収で、年3回、6月・10月・12月に行われます。回収場所は校外と校内に分かれていて、校外からの回収については先ほどお話した回収係が行います。校内の回収については、以下の通りです。

 まず回収日の1週間前に児童に封筒を配付します。各教室には回収箱が設置され、回収日に担任が回収した箱をベルマーク部員が引き取ります。教室以外にも回収ボックスは設置されており、そうした箱もこの日に回収されます。昨年度の回収実績は、6月に4万7千点、10月に4万9千点、12月に3万3千点。部員の方も言っていましたが、間が空く6月はかなり多く集まるそうで、これだけ集まると集計も大変だと推察されますが、1回の集計作業は3日に分けられて行われるそうで、ベルマーク部員に加え、担当学年のお手伝い係が集計に参加しての大掛かりな作業となっています。インクカートリッジの集計もこの時に行われます。

 

 さて、ベルマーク部にはもう一つ、テトラパック回収という仕事がありました。これはリサイクルデー行われるものです。リサイクルデーは毎月15日、登校時に行われ、新聞・チラシ、段ボールなどの紙類、繊維類、アルミ缶など、様々なリサイクル品を集めます。テトラポットもその一つに位置付けられており、実施するのは各月の担当部員と1・5・6年生のお手伝い係です。回収日前日には教頭が「学校安心メール」で全保護者にお知らせを送ります。部員はリサイクル品の回収をしながら、紙パックをテトラパックとそれ以外に分類し、梱包して発送します。ちなみに先月のリサイクルデーでは、段ボール3つ分のテトラパックが出ていましたから、約30kgの回収ができたようです。こうした活動を毎月継続することで、安定してベルマーク回収ができるのだと感じました。

 

 以上のような調査の結果、2つのポイントが明らかになってきました。

 

 一つは、芝川小学校PTAは日常的にリサイクル意識が高く、ベルマーク部はその中にある必要なモノを効率よく集めているということです。私は当初、リサイクルデーがベルマークを集めるためのものと思っていましたが、実際には通常の資源回収であり、ベルマーク部と関係ないものも回収しています。その方が、持ってこようという意識が高まりますし、必要とするモノが集まるようなのです。

 さらに言えば、PTAの活動に「不要になった学用品を集める」というものがあります。これは算数セットや探検バッグなど、お子さんが大きくなって使わなくなったモノをPTAで引き取り、欲しい方に差し上げるというものです。こうした活動によって保護者にも、要らなくなったから捨てるのではなく学校に持っていけば再利用してもらえるという印象をもってもらえます。ベルマーク活動はリサイクルのあくまで一部としてあるからこそ、集まるのではないかと思いました。

 

 二つ目は、小さな力を大きな力に変える工夫、保護者の負担を減らすための工夫です。どの学校でも困るのが、ベルマークの集計などの活動メンバーが集まらないことではないでしょうか。私も活動を取材する中で、たった10人の部員でこんなに大変な仕事をやっていけるのだろうかと疑問に思いました。

 実は、ベルマーク活動には部員以外に「お手伝い係」と呼ばれる保護者の方々がいます。お手伝い係は最初に紹介した運営委員や専門部員の保護者が対象となっていて、カーテンや配膳代カバーの洗濯や、運動会の駐車場案内、防犯パトロールなど、できる範囲でのお手伝いを担うものです。たいてい各クラスの中で1役1~4名ずつ割り振られており、リサイクルデーのお手伝いも1名となっていますが、そのどれにも入らない保護者全員がベルマークの集計に割り当てられるのです。例えば30人学級だと、委員5名、諸々の手伝い13名を除くと、ベルマーク集計の手伝い係は12名となります。

 

説明会はホールだけでなく国際会議室でも同時開催

 実際の場面を見てみましょう。リサイクルデーのお手伝いは月ごとに1・5・6年の中から1ラスが割り振られます。学期最初の月には部員全員と担当クラスの計11名、それ以外の月は担当学年の部員と担当クラスのお手伝いの計4名で活動しています。最初の月だけ多いのは、あいだが空いているので多めに集まることと、部員同士で回収方法を確認する必要があるからでしょう。ベルマーク集計の手伝いはもっと集まります。1回につき2学年が担当を割りあてられますので、各クラス10~12名とすると、約80~90名前後が参加することになります。これを3日に分けると、だいたい1日30名程度が参加してもらえる計算となるのです。

 

 こうした「できる範囲のお手伝い」という考え方は、ベルマークだけではありません。芝川小学校では働いているために週末しか参加できないという保護者の方のために「ホリデイクラブ」と称して草むしりなどの活動を年3回行っています。忙しいから「できない」ではなく、「これくらいならできる」を拾い上げることで、あらゆる活動に参加者を振り分けることができ、それがボランティアの精神を絶やさずに育て続けた結果、ベルマーク活動の充実につながっているのです。

 

 以上、私なりにベルマーク部の活動を調べた結果をまとめてみました。部員の方々やPTA役員の方々は、とりたてて普通のことしかしていないと言っていましたが、リサイクルにしても人員の確保にしても、日頃の姿勢が反映された結果だと感じています。本校教員とPTAは「子どものために」を合言葉に、当たり前のことを当たり前に行っています。その小さな努力の積み重ねの結果として、このように大きな実績を残したことに、私は誇りを感じています。これからも子どもたちの笑顔のために、日々教育活動に励んでいき、その結果としてベルマーク活動に貢献できればと幸いです。

 

 ご清聴ありがとうございました。

 

*画像をクリックすると、PDFでご覧になれます。

 

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