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ベルマーク新聞の「読んでみたい本」のコーナーで20年以上、児童・生徒・PTA向けに、本を紹介し続けている児童文学者・
鈴木喜代春さん
の「書評コーナー」を、ベルマーク財団のホームページでもご紹介します。書評は3カ月に1度くらいで更新してゆきます。
『おしゃべりな毛糸玉』
沢田俊子作、小泉るみ子絵
1人住まいのおばあさん。冬は寒い寒い。頭から足の先までくるむ、かたかけを編むことにする。タンスから残っている毛糸の玉を出す。それをつないで編んでゆく。小さい玉は子どものセーター、これはおじいさんのシャツなどと、みんな思い出がある。その思いでをつないで編んでゆく。
ながくながく生きてきたおばあさんの息遣いと、しあわせが伝わってくる絵本だ。小学校中級以上向き。
文研出版・本体1300円+税
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『教室の祭り』
草野たき作、北見葉胡絵
5年生の4月、組替えがあって、澄子は別れていた仲良しの直子と、また同じ組になり喜ぶ。ところが澄子に2人活発な友だちができる。直子は学校を休むようになる。澄子たちは「ナオコ探検隊」をつくり歌いながら直子の家へ行く。直子は学校へ出るようになる。
ゆれ動く子ども達が「行動」によって「いじめ」などを、のり越えてゆく。「いじめ」を考える新しい視点を読みとることができる。小学校上級以上向き。
岩崎書店・本体1200円+税
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『干し柿』
西村豊写真・文
この本は、おいしい「柿」を、すばらしい「写真」でとらえた、みごとに美しい「本」である。熟した大きな柿の「実」の写真、すずなりに柿の実がなっている柿の「木」の写真など、まさにこの「柿の本」は「日本の本」である。
しぶ柿を、あまくするために、昔の人が発見したのが皮をむいて干し柿にすることだった。収穫が終わって1つだけ、残っている実は、来年もたくさんなるようにとのおまじないだ。小学校中級以上向き。
あかね書房・本体1200円+税
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『ようかいたちのすむところ』
もりしたまり作、やまぐちみねやす絵
ゆうたの家の前は空地。そこにビルが建つという。空地の水たまりから、ぞわぞわとよう怪たちが出てくる。ビルが建つと地面がなくなってよう怪が住めなくなるという。
ゆうたは、よう怪たちが住めるような庭のある古い家を探してあげる。
大きなビルが建っても、小さいよう怪をつぶさない。ゆうたは優しくて強い。小学校初級以上向き。
草炎社・本体1100円+税
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『た・か・ら・も・の』
まえだとしえ詩、長谷川知子絵
「うれしいとき」という詩は優しい。
「せまい道はばのところで/まえから じてんしゃがきた/よけてあげた/「ありがとうね!」/じてんしゃをこぐおかあさんがいった/「どうもありがとう! おねえちゃん」/にだいのちいさな男の子がいった(中略)うれしくてふりかえってみた/男の子が/こっちをみて 手をふっている/じてんしゃをとめたまま/わたしもおおきく手をふった」
これはまさに「人間賛歌」だ。親子で読みたい詩集。小学校中級以上向き。
リーブル・本体952円+税
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『ブタベイカリー』
角野栄子文、100%ORANGE絵
「ブタ ベイカリー」のブタさんは、ボールパン、リンゴパン、チューリップパン、くつパン、でべそパンなどを作っている。その日は、お兄さんは、ぼうしパン、子どもたちはクレヨンパン、次の日は放送局の近くで、アナウンサーはマイクパン、カントクはメガホンパンなどを買う。
みごとに、いろいろ、さまざまなパンを作る「ブタ ベイカリー」は、みんなを楽しませ、自分も大繁盛で嬉しい。小学校初級以上向き。
文溪堂・本体1500円+税
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『砂漠化ってなんだろう』
根本正之著
砂漠化の定義は「乾燥地域、半乾燥地域、乾燥半湿潤地域における気候上の変動や人間活動をふくむさまざまな要素に起因する土地の劣化」という。
「砂漠化はどうしてできるのか」「人間活動が砂漠化を招く」「湿潤地帯でも『砂漠化』がおこるか?」そして「砂漠化した土地の緑化を考える」でまとめている。
地球の温暖化、自然環境の変化など、いろいろ言われている。中高校生は手にとってみたくなる本。
岩波書店・本体780円+税
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『たまごのおうさま』
かとうまふみ作、絵
夜中、卵が行進している。「世界中を、つるつるにするんだ」と卵は言う。「ユカちゃんの頭も、卵のようにつるつるにする」と言う。ユカは、卵の王様にヒゲをかいてやる。王様は、ヒゲをつけて大満足だ。つるつるは中止だと言う。
次の日の朝、ユカは卵を食べる。つるつるにならないでよかった―笑いながら安心する、おもしろい絵本だ。幼児以上向き。
ビリケン出版・本体1600円+税
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『かえるくん どうしたの』
マックス・ベルジュイス文と絵、清水奈緒子訳
かえるは、あひるさんを好き。やっと花束を持って行く。でも恥ずかしくて入口に置いていく。あひるさんは誰からかな?とわからない。気をひくためにかえるは高跳びの記録をつくろうと練習するが墜落する。通りかかったあひるさんが家へつれていって手当てする。ここで、かえるがあひるを、あひるがかえるを、「好き」「好き」と言う。
仲良しの大事なこと、すばらしいことを、かえるとあひるで描いて素朴で、明るく、美しく、楽しい。小学校初級以上向き。
セーラー出版・本体1300円+税
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『草原の少女プージェ』
関野吉晴著
著者は人類誕生のあとをたどって、アフリカからユーラシア大陸を通り、アメリカ大陸までの旅を自力でおこなった。この本は途中のモンゴルで出会った女の子の物語。お父さんは出稼ぎに行ったまま。貧しくても力強く生きる女の子プージェと、その家族が、美しい写真を入れて語られている。
旅が終わって、プージェを訪ねると、プージェは亡くなっていたという。日本語を勉強して通訳になると張り切っていたというプージェだった。すばらしい旅で出会った「人間」の喜びと悲しみをみつめさせてくれる人間賛歌。小学校上級以上向き。
小峰書店・本体1300円+税
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『きっと天使だよ』
ミーノ・ミラーニ作、関口英子訳
第2次世界大戦のイタリア。爆撃で家も、父母も、家族も奪われた戦争孤児が、やがて大金持ちになり、アフリカにわたる。そこは内戦で、戦争孤児や、傷病兵士たちがあふれている。貯えた財を、それらの孤児や兵士たちのために生かして面倒をみる。
どんなによい理屈を言っても戦争は人を殺す悪と、58の小見出しで読み易く構成して語りかける大きな本。小学校上級以上向き。
鈴木出版・本体1400円+税
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『ぼく うまれるよ』
たしろちさと著
大きなかばのお母さん。そのお母さんの、おなかの中で、ぼくは、ゆうらりゆらり、いい気持ち。どくんどくんと、お母さんの心臓の音。「ぼうや、出ておいで」と呼ぶお母さん。ぼくは出る。
「わあ」「ぷはあ」
こうして、かばの子は生まれる。大きな絵、大きなかば、大きな赤ちゃんで、生まれる喜びを、目に見せてくれてうれしい。幼児以上向き。
アリス館・本体1300円+税
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『どこか いいところ』
高木あきこ詩集、渡辺洋二絵
冬の満月を「きっぱりと まんまる/ふらふらせず/びくびくせず/どうどうと まんまる/しんと静まりかえって/あいまいさのない まんまる」と歌う。
雨の日の日曜日を「雨のことばに耳を傾けよう/素朴なリズムが/からだの芯までしみこんできて/いつか自分も雨の色/やさしい気持になっている」と歌う。
どの詩も、みごとな「ことば」で「人間」(自分)をとらえ「発見」させてくれる。このように「自分」(人間)を発見させてくれる詩が52編収められている。小学校上級以上向き。
理論社・本体1400円+税
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『どうぶつおひるね』
市川栄一作、みやざきひろかず絵、高橋浩美曲
おさるのキーくんが、動物公園に、おひるねベンチを作って、おひるねする。
「ぽかぽかぽかりと/あったかいな/おひるねびよりだ/ああ、ねむい/グーグーグー/グーグググー/おひるねベンチ/おさるのキーくん/はなちょうちん」
おさるのキーくんだけでない。リス、めんどり、かめ、へび、たぬき、ひつじなどなど、みんなおひるねだ。文章に、曲がついている。
おひるねという「休息」を「読ませ」「歌わせ」て安らぎを与えてくれる喜びの本。幼児以上向き。
新風舎・本体1300円+税
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『ぼくのヒメマス記念日』
高橋秀雄作、本橋靖昭絵
4年2組のノブは、ねん土細工で、担任の先生にほめられる。と、そのとき「えこひいき」という声が聞こえてくる。ノブはにらみつけてやる。
そんなとき、お父さんの友達の岡村のおじさんが、釣ったニジマスを持ってくる。おじさんはノブを釣りに連れて行く。
ぐぐぐんと釣竿の糸がひっぱられて、大きなヒメマスを釣りあげる。それははじめての体験で「えこひいき」などの悪口をこえて、もっと強いノブに、ノブを変えていくのだった。小学校中級以上向き。
国土社・本体1300円+税
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『だいじな だいじな あかちゃん』
とだかずよ作、わたなべあきお絵
まっ暗やみで、子猫がふるえている。その子猫を、こうのとりが、お母さんの所へ運んで行く。お母さんは遠い、遠いところにいる。海をこえ、山をこえて、とんで行く。
そして、とうとうお母さんのとこへ着く。子猫は嬉しくて、びっくりして「お母さん」とも言えない。
大事な大事なお母さんと、大事な大事な子猫の「愛」と「情」を、さわやかな絵と文でとらえて熱い1冊だ。小学校初級以上向き。
佼成出版社・本体1300円+税
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『牧場のいのち』
立松和平文、山中桃子絵
小学生のみるくと大地は、牧場で働いている。子牛が生まれる。大きな牧場で「いのち」が生まれる。その「いのち」はひろがり、つづいていくことが、目に見えるように描かれている。小学校上級以上向き。
くもん出版・本体1200円+税
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