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2万3000点超すベルマーク寄贈 名古屋の結婚式場「アルカンシエル名古屋」

 ベルマーク教育助成財団に6月下旬、大量のベルマークが送られてきました。名古屋市港区の結婚式場「アルカンシエル名古屋」からで、手作りの台紙にきれいに貼り付けられたベルマークは、アサヒ飲料(ベルマーク番号29)を中心に全部で2万3953点分ありました。同式場は、これまでも何度か、同様の寄贈を行っています。
台紙にベルマークを貼る佐々木智美さん(右)と佐藤友紀さん=名古屋市港区のアルカンシエル名古屋で 株式会社「アルカンシエル」(川井一秀社長)は、2000年に岐阜市内に結婚式場をオープンさせたのを皮切りに、名古屋、四日市、大阪、横浜で式場を展開しています。社是は「しあわせ共感企業」。地域への貢献を第一に考え、その一環として5、6年前から「名古屋」でベルマーク活動に取り組んでいます。
 中心になっているのは、式場を案内したり、客をもてなしたりするコンシェルジュの皆さんです。「名古屋」には社員コンシェルジュが6人いて、式の参加者や下見にくるお客さんに飲み物を出す際、アサヒ飲料のウーロン茶を大量に使っています。また披露宴の担当者にも協力を呼びかけ、使用した商品についているベルマークを提供してもらっています。最近では、自宅からベルマークを持ってきてくれる従業員もいるそうです。
きれいに整理されて届いたベルマーク=東京・銀座のベルマーク教育助成財団で 集まったベルマークを切ったり、台紙に貼ったりしている中心は、入社1年半のコンシェルジュ・佐々木智美さんです。土日祝日にたくさん集まったベルマークを、平日の空いている時間に切りそろえ、10枚×15枚、計150枚のベルマークが貼れる台紙に、きれいに貼り付けていきます。小学生時代にベルマークを集めていたので抵抗はなく、「会社でも集めるものなんだな」と思ったそうです。
 同社でベルマークに取り組んでいるのは、現在は「名古屋」だけですが、本社営業企画部の荒木憲一郎課長は「ほかにも広げられたらと思っています」と話していました。

《写真は上から》
・台紙にベルマークを貼る佐々木智美さん(右)と佐藤友紀さん=名古屋市港区のアルカンシエル名古屋で
・きれいに整理されて届いたベルマーク=東京・銀座のベルマーク教育助成財団で


(2009/07/10)


ろう学校をベルマークで支援 東京・品川のNPOなど、回収呼びかけに反響

 東京都品川区八潮に昨年開校した日本で初めての手話で学べるろう学校「学校法人・明晴学園」(米内山明宏理事長)を応援しようと、品川子育てメッセ2009実行委員会(武田ひろみ実行委員長)がベルマーク回収を呼びかけたところ大きな反響がありました。郵送のほか、7月3日にきゅりあん(品川区立総合区民会館)で開催された「子育てメッセ」の会場にも、たくさんのベルマークが届けられ、同日、武田委員長から明晴学園に贈呈されました。明晴学園は、今年6月からベルマーク運動に参加しました。
郵送で寄せられたベルマークを持つ武田実行委員長と、持参したマークを回収箱に入れるお母さん=7月3日、品川区東大井のきゅりあんで 品川子育てメッセは、同実行委員会、品川区、NPO法人「ふれあいの家―おばちゃんち」の主催で、06年に続き今年が2回目。品川区内の乳幼児を持つお母さんたちを対象にしたイベントで、区内で子育てを支援しているNPO法人や団体、企業の出展やワークショップ、相談コーナーのほか、講演、リメークファッションショーなどがあり、大勢のママさんたちでにぎわいました。
 ベルマーク回収は、同実行委員会が掲げたエコバッグのリユースなど4つの「ハッピーアクション」の1つ。きっかけは、「ふれあいの家―おばちゃんち」(渡辺美恵子代表理事)のメンバーが、明晴学園を訪問した際に現在の幼稚部、小学部に加えて中等部を設立する運動があることを知り、「お手伝いしたい」と考えたことだそうです。しかし設立資金の募金活動が5月に締め切られたため、「それなら運営を支援しよう」とベルマークを集めることにしました。おばちゃんちのセミナーなどで出会った母親20人ほどが中心になって活動しています。6月1日から7月3日まで郵送で受け付けましたが、一部の新聞で報道されたこともあって反響は大きく、問い合わせが相次いだそうです。渡辺さんによると、「子供が小さいときに集めていた習慣で集めていました。どうしたらいいかわかりませんでしたが、もったいないので役立ててほしい」といった人が多かったそうです。
 3日の子育てメッセの会場入り口にも、回収箱を置いたところ、ビニール袋いっぱいに貯まったマークを持ってきた人もいました。赤ちゃんを抱いたお母さんは「うちの幼稚園はベルマーク運動に参加していないので、メッセ開催のチラシで回収を知り、ここに持ってきました」と回収箱に入れていました。
 明晴学園は、東京都の教育特区で、昨年4月、日本で初めてのバイリンガルろう教育を行う学校として開校しました。現在幼児部15人、小学部28人の、聞こえない子供たちが手話を言語として授業を受けています。来年4月には中学部が設立される予定です。学園では「開校から1年過ぎてようやくベルマーク運動などができるようになりました。経験者の父兄を中心に活動していきます」と話しています。
 武田実行委員長は「今年のメッセでは、明晴学園の応援という形でベルマーク回収を呼びかけましたが、次の目標をどうするかはまだ決めていません。でも今後もベルマークの回収はふれあいの家―おばちゃんちで、続けていきます」と話しています。
 ふれあいの家の連絡先は、〒140−0001 東京都品川区北品川2−28−19、電話03−3471−8610。

《写真》郵送で寄せられたベルマークを持つ武田実行委員長と、持参したマークを回収箱に入れるお母さん=7月3日、品川区東大井のきゅりあんで

(2009/07/10)


鈴木喜代春さんが教育実践史 教育と60年、出会いと歩み記す

 ベルマーク新聞で書評「読んでみたい本」を担当している児童文学者鈴木喜代春さんが「子どもとともに 私の教育実践史」という本を出しました。小中学校の教員、校長、日本教育会館での教育相談員などとして60年にわたり教育に関わってきた鈴木さんと子どもたち、父母、先生などとの出会いと歩みを書いた814ページの大著です。
出版された「教育実践史」と鈴木喜代春さん=東京・中央区銀座のベルマーク財団で 鈴木さんは青森県田舎館村出身で、敗戦の年、1945年に青森県で教員となりました。以来38年間、青森、千葉県で教員生活をしながら子ども向けの読み物を書き続けました。 「よい教師になるために本を読み、本と出会いました。大勢の先生、父母、仲間、児童生徒たちと出会って、教わり、学んだことへの感謝が自分を創ってくれた」。鈴木さんはこう書いています。
 最初の学校で教科書に墨を塗らせる経験をした鈴木さんは、生活つづり方に力を入れ、青森県の黒石小学校で、学級文集「みつばちの子」を作ります。その原型は51人の児童と毎日交わした「お便り帳」でした。千葉に移ると学級新聞、文集「むぎの子」が生まれます。
 一方、教師の工夫が生かせる社会科教育に熱中し、水田単作地帯という単元を作り農業の現実を調べ、教えました。教科書もなく、手探りで授業を行う中、教材代わりに作った資料が、児童文学者鈴木さんの根っこです。
 青森でぶつかったのは貧しさでした。出稼ぎ、厳しい農作業。ある日、「農業はしんどいから百姓はやらない」といっていた女の子が、泥んこになり田植えを手伝っている姿を目にします。「子どもは苦しくとも困難から逃げ出さない。きっと良くなる、素晴らしい未来があると信じている」。鈴木さんはそう教えられた、といいます。
 千葉に移ってからは、教員、校長として受験競争、校内暴力、いじめなどとぶつかります。そうした中でも、「ダメな子どもはいない。今の自分より良くなりたいと、どの子も思っている」という思いは変わりませんでした。
 「教育実践史」では、いくつもの出会いが描かれています。「みつばちの子」を読んで1954年に感想文を書いてきた岡山県の小学6年生と手紙をやりとり、中学生になって個人文集、家族が出来て親子文集を送る。こうした校流が50年経っても続いています。また子ども劇団「黒石子供会」の教え子には女優や女性講談師がいますが、講談師が、腰までもぐる田んぼを舞台に、娘を奪われ、最後の息子も戦争で失った「ばば」の回想を描いた鈴木さんの作品「十三湖のばば」を講談にしたエピソードもあります。
 鈴木さんは日本児童文学者協会会員、元日本子どもの本研究会会長で、作品は170点を超えます。7月で85歳になりましたが、本の編集作業や書評の執筆だけでなく、講演のため青森や大阪などを精力的に回っています。
 「私の教育実践史」は16章に分かれ、土屋直人岩手大学教育学部准教授が解説を書いています。教育新聞社の出版で、A5判、定価4500円(税別)。申し込みは教育新聞社〒110-0005 東京都台東区上野3−17−7、電話03・3832・3571、FAX03・3832・3570)まで。

《写真》出版された「教育実践史」と鈴木喜代春さん=東京・中央区銀座のベルマーク財団で

(2009/07/10)


説明会参加1万5千人超す 新型インフルエンザで4会場中止

 09年度のベルマーク運動説明会が、6月26日(金)の高知と群馬県高崎会場ですべて終わりました。新型インフルエンザの影響で、一部会場をやむなく中止せざるを得ませんでしたが、それでも計1万5千人を超える参加があり、PTAの皆さん方の根強い運動への取り組みと熱気が感じられた2カ月間になりました。
6月10日、札幌サンプラザコンサートホール 33回目の今年は、5月8日(金)の新宿会場からスタートしました。当初、北海道から沖縄まで全国94都市・地区の102会場を予定していました。しかし残念ながら新型の豚インフルエンザの国内感染が確認され、広がる傾向になったことから、5月下旬に予定していた関西地区の4会場(大阪【2】、奈良、大津、京都)を急遽中止することになりました。同会場への参加を申し込まれていた参加団体の皆様や、体験発表をお願いしていた学校のPTAの皆様には大変ご迷惑をおかけしました。結局、91都市・地区で98回開かれ、参加は5123校・園・団体、参加者は1万5564人(昨年は5407校・園、1万6017人)になりました。
 説明会は、ベルマーク運動を第一線で支えるPTAなど参加団体の皆さん、商品にベルマークを付けている協賛会社、それにベルマーク教育助成財団の3者が年に1回顔を合わせる大きなイベントです。財団から、運動の意義や成り立ち、活動の進め方など「運動のイロハ」をビデオ「子供たちの笑顔と共に」やスライドショーを使って説明し、参加された皆さんと意見交換、いろいろなご質問にも答えました。
6月 5日、名古屋・朝日ホール とくに地元のPTAによる体験発表は説明会の目玉です。自分たちの学校での実際の取り組み、活動の進め方や仕分け方など実務の工夫やノウハウを披露していただきました。発表方法もさまざまで、実際に使っている収集袋や整理箱を持参して見せながら説明したり、活動の様子を写真や文字のスライドショーで紹介したり。中には、本格的な劇でベルマーク活動を紹介して大喝采を浴びたPTAもありました。また歌を流すなどのパフォーマンスやプロ顔負けの学校紹介プロモーションビデオで盛り上げる学校も登場しました。
 よかった点だけでなく、苦労した点やこれからの課題なども紹介されます。「人集めをどうするか」といった課題は、どの地域でも働くお母さんたちが増えていることもあって共通の悩みのようで、参加者の関心は高く、真剣な表情で聴いていました。さらに大半のPTAの皆さんが「自分たちの活動が、へきち学校や海外の子供たちの援助にもつながっていることを、もっと子供たちにも知らせたい」と締めくくっていました。発表には大きな拍手が起こり、質疑応答も活発でした。終了後も発表者を囲んで質問をぶつけるなど、交流の輪も広がりました。
 協賛会社は14社が参加しました。「寺西化学工業」、「ラッキーベル」、「ファミリーマート」、「日清食品」「ショウワノート」、「キリンビバレッジ」、「グリーンスタンプ」「マルトモ」「フジッコ」「住商フルーツ」「セメダイン」、「小倉屋柳本」、「損保ジャパンDIY生命」、「イーイーアイ」です。マルトモ、キリンビバレッジの全国各地への参加は初めてです。
5月26日、さいたま市民会館うらわホール 各会場の受付で、参加者に即席ラーメン、接着剤、マジックインキ、バナナ、清涼飲料などの試供品の他、ベルマークのついた商品の紹介パンフやアンケートなどを配り、説明したり、質問に答えたりする姿も見られました。またベルマーク運動を応援している朝日新聞販売局と販売所ASAが昨年に続き参加、朝日新聞紙面に掲載されたベルマーク運動記事を再編集した表裏カラー4ページの特集を35会場で配りました。
 今年は、参加者の多い会場が目立ちました。埼玉・大宮【1】(5月12日=火)、東京・町田(同14日=木)、大阪【3】(6月9日=火)の3会場で400人を超え、大宮【1】では418人が参加しました。300人台の会場も、386人の大宮【2】(6月23日=火)、376人の千葉・船橋(5月15日=金)、345人の札幌(6月10日=水)など10カ所に上りました。
          ◇
 6月9日の大阪【3】会場(梅田アクトVホール=大阪市北区)は、新型インフルエンザにより中止になった4会場の代替会場にもなったため、京都、滋賀、奈良からの参加も含めて159校408人が参加しました。予想をはるかに超えたため、大ホールにはスクリーンを2カ所に増設し、別に小ホールの第2会場を確保して対応しました。大、小ホールで行われた説明会の中身は体験発表を含め全く同じです。このため財団職員を増やし、両会場の進行に時間差をつけました。

《写真上から》
・6月10日、札幌サンプラザコンサートホール
・6月 5日、名古屋・朝日ホール
・5月26日、さいたま市民会館うらわホール


(2009/07/08)


ベルマーク財団専務理事が交代

 
財団法人ベルマーク教育助成財団の理事会、評議員会が6月4日開かれ、理事、評議員の任期満了に伴い、斎藤諦淳理事長を再任したほか、新しい専務理事に吉田慎一・朝日新聞社編集・国際担当(=写真左)、常務理事に森田秀男・前海外新聞普及株式会社取締役(=写真中央)、理事に久保田泉・朝日新聞社取締役(広告・事業担当)(=写真右)が選ばれました。いずれも7月7日です。粕谷卓志・専務理事、森精一郎・常務理事、後藤尚雄・理事は7月6日付で退任しました。
新任の各理事
評議員では、池田芳和・全国連合小学校長会会長が退任し向山行雄氏に、壷内明・全日本中学校長会会長が退任し岩瀬正司氏に、坂井美惠子・全国聾学校長会会長が退任し鈴木茂樹氏に、後藤雅実・日本放送協会理事が退任し黒木隆男氏に、それぞれ代わりました。田中英也・朝日新聞大阪本社編集局長補佐の後任は中島泰氏に、喜園尚史・朝日新聞社論説委員の後任には石橋英昭氏が就任しました。 
また、へき地学校100校への備品援助やソフト援助、北海道夕張市の子どもたちへの激励援助、海外への友愛援助などを実施した2008年度の事業報告と決算報告が承認されました。
ベルマーク教育助成財団の理事・監事・評議員は次の通りです(7月7日付、敬称略、☆印は新任)
▼理事長 齋藤諦淳(元文部省生涯学習局長・前武蔵野大学学長)
▼専務理事 ☆吉田慎一(朝日新聞社編集・国際担当)
▼常務理事(非常勤) 野ア弘(元文部事務次官・前国立博物館理事長)
▼常務理事 ☆森田秀男(前海外新聞普及株式会社取締役)
▼理事 木原啓吉(江戸川大学名誉教授)、尾崎護(元大蔵事務次官・矢崎科学技術振興記念財団理事長)、渡辺通弘(元文化庁文化部長・昭和音楽大学名誉教授)、木村治美(共立女子大学名誉教授)、野村昌彦(弁護士)、川淵三郎(日本サッカー協会名誉会長)、玉田太朗(自治医科大学名誉教授)、内海孝(東京外国語大学教授)、☆久保田泉(朝日新聞社常務取締役広告・事業担当)
▼監事 杉浦文彦(公認会計士)、小畑和敏(朝日新聞社取締役財務担当兼財務本部長)
▼評議員 曽我邦彦(日本PTA全国協議会会長)、☆向山行雄(全国連合小学校長会会長)、☆岩瀬正司(全日本中学校長会会長)、戸谷賢司(全国高等学校長協会会長)、梅木登喜雄(全国へき地教育研究連盟会長)、坂崇司(全国都道府県教育長協議会事務局長)、芦葉浪久( 東北師範大学客員教授)、澤田晋(全国盲学校長会会長)、☆鈴木茂樹(全国聾学校長会会長)、野口昇(日本ユネスコ協会連盟理事長)、中村芳夫(日本経済団体連合会事務総長)、☆黒木隆男(日本放送協会理事)、田嶋一(國學院大学文学部教授)、森純一(朝日新聞ゼネラルマネジャー補佐)、☆中島泰(朝日新聞大阪本社編集局長補佐)、☆石橋英昭(朝日新聞社論説委員)

(2009/07/09)