5月の連休明けから7月初めまで、全国100会場で開かれたベルマーク運動説明会。さまざまなドラマが繰り広げられました。
●雨降りにはベル傘さして 名古屋の第2回説明会(6月11日)で体験発表した名古屋市南区の宝小学校(児童438人)PTA厚生委員会(委員長・木下くに子さん)は、ベル預金で購入したあと自分たちでベルマークを手描きした傘を披露してくれました。
傘は下校時などに振り出す急な雨に備えて、14の各クラスに10本ずつ置いています。黄色の無地ですが、「みんなでマーク集めをがんばっていることを認識できるとともに、ベルマークの大切さをアピールできれば」と、委員たちが手分けして黒のマジックインキで描き入れました。
委員会では、文庫の本などベル預金での購入品には、添付してあるマークをベル担当の子どもらと協力して貼っているそうです。「傘は私たちが大切に使って欲しい、との願いを込めて一本一本描きました」。こんなお話しとともにパッと開かれた傘に、会場は「オー」「いいなー」の称賛の声に包まれました。
● 体験発表者「ビフォー・アフター」 「説明会が始まるまで舞台で練習してもよろしいんでしょうか」(越谷会場)。スライドショーなどを使って体験発表をするPTAの皆さんの中には、全員で一生懸命に予行練習をしている姿が各地の会場で見受けられました。「上手に話せるか心配です」(山形会場)と、不安そうな表情で自分の出番が回ってくるまで、席に座って発表文を片時も離さず、プリントに目を凝らして暗誦している人も。みなさん発表を終えると、表情はぐっと和らぎ、笑顔に変わっていました。
● 「運動創設の母」朝日新聞の販売店主来訪 福島会場と郡山会場の受付には、新しく運動に参加した協賛会社旭硝子と「ベルマークをもっと知ってほしい」と運動を続けている、福島県須賀川市の朝日新聞須賀川販売店主の丹内清美さんと朝日新聞本社から福島担当の社員が駆けつけ、手づくりのベルマーク袋と丹内新聞を配り、運動をサポートしてくれました。
●財団職員の自戒 説明会は、財団職員が2〜3人で担当します。朝から開会時刻の10時までは緊張の連続です。会場へのあいさつ、荷物の搬入、受け付けの設置、PTAへの配布資料の荷造り、協賛会社や体験発表者との応対、機材の設置、写真撮影・・。ある小さな会場での事。開会してしばらくして、会場の後ろに座っている人たちが、あちこちで上着を羽織っている姿に気づきました。室内温度は21度。これでは寒いはずです。早速、25度に再設定して再開。議事はマニュアルどおりに進めていたつもりでも、アクシデントや思わぬ見落としが出てきます。みなさんにご迷惑、ご不便をかけたケースもあったことと思います。改めて「細心の気配り」が忘れてはならないことを実感しました。
●教育環境の充実に賛同 岡山会場には、新参加の協賛会社「山田養蜂場」の織田公政文化広報室長が岡山県苫田郡鏡野町の本社から駆けつけました。同社はローヤルゼリーを中心にした健康食品などを通信販売している会社です。
会場受付で商品カタログや会社紹介の冊子などを配ったあと、織田さんは、「ベルマーク運動の趣旨に賛同して協賛会社になりました。みつばち文庫の寄贈やミツバチの童話と絵本コンクールなどを通じて、子どもの教育環境の充実に務めています」と挨拶。地元の協賛会社の登場に、会場からは大きな拍手が送られました。
●26年間もありがとう 奈良会場では、若いお母さんたちに混じって、62歳の女性の姿がありました。奈良県大和郡山市から来た宮崎一子さんです。夫と長男の3人暮らし。3人で26年前からベルマークを集め、近所の小学校や幼稚園に贈ってきました。日常の買い物の中で、できるだけベルマークの付いている商品を買い、月平均200点を集めます。マークが貯まると、学校に出かけ、校門で登校してくる子どもたちに「ベルマークだよ」と言って渡すのです。
説明会への出席は2年前から。「協賛会社の脱退、新参加がめまぐるしく、説明会でよく聞いておかないと、何にマークが付いているのか分らなくなるからです」と話し、熱心に聞き入っていました。
●ベルマーク委員長は青い目のママ さいたま市民会館うらわの体験発表校は、市立神田小。柏光さん、飯田智子さんと一緒にステージに上がった鈴木リサさんは、同小の昨年度のベルマーク委員長です。
鈴木さんは、英国人。イギリスの会社に勤めていたOL時代に日本人のご主人と知り合って結婚。11年前に来日しました。今は、4人の子供のママです。鈴木さんは、ご主人のお母さんからベルマークのことについて教えてもらい、運動に参加。昨年度は、委員長として、ボランティアを含め、50人ものお母さんたちと一緒にマークの整理や集計をしてきました。
鈴木さんは、「委員長を引き受けて、一生懸命勉強したら、ベルマーク運動のことが良く分かりました。こんなにすばらしい運動が、イギリスでも出来ると良いんですが」と話していました。
●新進校にエール 埼玉県の大宮A会場で体験発表をした上尾市立芝川小は、昨年運動に参加したばかりの新進校です。未経験のお母さんたちが財団職員に来てもらって運動の進め方を教えてもらったりして立ち上げた「産みの苦労」を切々と発表しました。中でも、共感を呼んだのは、児童に理解を求めようと、校長先生に特別出演をお願いして上演したベルマーク劇のビデオ映画です。会場のお母さんたちからは、「今年度のベルマーク役員を引き受けた私たちと同じです。とても参考になりました。芝川小もこれからがんばってほしいですね」と熱いエールが送られていました。
(2004/7/8-5)
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