見えない空気を学ぶ/新潟・森町小で理科実験教室
(2025/12/12)印刷する
新潟県三条市にある市立森町小学校(伊藤勝広校長、児童62人)で11月28日、ベルマーク財団のへき地校支援事業のひとつ「理科実験教室」が開かれました。
講師は富山大学教育学部准教授の月僧(げっそう)秀弥さんです。福井県内の小中学校の理科教諭や、福井県児童科学館で勤務し、各地で理科実験やサイエンスショーを実施してきました。理科教育を推進して実績を上げた教育者を顕彰する「小柴昌俊科学教育賞」の優秀賞など多くの賞を受けています。
子どもたちを引きつける授業で定評のある月僧先生ですが、今日はどんな実験を用意しているのでしょう。会場の体育館に置かれた長机には、不思議な器具がたくさん並んでいます。
テーマは「空気の実験を体験しよう」。月僧先生は「科学の実験って難しくないんだよ」と語りかけ、様々な実験が始まりました。
まずは大きな風船を膨らませます。前に出てもらった児童にパスすると、意外に手応えが……。空気には重さがあることがわかりました。ビンの中の風船を膨らます実験では、森町小の先生に手伝ってもらいました。力いっぱい息を吹き込んでも、風船は膨らみません。空気圧を感じることができました。
次いで空気の流れを感じてもらう実験です。強い風を吹き出すブロワーを使い、吹き出し口を上向きにして、小さな黄色いボールを取り出しました。
「吹き上がる風の上に、このボールをのせると、どうなるかな?」。先生の質問に児童たちは「天井まで行く」「どこか遠くに吹き飛ぶ」などと予想します。
ブロワーのスイッチを入れると、ボールがふわりと空中に浮かび上がりました。地球儀柄のビーチボールでも同じ。では、さいころ型の発砲スチロールは……。こちらはどこかに飛んで行きました。形状で結果は違います。
「丸い玉だから浮かんでいるんだね。じゃあ、電球やペットボトルはどうだろう?これはどうだろうと予想し、条件を変えながら試してみることが大切です。そして予想と合っていたかどうかを考えて」。月僧先生の言葉に児童たちはうなずいていました。
今度は児童たちが自分で実験する番です。透明のプラスチックコップ2つを用意し、コップの底同士をセロハンテープでくっつけます。くびれの部分にクリップを付け、輪ゴムをクリップにひっかけてくびれの部分でグルグル巻きにします。そしてコップを回転させながら飛ばします。
「うまくできない」「飛んだ、飛んだ」「曲がっている」。コップはいろいろな動きをして飛んでいきます。体育館のあちこちで、児童たちの声が響きました。
いろいろ試した後、月僧先生が「回転させながら風に向かって進むと曲がる。難しい言葉だけど『マグヌス効果』といいます。また、回転するものは安定する。これを『ジャイロ効果』といいます」と解説しました。
締めくくりは、重いボウリングボールを吸い上げて、持ち上げる実験。円柱の入れ物の底にボールを置き、上から差し込んだ掃除機のスイッチを入れると、ふわふわとボールが持ち上がりました。驚きの光景に身を乗り出す児童もいました。
見えない空気をわかりやすく学ぶ実験教室は、ここで終了。月僧先生のユーモアを交えた話もあって、楽しく、あっという間に約2時間が過ぎていました。


