ダイヤモンドダストが見えたよ/愛知・宮崎小で理科実験教室


(2025/12/02)印刷する

 ベルマーク財団は、へき地学校支援ソフト事業として「理科実験教室」を開催しています。愛知県岡崎市の市立宮崎小学校(都筑香理校長)で11月17日、北海道紋別市にある道立オホーツク流氷科学センターの学芸員、桑原尚司さんが講師を務め、理科実験教室が開かれました。

 桑原さんはオホーツク海で新種のクリオネを発見した研究者です。科学教室を主催したり、体験学習の講師を務めたりして、科学教育にも力を入れてきました。今年夏にはクリオネの専門書「クリオネのはなし」(共著/成山堂書店)を出版しました。

 この日は、3~6年生12人が理科室に集まり、3班に分かれました。

 授業は冬の北海道の自然環境の紹介から始まりました。桑原さんは「紋別市は北海道だと中間くらいの寒さのところだよ」と説明しますが、雪に埋もれたブランコ、煙突から下がるツララ、氷の上にたたずむゴマフアザラシなどのスライドが次々と映し出され、児童たちは「えー!」と驚きの声をあげました。愛知県では見たことがない光景に興味津々の様子でした。

スライドで北海道の自然を説明

 児童たちが関心を持ったところで、最初の実験です。冬の北海道の神秘的な光景、ダイヤモンドダストを人工的に再現します。

 ダイヤモンドダストは、大気中の水蒸気が凍って結晶化したものが太陽の光を浴びて輝く自然現象で、無風の極寒の川や湖などで見られます。発砲スチロールの箱の中に据えた金属製の筒をドライアイスで冷やし、児童たちが筒の口に息を吹きかけてLEDライトで照らすと、結晶がキラキラ輝きました。次々と「見えた」という声が上がりました。

ドライアイスを容器に詰めて、ダイヤモンドダストの再現実験の準備
息を吹きかけ、ライトを当てると、キラキラ輝く結晶が見えた

 二つ目の「過冷却」の実験では、試験管の中で水が凍る瞬間を観察しました。水はゆっくり振動を与えずに冷やすと凍らない性質を持っています。水の入った試験管を、氷と塩をしっかり混ぜてマイナス10度まで下げた容器のなかに入れると、水は液体のままです。そこに試験管に氷を一粒入れると瞬く間に白く凍り、生徒から驚きの声が漏れました。

 桑原さんから「氷を入れなくても、少し刺激を与えただけで凍るんだよ」と教えられ、今度は試験管に棒を差し込んでみると、これまた瞬く間に白く凍りました。

「過冷却」の実験。一瞬で凍る姿に興味津々
休み時間中の「手品」。ドライアイスの上で硬貨が踊る様子から、金属の熱伝導率の違いを解説

 三つ目の実験は、オホーツク海の自然環境を試験管の中で再現しました。オホーツク海は流氷で知られます。アムール川から流れ込む大量の真水によって、塩分が薄い層と濃い層が存在する特殊な環境が理由です。海面と海底では塩分の濃度が異なり、混ざりにくいため、塩分の薄い上層は凍り、それがシベリアからの冷たい風と海流によって運ばれ、厚い流氷になります。

 そこで青い色をつけた塩分濃度が濃い水を試験管に入れ、透明な真水をスポイトで静かに注入することで、比重が違う2層が混じり合わないことを確認しました。

机の上にあるのは、本物の流氷
オオワシの実物大の写真。大きさにびっくり

 最後はクリオネの観察です。桑原さんはペットボトルに入ったクリオネを用意していました。スライド映像も交え、触手を使った捕食の様子や、桑原さんらが発見した新種のクリオネについても解説しました。クリオネは生徒たちへのプレゼントで、餌やりが難しいといいますが、何も食べなくても1年くらいは生きるそうです。1cmほどの小さく、かわいいクリオネに児童たちは見入っていました。

 桑原さんは本物のオホーツク海の流氷も、用意していました。こちらも児童たちへプレゼントしました。

クリオネの生態をスライドで説明

 桑原さんは「ここの当たり前が世界の当たり前ではないことを知ってください。数字を使って考えるのが理科なんです」と語り、授業を締めくくりました。児童たちも「ありがとうございました」とお礼の言葉を伝え、盛りだくさんで楽しい約1時間半の授業は終了となりました。

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