不思議を楽しみ、考えることが大事/福井・名田庄小で理科実験教室
(2024/11/21)印刷する
「こんにちは! これから、みんなで理科実験を楽しんでください」。白衣をまとった講師の先生の声が体育館に響き、10月18日、福井県おおい町の町立名田庄小学校(早川勇治校長)で理科実験教室が始まりました。
おおい町は面積の90%を山林が占め、若狭湾国定公園の海に面しています。へき地校支援のため、ベルマーク財団が主催する今年度2回目の理科実験教室は、豊かな自然に恵まれた同校が舞台です。
今回の講師は、富山大学准教授の月僧秀弥さんです。福井県内の小・中学校の教諭や、福井県児童科学館などで勤務をされてきました。これまで各地で理科実験教室などに取り組み、小柴昌俊科学教育賞・優秀賞など多くの賞を受けています。
午前9時30分、全校児童91人が集まりました。
まず、月僧先生が液体窒素の入った専用の容器を取り出しました。
先生が「この液体窒素の温度は何度かわかりますか?」と尋ねると、児童たちは大きな声でそれぞれ思いつくまま答えます。
「液体窒素はマイナス約190度ですよ! ドライアイスがマイナス79度なのでもっと冷たいのです」という説明に、驚きの声が起こりました。
さらに、先生が液体窒素の中にボールや風船を入れる実験を見せると、児童たちは興味と不安の入り交じった表情です。大きな風船を使って風が流れた力の強さを知る「空気の流れの実験」や、児童みんなで輪ゴムを使ってプラスチックコップを飛ばす体験実験もあり、予定の時間はあっという間に過ぎました。
最後に、月僧先生が「どうしてコップが曲がって飛んで行くのかな? 一度、ゆっくり考えてみてください。いろいろな不思議なことを楽しんで考えることが大事ですよ」と語りかけました。早川校長は「今日の教室を、児童みんな本当に楽しみにしていました。楽しみながら、理科に興味を持ってくれる機会は大切です」と話してくれました。