岐阜・上矢作小でエジソンの会が理科実験教室


(2018/11/05)印刷する

 岐阜県の恵那市立上矢作小学校(曽我隆校長、児童68人)で、理科実験教室が10月19日に開かれました。ベルマーク財団が1999年から昨年度まで通算221回開催してきたへき地校支援のひとつです。学校に講師を招き、実験を通して理科の不思議を体感します。全国を回ってその楽しさを伝える活動をしているNPO法人サイエンスものづくり塾エジソンの会(華井章裕代表)の5人が講師となり、全校児童や先生たちと楽しい時間を過ごしました。

 上矢作小学校の最寄り駅は明智鉄道の岩村駅。岩村はNHKの連続テレビ小説「半分、青い」の舞台となった地です。そこから車を走らせること15分ちょっと。黄色い壁の建物が上矢作小です。全校児童の半分以上がスクールバスに乗っての通学で、普段の生活にも車は欠かせません。

 地域と密接なつながりがあり、地元の老人クラブと一緒に農作物の栽培活動をしています。さつまいもや大豆、さといも、なんとお米の田植えや稲刈りも経験するそうです。また、歯の健康の推進に力を入れており、10年前には全日本学校歯科保健最優秀校に選ばれました。校長室前には一際目立つ大きなポスターが掲示されています。

 曽我校長はそんな上矢作小の子どもたちのことを「素直でいい子たちなんです」と言って顔をほころばせます。「普段見られないものを子どもたちに見せてもらったり、工作を作ってみたりする経験をさせたい。こういうところだとなかなか機会を与えられていないのが現実」と今回の開催を喜んでいただきました。


 13時20分頃、体育館にわいわいと児童が集まってきました。すでに準備してあるテーブルをキョロキョロと見渡し、「なんだあれ~」と興味津々な児童が続出。最前列には1年生、一番後ろに6年生が座り、お話を聞く準備が整いました。校長先生が挨拶をしたあと、エジソンの会の華井さんにバトンタッチし、いよいよ教室が始まります。

 前半はサイエンスショー。さっそく講師陣からペンシルバルーンが飛んできます。もうこの時点で1、2年生は列がぐちゃぐちゃ。「ぼくが、わたしが」と風船をさわりにいきます。後ろに座っていた高学年の児童からは「前の人、すわって!」と声がかかるほど。

 続いて飛んできたのは丸い風船。すると、「パーン!」と大きな音を立てて割れました。なぜなら、風船にはゴムを溶かす性質を持つ柑橘油が塗ってあったからです。

 他にも、無色の水同士を混ぜると色がつく実験、600本の三寸釘に風船を押さえつけても割れない実験、マジックで使われる綿火薬を手のひらにのせて火をつける実験、むらさき色の液体がピンク色に変わる実験、空気砲の実験など盛りだくさんでした。

なぜか割れません
先生の手の上で火をつけてみます
びっくり!

泡があふれ出てきました

 最後の実験は、大きなフラスコに過酸化水素水と洗剤と魔法の薬を注ぐ実験。今まで楽しく騒いできましたが、ここで初めて華井さんは「危険な実験をするときは周りを片付けて、離れて」と忠告します。何が起こるのかと一斉に下がる子どもたち。すると、ぶくぶくと緑色の物体が大量に吹き上がってきました。「テレビで見たことあるー!」と叫んだ子どももいて、そんな実験を目の前で見られたことに目がキラキラとしていました。

 「理科」という科目を習っていない低学年にとってはどれも新鮮、知識のある高学年はどこかで聞いたことあるかもしれない…それぞれ異なる表情をしていました。


 後半は5つのブースに分かれて、ワークショップです。身近にある物、見たことのある物を使って、新しい作品を創り出しました。

 「ビー玉で逆さゴマ」は、グルーガンを使って4つのビー玉をくっつけたもの。なんとしかも回し始めると勝手に逆立ちし、そのままぐるぐるとまわるのです。子どもたちはビー玉をちゃちゃっと素早くくっつけますが、手伝っていた先生は「あちっあちっ」と苦戦していました。

 「らせんの不思議・トロフルックス」は、よく見るらせん型のおもちゃを編んで球体にしたもの。しかも上からぺちゃんこになるまで押さえても、すぐ形がもとに戻るのです。意外と難しかったようで、先生も一生懸命でした。

 他にも、好きな材料を組み合わせて入れる「キラキラ万華鏡」、木片をくぎで打つのが難しい「ビー玉オルゴール」、自分の指の形の模型が出来る「コピックで指のレプリカ」と盛りだくさんのメニューでした。

らせんの不思議・トロフルックス
ビー玉オルゴールはカラカラと音がします
逆さゴマで遊ぶみんな
キラキラ万華鏡は時間がかかりました
コピックで指のレプリカ

 工作が終わった子どもたちは、自分の作品を持って体育館で楽しそうに遊んでいました。その様子を見て、教務主任の伊藤弘晃先生は「普段はできないことを経験させてもらって、興味を持って子どもたちが生き生きしている」と嬉しそうでした。

 最後に6年生の代表児童がお礼を伝えました。小木曽真弘さん(6年)は「手になにかをつけて風船をさわって割れるやつと、空気砲が印象に残った」そうで、川上花凜さん(6年)は「万華鏡がきれいに出来てよかった」そうです。みんなで元気な声で「ありがとうございました」とお礼を言って教室が終わりました。

 こうして教室が終わったのは15時30分。大はしゃぎの2時間で、それぞれお土産を持って教室に帰っていきました。

お礼のあいさつ

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