福島の「ビーンズふくしま」を支援対象に


(2017/01/19)印刷する

3市1町で避難の子らに学ぶ習慣づくり

 東日本大震災の被災地で、学校では対応しきれない子どもたちの放課後の学習支援や居場所づくりをする「寺子屋」事業をベルマーク財団は応援しています。今年度新たに、福島市に本部を置くNPO法人ビーンズふくしま(若月ちよ理事長)への支援を決めました。

 年50万円の活動資金を2018年度までの3年間贈ります。財団の寺子屋支援は、岩手県の「山田町ゾンタハウス」と、仙台市の宮城教育大学に次いで3件目になります。

 ビーンズふくしまは、不登校生のフリースクール運営や引きこもり青年支援のため1999年に活動を始め、大震災半年後の2011年9月に「うつくしまふくしま子ども未来応援プロジェクト」を立ち上げました。

 東京電力福島第一原発の事故を受けて避難を余儀なくされている児童、生徒の一部を対象に、専従スタッフやボランティアが福島、二本松、郡山3市と三春町にある仮設住宅の集会所などで学習支援を続けています。餅つき大会やキャンプといった交流イベントも開いています。

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しのぶ台仮設住宅の集会所で静かに自習=福島市上鳥渡しのぶ台

 外はすでに真っ暗な夕方5時すぎ。50平方メートルほどの一室で、園児から中学2年生までの5人が座卓で宿題などに取り組んでいました。

 福島市郊外の高台に建つしのぶ台仮設住宅の集会所を12月に訪ねました。ベルマーク財団が支援する寺子屋事業を続けるNPO法人ビーンズふくしまの「うつくしまふくしま子ども未来応援プロジェクト」の学び支援です。

小学校入学を控えたともき君(中央)、かるたでひらがなの勉強=しのぶ台仮設住宅

 教師を長く務めた新山伸一さんと、プロジェクトスタッフの加藤恵美さんが面倒を見ています。「ひとの邪魔はしない」「おやつを食べるときは、みな一緒に」「持ってきた課題はしっかりやって帰る」。これが決まりです。

 そこから車で10分ほどの佐原仮設住宅の集会所でも、小学2年から中学2年までの5人がスタッフの中野史高さんらの指導で漢字や算数、社会などそれぞれのテーマをこなしていました。

 このプロジェクトは大震災半年後の2011年9月から、福島市など4市町6カ所の避難先で学習支援を続けています。専従スタッフやボランティアが担当し、子どもたちが楽しめるいろいろな行事やレクリエーションも企画します。

 仮設住宅での学び支援も、学力を伸ばそうというよりは、子に寄り添い、学ぶ習慣を身に付けて知る楽しみを味わってもらうことを主眼にしています。

 

しのぶ台仮設住宅の集会所
佐原仮設住宅でも学び支援=福島市佐原
うつくしまふくしま子ども未来応援プロジェクトの事務所=福島市太田町

 東日本大震災から間もなく6年がたちますが、原発事故も抱える福島は他の被災地とは状況が大きく異なります。故郷に戻りたくても戻れないところが広くあります。避難先で慣れた生活の場を変えると、子どもにも大人にもまた大きな負担がかかります。

 「長引く避難生活のいろんな形態に応じた支援が必要です」。ビーンズふくしま常務理事、中鉢博之さんはそう言います。

 福島では仮設住宅から自分の故郷ではないところの被災者公営住宅に移ることも出てきます。中鉢さんは「そういう新たな地域での学び支援が求められるかもしれない。いろいろなネットワークをいかして考えたい」と話していました。

中鉢博之・ビーンズふくしま常務理事

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