支援の書画カメラが活躍


(2017/01/19)印刷する

まだ気の抜けない地震/熊本・御船町・小坂小

 熊本市の中心部から南東へ車で30分足らず。御船町立小坂小学校を12月に訪ねると、プレハブの仮設校舎で4年生が国語の授業を受けていました。黒板わきの大型テレビに、宮城県・南三陸町の志津川中学校が贈ったモバイル書画カメラ(実物投影器)がコードでつながっていました。

 

贈られたモバイル書画カメラ(左手前のカギ型の器具)でノートを大型テレビ画面に投影
贈られたモバイル書画カメラ(左手前のカギ型の器具)でノートを大型テレビ画面に映して作文の発表

 先生がカメラに向けた教材がテレビ画面に大きく映し出され、教室の子どもたちによく見えます。この日のテーマは「クラブ活動のリーフレットを作ろう」です。それぞれ考えた二つの要素を盛り込んで、紹介文を作ります。

 児童が自分のノートに書き込んだ作文を発表します。順番に前へ出てカメラを使い、画面にノートを映して読み上げます。発表を終えると、みんなから大きな拍手が起きました。

 「単に耳で聞くだけでなく、目で見ながら考える。視覚的な効果が加わって、授業も進みます」と山本定校長は話したうえで、「東北、そして志津川中も復興に向けてまだ大変ななか、支援をいただいて本当にありがたい」と感謝していました。

 御船町は、熊本地震の被害で全国的に大きく報道された益城町に接しています。築30年を超える小坂小も、1、2年生の教室や職員室などがある平屋建て校舎は大丈夫でしたが、3年生以上が学ぶ2階建て校舎が使えなくなり、体育館はしばらく地域の避難所になりました。

 3~6年生は音楽室や理科室などで急場をしのいだあと、2学期から校庭に建ったプレハブ校舎での学習です。学校のまわりには、今なお屋根をブルーシートで覆った住宅も少なくありません。

 山本校長は「地震にはまだまだ気が抜けません。子どもたちの心のケアにも力を入れていきます」と話していました。

 

校庭の一角に建てられたプレハブ仮設校舎(右側)
校舎と給食調理場をつなぐ仮設の渡り廊下

 


                         ◇

 小坂小に書画カメラを贈った宮城県の志津川中もまた、復興の途上です。壊滅的な被害を受けた南三陸町で、校舎は高台にあって津波の難は免れましたが、そのために校庭に仮設住宅が建ち、今も100世帯分が残っています。町内3カ所に町が集約を進めた仮設住宅のうちの1カ所です。

 校庭を部活動などに使えず、遠く離れた場所へ練習に行かざるをえない東北の学校の実情から、ベルマーク財団は部活動や校外学習をする生徒のバス移動の費用を支援していますが、志津川中はその対象校のひとつです。

 

東北から熊本へ、支援の輪

 

小坂小の正門前にある住宅の屋根には今もブルーシートが

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