地域で組織作って支援活動を/高松市に「ベルマークを集めて教育支援をしよう協議会」


(2020/01/22)印刷する

 香川県高松市中部の多肥(たひ)地区で昨年、「ベルマークを集めて教育支援をしよう協議会」が活動を開始しました。その名の通り、マークを集めて小規模校や災害被災校を支援していく取り組みです。同協議会の発起人である森英樹さんと松野安伸さんに話を聞きました。

右から「ベルマークを集めて教育支援をしよう協議会」の森英樹会長、松野安伸理事長

 多肥地区は田園の区画整理で宅地化が進み、人口は1万4810人と30年前の約2倍。市立多肥小学校は児童数が1100人超のマンモス校です。森さんは、同校のそばにある市立多肥幼稚園の園長を務めて5年目になります。前職は市内の小学校校長。定年までに教員として勤めた11校全てがベルマーク運動に参加していたそうで、もちろん多肥幼稚園もベルマーク活動をしています。「ベルマークは日本中が共通して収集しているもの。一人一人が意識すれば、教育に行き渡っていきます」と森さん。

 とはいえ、今や地方都市も少子化や共働きが進み、PTA活動やベルマーク運動にも、人手や活動時間の面で影響が出てきています。そこで「組織をつくり、その活動を発信することで、運動の活性化につなげていきたい」と、協議会設立を構想しました。

 森さんは、会を立ち上げるにあたり、まず松野さんに協力を呼びかけました。松野さんは、クラレトレーディング(ベルマーク番号30)の体操服を販売する香川菅公学生服の社長で、高松市で開かれるベルマーク説明会ではブースを出し、自ら来場しています。また、一般社団法人「教育コミュニティ」を作り、教育関連団体を支援したり学校でコンサートを開いたりしています。森さんとは仕事を通じて20年来の仲だそうです。

一般社団法人教育コミュニティでもベルマーク活動を行う松野さん
特技のピアノを弾く松野さんは、自称「さぬきのモーツァルト」とも

 自治会、各種団体でつくる地域コミュニティ協議会、学校関係者などにも参加を呼びかけ、協議会は昨年10月、正式に発足しました。会長は森さん、理事長が松野さんです。協議会オリジナルの回収箱やリーフレットも製作。松野さんがアイデアを出し、リーフレットはマークを貼る台紙も兼ねています。コミュニティーセンターに回収箱を置くと、さっそくマークが入っていたそうです。

 森さんと松野さんは、自治体や大型商業施設と協力してマークを集め、地区だけでなく県内、そして中四国、全国へと、活動の領域を広げていきたいと考えています。活動開始に先立ち、中四国地方を中心にスーパーマーケットを展開している株式会社ハローズ(本部・岡山県早島町)に協力を求めたところ、店舗で集めていたというベルマークの一部が同社から寄贈されました。その後も話し合いを進め、1月には、ハローズの全店舗に協議会の回収箱とリーフレットが置かれたそうです。

 ハローズから寄贈されたマークは、協議会が募集した「ベルマークボランティア」が、多肥幼稚園の遊戯室を使って仕分け・集計作業をしました。「地域の高齢者の力をお借りしたい」とのことで、集まったのは多肥地区に住む70~80代の約30人。みなマークの作業は初めてで、ノウハウを持つ幼稚園のPTAベルマーク部員が先生役として加わります。昨年11月の初会合ではマークを切って会社ごとに仕分けました。12月には2回目の会合を開き、同じ点数のマークを10枚ずつテープに貼って集計しました。「ボランティアの方々は作業に一生懸命でした。幼稚園のベルマーク部員との交流もでき、楽しみながらできたようです」と森さん。

 マークは1万9621点あったそうです。活動の目的として小規模校の支援を掲げている協議会ですが、「最初は、まず地元から」ということで、この点数は多肥小学校に贈られる予定です。「今後もボランティアの人数を増やし、活動を広げていきたい」と森さんは話しました。



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