世界の子の窮状学び、ベルマーク収集/香川・桑山小の6年生


(2018/03/05)印刷する

 香川県三豊市立桑山小学校(秋山和範校長、132人)の6年生33人が半年ほどの間に約7200円分のベルマークを集め、ベルマーク財団の友愛援助事業に寄付しました。発展途上国の子どもや学校を支援するNGO(非政府組織)の活動や東日本大震災の被災地支援に充てられました。総合的な学習の時間に、貧困や戦火に苦しむ世界の子どもたちの現状を学んだことをきっかけに、「自分たちができることをしよう」と、校内だけでなく、地域の家々を回り、チラシを配って協力を呼びかけ、懸命に集めました。

海外の子どもたちのためにベルマーク収集などに取り組んだ桑山小の6年生のみなさん

 話は昨年4月にさかのぼります。人権をテーマにした総合学習に取り組んでいたことから、担任の石田由香里先生が、「世の中にはこんな子どもたちもいることを知ってほしい」と、あるビデオを授業で見せました。過酷な状況で生きる子らを取り上げた「世界がもし100人の村だったら」というテレビ番組です。ワクチンがないままポリオにかかり、歩けなくなって地べたをはい回るニジェールの男の子。ダイヤモンドの利権をめぐる内戦で両親を目の前で殺され、鉱山で働くシエラレオネの男児・・・・・・。見終わった後、教室は静まりかえりました。あまりの衝撃に言葉が出なかったのです。「ありえんわ」「信じれん」。そんな感想をもらす児童もいました。

 番組は10年ほど前に放映されたものでした。「いまも同じようなことが起きているのか、調べてみよう」。総合学習の時間にインターネットや本などで調べていくと、現在もなお世界のあちこちでたくさんの子どもたちが苦しんでいることがわかりました。世界では5900万人もの子どもが学校に通えていないこと。人身売買や人身取引の被害者が約9090万人もいて、その3割が子どもであること。その半分がアジアで占められていることも知りました。「何かをしたい」という気持ちが募り、自分たちでできることを探し始めました。モノを直接送るのは難しい。お金を送りたいけれど、子どもだから働けない。どうしようかと悩む中で見つけた方法の一つが、ベルマークでした。

ベルマーク財団に届いた問い合わせの手紙

 残された時間は卒業までの約半年。そんな短期間だけベルマーク運動に参加することはできるのか。ベルマーク財団へ手紙を書いて、いろいろ問い合わせる中で、桑山小は1978年にベルマーク運動に参加登録しており、長らく休眠状態でしたが、すぐに活動を再開できることがわかりました。マークを財団へ送れば、世界の子どもたちを支援するNGO(非政府組織)などにお金が寄付できることも知り、さっそく取り組むことにしました。

 使用済みのインクカートリッジや書き損じはがきの回収、ユニセフ協会の募金も合わせてすることにして、秋ごろから校内で活動を始めました。ポスターを作って玄関に張り出したり、全校集会で協力を呼びかけたり。でも、思うように集まりません。11月には、地域の人々にも協力を求めようと、チラシを作り、休日に手分けして700世帯ほどの家々を1軒ずつ回って歩きました。1人で60軒配った子もいます。反響は大きく、学校にベルマークを持ってきてくれる人が相次ぎました。職場で呼びかけて集めてくれた保護者もいました。

 「すばらしいことに取り組んでいますね」「頑張ってください」と、子どもたちを励ます手紙も届きました。

廊下に置かれたベルマークの回収箱や募金箱など
協力を呼びかける手作りのポスター
地域の家々を回って配ったチラシ


中間報告のために作ったポスター

 12月末でいったん集計したところ、ベルマークは5616点になっていました。具体的な使途を話し合い、財団の海外向け友愛援助8事業の中から、マダガスカルの学校に給食を提供する国連世界食糧計画WFP協会の取り組みと、カンボジアの障害のある子らを支援する日本ユニセフ協会のプロジェクトを選び、半分ずつ寄付しました。

 その後、今年2月末までにさらに1600点ほどのベルマークが寄せられました。今年度の海外向け友愛援助は締め切られていたため、東日本大震災の被災地向け友愛援助に寄付することにしました。

 7人のベルマーク係のメンバーとして活躍した菊池杏奈さんと木下翔輔君は、「こんなに集まるとは思わなかった。仕分けと集計に苦労しました」と笑顔で振り返ります。最初はベルマーク係だけで仕分けをしていましたが、手伝う子が徐々に増え、最終的には昼休みにほとんどのクラスメイトが協力してくれたそうです。

 同じくベルマーク係の森あずささんは「苦しんでいる世界の子どもたちの役に立つことができて、うれしい。ほかにも自分ができることを探して、進んでやりたい」。児童会副会長の牧菜々穂さんも、「地域を回ってのチラシ配りがとても大変だった」と言いつつ、「悲しい思いをしている子どもたちが少しでも笑顔になれればいいな」と願っています。

 秋山校長は「もともと、とても素直で感受性が豊かな子ばかりなんです」といいます。石田先生は「『何とかしたい』という一人ひとりの思いが、学び、行動し、最後までやり抜く力になったと思います」とみんなの頑張りをたたえ、「今回の経験が、他者を思い、助け合う気持ちを育むことにつかながってくれれば」と期待しています。

 ベルマーク収集は、地域の人々の優しさも実感させてくれました。3月初め、子どもたちは報告とお礼の手紙を書き、再び一軒一軒訪ねて心を込めて手渡しました。卒業式は16日。小さな小さなマークを通じて学んだ大きなことを胸に刻んで、巣立ちます。

子どもたちが書いた作文


校内で配布したチラシの表と裏

ベルマーク商品

小岩井 純水ぶどう

ベルマーク検収

今週の作業日:9/18~9/21
6/29までの到着分を作業中

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