ベルマーク運動、公民館も熱心に/埼玉で2番目に参加、入間市の久保稲荷公民館は「9年間の活動、地域に根付いた」
(2015/11/16)印刷する
ベルマーク運動では公民館も大きな役割を担っています。2006年4月から公民館や大学などの生涯学習施設にも参加資格が拡大されてから9年。社会全体で取り組めるボランティア運動としても注目され、いまや94の大学(短大・専門学校含む)、149の公民館が参加しています。「すっかり地元に根付きました」という埼玉県入間市の久保稲荷公民館(朝岡晴樹館長、職員3人)を訪ね、熱心な活動の一端を見てきました。
埼玉県内では、全国の公民館で最初に参加した蕨(わらび)市立東公民館を始め、七つの公民館がベルマーク運動に取り組んでいます。久保稲荷公民館は2006年9月、県内2番目の参加でした。これまでに、公民館としてはトップクラスの8万6000点余りのベルマークを集めてきました。
公共施設の予算が少ないので設備を充実したい。「マークを持って来たよ!」のひとことから、今まで以上にコミュニケーションをとりたい。
そんな思いから、当時の桜庭昌吾館長がベルマーク運動へ参加申し込みを考えたそうです。
初めてマークを送ったのは2007年10月です。6753点でした。
2008年は3月と12月の2回送付で計1万9324点。
2009年以降も毎年1回のペースでマークを送っています。
「集まるマークの7割がインクカートリッジです。小さなお子さんからお年寄りまでパソコンを使う時代ですからね。結構集まります。公民館を利用しているお料理サークルからも、大量に調味料を買ったあとはたくさんのマークが届きますよ」と主査の横田ひろみさんは話しました。
久保稲荷公民館は入間市内に14ある地区公民館のひとつで、管内には約7200人がいます。昨年は幅広い年齢層から延べ4万2450人が利用したそうです。
ベルマーク活動には地元の中学生も一役買っています。
入間市では2011年から、7月中旬の3日間、中学2年生を対象に「社会体験チャレンジ事業」を実施しています。
久保稲荷公民館でも近くの向原中学校の生徒2~3人を受け入れています。
仕事は午前9時~午後3時で、受付業務、公民館事業の飾りつけ製作や中学生向けの事業の企画など様々ですが、3日間の中で3時間ほど、カートリッジやベルマークの仕分け作業もしてもらいます。
緊張した顔つきで仕事を淡々とこなしていた生徒たちも、ベルマークの仕分け作業をしている時はみな笑顔で、「おもしろい」と話してくれるそうです。
向原中ではベルマーク運動に参加していないので、マークを持ってきてくれる生徒もいます。
久保稲荷公民館では今までに、ベルマーク預金で、抗菌ソフトマット(4色組×5セット、60㎝×60㎝×厚さ12・5㎜、防カビ、片面滑り止め加工、1セット1万800円、協力会社ミズから)と掛け時計(4702円、協力会社セイコークロックから)を購入しました。
抗菌ソフトマットは、小さな子どもがいるお母さんを対象に1階の集会室で開催する「子育て日記」の事業の時に使います。お母さんたちの目の届く一画にマットを敷きつめて、赤ちゃんがハイハイしても安全な場所をつくります。公民館のボランティアグループに登録している3~4人が見守ります。
2005年~2014年までの6月に行ってきた小学生の3泊4日の「通学合宿」でも、抗菌ソフトマットを使いました。小学4年生~6年生男女合わせて十数人が親元を離れ、ボランティアの大学生と集団生活をしつつ公民館から学校に通います。
男子は床に直接、布団を敷いていましたが、布団の下に抗菌ソフトマットを使うことで、ふわふわして気持ちがいいと好評でした。
女子は和室に寝泊まりしていましたが、和室の掛け時計が壊れていたので、大きくて見やすい掛け時計を新しく購入しました。
「ベルマークを9年間集めてきて、運動も根付いたように思います。他の公民館でも始めてほしいですね。公民館を利用する人たちに喜んでもらえるものを購入していきたいです」と主任の野崎祥男(さちお)さんは話しました。
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埼玉県内でベルマーク運動に参加している公民館は次の通りです。
・蕨市立東公民館(2006年5月から)
・入間市立久保稲荷公民館(2006年9月から)
・蕨市立中央公民館(2010年3月から)
・秩父市立原谷公民館(2010年5月から)
・所沢市立松井公民館(2010年6月から)
・川越市立中央公民館(2013年8月から)
・朝霞市立中央公民館(2014年7月から)