99歳ベルマーク大使、山梨・上野原市の善行賞受賞


(2016/07/05)印刷する

江口市長から善行賞を受け取る幡野たいさん

 「ベルマーク大使」の幡野たいさん(99)=山梨県上野原市=が市政に功労があったとして善行賞を受賞しました。50年以上も市立上野原小学校で集めたベルマークを仕分けして数え、教育設備の充実に貢献してきました。「約束したから続けてきただけなのに、こんな賞までいただいちゃって……」。笑顔で感想を話しました。

 今年度の市政功労者は22人。善行賞は幡野さんだけです。毎年ある賞ではなく、教育委員会の推薦で選ばれました。

 表彰式が5月26日、市文化ホールであり、幡野さんは週3日通うデイサービスのスタッフに会場まで車で送ってもらい、式に臨みました。年齢を考慮して、「名前を呼んだあと、市長が席まで出向きます」という打ち合わせでしたが、名前を呼ばれた幡野さん、すっと立ち上がると、シルバーカーも押さず、ゆっくりですがしっかりした足取りで市長の方に歩き始めました。

 江口英雄市長は急いで壇上から下りて、幡野さんの前に立ちました。善行賞の表彰状を読み上げ、幡野さんに手渡すと、その日、いちばん温かい拍手が送られました。

 参会者の方に向きを変えた幡野さんが二度、深々とお辞儀をすると、もう一度大きな拍手がわき起こりました。

 幡野さんは82歳の時、胃がんの手術を受けています。その時の執刀医が、外科医だった江口市長でした。思わぬ形での再会となりました。

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 上野原小がベルマーク運動に参加したのは1965(昭和40)年7月。きっかけをつくったのは幡野さんです。全国的に運動が始まってまだ5年、累計100万点達成第一号が生まれたころでした。

 「ベルマークを集めれば学校の備品・教材が買え、見知らぬへき地校の支援にもなる」。参加を呼びかける新聞記事を読み、幡野さんはPTAで話を持ちかけました。「大変なのでは」という声もあって、学校全体での参加にはなりませんでしたが、まずは次女が在籍していた4年生の学年委員会で取り組むことになりました。幡野さんのベルマーク人生の始まりです。やがてベルマーク集めは学校ぐるみの活動に広がりました。

 上野原小が50年間で集めた累計点数は244万点を超えています。グランドピアノ(104万円)をはじめ、これまでにサッカーボール、ソフトバレーボール、ドッチビーなどを購入しています。今年1月にはCDポータブルシステム7台(21万円分)の披露会を開き、幡野さんも招待しました。

 表彰式の帰りに幡野さんはかばんからベルマークを取り出すと、「きょうこれだけ集まったのよ」とうれしそうに見せてくれました。

 デイサービスには小学校からの同級生の男性(99)が2人通っていて、週3日楽しくおしゃべりしているそうです。男性とは毎回握手をして別れるそうです。「この年だといつ逝ってもおかしくないでしょ?」と茶目っ気たっぷりに教えてくれました。

 「新聞に記事が載ってからあちこちからベルマークが届くのよ。地元の学校があるでしょう、って言っても、上野原小に届けたいって言われるの」

 「ベルマークが届くと、他のことはほっといてベルマークの仕分けをするのよ。ベルマークは私の生きがいなの」

 笑顔で話す幡野さんはとてもチャーミングでした。

「お疲れ様でした」。左からデイサービススタッフの高橋英幸さん、幡野たいさん、3月まで上野原小校長だった教育委員会の近藤周利(ひろとし)さん。近藤さんは同小に通算4回勤務し、担任、教務主任、教頭、校長を務めました。幡野さんとは担任時代からの長いつきあいです
 

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