キユーピー神戸工場を見学


(2017/11/28)印刷する

原料の搬入から、調合、発送まですべて自動
省エネと効率化・高品質化を実現したハイテク設備

 最新鋭設備を誇るキユーピー(ベルマーク番号07)の神戸工場(神戸市東灘区)を、ベルマーク教育助成財団の職員らが見学しました。省エネと効率化・高品質化を実現し、昨年10月に操業を開始したハイテク工場です。消費者が「食」の大切さや楽しさを体感できる、文字通りの「マヨ・ドレパーク」でした。

 

神戸工場の外観。白を基調に、緑黄色野菜の色をデザインにとり入れています

 神戸港沿いにあり、免震構造6階建て、敷地面積6万4千平方㍍、延床面積3万3千平方㍍。全国に九つある工場のうち、西日本のマザー(基幹)工場として、主力商品の家庭用・業務用マヨネーズ、ドレッシングを製造しています。キユーピーが国内に工場を新設したのは10年ぶりで、マヨネーズの主力工場としては45年ぶりです。

 年間の生産能力は同社の全調味料の3割にあたる7万8千㌧で、従業員数は約120人。従来の工場に比べて生産性は2.4倍に伸びる一方、排熱の再利用などでエネルギー消費量は半分に抑えられるそうです。

 

いきなり野菜畑の気分、食とキユーピー学べる展示が盛りだくさん

 見学エリアの入り口は4階にあります。エレベーターを降りると、おなじみのキユーピーちゃん人形がお出迎えしてくれます。吹き抜けの開放的な空間に、トマト、ニンジン、ジャガイモなどのオブジェが置かれ、いきなり野菜畑か庭に入り込んだような気分になります。オブジェには、野菜の特徴や選び方、保存の仕方が書かれていて、思わずメモしてしまいました。

 

野菜のオブジェが置かれた明るく開放的なエントランス

 横の「たまごの部屋」では、「卵はタンパク質の優等生でコレステロールを気にする必要はない」「黄身の色はニワトリのエサに影響される」など、卵のあれこれを知ることができます。ほかにも、食とキユーピーに関する知識を大人も子どもも楽しく学べる展示が盛りだくさんです。

 上釜利雄工場長たちから工場の説明を受けたあと、製造工程を見学しました。スタッフに案内されて、ドレッシングとマヨネーズの生産ラインへ。ガラス越しに見ると、人の姿がほとんどありません。最新鋭のロボットや設備が導入されているからです。原料・資材の搬入から、調合、充てん、包装、箱詰め、発送まで、生産計画に応じて自動で流れていきます。搬送用のロボットがレーザーで障害物を感知して、巧みに動き回っていました。

 内部は撮影禁止ですが、マヨネーズの見学コースには、「マヨデッキ」と呼ばれる空中通路があり、製造ラインを上から間近で見ることができます。エアシャワーを浴び、服に付いたちりなどを吹き飛ばしたあと、デッキへ。製造の現場にすっかり入り込んだ気分になります。マヨネーズを容器に詰める速さには圧倒されました。従来の充てん機では1分間に最大230本でしたが、神戸工場では400本と、大幅にアップしたそうです。

 

楽しみながら「食」について学べる展示
1日に必要な350gの野菜って、結構な量です

 

製造ライン映すカメラにはタッチパネル、ズーム機能も

 充填を終えたマヨネーズのボトルは、ラッピングマシンでフィルム包装した後、ロボットが箱詰めします。容器に傷はないか、規定通りにきちんと製造されているか、といったチェックもセンサーがおこないます。さらに人が定期的に検査し、万全を期しています。

 「ごまドレッシング」の調合で、ごまを吸引するロボットは、その作業が一番上手な工場スタッフの動きを正確に覚えさせているとのこと。箱詰めロボットも、製品を傷つけないように、人間の手の動きを再現しています。

 見学コースにはちょっと面白い装置もありました。製造ラインの各所に設置されたカメラを操作できるタッチパネルです。ズーム機能もあり、作業の様子を詳しく見ることができます。

 

社会貢献活動のパネルでは、ベルマーク運動との関わりも紹介されています

 一番驚いたのは、生産、販売、物流などの情報を一括管理して、製造する時点で商品の配送先が決まっていることです。在庫をゼロにして、大幅なコスト削減につなげているのです。徹底的な合理化を通じて、サラダ・惣菜や海外の部門など、将来的に伸びが期待できる分野に人材をシフトさせ、会社全体の成長につなげていく戦略です。製造現場の従業員の仕事も、従来のライン作業ではなく、新しい工夫やアイデアといった付加価値を考えるマネジャー、クリエーター的なものに変化しているといいます。

 

「オープンキッチン」に年間5万人の見学者目指す

 キユーピーは「工場は家庭の台所の延長である」として、「オープンキッチン」と呼ぶ工場見学を、神戸、五霞(茨城)、富士吉田(山梨)、挙母(愛知)、鳥栖(佐賀)の5工場で実施しています。製造工程を公開し、ものづくりに対するキユーピーの取り組みを理解してもらうことが商品への信頼につながる、という考えからです。オープンキッチンの昨年度の来場者数は計約8万人。神戸工場では年間5万人を目標に見学者の受け入れ態勢を整えています。

 神戸工場の見学エリアには、マヨネーズ、ドレッシングを使った料理の実演、試食ができるキッチンや、商品・オリジナルグッズを扱うショップもあります。

 

さまざまなオリジナル商品が置かれたショップ。一番人気はマヨネーズ型のマグネットクリップ(200円)

 上釜工場長は「野菜をしっかり食べてもらう『食育』と、現場に立つワクワク感・臨場感、そしてキユーピーを知っていただくことをコンセプトに、見学エリア・コースを整えました」と力を込めます。「2019年にキユーピーグループは100周年を迎えます。グループの発信地としてしっかりPRできるように、安全・安心、品質を守りながら、従業員が心を一つにして生産してまいります」と話しました。

 神戸工場の一般向け見学は無料で、約1時間半。完全予約制です。
申し込みはネット(https://www.kewpie.co.jp/know/openkitchen/kobe_01.html)か、専用電話(078-411-6015=休業日を除く午前9時半~正午、午後1~4時)で。

 

窓の外は海

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