協賛会社インタビュー⑭ ショウワノート


(2016/04/18)印刷する

ショウワノート株式会社
 代表取締役社長・片岸茂さん
 企画部東京販売企画課長・中村淳也さん
 同係長・三浦美保さん

 ベルマーク運動の協賛会社へのインタビューシリーズ「私の会社とベルマーク」。14回目はショウワノート株式会社です。1970(昭和45)年に協賛会社に加入後、独自のベルマークキャンペーンを続けています。社長の片岸茂さんと企画部の中村淳也さん、三浦美保さんにお話をうかがいました。(聞き手・和田直子)

喜んでもらえる学習帳

ショウワノート株式会社・片岸茂社長

――46年もの間、ベルマーク運動にご協賛下さりありがとうございます。長年ベルマーク運動を応援して下さった理由は何ですか?

 ジャポニカ学習帳の知名度が低かった頃、より売れる商品にするために色々な付加価値をつけました。その一つがベルマークで、他社と差別化できて、子どもたちに一番喜んでもらえる学習帳を作ろうという考えで協賛しました。

 近頃、PTAの方々にとってベルマークを集めるのが面倒だというお話をよく聞きます。その分をお金で差し上げた方が良いという声もありますが、地域・家族・子どもたち・先生の中での活動を通じた連帯感が大事だと思います。「ジャポニカ学習帳を使うことによって学校の設備が良くなる」というベルマーク運動本来の意味をよく考えていただくためには、まだまだ続けていきたいと思っています。

――毎年実施されている、ショウワノートベルマークキャンペーンについてお聞かせください。

 ジャポニカ学習帳の認知度が高まってきた時期に始め、2016年で43回目に入りました。現在は小学校の部(全国8ブロック)、及び小学校以外の団体の部の2部門から成り、毎年1~12月の一年間の検収結果をもとに、集票点数が上位の学校に表彰状と記念品を贈呈しています。小学校以外の部では、2年連続で中学校が全国一位になりました。

――キャンペーンを長く続けられている理由は何ですか。

 社会貢献の一環だと考えています。全国でこれだけベルマークをお集めいただいているのを見ると、やっていて良かったと思います。少しでも学校の設備の助成につながる、もしくは弊社が独自で差し上げている図書・教材等々の記念品を喜んでいただけるのであれば、続けていこうと思っています。

 弊社のベルマークはダブルのサービス、つまり「ベルマーク運動」への協賛+「ショウワノート独自のベルマークキャンペーン」を行っており、学校にとっては2倍の点数がついているのと同じだと考えて使っていただけると嬉しく思います。

――社員の皆様は、ベルマーク運動をどのように捉えていますか? また、商品にベルマークをつけている事の価値や、効果を感じるのはどのような時ですか?

 キャンペーンの表彰に伺った学校で、全校生徒がお礼に歌を歌ってくださったことがあります。何回練習したのだろうというくらい上手でした。涙が出そうなほど嬉しく、ベルマークキャンペーンをしていて良かったと思いました。

 弊社では、工場と一部の部署を除く100名ほどの社員ほぼ全員に、表彰校での贈呈経験が一度はあります。社員が小学校へ直接伺うことでジャポニカ学習帳のPRにつながるのではという思いで行っています。その際、PTAの方からベルマークの良さや収集の苦労、地域のお店にも箱を置くなど様々な工夫をして下さっているお話をうかがうと、マークを付けていて良かったと思います。

 地域ぐるみで協力態勢がとられている学校や、戦略的に何年か分を貯めて一度に送り、全国一位になる学校もあります。弊社のジャポニカ学習帳のカタログには、過去3年分の表彰式の写真が載るので、常にその学校の写真が掲載されるよう3年に一回はトップをとって下さいね、と毎回お話ししています。

ものづくりの原点承継

――創業地の(富山県)高岡に本社を置かれているのはなぜですか?

 創業者が高岡出身なので、創業の地に本社を置くというのは、ものづくりの原点を引き継ぐということだと考えています。2年後の完成を目指して、今年から建て替え予定なのですが、本社も工場も立地を変えずに建てるつもりです。

――CSR活動、東日本大震災への取り組みについてお聞かせください。

 法政大学におられた鶴田佳史先生に産学共同での取り組みをご提案いただき、富山県立大学・大東文化大学とも共同で「産学ワークショップ」を富山県を中心に6年ほど行いました。ご提案の内容が、安心・安全の環境配慮型の商品作りという弊社の企業理念や、ジャポニカ学習帳のコンセプトにぴったり合うという事もあり、社員も勉強し、環境に良い商品を作り上げていこうと始まりました。大学生を先生にして地域の子どもたちと植樹や遊びを取り入れた環境学習、里山の研究などを行いました。現在は、先生のゼミ生が卒業したためいったんお休みしていますが、引き続き、先生方には新工場への環境の取り組みに関するご提言を頂いています。

 新工場では、ノートが出来る過程や学習帳の歴史を子どもたちが勉強できるような、また近隣の方々や観光にお見えになった方にも弊社をご理解いただけるような場をご提供する予定です。

 東日本大震災への支援としては、当初は避難所の子供どもたちのために、ぺんてる株式会社さんと共同で、スケッチブックとクレヨンをチャーター便でお届けしました。

 以降もジャポニカ学習帳にご縁のある地域の活動を通じて支援を継続しています。

 一例として、落語家の林家正蔵さんが特別審査員をつとめられている、福島県須賀川市の「作文絵画コンクール」に協賛し、表彰式にも伺っています。自分の未来や、須賀川がどんな町になって欲しいかなど、年に一度テーマを設けて学年ごとに募集・表彰をします。以前は被害状況を描く絵が多かったのですが、段々と未来に向けて「こうしたい、ああしたい」という絵が増え明るくなってきました。作文も、小学生でよくここまで書けるなと思うような良い作品が多いです。主催者であり、表彰式を取り仕切って下さっている、須賀川市の青年会議所の方々もとても熱心で頭が下がります。

(左から)企画部の三浦美保さん、片岸茂社長、企画部の中村淳也さん

――今後ベルマークで新たに展開していきたい事はありますか?

 弊社がキャンペーンの記念品として贈呈する中身について、学校においてはそろそろ違うものを希望されているのかなと感じる事があります。教科書のデジタル化に伴い、これからノートがどのように変化していくか分かりませんが、学校・子供たちにとってより有効に活用出来るようなベルマークの使い方・収集の仕方をしていきたいと思っています。

――昨年、昆虫の表紙のジャポニカ学習帳が復刻されました。定番化される予定はありますか?

 弊社では「どんどん失われていく自然を守る」という事を、表紙を通して伝えたいと考えています。表紙を撮影している写真家・山口進先生の研究テーマの一つも、自然と人間との「共生」で、私どものコンセプトと一致しています。昆虫の表紙も花と同様、ありのままの自然を子供たちに見せるためのものですので、今後の課題にしたいと思っています。

デジタル対応を研究中

――これから、ノートにどんな夢をのせてゆきたいですか?

 文部科学省が、2020年を目処にデジタル教科書の導入方針を打ち出し、教育現場でデジタル機器の導入が進んでいきますので、我々の業界ではそれに伴うノートの必要性とあり方を研究しています。鉛筆を使って紙に書くのとタッチペンなどでタブレットに書くのとでは、役割が全く違うという事をご理解いただくと共に、我々もデジタル機器に合う学習帳を作るなどの工夫をして、上手に共存できるよう研究していかなければと思っています。

 ジャポニカ学習帳が、学校教育とより深くつながるよう、進化した商品を2020年までには出したいと思っています。

ベルマーク商品

プチチーズ

ベルマーク検収

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