ベルマーク運動説明会 6月22日(水)鹿児島


(2016/07/14)印刷する

鹿児島市立石谷小学校

須納瀬恵美子さん(左)と福元智美さん

「ベルマーク、みんなで集めてハッピーに ~PTAと学校 一丸となって~」

 みなさまおはようございます。

 私たちは、鹿児島市立石谷小学校のベルマーク部部長須納瀬と学校図書館司書の福元です。

 本日はベルマーク活動が進まなかった時期から、PTAと学校が一丸となってベルマーク活動に取り組むようになった現在までの様子を、PTAの立場からと、学校の立場からお話させていただきます。よろしくお願いいたします。

 

 本校は鹿児島市の北西部に位置しており、西は日置市に接し、松元市街地中心部から約2Kmの台地にあります。歴史的な遺跡が多く発見された土地でもあり、鹿児島中央駅東口にあります<若き薩摩の群像>を製作された中村晋也氏の美術館もあります。また、教育熱心であった薩摩藩の町田久成氏の領地でもあったところです

 最近では、利便性の良さから、校区人口は増加傾向にあります。創立137周年を迎え、7年前には200人だった児童数も376人に増加しています。地域ボランティア活動も盛んで、地域で子ども達を見守り、学校へもよく足を運んで寄り添うなど、子ども達を支えて下さっています。

 

〈説明会で知って、衝撃〉

 それでは私達の活動を紹介いたします。

 現在、七つの専門部があり、今年度はベルマーク部として14人で活動を始めました。登録年は1989年。ここ数年は1万5千点~2万点と伸び悩んでいました。

 それもそのはず、事業部がバザーとベルマーク回収の両方を担当し、PTA行事の中心でもあるバザーに力を注ぐあまり、ベルマークを集めはするけれど、集計・発送は3月に一回だけ。使用済みインクカートリッジも集めてはいましたが、発送もせず、置きっぱなしだったため、廃棄されたこともありました。徐々に、保護者、子ども達のベルマークへの意識も低下していっていました。

 そんな状況で、2年前、事業部部長として、私はこのベルマーク運動説明会に参加しました。そこで、「保険にもベルマークが付いていること」「使用済みインクカートリッジはもちろんのこと、テトラパックのマークがついている紙容器もベルマークだということ」を初めて知り、衝撃を受けました。

その時に体験発表をされた学校の何かをまねできないかと考え、まず、今集めていないテトラパックの紙容器を集めてみようと思いました。

 事業部員に説明会の話をして、共通理解し、回収箱を作成。紙容器用とカートリッジ用の回収箱を児童玄関に設置して、いつでも持参出来るようにしました。そして、学級PTAの際に、保護者のみなさんにも話をして、文書を配布し、協力を求めました。

 

〈学校、子どもを巻き込んで〉

 ちょうどその時期に、学校給食に<みかんジュース>が時々出されていることに気が付きました。学校のベルマーク担当係に確認してもらったところ、「テトラパックのマーク付いているよ」という返答でした。その日に全員分のみかんジュースの紙容器を集めてもらえないかと相談したところ、快く受けてくれました。学校全体を巻き込んでの取り組みが始まりました。

 そうなると、保護者だけでは対応しきれません。そこで、子ども達の委員会活動で協力してもらえる委員会はないかと、またまた学校へ相談しました。ちょうど、係の先生が担当していた『ふれあい委員会』が「仕事を探しています。良ければ、ふれあい委員会がさせていただきます」という運びとなりました。子ども達によるベルマーク回収活動の始まりです。

 それぞれがどういう活動をしていくかを話し合い、委員会には毎年6月・9月・12月・2月の第2週に回収していたベルマークを、①回収・仕分けまでする、②学校給食にみかんジュースが出された時の紙容器を回収し、開いて洗って乾かすまでする、③出来る範囲で使用済みカートリッジを分別する、の三つをお願いすることとなりました。

 保護者の活動は、今までとあまり変わりがなく、3月一回のみでしたが、子ども達が分別までしてくれたことで、半日以上かかっていたベルマークの集計がスムーズになりました。

 ふれあい委員会が作成したポスターを学校に掲示したことで、意識も向上しました。テトラパックの紙容器も、みかんジュースのおかげか、自宅でも子ども達が気をつけてテトラパックのマークを探すようになったとのことで回収率も増えて、1箱10kg以上を発送しました。

 使用済みインクカートリッジもエプソンだけでしたが1箱発送することが出来、この年は約2万5千点集めることが出来ました。

 せっかくみんなで協力して集めたベルマーク。今まで貯まっていたベルマーク預金を使って、何か購入してくださいと話をしたところ、色々とあがった候補の中から、低学年用一輪車を二台購入することにしました。子ども達が笑顔で、この一輪車に乗って遊んでいる姿を見て、やっと少し前進したような気がしました。まだ残っているベルマーク預金の使い道について、学校の係に相談し、任せることにしました。

 

〈オーサービジットにも使える〉

 ベルマーク担当係から全職員に、一輪車購入の報告と、「残額がまだあるので何か購入したいものはないか?学校全体に有意義な活動につなげられないか、全体で考えたい」との提案が職員会議でありました。その時はあまりピンとこなかったのですが、ある日の読書指導係で次年度の読書活動について話し合っていた時、ふと毎年取り組んでいるオーサービジットのことが頭に浮かびました。

「毎年取り組んでいるのは通常版だけど、オーサービジットには確か、ベルマーク版もあったんじゃなかった?」

 オーサービジットとは、子ども達が大好きな作家さん(オーサー)に学校に来てもらい、直接授業をしてもらう朝日新聞社主催の読書推進イベントのことです。通常版とベルマーク版の二種類があります。応募するには、「来てほしい作家さんへ、思いを込めた色紙を送る」ことが必要です。全国の応募者の中から1人のオーサーにつき、1校が選出されます。

 石谷小学校では2013年からこの取組みを読書活動の一環と位置づけて挑戦し続けてきましたが、これまでは通常版で、ベルマーク係からの提案があって初めて、今回はベルマーク版に挑戦することについて真剣に考えることになりました。

 通常版とベルマーク版では何が違うのかというと、まず、それぞれにオーサーが3人ずつ決まっています。通常版の対象は全国の小学校1年生から高校3年生までの間で、1クラス、またはクラブ活動、委員会、有志等のグループ、最大40人程度までとされています。

 同一校から複数応募は可能ですが、単位は学級ごと、グループごとになりますので、学校全体では応募が出来ません。それに対し、ベルマーク版は通常版と同じ条件に加え、さらに学校単位、学年単位での応募が可能になっています。

 通常版は学級の授業になるので、基本的に保護者参観は出来ませんが、ベルマーク版は保護者参観も可能です。どちらも応募は無料ですが、ベルマーク版は訪問が決まれば、預金から3万円プラス消費税を支払うことになっています。当選しなかった場合、無駄に預金を使う必要はありません。

 オーサービジットは朝日新聞社主催ですが、ベルマーク版はベルマーク教育助成財団との共催です。

 調べたところ、その年のベルマーク版オーサービジットのオーサーの中に「長谷川義史さん」がいらっしゃることがわかりました。保護者の皆様はご存じない方もいらっしゃると思いますが、石谷小学校では1年生から6年生まで知らない児童は誰もいないというほど大人気の絵本作家さんです。

 子ども達が大好きな作家さんがオーサーであること、ベルマーク版なら学校全体で授業が受けられること、学校全体の利益になることであればベルマークの活用法として係が提案していた条件と合うと考えられること。こうして、読書指導係で「ベルマーク版オーサービジットに挑戦する」ことを提案をしようと意見がまとまりました。

 ベルマーク担当係からの提案があったのが3月。読書指導係でまとめた提案を、担当係とPTA事業部の部長に伺い、賛同が得られました。ベルマーク預金残高も当選後に必要な3万円に足りていることが確認出来、4月に入ってから、担当係から「ベルマーク活用の提案として読書指導係からこんな案が出ている」という概要を報告してもらいました。さらに、もっと具体的に「どう取り組んでいくか」を読書指導係で企画を練りました。

 この取り組みへの意義や、どういうメリットがあるかをきちんと説明し、どのように進めていくかを理解してもらった上で学校全体が一丸となって取り組むことが出来なければ、とても全国でたった1校に選ばれることは出来ません。この企画のたたき台を企画会議で見ていただき、最後に職員会議に提案しました。全職員の賛同を得られなければ、企画を通すことは出来ません。これまで挑戦してきた通常版では、希望する学級のみが取り組めばよかったのですが、今回はすべての学級に取り組んでもらわなければならないからです。

 幸い、例年の取り組み状況で読書活動として認めていただいていたことや、応募だけは無料であり、当選しなければ預金が減ることはないこと、授業が実現したら子ども達にとってすばらしい体験になることが理解してもらえたため、「当選する確率は低いかもしれないが、チャレンジしてみよう」と、全職員の賛同を得ることが出来ました。

 こうしてベルマーク版オーサービジット2015への取り組みが決定したのは5月のことでした。例年6月末が応募締め切りですので、色紙を作ってもらう作業に急いで入りました。

 実際の取り組みの様子(写真)をご覧ください。≪写真を説明≫

 子ども達も、よい表情をしています。今年度の朝日新聞の募集要項の新聞記事をご覧ください。石谷小での授業風景が採用されているのです。

 「子ども達の表情がとても活き活きとしているので採用したい」とご連絡をいただき、とても嬉しかったです。子供たちも、嬉しそうに見ていました。本年度もこの取り組みは継続しており、先日作品を発送してきたところです。

 一連の取り組みは、子ども達にとっても、職員や、保護者にとっても、大変思い出深い出来事となりました。

 訪問が叶いましたので、ベルマーク預金から消費税を含めた32,160円を支払いました。そしてそのうち5千円分が書籍として還元されました。この書籍については、オーサーの著書に限らず自由に選ぶことが出来ます。

 相談のうえ、ここはやはり長谷川さんの絵本で石谷小の蔵書になかった本を購入しました。ベルマークシールを貼って、子ども達に紹介し、大切に読まれています。

 このベルマーク版オーサービジットへの挑戦を通じ、成果として残ったものはたくさんありましたが、大きく三つのことがあげられると思います。

 まず一つは、子ども達が「作者」という概念を理解出来たことです。子ども達にとって「本」は理解出来ても、それを制作している「作者」にまで意識を向けることはなかなか困難です。ご本人と直接会い、目の前で作品が出来上がっていくところ、お話がつむがれていくところを見ることが出来たことは子ども達にとって何を説明するよりも有意義な体験でした。

 二つめは、読書活動がより深まったことです。大好きな作家さんへの思いを色紙にしたこと、たくさんの著作を読んで感想を書いたり、手紙を書いたりと様々な準備をして当日を迎えたこと、当日に絵本の中から広がる世界を体験できたこと。本を読んでいるだけでは体験することの出来ない多くのことを学びました。

 最後に、ベルマーク運動への意欲がさらに高まったことです。「自分達の力で、自分達の集めたベルマークで、楽しいことが学校に起こった」、この自信は揺るぎないものであり、大きな誇りとなって子ども達の心に残りました。同時に、またこんなことが起こるように、この活動を続けていくぞという意欲が、委員会を中心としてまとまり、児童の間でじわじわと高まってきています。

 

 以上のことを経て、子ども達のベルマーク活動への意識がさらに高まり、PTAとしてもこのままではいけないと感じ、今年度は新しく専門部の一つとしてベルマーク部を立ち上げました。始まったばかりでまだまだ手探り状態です。やりたいこともたくさんありますが、多くを欲張らず、「ベルマーク みんなで集めて ハッピーに!」を合言葉に、目標5万点を目指して頑張っていこうと思います。

 これで私たちの発表は終わります。最後までご清聴くださり、心より感謝いたします。ありがとうございました。

*画像をクリックすると、PDFでご覧になれます。

 

(パワーポイントを使って説明)

=鹿児島県産業会館 2階ホール

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