ベルマーク運動説明会 6月17日(金)新橋
(2016/06/27)印刷する
東京都中央区立佃島小学校 発表した東京都中央区立佃島小学校PTA前副会長の中村武志さん |
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ベルマークTシャツ、作って心もひとつ !!
みなさん、こんにちは。中央区佃島小学校PTA副会長を今年5月で退任しました中村武志と申します。
本来ならば当校ベルマーク委員会のメンバーがこの場で発表すれば良かったんですが、このようなおじさんの登壇で恐縮しております。うちのベルマーク委員には恥ずかしがり屋さんのお母さん方が多く、私は委員ではありませんが、せっかくの機会なので、副会長という立場で、佃島小学校の子どもたちのためにもお引き受けした次第です。
これまでのベルマーク運動説明会で、それも収集実績全国何位とかを取られている学校の発表とは少々違った趣になるかもしれませんが、どうかご容赦願います。
はじめに佃島の紹介をいたします。最近はテレビでもよく露出しているのでご存知の方も多くいらっしゃるかと思いますが、今からさかのぼること約400年前、かの徳川家康が京都・本能寺に滞在していた織田信長のところへあいさつに行こうと堺を北上して飯盛山あたりにいた時、その日未明の「本能寺の変」のニュースを耳にしました。
家康の九死に一生を得た脱出行が始まります。その時の「伊賀越え」を助けた摂津国・佃村(現・大阪市西淀川区)の漁民たちが、江戸幕府を開いた家康に魚を献上するよう呼ばれ、江戸に移住して、埋め立て開拓した島が佃島だと言われています。
その漁民たちが作ったのが佃煮と魚市場(当初は日本橋、現在は築地)ということになります。ほかによく話題に上るのが月島もんじゃストリートと高層タワーマンションですね。保護者には築地市場関係者やもんじゃ屋さんも多くいらっしゃいます。また佃島小学校では毎年、ルーツである大阪市西淀川区の佃小学校と、生徒や先生、保護者の代表が互いの学校、街を交互に訪問しあい、歴史と人情に触れる交流をしています。もう50年以上も続いています。
《佃に白波、胸には校章、問題は…》
本題に入ります。
佃島小学校は昨年初めておそろいのTシャツを、ベルマークのポイントを使って作りました。当校ではそれまで、おそらく開校以来(ちなみに来年130周年になりますが)、おそろいのTシャツがありませんでした。新年早々に毎年行われる羽根つき大会とか、5月の中央区わんぱく相撲大会など、区内16校が参加するイベントで当校1校だけがなく、いつも寂しい思いで観戦しておりました。
そういう私、ちょっと宣伝になってしまいますが、実は都内の豊洲と成田国際空港でTシャツを販売する店舗の運営を委託されている会社の代表を務めています。だからなおさら、もどかしい思いで見ておりました。
佃島小学校はいま生徒数630人ほどの区内最大の学校にもかかわらず、おそろいのTシャツがない。私の仕事が仕事ですし、PTA副会長という立場上からも、なかなか私自らTシャツ作成の話を切り出すことができなかったんです。
しかし、昨年の当校ベルマーク委員会担当役員から「中村副会長、ベルマークのポイントが結構たまっているので、Tシャツ作ったらどうでしょう」とお話をいただいた時には、「本当に良かったな」と思いました。そうとなったら、製作の実務担当は必然的に私になりました。
作成依頼先はベルマーク財団の協力会社のミズノさん。デザインは一昨年に先生方が運動会で着用するために作られたものにならい、佃に白波、胸には校章と決まりました。
問題は色でした。なにせ16校中最後発なので、他の学校さんと色がかぶってはややこしいし、目立たない。ということで、まずは他校のTシャツカラーをリサーチするところから始まりました。イベントの写真を分析したり、それでもわからない学校は他の役員がツテを頼って先方のPTA役員さんに聞いてみたりと大変でした。ついに、この、私がいま着ている紫にきまったんです。
決まってから思ったんですが、このTシャツを着て参加するのは羽根つきと相撲という和のイベントがメインです。逆に言えば、この紫しかなかったんじゃないかって言うぐらい、PTA皆さんの評判も上々でホッとしました。
デザインとベースのカラーが決まれば、あとは子どもたちに必要なサイズと枚数です。予算の関係もあったので、結果的に子ども90枚、大人30枚の計120枚をオーダーしました。せっかくの機会でもありましたし、ベルマーク財団さんは築地という目と鼻の先にあるので、注文書を持って財団さんに直接出向きました。こうしてでき上がってきたのが、このTシャツです。どうですか。
このTシャツを初めて着て参加した、区内915人の児童が熱戦を繰り広げたわんぱく相撲大会で、なんと7人もの児童が入賞しました。しかも
【優勝】
男子6年生 N川くん
女子2年生 K本さん
【準優勝】
女子4年生 A野さん
【第3位】
男子2年生 Y岡くん
女子2年生 I井さん
男子3年生 H林くん
女子4年生 K村さん
という立派な成績でした。
この一連のでき事を踏まえて考えたタイトルが、
<ベルマークTシャツ、作れて心もひとつ>でした。
《活動過程の人間関係が最も大事では》
話は変わりますが、当校の元PTA役員の方と先日ご一緒する機会があり、4年間のPTA副会長職の労をねぎらう言葉をいただきました。その時にたまたまベルマークの話になりました。実はその方、ベルマーク活動にやや否定的なご意見をお持ちだったんです。
「中村さん、ベルマークって必要ですか? ただでさえPTA役員や委員会メンバーになる保護者の方が減っているので、まずは作業量の負担が結構あるベルマーク活動をやめるという選択はないんでしょうかと」と問われました。
私はこう答えました。
「そうですね……。ベルマーク活動って1960年にスタートしているものすごく古い活動ですよね(実は私の生まれた年でもあるんです)。確かに数人の方から同じようなご意見いただいたこともありますし、人によってはその分、お金を寄付しますから辞退しますとかおっしゃる方もいますよね。忙しい時代ですから、効率化は工夫しないといけないと思います」
「でも私は、ベルマーク活動はポイントを獲得して何かを購入するのが目的じゃないと理解しているんです。ポイントを獲得して何かを購入するのは手段であって、一番の目的は、PTA全体がそうですが、その活動の過程において保護者同士が意見を出し合い、触れ合い、助け合う。そのことによって形成される人間関係が最も大事であり、すべての活動の目的になっているんじゃないでしょうか」と。
冒頭に申し上げたように、佃・月島エリアはタワーマンションの街です。タワー1棟で低いものでも30階、高いものだと60階近い建物です。世帯数で計算すると、1棟当たり小さいものでも250世帯、大きいところだとなんと1400世帯というすさまじい数です。狭い土地に建っているわけですから、戸建てで考えるとものすごい人口密度になります。
しかし、そのコミュニティは、その密度に全く比例していません。むしろ反比例しているとさえ思われます。私もタワーマンションの住人ですので、ひしひしと感じています。もちろん、お父さんもお母さんもお仕事されていて忙しい方が非常に多いというのも事実ですが、マンションは高くなればなるほどコミュニティができづらくなり、人間関係が希薄になっていくんだなと思います。山が高ければ高いほど酸素が希薄になるように、人間関係も希薄になるということでしょうか。
だからこそ、せめて小学生がいるご家庭が子どもと学校のために行うベルマークやPTAの活動を通じて、人間関係を形成しコミュニティを作ることが大事だと思うんです。
今後起こりうる震災などを考えますと、なおさらその必要性を感じます。
きのう、日米通算4257安打を達成したイチロー選手の言葉が紹介され、改めて心に響きました。
一つは「小さいことの積み重ねが成功への唯一の道だ」。
もう一つは「準備というのは、できない言い訳の材料となり得るものを排除していく。そのために考え得るすべてのことをこなしていくことだ」。
この言葉を胸に、今後も佃島小学校のベルマーク活動とPTA活動を側面的ではありますが、サポートしていきたいと思っています。
最後になりますが、このような機会を設けていただいたベルマーク財団さん、Tシャツ製作でお世話になったミズノさん、羽根つきとわんぱく相撲で頑張った子どもたちと、そのサポートをしてくださった保護者の方々、そして私を支えてくださった会長はじめ元PTA役員と常置委員のメンバー、佃島小学校にかかわるすべての方にお礼を申し上げたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。
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(パワーポイントを使って説明)
=東京都港区東新橋1丁目のヤクルトホール