ベルマーク運動説明会 5月17日(火)津


(2016/05/20)印刷する

伊勢市立小俣小学校

発表した伊勢市立小俣小学校の深田一郎さん(右)とPTAの方々

伝統とは、常に新しい考え方や知恵の積み重ね

 

ご挨拶

 私は伊勢市立小俣小学校PTAを代表して参りました深田と申します。本校ではPTA活動の一環として、ベルマーク活動を担当する専門部である教育設備委員会を設けています。

 平成26年度に教育設備委員長となり、昨年度は副会長・父として教育設備委員会の活動をサポートしました。今回は昨年の秋に累積点数が1,200万点を超えたことでベルマーク財団から取材を受け、日々の活動成果を発表して欲しいとの依頼がありました。現在の委員長である田畑さん、そして前年度委員長である林さんとともに本校の活動を皆様にご報告しに参りました。どうぞよろしくお願いいたします。

 

小俣町について

 本題に入る前に、わが町・小俣について簡単に説明させていただきます。

 小俣は伊勢神宮の外宮の祓川とされる宮川の西岸に位置しています。伊勢神宮の外宮に属する摂社である「小俣神社」が旧市街にすでにご鎮座していたことが、今から1,200年前の記録に残されており、現在も鎮守の杜が維持されています。元は宮川とその支流との小さな川俣を意味する「おまた」から、現在に通じる「おばた」の地名がすでに表れていたことがわかります。

 小俣には伊勢神宮に奉仕する斎王や天皇からの使者である勅使がお籠もりをする場所として設けた離宮院が置かれていました。その後も江戸時代にはお伊勢参りの最後の宿場町として大いに栄えたと伝えられています。宮川に橋が架けられた明治以後は産業の中心が農業でありましたが、鉄道が敷設され紡績工場が早くから設置されるなど工業の町としても近代的に発展しました。

 

小俣小学校について

 本校は明治6年に創立されました。三重県下でも比較的早いことからも町の規模を伺うことができます。平成17年に周辺四市町村が合併して新制の伊勢市となり、現在では新興住宅地として開発が進められています。そのため小俣小学校の児童数は751名と南勢地区最大の規模となっています。「自らの可能性を拓く子どもの育成」を学校教育目標に掲げながら、「自主的に学ぶ子ども」「認め合い高め合う子ども」「心も体も健康な子ども」を教職員や地域の方々とともに育んでいけるよう努めています。本年度は「基礎・基本の力を身に付け、どんなことにもチャレンジする姿」を努力目標に掲げています。

 

ベルマーク活動について

 ここで全体の役割分担を一覧にしてありますので、こちらをご覧いただきながら説明をしていきたいと思います。ベルマーク活動は皆様と同じように大きく4つに分類することができます。「収集」「分別」「計算」「発送」です。

 まず「収集」は毎月1回1家庭に1袋のベルマーク袋が配られます。各家庭では日々こつこつと貯めているベルマークはこの袋に入れて学校で回収します。インクカートリッジやテトラパックは専用の回収容器が校舎内に設置されていますので、必要に応じて持参してもらっています。学校給食で提供される牛乳はテトラパックの製品を納入してもらっています。給食時には各教室にバケツを用意して、子供たちはパックを手際よく開いて水ですすいだ後、乾かして集めています。これらは月に1回、地元の古紙回収業者に収集と計量をお願いしており、発行された証明書をもとにベルマークの点数へと変換しています。

 地域の方々には市の庁舎や図書館などの公共施設、利用者が多い郵便局やスーパーなどにベルマーク箱を設置しており、地域の方々の善意ができる限り多く集められています。

 「分別」はベルマーク委員に選ばれた5年生・6年生の児童から、担当教諭の指導の下で行っています。体育館に併設されている卓球室が集積場所であり、作業場所でもありますが、休み時間になると自然と児童たちが集まり、ああでも、ないこうでもない、と楽しそうに仕分けをしています。ただ森永と明治、ロッテのガムとアイスを時々間違えてしまうのは「ご愛嬌」と言えるでしょうか。

 「集計」は最初にご紹介したPTA活動の専門部である教育設備委員会が行っています。委員長を中心に役員数名が副委員長としてサポートします。また1~6年生の各クラスから選ばれたクラス役員から担当者が決められ、委員会は総勢54名で構成しています。活動は年間で合計8回、全員が顔を揃える委員会が2回と、原則的に午前と午後のいずれか都合のよい時間に参加していただいています。各自、計算機とハサミを持参していただき、ベルマークを切りそろえたり、点数ごとにイチゴパックに分けて分担しながら点数計算をしたりします。作業時間は1時間30分ほどです。皆さん和気あいあいと作業されます。

 「発送」は委員長が責任を持って行います。点数計算に大きな間違いがあっては財団に迷惑がかかると考え、プレッシャーを感じて正直、負担となることもありますが、一人一人の積み重ねが大きな数字として出てくると喜びもひとしおです。

 新1年生の保護者には、毎年修学旅行の時期を見越して行なわれる親子給食の日を利用し、学年奉仕作業の一環として普段は教育設備委員が行っている分別・集計作業を体験していただいています。入学前にはほとんど意識することがないと思われるベルマーク活動を知っていただくこと、本校の伝統と参加することの意義を理解していただくことが目的となっています。

 昨年度は289,832点を集めることができました。集計した点数を元に生徒と教員で相談し、卓球台と逆上がり練習台、ボールカゴを購入しました。

 

活動の課題

 現在PTA活動のあり方がわが国の社会問題になりつつあります。本校ではこれまで大きなトラブルにはなっていませんが、ベルマーク活動では少なからず影響がありました。活動日当日に参加できなくなった委員の方々には「宿題」と称して各家庭で作業を行っていただくよう委員長が手配するのですが、ある時にまとまった人数が休んでしまったことがあり、休みの電話を受けることや宿題を作ることが委員長の大きな負担となってしまいました。

 確かにPTAへの参加は任意であり、ベルマーク活動も奉仕の気持ちで成り立っています。ひとたびバランスが崩れると活動が止まってしまいます。これはPTAの存続にも関わる大きな問題として現役員と新役員が揃って議論し、解決の道を探りました。具体的な方法はこの場では申し上げることができませんが、一人で抱えないで、同じ問題をみんなで共有することができました。刻々と変化する社会状況に応じて、これまでの方法を速やかに変えることは容易ではありません。児童数が多いということは、それだけ保護者の多様な価値観が存在します。多くの知恵を出して新たな方法を見つけることが大切だと感じました。

 一方で良かったこともあります。伊勢市は合併後に2つの市立図書館が併設されています。地元の小俣図書館は本校のベルマーク活動の開始とともに、ベルマーク箱を設置して市民の皆様の協力をいただいてきました。旧伊勢市の中心地に近い伊勢図書館では市内の学校が活動を止めて以来、設置されていなかったようです。3年前に市民からベルマーク箱を設置してはどうか、との要望を受け、市内の学校に提案がありました。本校では回収見込みがない箱の撤収を検討していた折でしたので、活動の維持と、何とかお気持ちに応えたいと思い、PTAの役員会議に諮って了承を得ました。ですが設置には「担当者がみずから回収してほしい」との条件がありました。地理的には離れた場所で、今後の維持ができるか、そもそも採用していただけるのかが心配でした。ですが、伊勢図書館は本校の箱を設置していただけることとなり、回収したベルマークも市教育委員会のネットワークを使って本校に送っていただけることになりました。ベルマークに関わる人々の善意と智恵で実現した大きな前進だったと思います。

 

終わりに

 累計1,200万点はとても貴い数字です。先輩たちの積み重ねの成果であり、すでに本校の伝統となっているベルマーク活動が今後も安定的に続けられることをOBの一人としても期待しています。伝統とは古い時代のコピーを続けることではありません。「変えてはいけないこと」と「変えなければいけないこと」をバランスよく保ち、常に新しい考え方や知恵を積み重ねてきた営みが伝統であると考えています。2年間の活動を通じて思ったことは、一人一人の小さな積み重ねが大きな力に繋がるということでした。それがまさに変えてはいけないベルマーク活動の「本質」なのだろうと思います。

 

 以上で小俣小学校からの報告を終わります。長い時間ご清聴ありがとうございました。

 

*画像をクリックすると、PDFでご覧になれます。

 

(パワーポイントを使って説明)

=三重県教育文化会館 2階第3ホール

ベルマーク商品

こどもがよろこぶ・かるい学習帳B5連絡帳14行

ベルマーク検収

今週の作業日:4/30~5/2
2/20までの受付分を作業中