ジャズミュージシャンがベルマークで小学校にドラムセット寄贈/千葉県柏市


(2020/01/29)印刷する

 千葉県柏市に生まれ育ち、今も市内を中心に活動中のジャズミュージシャンが、10年かけてベルマークを集め、地元の小学校にドラムセットを贈りました。

ドラムセットと一緒にみんなで「イェーイ!」

 このミュージシャンはテナーサックス奏者の尾崎朝子(ともこ)さん。寄贈先は、柏市立酒井根東小学校(樫村雅子校長、児童495人)です。

尾崎朝子さん

 柏市は吹奏楽が盛んです。尾崎さんも小学校で吹奏楽部に入り、5年生の時にテナーサックスを始めました。市立柏高校の吹奏楽部にいたときは、マーチングバンド世界大会で優勝したことも。その後、洗足学園音楽大学に進み、ジャズを専攻しました。学生時代に小学校でジャズを教えた際、リコーダーや鍵盤ハーモニカに興味のない子どもでも、打楽器のドラムに対しては目を輝かせてたたいていたことが印象的だったそうです。

 大学卒業後は柏市に戻り、2009年にバンド「Moring Child」を結成。同時に、学生時代から抱いていた「ドラムをきっかけに、子どもたちに音楽の楽しさや面白さを伝えたい」との思いを実現したいと考えました。お母さんがずっとベルマークを集め続けていたこともあり、ベルマークを使うことを着想。市内の生涯学習施設「さわやかちば県民プラザ」内にある県体験活動ボランティア活動支援センターに「マークを集めてドラムセットを購入し、小学校へ贈る活動がしたい」と相談しました。これを受けてセンターも活動に協力、集めたマークは県民プラザで点数を集約することになりました。

 回収箱は県民プラザのほか、市内のコーヒー店、隣市の音楽教室などにも置きました。尾崎さんはこの活動を「音を育むベルマーク運動」と名付け、バンドのライブ告知のチラシにも趣旨を掲載。演奏を聴きに来たファンからも、ベルマークやインクカートリッジが寄せられるようになりました。集まったマークの仕分け・集計は尾崎さんが担いました。

 尾崎さんはバンドに加えて個人としての演奏活動や小中学生へのレッスンもあり、多忙でしたが、活動を止めようとは思わなかったそうです。県民プラザもホームページで活動を知らせるほか、高校生ボランティアに夏休みに仕分け・集計を手伝ってもらうなどの協力を続けました。

寄贈されたドラムセット

 そして昨年、貯まったベルマークは15万9194点に達し、ついにドラムセットが買えるようになりました。尾崎さんは寄贈先を決めるため、市内の学校に「応募用紙」を送り、希望校にドラムセットの活用方法などを記入してもらいました。子どもたちが気軽に楽器に触れ、言葉以外にも自分を表現する喜びや、興味を持てる楽器で仲間と音楽を共有できる楽しさや面白さを提供することが大事だと考える尾崎さんは、そうした方向を目指す先生のいる学校に、ドラムセットを贈りたいと考えたからです。

 応募があったのは6校。抽選で酒井根東小への寄贈が決まりました。吹奏楽部が小学生のコンクールでは最高峰の東日本学校吹奏楽大会で2018、19年度に金賞を連続受賞するなどの成績を収めている名門校です。音楽専科教諭で吹奏楽部顧問の戸塚千穂先生によれば、学校にあるドラムセットは古くて壊れている部分もあったため、「なんて素晴らしい企画」と応募にすぐ反応しました。子どもたちが新しいドラムで思いきり演奏できるようにしたい、授業を通してドラムに多く触れる機会を作りたい……。応募用紙に、戸塚先生は思いのたけをびっしりと綴ったそうです。

贈呈式で挨拶する尾崎さん

 1月20日、酒井根東小の音楽室で贈呈式がありました。4年から6年までの67人が所属する吹奏楽部が集合。真新しいドラムセットと対面しました。椅子やペダル、スタンド1脚は、尾崎さんがマーク回収と一緒に行っている不要楽器回収の中から揃えました。

 式では、尾崎さんが「子どもたちが音楽に触れる機会を、という思いがようやく10年たって形になりました」と挨拶。尾崎さんのバンド「Moring Child」のドラマー、木下晋之介さんが力強い演奏を披露しました。その後、戸塚先生が「たたきたい人!」と呼びかけると、子どもたちのほぼ全員が手を挙げました。児童を代表して、パーカッションのパートリーダー、平川結和(ゆな)さん(6年)が「今日は私たちのためにドラムを届けて下さりありがとうございます。これから楽しんでドラム練習をして、大切にしていきたいと思います」とお礼の言葉を述べました。

木下晋之介さんによるドラム演奏
ドラムセットと記念撮影

 式に続いて木下さんのレッスンが始まりました。子どもたちが交代で指導を受けます。椅子の座り方、シンバルのたたき方、ペダルの踏み方、スティックの持ち方……。木下さんの的確なアドバイスで、音の鳴りがより大きく、クリアになっていきます。「イェーイ!」「ナイス!」。尾崎さんと木下さんは、演奏が上達するたびに声をあげ、手拍子を送ります。最初は緊張気味だった子どもたちですが、次第に笑顔がこぼれるようになりました。

 パーカッションパートの子どもたちへの特別講習もありました。音を連続で鳴らす「ドラムロール」では、みな手にスティックを持ち、中には自分の番でなくても床をたたきながらリズム音を確かめる子もいました。レッスンの最後に木下さんは「僕は、小学校の音楽の授業でドラムを触った時の感動が忘れられず、ドラマーになりました」と明かし、子どもたちから「おー!」という声が上がりました。

贈呈式後のドラムレッスン
みな真剣な表情で取り組みます

ペダルの踏み方にみんなで注目

 パーカッションパートの6年生にレッスンの感想を聞きました。平川さんは「たたいている感じが気持ちよかった。先生の迫力がすごくて、真似しようと思ってやったらうまくできるようになりました」、三日尻有沙さんは「新しいドラムはやりやすかった。他の曲もやってみたい」、ドラム演奏は初めてという長岡瑞姫さんは「今日できると聞いてワクワクした。両手と足の3つの動作は意外と難しかった」と話してくれました。

 戸塚先生は「楽しいことから始めるのが大事だと、勉強になりました。これをきっかけに子どもたちに浸透させていきたいです」と抱負を述べました。見学していた樫村校長は「子どもたちが臆することなく自分の気持ちを出していて嬉しくなりました。子どもがドラムを教えていただいただけで変わり、お互いが認め合っていました。品物だけでなく、夢をいただきました」と感謝を語りました。

ドラムロールの練習中

 贈呈式の後、尾崎さんは「子どもたちの目の輝きや、体を揺らして音楽を共有できる瞬間が嬉しかったです。10年は長かったですが、周りの人たちが根気よくサポートして下さいました」と話しました。今後も尾崎さんは、演奏活動の中で子どもたちが楽器に触れる機会を増やしていきたいとしています。

 県民プラザは現在、改修工事のため休館中。7月中旬に再開する予定で、その後もベルマークの収集を続け、子どもたちの支援のために役立てていくそうです。

尾崎さん、木下さんと一緒に、左から樫村雅子校長、戸塚千穂先生

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ベルマーク検収

今週の作業日:2/17~2/21
12/17までの受付分を作業中

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