一緒に悩みを解決しよう・尾木直樹さんのオーサービジット/埼玉県三郷市立新和小


(2020/01/09)印刷する

 「尾木ママ~、どうぞ~!」「はーい、どうも~」

 12月16日、埼玉県三郷市の市立新和小学校(小河純校長・児童1082人)の体育館に、教育評論家の尾木直樹さんが登場しました。本の作者(オーサー)が学校で特別授業をする朝日新聞の人気企画「オーサー・ビジット」のベルマーク版。待っていたのは5・6年生320人と、保護者ら約200人です。

 尾木さんはまず、どうして「尾木ママ」と呼ばれるようになったのかに言及。「僕ね、本当はママじゃないの。私、男の人よ~」。体育館に笑い声が響きます。名付け主はテレビ番組で共演している明石家さんまさんだそう。「他の先生のテロップは白い文字なのに、私だけピンクの文字なのよ~。しかも最後にハートの赤いマークがついてるの!」。優しい口調で話す声を聞くと、「ママ」と名付けられたことに思わず納得してしまいます。

盛大な拍手を浴びながら、尾木直樹さんが登場

 尾木さんは事前に児童にアンケートをしました。何をしている時が一番楽しいか、将来の夢、宝物、抱えている悩みについて……。中でも尾木さんが特に着目したのは「悩み」でした。49人が悩みについて書いていましたが、その内容は大きく分けて「勉強」「友達とのトラブル」「自分の性格」の3つだったといいます。

真剣に耳を傾ける子どもたち

 「勉強しろと言われると、やる気がなくなるのはなぜですか」という回答をとりあげ、尾木さんが「そんなふうに思う人は手を上げて」と問うと、児童のほぼ全員が手を上げました。中学、高校、大学で44年間教壇に立ってきた尾木さんは、たくさんの子どもと接する中で「勉強できる子って、不思議と親から言われる前に自分から勉強している」と感じたそうです。

 「教育の大きな目標は『自立』。『自律』と考えてもいいわね」。ホワイトボードに2つの熟語を書き込みます。「『自立』は、だんだん大人になっていく証拠。自立しようと思い始めるのは5・6月年生ぐらいからなの」。大きく背が伸びたり、声変わりしたりと、この時期に急に成長するのは、成長ホルモンや性ホルモンの影響を受けるから。こうしたホルモンがたくさん分泌されると脳が刺激され、自分の体をコントロールするのが難しくなったり、脳の中の感情を爆発させる部分がエネルギーを持ったりするそうです。でも感情をコントロールする力はまだ発達途上。「友達や部活、家族のことで、いろんな悩みがぐちゃぐちゃになってしまう。それが思春期のいらつきなの」

尾木さんが質問をすると、児童が元気よく手を上げた
子どもたちの意見を聞きながら、話を進めていく
保護者にも話しかけにいった

 ただ、必要以上に心配しなくていいようです。なぜならそれは「みんなが悩み、葛藤してきた」ことだから。有り余るエネルギーの使い方について尾木さんは「詩や小説を書いたり、哲学書を読んだり、スポーツに打ち込んだりして発散してもいいわね」とアドバイスしました。「正常な発達の段階だから、自分を責めないこと」が大切です。

 尾木さんの話は多岐にわたりましたが、その中でも、どうしても伝えたいことがありました。それは「スマホの使い方」について。事前アンケートでは「パソコンやゲームが好きすぎて朝早くからしてしまうから、学校で眠い。どうしたらやめることが出来るか」「ゲームの時間は平日30分、休日1時間と言われるが、どのくらいがいいか」など、スマホで手軽にゲームができる時代を反映した回答もありました。尾木さんによると、ゲーム依存は「病気」であり、それを防ぐため、アメリカや韓国では国がルールを定めているそうです。日本では、中高生93万人がインターネット依存の疑いがある、という調査結果があるのに、国はルールを定めておらず、尾木さんは危機感を持っています。そして、保護者に対して「使い方次第で、スマホで自分の子の頭がバカになる」と話し、ルールを決める必要性を強く訴えました。

「いきいき生きる」

 さらに尾木さんは、ある学校の事例を披露しました。岩手県釜石市の市立釜石小学校は、東日本大震災で一人も死者が出なかった学校です。「みんなバラバラの場所にいたけれど、それぞれが自らの判断で裏山へ逃げた」そうです。どこが他の学校と違うのか。その秘密は校歌にありました。作家の井上ひさしさんが作った詞を尾木さんは読み上げました。

 いきいき生きるいきいき生きる ひとりで立ってまっすぐ生きる

 困ったときは目をあげて 星を目あてにまっすぐ生きる

 息あるうちはいきいき生きる

 尾木さんは「この校歌が子どもたちの自立に通じている」と考えたそうです。釜石小の子どもたちは、震災が発生したとき、とっさに自分で判断して避難しました。

 とはいえ、思ったことをすぐ実行に移せないのが人間。そんなときは「両親や先生などから自分が愛されているという『自己肯定感』が大切」だと話します。

 そこで大事なのが「リフレーミング」。尾木さんは「落ち着かない元気な子は活動的な子、先生に当てられても声が小さい子は慎重に考える子、と見方を変えること」だと説明します。これは学校でのいじめ問題の解決のコツでもあります。人それぞれが持つ個性を排除しないことが「ジグソーパズルのように組み合わさる楽しいクラス作り」につながる、というわけです。

児童代表が感謝の気持ちを伝えた

 約1時間半、尾木さんは語り続けました。児童を代表して5年生の清水そらさんが花束を渡し、6年生の高田志帆さんが「お母さんから宿題をやるよう言われる話に共感しました。将来スマホを持った時はゲーム依存にならないようにします。今日教えてもらったことを学校生活に生かせるようにしたいです」とお礼の言葉を伝えました。

児童と先生、保護者、尾木さんで記念撮影
講演終了後も尾木さんは児童に語りかけていた
保護者が作った手のアーチをくぐって退場
新和小のみなさんにサインをかく


小河校長と一緒に。黒板の似顔絵は、絵が得意な職員が2時間かけて描いたそう
たくさんの児童がお見送りをした
「尾木ママ~、ありがとうございました!」

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