数字をつくって写真に撮ろう/長崎県南島原市の慈恩寺小学校で「アート教室」


(2015/11/25)印刷する

 学校創立からの年数「141」と児童数「24」までの数を探して、カメラに収めてみよう――ベルマーク財団の教育支援事業「アート教室」が、長崎県の雲仙・普賢岳のふもとにある南島原市立慈恩寺小学校(中村清法校長)で、11月17日に開かれました。絵を描いたり造形したりする活動とは少し違って、こちらは周囲をしっかり観察する「気付きと創造」がテーマのアート教室で、ベルマークでは初登場です。同校は来春、統合のため141年の歴史に幕を下ろします。児童たちはデジタルカメラを手に校内をくまなく探検し、友だちや慣れ親しんだ用具を使って数字を表現しながら、1枚1枚にたくさんの思い出を詰め込みました。

 体育館に集まった児童たちは、低学年から高学年までの縦割りの6班に分かれ、各班に1台ずつデジタルカメラが渡されました。講師は、わいわいと大勢で楽しみながら作品を作っていくユニークなアート活動を進めている多摩美術大学OBの美術家、飯田紀子さんと塩川岳さんです。

(左上から時計回り)「目的の数字あったよ」「写真につけるコメントを考えよう」「発表する写真とコメントを講師に連絡」「カメラの操作は先生が担当」「シリーズの本にはナンバーがあるよ」「準備室の地球儀の横に立ってパチリ」

 テーマについて飯田さんが「身のまわりにあるモノを使って数を表します。テーマの数は1~24、それと141です」と発表すると「慈恩寺小学校全員の数だ」「学校ができてからの年」と児童たちからすぐに答えが返ってきました。

 飯田さんは「できるだけ慈恩寺小学校にしかないものを探そう」「数字だけでなく、モノの数や、数字とモノを組み合わせて表すこともできます」と、路上でえさをついばむ6羽のハトなどをスクリーンに映しながらルールを説明しました。

 この後、児童たちは4個ずつに割り振られた24までの数字と、共通テーマの141の計5個の数字が記されたカードを選び、早速、体育館や校舎内を先生といっしょに探し始めました。教室や音楽室、図書室、資料室なども回り、カードに書かれている数を探します。撮影は約40分。児童たちが次々と体育館に戻って来ました。

 撮影された写真はコピー用紙にプリントして、与えられた5個の数字の発表する作品を選びました。自分たちで班名も決めました。

(左上から時計回り)「『1』に選ばれたのは児童たちを見守り続ける体育館脇のイチョウの木」「机の数も…」「音楽室のイスは…」「ハンドベル20本並べて」「工作用の道具に輪ゴムを止めて」

 「1」を引き当てていた「どんぐりチーム」からの発表です。スクリーンには、校庭に立つ1本の木が映し出されました。グループのメンバーの1人が立ち上がって「1本しかない貴重なイチョウの木です」と紹介しました。

 「音楽室のハンドベル20本。きれいな音が出ました」。机の端にマジックで4と書かれた机番号の左側に人差し指を添えて「14」と表現したり、工作用ボードにピン止めした輪ゴムで「16」を形作ったりするなど、それぞれ工夫を凝らしながら撮影した写真を説明していきました。

 発表のたびに飯田さんが短いコメントを添え、「141」を人文字で表した写真は「表情がとっても良い」とほめられました。

 最後に児童を代表して4年生の田中友規君が「数を見つけて写していくのは、とても楽しかったです。よい思い出ができました。あと5カ月間、みんなで仲良くしていきたいと思います」とお礼の言葉を述べました。

 飯田さんからは「見慣れた光景もちょっと視点を変えてみると、面白い発見ができます。みんなで、いろんな遊び方を見つけてくださいね」とアドバイスがありました。

 中村校長は「児童も先生も汗をかくほど、一生懸命に探していました。数を表現する児童たちの工夫は、想像以上のものでした。とても楽しい授業でした」と話していました。これらの力作は後日、フォトブックにして児童たちに贈られる予定です。

人文字で創立年数を表す児童たち
飯田、塩川両講師(前列中央)を囲み、創立年数141を指で表現してアート教室が終了しました

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