東京・女子聖学院中高が「絵本を届ける運動」に初参加/ベルマーク委員がラオ語のシール貼り


(2015/10/27)印刷する

 東京都北区にある私立の中高一貫ミッションスクール、女子聖学院中学高等学校(田部井道子校長、895人)のベルマーク委員が10月9日、ベルマーク財団が行う「教育応援隊」のボランティア活動の「絵本を届ける運動」に初めて取り組みました。

 この運動は、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会が東南アジアを中心に、子どもの絵本が足りない国や地域へ、日本語の絵本の文字部分に現地語の翻訳シールを貼って届けるものです。1999年に始まり、これまでにカンボジアやラオス、ミャンマー難民キャンプなどに約24万冊を送ってきました。

 ベルマーク財団も2000年から支援を続け、今年度はこの運動に参加登録をした20校に対し、絵本セットの費用を全額補助しました。

 女子聖学院中学高等学校がこの運動に参加したのは初めてです。社会科の泉諭先生が「キリスト教教育の学校にふさわしい運動であり、他の国に興味を持つきっかけになれば」と応募したそうです。

中学高等学校あわせて40人のベルマーク委員が取り組みました

 この日の終礼後、中学1年から高校2年まで各クラス2人のベルマーク委員40人が会議室に集まりました。用意されたのは『はらぺこあおむし』『ふしぎなたけのこ』など五つのタイトルの絵本と、ラオスの公用語ラオ語のシールです。

 「線の内側に沿って切り取り、貼るときは日本語がはみ出ないように」「慌てなくていいから、間違えないように」。泉先生の説明のあと、クラスごと2人に1冊の絵本が配られると作業に取り掛かりました。

 みな、ラオ語を見るのは初めてです。「これが文字?」「記号みたい」と不思議そう。切る人と貼る人を分担した組、半分ずつ交代した組、切るのが得意な人、貼るのが上手な人。貼る位置を間違えないように、1ページずつ順番に切り取って貼っていきます。

日本語がはみ出ないようにラオ語のシールを貼っていきます

 慎重に、でも楽しそうに、黙々と作業を進めました。「最初は難しかったけど、何度かやると慣れてきた」そうで、「最初に切った表紙が一番下手かも」と笑う生徒も。最後に、日本語との対照表を参考にして、自分の名前をラオ語でサインをしたら、ラオ語の絵本の完成です。

 1時間足らずで全員が終了しました。「字の向きが分からないので、上下逆さまに貼ってしまわないように気をつけました」「ラオスの人が自分の名前を読むなんて不思議な感じです」。出来上がった本を優しくなでながら、繰り返しページをめくる姿が印象的でした。

丁寧に切り取って、慎重に貼り付けて……

   中1の三瓶美晴(さんぺい・みはる)さんは、細長い切れ端がたくさんたまるくらい丁寧に細かくシールを切り取りました。貼る係をした桜井理翔(あやか)さんは、普段よく弟と本を読み、クリスマスには家族で本を楽しむそうです。2人とも「楽しかった。またやりたいです。ラオスのたくさんの子どもたちが読んでくれると嬉しい」と話していました。

 女子聖学院中学高等学校は今年創立110年を迎えました。キリスト教の教えを土台として毎朝礼拝を行っています。ベルマーク運動への参加は1961年からです。毎月1回、ベルマーク委員が各クラスのマークを収集し、PTAの施設厚生部員が仕分け集計をしています。

 これまでに集めたマークの総累計点数は590万点余り。掛時計やキーボード、校名入りのテントなどを購入しています。ベルマーク財団が全国各地で毎年開催するベルマーク運動説明会では、2013年に都内の会場で、同校のベルマーク活動を体験発表しました。

ラオ語の絵本が完成しました

ベルマーク商品

ニッケル水素充電池、充電器セット

ベルマーク検収

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